緑豊かなボヘミア平原に眠る古都、チェスキー・クルムロフ。世界遺産にも登録されている。
実はオーストリア国境からたったの25キロしか離れていない。チェコの首都プラハより隣国のが近いのだ。
ブルタヴァ河に初夏の陽光がまぶしく輝いていた。この河はプラハまで続いている。
チェスキー・クルムロフはブルタヴァ河に「孕まれた」ような街だ。大水害に襲われたときは、河が街をショートカットするように流れ込んできてしまい、軒下まで浸かってしまった建物もあった。クルムロフを訪れたのはその大水害の翌年だが、きれいに修復されていた。
ブルタヴァ河はドイツ語で「モルダウ」。そう、スメタナの「わが祖国」に歌われている河だ。チェコの国民的作曲家の作品であることを考えると、日本でもあの曲は「モルダウ」ではなく「ブルタヴァ」に変更すべきだろう。英語圏では、すでに「ブルタヴァ」になっている。
問題は歌詞かな。「ボヘミアの川よ モルダウよ 過ぎし日のごと 今もなお水清く青き モルダウよ」という訳詞があまりに流麗で美しく、定着しきってしまっているので、これが、「ボヘミアの川よ ブルタヴァよ 過ぎし日のごと 今もなお水清く青き ブルタヴァよ」になると、なんだか日本語では語感が悪い気がする。
チェコの地名は、ほんっとに憶えにくい。「去年マリエンバートで」という往年の名作があるが、マリエンバートはドイツ語で、チェコ語ではマリアンスケー・ラーズニエだ。全然憶えられないって!(笑)