フィギュアスケートのエントリーを続けるとやってくる嫌がらせメールについては、だいぶブロガーの間に広まっているようだ。昨日の安藤選手に関するエントリーをあげたところ、さっそくなにやら勘違いしたらしい御仁からの支離滅裂のメールが届いた。
2011年05月02日15時37分
From: なつきさん
あなたは選手よりえらいのですか?
スケート連盟の人なのですか?
あなただって選手の演技によって楽しませてもらっている身分でしょう。
楽しませてもらっていながら楽しくない時は文句ですか。
あなたは浅田選手の成績が振るわないと損害を受けるスポンサーなのですか?
浅田選手に何千万円のスポンサー料を払っているのですか?
それならわかります。
スポンサーと言うものは選手の成績に期待をしているのですから成績が落ちれば選手に文句を言う権利はあります。
でもあなたは1円だって浅田選手にスポンサー料を払っていないのでしょう。
何か浅田選手のためになることをしているのですか。
それなのに随分上から目線ですね。
あなたのエントリーはスポンサーが書くことで
スポンサーでないあなたに書く権利はありません。
浅田選手のことには一言も触れていないエントリーで、勝手に激怒している。論旨はめちゃくちゃで幼稚な文章だが、言いたいことはわかる。「あんななんかが書くな」ということだろう。「楽しませてもらっている身分」だから何も言うなということらしい。「身分」とはおだやかではない。ずいぶんと侮蔑的な表現だ。
スポンサー料を何千万払ったら、何かを言う権利が生じ、お金を出さない人間には何かを言う権利はないというのなら、カネがすべてになり、民主主義は成り立たない。連盟の人間なら言ってもいいが、連盟の人間以外は言ってはいけないというのなら、組織に属さない人間には何も発言権がないことになってしまう。何をどう誤読してヒステリックになったのかは知らないが、感情的になる前に、言論の自由とは何か、民主主義とは何かの基本を学ぶことをお奨めする。
我々は言論の自由の世界に生きている。これは非常に大切な権利だ。「身分」を持ち出して、「あなたに書く権利はない」などと、脅迫めいた言葉で、誰しもがもっている言論の自由の「権利」を封じようとするのは、批判の範疇を超えた言論妨害であり、法的にも問題がある。
誹謗中傷や名誉毀損に当たらない限りは、誰しも何かを賛美したり批判したりする自由は保証されている。誹謗中傷や名誉毀損にあたると考えるなら、当の本人(周囲ではない、言われた本人だ)がアクションを起こす権利がある。それが言論の自由の世界の中で秩序を保つための法律というものだ。
スポンサーでない人間には書く権利がないなどという飛躍した暴論を送りつける前に、世の中の常識を学ぶべきだろう。
実際にはこうした意味不明の嫌がらせメールよりも激励のメールのほうがずっと数が多い。割合でいえば、9.5対0.5程度だ。
批判なら堂々とすればいいし、自分でブログをもって自分の意見を筋道立てて主張すればいいようなものだが、しかし、「なぜか」こうしたメールを送りつけてる人は、自分の身元がわからないように姑息な算段をする。メールアドレスを入れなかったり、IPアドレスのわからない携帯メールから送ったり、フリーメールを使ったり。実にご苦労なことだ。
だが、携帯からであっても、アクセス記録とメール送付時間で、ちゃんとどこの携帯会社から送られてきたのかはわかっている。フリーメールには運営業者がいる。もちろん、こちらはすべて記録をとり、あまりに何度も同じ人間が嫌がらせを繰り返すようなら法的手段を取る準備は整えている。
実際に、時間を置いているとはいえ、こうした嫌がらせメールを送ってくる人間はMizumizuが記録をとったところ、たったの5人なのだ。繰り返しこの5人が別人になりすましてハンドルネームを変え、支離滅裂なクレームレターを送りつけてくるのだ。たがかフィギュアのエントリーで。実に不思議な現象ではないか。
最近はネットでの嫌がらせ行為がエスカレートしている関係で、通信会社も情報開示には積極的になっている。こちらとしては、証拠を集めているといったところだ。
フィギュアのエントリーをあげているブロガーでこうした被害に遭っている方は、どうぞご一報を。情報交換には応じるつもりでいる。