IM(IMG系)からIBに移るとき、IBから独立するとき、オーサーから離れるとき・・・立つときに必ず跡を濁すのがキム・ヨナなら、濁った水を一方的に関係のない国に向かってかけ続けるのが韓国メディアだ。
ネット上に以下のような記事が出た。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0828&f=national_0828_103.shtml
オーサー氏のメール公開で「真央コーチ提案説」が再び話題に-韓国
フィギュアのキム・ヨナ選手と元コーチオーサー氏の決別をめぐり、韓国では関連報道が後を絶たない。決別報道から2日後の26日には、4月にオーサー氏がキム・ヨナ選手にあてたメールの全文が公開され、「真央コーチ提案説」に再び関心が寄せられている。
「真央コーチ提案説」が流れたのは4月のことで、当時オーサー氏は「真央側からコーチの提案を受けたが断った」と発言。しかし、決別騒動最中の25日にオーサー氏はテレビで「コーチ提案はなかった」と自らの発言を撤回、韓国でも大きく報じられた。
そして、米シカゴトリビューンのスポーツ専門記者フィリップ氏が27日、オーサー氏のメール本文を自身のブログに公開し、再度話題となった。メールでオーサー氏は「Her agency did inquire about me (and team) working with her,I told them that you are my first priority(彼女のエージェントから問い合わせがあったが、私の優先はキム・ヨナだと答えた)」と書いており、25日の発言とは相反している。
多数の韓国のメディアはメールのキャプチャー写真とともに続々と内容を紹介した。中には「他選手のコーチ提案説で5月から仲がこじれていたとするAT SPORTSの主張に確実な証拠提供となった」と報じるメディアも見られる。
一方、決別の理由についてはキム・ヨナ選手側も明言を避けている状態で、憶測だけが飛び交う雰囲気だ。そんな中、韓国では2人が決別した決定的な理由は「IMGコネクションのせいだ」とする憶測記事も登場。
記事は、5月にIMGと契約したオーサー氏が日本のジュニア選手数人を指導することになり、日本のフィギュア関係者が練習場に多く出入りする練習環境の変化で、二人の決別に影響したとの見方があると指摘。ただ、AT SPORTSはオーサー氏の日本人選手指導が主な理由ではないと否定したという。(編集担当:金志秀)
この中で触れられている「IMGコネクションのせいだ」とする憶測記事。こうした憶測に対しては、IMGニューヨークのデービッド・ベードン氏の、「IMGはオーサーが誰をコーチするかということに関わったことはない」という声明が答えになるだろう。
AT SPORTS(キム・ヨナ事務所)も、オーサーの日本人選手指導が主な理由ではないと否定したというから、これは単に根拠のない憶測だと言うことになる。
だが、今回のような泥仕合に発展した師弟解消劇に、IMGがまったく関係ないかと言えば、それは違うだろう。それどころか、この泥仕合は、IMGニューヨークがキム・ヨナのロスショーの詳細発表にタイミングをあわせて、「オーサーがキム・ヨナの母に理由もなく解雇された」と一方的に発表したことで、開始のゴングが鳴ったのだ。
そして、上記の記事で出ている、「5月にオーサーがIMGと契約」という一文。それが日本人ジュニア選手のコーチングと直接関係ないというのは一応信じるとして、IMGは多岐にわたって事業展開をしている大企業だが、フィギュアではいわゆる「アイスショーの元締め」として認知されている。
現在はほぼコーチ業に専念しているオーサーがわざわざIMGと契約したとすれば、アイスショーへ復帰する意思がある・・・ということなのかもしれない。だが、五輪女王を育てて、これからコーチ業が忙しくなるであろうときに、アイスショーに出る必要や必然があるのだろうか。
これはMizumizuの記憶ベースの話で、もしかしたら勘違いがあるかもしれないが、オーサーは確か、キム・ヨナのコーチに専念するために、IMGをいったんやめてショーから引退したのではなかったかと思う。コーチ就任に当たっても、何度かオーサーが断ったのを、(トリプルアクセルを習得したいキムサイドが)頼み込んで引き受けてもらった・・・のではなかったか。
そして、キム・ヨナ側が言っている、「(オファー説で)5月から関係がギクシャク」「6月からは1人で練習」という話。
つまり・・・
4月 浅田真央がオーサーにオファーをしたという噂が流れる(4/24に浅田真央の事務所がこれを否定。だが、4/25にはオーサーがキム・ヨナに「浅田真央から照会があった」「真央に関心をもってもらえたのは嬉しい」とメール)
5月 キム・ヨナ、オーサーとの「円満」を強調(5/17付けの記事)
オーサー、IMGと契約(追記:その後得た情報では、5月ではなく4月にオーサーはすでにIMGと契約していた模様?)
キム・ヨナ「関係がギクシャク」
キム・ヨナ「引退はしない」(5/31)
6月 キム・ヨナ 1人で練習
7月 キム・ヨナ 「グランプリシリーズ辞退、東京ワールドのみに参加」を発表(7/19)
8月 キム・ヨナ母、オーサーに「これ以上、娘を教えないで」(8/2)
そして3週間後、キム・ヨナのロスのアイスショー詳細発表に合わせるように、IMGからの「オーサーが一方的に解雇された」というリリース発表を受けて泥仕合スタート。
どうだろうか? やはりIMGの影が嫌でもチラチラする。ショーがらみで言えば、オーサーはキム・ヨナのショーにノーギャラで出演したことがあると暴露している(それが本当なら、信じられないケチな母娘だ)。オーサーがIMGに所属するとなれば、ノーギャラでの友情出演というのも頼みにくくなるだろう。
時給が110ドルだったということも、カナダ国内では「安すぎる」と驚きをもって受け止められたようだが、これについては、年間トータルで見た場合、練習時間によっては一流コーチの年間定額報酬(800万円相場とも言われている)を上回るかもしれず、単純に「労働時間に対する報酬」が安いと断定できるかどうかは微妙だ。オーサーはたとえばフランク・キャロルのように実績のあるコーチでは、そもそもないのだから。
キム・ヨナこそオーサーの最大の収入源なのだから、五輪女王がオーサーと師弟関係を続けてくれるのが、オーサーにとっては一番いいシナリオだったはずで、もしキムサイドが、師弟関係続行の意思をもっと早く明確に示していれば、オーサーとしても、わざわざ「ブライアンが誰をコーチするかにはかかわらない」などと言っているIMGと、今さら(すでにオーサー自身ほとんど引退状態にある)アイスショーがらみで契約するさしたる理由もないように思う。
バンクーバー五輪が終われば、オーサーは用済み・・・というのは、周囲はわかっている話で、オーサーがまったくそれを感じなかったわけはない。
IMGがキム・ヨナの事務所にそこまで底意地の悪いショーの間接妨害を仕掛ける理由はあるだろうか? Mizumizuは「ある」と思う。キム・ヨナサイドは、IMGの本拠地、そしてアイスショーの本場であるアメリカへの進出を本気で考えている。
キム・ヨナ陣営は、10月にロスでアイスショーを開催するのに先駆けて、「キム・ヨナ」ブランドの箔づけに必死だった。
まず8月の頭に、ロスに多い韓国系の政治家を動員して、「ロスの名誉市民」授与および「キム・ヨナの日」制定にこぎつけた。これは韓国や日本では報道されたが、肝心のロスでは韓国系やフィギュアに特に興味がある人間以外にはたいして知られていないニュースだ。ロスの名誉市民になったといっても、その贈与式はいち議員の事務室で行われるという地味なもの。にもかかわらず、日本のメディアは、ご丁寧にも、韓国系アメリカ人が集まって開いたパーティでの模様を中継し、それがあたかも「ロス名誉市民がらみの式典」であるかのように脚色した報道をしている。
これについては、こちらのブログのエントリー「『キム・ヨナ、ロサンゼルス名誉市民に』でまた日本のテレビ局が情報操作 」が詳しい。
<続く>