日本海に面した城下町・萩は、夏蜜柑の町でもある。光圀の夏蜜柑丸漬は、そんな萩を代表する銘菓。
光圀は、光圀本店と分家の長州屋光圀に分かれているのだが、Mizumizuが萩で寄ったのは、萩グランドホテルの目の間にある長州屋光圀。
店の中は暗く、やや雑然としていて、「大丈夫か? この店」と突っ込みを入れたくなるような雰囲気だった。光圀本店のほうは違うのかもしれない。
こちらが夏蜜柑丸漬。皮を砂糖漬けにし、中身をくりぬいて羊羹をつめた伝統の味。なめらかな羊羹と噛みごたえのある皮の食感の違いが楽しい。一度は試してみる価値あり。
皮は、苦みをまったく感じさせないぐらい甘く甘く漬けてあるので、それが逆に、皮の苦味が好きなMizumizuには猫に小判になってしまっている。羊羹も甘いので、とにかく、「甘みが珍重されていたころのお菓子」という印象。東京の老舗の和菓子屋もこういう味のところが多い。
こちらは「夏蜜柑平漬」(左)とまだ青い夏蜜柑の皮を薄切りにして糖蜜煮した「萩乃薫」(右)。平漬は、簡単に言えば、丸漬の中身がないもの。皮だけを漬けてペタンとつぶしたお菓子。これもとにかく甘い。萩乃薫は甘いなかにやや若い苦味があり、こちらのほうが好みだった。
萩らしい、老舗らしい味。この城下町を訪ねたら、持って帰りたいお土産だ。