格安ノート購入ガイド
15.6型液晶と光学ドライブを搭載しながら、価格が3万~5万円という驚愕の「格安ノートパソコン」が登場している。先鞭をつけたのは、外資系メーカーだ。昨年(2011年)前半に、日本ヒューレット・パッカード、レノボ・ジャパンなどが、3万円台のフル装備モデルを次々と発売。それまで10万円前後はしていたスタンダードタイプ(普及機)[注2]のノートパソコンが半額ほどで入手できるとあって、大きな話題となった。売れ筋ノートとの最大の違いがCPUで、性能的には数段劣るセレロンやペンティアム、AMD製が主流となっている。OSやソフトの起動も遅く、動画の変換などヘビーな作業では待たされる時間が長くなる。格安ノートでは2GB(ギガバイト)のメモリー搭載が多い。売れ筋ノートの半分以下だ。体感上の性能不足はCPUよりも顕著に感じられるケースも少なくない。複数のアプリを同時に使うなど、負担の大きな作業でつらさを感じる。売れ筋ノートと比べても、ハードディスクの読み書きの速度は、体感できるほどの違いはないだろう。ポイントは容量が半分以下になることだ。やや割高になってしまうが、外付けハードディスクを増設してしのぐ手もある格安ノートは、打ちやすさにこだわったキーボードを搭載せず、たわみが大きいために使い心地がいいとは言えない。また、一部の機種はタッチパッドのボタンが左右に分かれていないために、使い勝手がイマイチだ。格安ノートの光学ドライブはDVDスーパーマルチがほとんどだ。通常使用には十分で、DVDビデオを再生して楽しめる。ただし、自分で編集したビデオの書き出しにはDVDでは容量不足。その場合は高性能の製品を選ぼうUSB端子の数は、売れ筋ノートと比較すると1~2つ不足している製品が多い。USB2.0搭載が多いのも事実。しかし、USB3.0端子を搭載している製品もある。格安ノートはスタンダードノートの中でも2.5kgを切る軽量なモデルが中心で、持ち運びも楽だ。ただし、樹脂むき出しのボディーはお世辞にも高級感があるとは言いがたい。中にはケーブルが露出している製品もあった(左下の写真)。価格重視の実用品と考えよう液晶のサイズは15.6型ワイドが中心で、格安、売れ筋モデルともに解像度を含めて同等だ。画質には価格に応じた違いがあり、並べて比べると鮮やかさや明るさにはそれなりの差が感じられるケースも。ACアダプター以外の付属品はほとんどないと思ってよい。売れ筋モデルでは、ほぼ付いてくるマウスも付属しないので、別途購入すると2000円程度はかかるだろう。マニュアル類もデータで提供されるのが普通だ付属ソフトに関する最大のポイントは、マクロソフト製オフィスソフトが付属しないことだろう。オプションとして購入すると「オフィス・パーソナル2010」で約2万円、「オフィス・ホーム・アンド・ビジネス2010」で2万5000円ほどかかる。はがき作成や辞書などの実用ソフトも付かない。出典:日経新聞