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<きのうから続く>
これがうまく機能するかは未知数だが、少なくとも、橋本会長はソチに向けて選手強化をするためには、連盟と現場が緊密に連携しあう必要性を痛感しているのだろう。日本人同士がお互いに不信感を持ち合うのが一番いけない。 「日本人は1人1人は蟻。だが団結すれば龍になる」と言ったのは中国人だが、現状のフィギュア界は優秀な人材、実績をもつ有力者が、互いに背を向け合っている。韓国はどこまでも一枚岩だった。国、スポンサー企業、コーチ陣、そしてメディアまでもが一体だったと言っていい。そこまでやるのがいいか悪いかはまた別問題だ。だがその違いが、バンクーバーオリンピックでの選手のパフォーマンスの違いにつながったのだ。 責任転嫁もやめていただきたい。「点が出ないのはタラソワと浅田真央の相性が悪いせい」「モロゾフは自分勝手」などという子どもじみた批判を出入りのライターに書かせるなどもってのほか。この2人はロシアがフィギュア王国だった時代の大きな遺産を日本人選手に伝えてくれた功労者だ。たとえ言葉や考え方が違っても、敬意を持って率直に話し合えばかならず理解しあえるはずだ。メンツにこだわったり、言うべきことを遠慮して言わなかったりするから溝ができる。「オリンピックで結果を出す」という目的は同じなのだから協力できるはずだ。 フィギュアではソチへ向けての連盟の責務ははっきりしている。「日本人選手に不利なルールを作らせないこと」だ。今回の改正より、2年後に策定される(であろう)「ソチ仕様ルール」のほうがより重要な意味をもつ。きれいごとに逃げるのではなく、この現実的な目的に向かって、関係者が一丸となって努力してほしい。 タラソワは、「日本のスケート連盟はメディアに左右されている」と言ったが、日本のメディアのキム・ヨナ選手に対する報道や扱いなどは、首を傾げること多々だ。キム選手は確かに素晴らしい選手だが、自国の素晴らしい選手を差し置いて、なぜああもプロモーションまがいのことをし、ことさらキム選手が浅田選手より優れているかのような報道を繰り返すのか。 人気があるから? だが、それを言ったらウィアー選手やランビエール選手だって人気がある。もしかしたら高橋選手以上かもしれない。 たとえば、浅田選手に失礼な報道を繰り返すことでファンの顰蹙を買っているフジテレビの日枝会長は、2010年2月25日にキム・ヨナが在籍する高麗大学から名誉経営学博士号を授与されている(こちら)。 高麗大学は25日、日本のフジ・メディア・ホールディングスの日枝久代表取締役会長に名誉経営学博士号を授与した。 バンクーバーオリンピックの女子シングルに合わせたかのようなタイミングだ。会長にこういう栄誉を与えられれば、同じ大学(苦笑)の学生でもある選手の採点に対して、たとえそれが常軌を逸した銀河点だったとしても、批判的な報道はしにくくなるだろう。もっとももともと日本人は、どんな競技でも審判に対しては異様に寛容だが。 もちろん文化交流は大いに結構だ。しかし、フジテレビに限らず、このところの韓国ドラマの数の多さには、別に韓国に反感はなくてもウンザリさせられる。際立って視聴率がいい(人気がある)ならまだわかる。だが、大々的に宣伝していたゴールデンタイムのドラマ「アイリス」でさえ、初回こそ10.1%だったが、現在では7%にのせるかどうか。この時間帯のドラマとしてはコケたと言っていい。 Mizumizuが好きで見ている「ゲゲゲの女房」は、日本人以外には受けない内容だろうが、初回は15.8%だったのがジワジワと人気が高まって、今は20%を超えている。 グローバル化する前の「昭和」の物語。どこまでもドメスティックだけれど、普遍的なテーマをもったドラマを日本の視聴者は歓迎しているのだ。ところがテレビ局のほうは、せっせと朝から昼から晩から、韓国ドラマの宣伝に精を出し、流し続けている。その時間帯に日本人によるドラマを作れば、日本人プロデューサーも、日本人脚本家も、日本人演出家も、日本人俳優も仕事ができるのではないか? 韓国ドラマが増えるということは、それだけ日本人によるドラマの数が減るということになる。すると日本人に与えられるチャンスも減るということだ。それも、自国において! 韓国は日本の「文化侵略」をどこよりも警戒している国だ。そういう国のドラマを喜んで宣伝し、放送してあげる。たいして視聴率がよくないにもかかわらず。日本人ファンの多くは浅田選手や安藤選手や鈴木選手の動向をもっと知りたいと思っているにもかかわらず、さかんにキム・ヨナの動向を放映してあげる。ときには、浅田選手とキム選手が個人的に仲がいいという「演出」までしようとする(こちらの動画。「(安藤・浅田・キムの)3人は友達か?」という質問に対して、実際には最初の映像のように浅田選手は何も答えていなかった(安藤選手が控えめに答えた)のに、ZEROという番組では、「そうです、イエス」と浅田選手がその質問に力強く答えているかのようにビデオを改竄して放送した(実際に答えていた安藤選手の映像はカット)。ZEROは後日、正式に謝罪。「これを単なる誤りとすることはできないと私は思う」と、村尾信尚キャスター)。まるでプロモーションだ。こういう嘘や番組の偏向に関して視聴者から抗議されると、慌てて釈明したり、謝罪したりする。 浅田選手に対する礼を欠いた番組例。イエーテボリワールドで優勝した浅田選手のインタビューで、転倒シーンを引き伸ばした写真パネルを用意。 http://www.youtube.com/watch?v=wE3d5wB4NFw&feature=related 抗議の声に対する「不機嫌な」言い訳例。ロスワールドでキム選手の表彰式はメダル授与から国旗掲揚まで延々と放送したにもかかわらず、翌年のトリノワールドの浅田選手の表彰式ではそれらをカットしたことに、多くの視聴者が憤った。 http://www.youtube.com/watch?v=nPKT0DznO7g 上にあげた動画はほんの一例だ。こういうメディアの報道に、「日本スケート連盟は左右されている」(タラソワ)のだ。 どういう目的があるか知らないが、過ぎたるは及ばざるが如し。ほどほどにしないと逆に日本人の嫌韓意識を不必要に高める結果になってしまうだろう。 Mizumizuは韓国のビビンバや焼肉が大好きで韓国人経営のビビンバ専門店や焼肉屋によく行くし、これまでで一番腕がいいと思った整体師は韓国人だし、韓国人ソプラノ歌手スミ・ジョーの大ファンだし、ポン・ジュノは才能のある映画人だと思っている。だが、このところのテレビの韓流ドラマの雪崩放送は、あまりに異様だ。韓国からわざわざドラマを買ってくるなら、もっと上質なものを選りすぐったらどうか。そのほうが韓国のイメージアップにつながるのではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.08.10 03:51:22
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