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Mizumizuのライフスタイル・ブログ

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Tomy's room Tomy1113さん
2010.10.17
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カテゴリ:Figure Skating(2010-2011)
 <続き>

さてオリンピックシーズン。国際大会(とくにカナダがらみの選手と競う大会)になると、アメリカの女子に対しては目を覆いたくなるようなひどい採点が露骨になされた。特に一時的に不調になったロシェット選手をなんとかファイナルに出すために(としか思えない)、カナダ大会でロシェット選手とアメリカ女子選手に対して行われた採点には、ハッキリ言って気分が悪くなった。ここにMizumizuはISUとアメリカのスケ連の金銭を巡るゴタゴタの影を見る気がするのだ。

アメリカで行われるグランプリシリーズでさえ、アメリカ女子はキム・ヨナにまったく歯が立たない。それも「素人には理解できない点(本当は、専門家にだって理解できないのだ。プロトコルが出てきて、後からあれこれ推測で後付の理屈を並べているだけ)」が出てきて負けることになる。これではアメリカ人ファンも白けるし、人気が盛り上がるわけもない。

つまり、強化したい選手と本当に強い選手を冷静に客観的に見極めようとしないアメリカのスケート連盟の姿勢、および勝者をコントロールしようとするISUという2つの問題が絡み合い、それが競技会での不明瞭な採点という結果になってファン離れを加速させているのではないかと思うのだ。

ジョニー・ウィアー選手が語ったところによれば、オリンピックのフリーの点が出てメダルを逃したあと、カーテンの裏で彼が泣いているとある人物(アメリカのスケ連関係者)がウィアーのコーチのところにやってきて、「ジョニーがこれほどの演技をするとわかっていたらよかったんだけど。だってほかの2人を推していたから」と話したという。

http://nymag.com/fashion/10/fall/67510/index3.html

 "It's very hard," he says, "but you know, someone literally came to my coach while I was crying behind a curtain and said, ‘We wish we had known Johnny was going to skate that well, because we were pushing the two other Americans.' And that takes balls to say that."

 

ウィアーは、フィギュア競技の採点で行われている、一種の「談合」についても言及している。

It was political. In figure skating, there's this thing, there's a way that you can say, ‘Okay, if you help this skater, our skater, and promote him and push him to the top of the podium and help him get there, we will help yours.' There's a lot of that that goes on, and America likes to try and stay away from that issue, but everyone does it. I skated great, Evan skated great, we probably both should have been on the podium somewhere, but you know, the team official came to me and said, ‘We didn't know you were going to skate like that.' "

この話は奇しくも、ソルトレイクでの「フランスとロシアの裏取引」が北米メディアで派手に取り沙汰されていたとき、フランスのキャンデロロが、「そんな程度の話なら、フィギュアではよくあること」と発言して物議をかもしたことを想起させる。

こうした裏話をアメリカのスケートファン全員が知っているとも思えないのだが、にもかかわらず、ウィアー選手は五輪金メダリストのライザチェックをおさえて、2010年米SKATING誌の読者の選ぶ最高選手に選ばれた。

http://web.icenetwork.com/news/article.jsp?ymd=20100721&content_id=12468362&vkey=ice_pressrelease

つまりアメリカのフィギュアファンは、自国のオリンピックチャンピオンではなく、メダルを逃した選手に2010年のトップスケーターの称号を与えたのだ。恣意性が(ジャッジと人間関係をもっている人間以外には)明らかな現行の採点に対する、ファンからの痛烈なメッセージだろう。

ウィアー選手の「五輪談話」はMizumizuの――そして恐らく多くの熱心なフィギュアファンの――印象とも合致する話だ。オリンピックでのウィアー選手に対する、ぎょっとするような低得点。「完成度がモノを言う」と言いながら、いくら完成度を高めても点がもらえないウィアー選手。その理不尽に関しては、Mizumizuもエントリーにした(こちら)。個人的にはウィアー選手のプログラムは好みではない。ショートは特にアマチュア競技会にもってくる演技としては、セクシャルなアピールがどぎついからだ。それはキム選手に対しても同様の批判をした。

フィギュア競技は伝統的に「品のよさ」を大切にしてきた。タラソワの作った浅田真央のショート「仮面舞踏会」は実に品がよかった。初舞踏会にデビューする若く美しい貴族の娘。そのイメージは浅田真央にも五輪という舞台にもまったくふさわしい。さらに去年の悲劇の仮面舞踏会とは同じ曲なのにガラリと雰囲気を変え、浅田真央の卓越した表現力を観客に「わからせようとした」。最初のうち前シーズンの「黒い貴婦人」のイメージを引きずって見ていたファンも、五輪シーズン後半には、咲きたてのバラのように瑞々しく可憐な浅田真央に、去年の黒の貴婦人の悲劇を忘れていたはずだ。こうした「品位ある表現」こそ、アマチュア競技に必要な価値観ではないだろうか。若い選手に娼婦や男娼の真似事をさせるのは好ましくない。

しかし、そうした好みとプログラムの完成度は別の話だ。

「完成度がモノを言う」などというのがお題目でしかなかったのは、ジョニー・ウィアー選手に対する五輪の採点を見れば明らかだ。強豪選手を多くかかえる国は、点をもらえる選手を絞らなくてはならないのだ。点が出る選手ははじめから決まっている。どうやって点を出し、どうやって点を抑えるのか? そのメソッドはもう確立しているのだ。

ただ、最終的に出てくる点をあらかじめ操作することはできないから、個々のエレメンツやコンポーネンツでの点のつけ方が露骨になり、わけのわからない点差になってファンを驚かせる。エレメンツのGoEでは、出来が良くても加点をしなかったり、逆にたいして良くなくても気前よく加点をしたりする。あるいはミスがあっても他のプラス要素と相殺したことにして減点しなかったり、逆にちょっとしたミスでも「厳密」に減点したりするといったように。演技構成点の5つのコンポーネンツスコアでは、たいした差はなくても大きな差にしたり、逆にかなり差があるのにないことにしたりといったように。ビアンケッティ氏は、「10人のジャッジがいたら、10通りの説明があるだろう」と演技構成点の不明瞭さを批判した(こちら)。

Luckily, the judges are humans, not machines. So some judges use a midpoint and range approach for giving PC marks, instead of a true absolute assessment. They have more good sense than the ISU; they use their brain and their heart. But this makes the judging system look foolish. If you asked ten judges what decision process they use to mark any PC, you would get ten different answers!

 

演技構成点について客観的な判定プロセスというのはなきに等しいのだ。要は個人の主観。それを何とか「客観的に」正当化しようと頭の悪い理屈を後からくっつけるから、一般のファンから呆れられるのだ。

内部のご都合主義に従って、長いものに巻かれて自分のポジション確保に腐心し、身内だけで擁護し合う組織がどうなるか、日本の相撲協会もそうだが、ISUもその典型例になっている。

アメリカだけではない。ヨーロッパでもフィギュアはさっぱり盛り上がらない。ビアンケッティ氏に言わせれば、「新採点システムになってから、フィギュアの人気はダウンヒル」。そんな状況のなかで、古参のジャッジはカタリナ・ヴィット時代を懐かしんでいる。バカな話だ。

現行の意味不明採点の最大の被害者は間違いなく日本女子だ。重箱の隅をつつくように、小さな欠点を大きな減点にされ、ファンともども何度となくガッカリさせられている。だが、それでもフィギュア人気は落ちない。スター選手が頑張るからだ。

ジャパンオープンに関して言えば、非常に低調な試合で、開催意義があるのかと疑問に思ったほどだった。採点には相変わらず胸が悪くなるし、これならばカーニバルオンアイスだけにしたほうが選手にとっても負担が少なく、ファンも2つ見て1日つぶすことなく、よいのではないか。メリットがあるとすれば、一度作ったアイスリンクを午後と夜の2度使えるという実務的かつ経済的なメリットだけではないだろうか。

その日本でのフィギュア人気だが、いつまで続くのか、Mizumizuは懐疑的だ。採点に文句を言いながらも日本のファンは世界で一番熱心にフィギュアを見ている(だからますます採点の矛盾点が見えてくる)。だが、それも浅田真央が引退するまでだろう。もちろん、他にもスター選手はいるが、浅田真央の人気には比べられない。彼女ほどのスター性のあるカリスマがそうそう現れるとは思えない。

それはMizumizuのような個人ブログのアクセス数でもハッキリ出ている。バンクーバー五輪のあと、高橋選手について書いたときもアクセス数はハネ上がったが、浅田選手について書くと、さらにさらにアクセス数は伸びた。理解不能の点数について追及しようとしない日本メディアや専門ライターの姿勢に不信感をもった一般人がネットに手がかりを求めているという部分もあるだろうが、なによりそれが浅田真央絡みだから、というのが大きい。実際には変な採点というのはフィギュアに限らず、どの競技でもあるだろう。だが、ことが浅田真央となると日本の多くのファンにとっては看過できない大問題になる。浅田真央はそれほどの逸材なのだ。

一方のキム・ヨナ。ロスで史上最高得点を出そうが、ロスの名誉市民になろうが、はたまたクワンその他のスター選手を呼ぼうが、ショーは不入りでテレビの視聴率も取れない。いくら大本営が、「スペシャルな五輪女王」「何十年に一度の名選手(さすがにこれには笑ったが)」と持ち上げても、あの程度の実力しかない韓国人の彼女がアメリカで大スターになれるわけがないのだ。

キム・ヨナのアイスショーは浅田真央の出演するショーに日にちを後からわざわざぶつけてくる傾向がある。今回のロスのショーも日本でのショーと会場の規模ではほとんど互角。ここで人を集めて、「キム・ヨナの人気は世界的(実際にはアメリカ=世界ではないが、アメリカで成功すれば「世界的」だと思いこむ人が多いのは日韓共通だ)」ということにしたかったのだろう。

だから、大本営はショーの席があそこまでガラガラでも、テレビの視聴率が0.5パーセントと、同日のスポーツ番組の中で最低に近くても、「ロスのキム・ヨナのショーは成功」だと発表し続ける。ハクをつけるつもりで、どんどんメッキが剥げている状態であるにもかかわらず。

今回のATスポーツ(キム・ヨナ事務所)主催のショーはもう1つ、「アジア系が中心」という特徴があったと思う。カナダからは中国系のチャン、中国からは申雪&趙宏博組が来た。アメリカでは韓国系と中国系は「アジア系アメリカ人」という1つのグループで共闘することも多い。

<続く>






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最終更新日  2010.10.18 00:57:44



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