ADAS/自動運転システムの世界搭載台数は
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、ADAS/自動運転システムの世界市場の調査を実施し、市場概況や採用動向、個別メーカーの事業戦略を明らかにし、2030年までの新車におけるADAS/自動運転システムの世界搭載台数を予測した。日米欧中で標準搭載が進み、2030年に8,249万9,000台に成長すると予測 。2018年のADAS(先進運転支援システム)/自動運転システムの世界搭載台数は、前年比24.3%増の2,385万4,000台であった。自動運転のレベル別に見ると、日米欧の新車に自動ブレーキや衝突警報などで標準化が進んでいるADASのレベル1が2,114万8,000台で世界市場全体の88.7%を占める。ステアリング操舵とブレーキ/アクセルを同時に自動化するレベル2の運転支援システムは270万4,000台となり、2018年から日欧の自動車メーカーを中心に高級車から中級車まで搭載車種が広がっている。現状はLKS(車線維持支援)とACC(車間距離制御)を組み合わせて車線中央を自動走行する機能の搭載が中心であるが、高級車においてはドライバーの指示器操作によるオートレーンチェンジ(自動車線変更)や、ドライバーが降車後にキーやスマートフォンで遠隔操作して自動駐車することのできるリモートパーキングなどが実用化されている。さらに、2017年からはドライバーモニタリングシステム(運転者監視システム、以下DMS)、高精度地図(HDマップ)を使った高速道路限定の手放し運転(ハンズオフ)機能の採用がゼネラル・モーターズ(GM)で始まっている。本調査ではDMSによるハンズオフ機能や、V2X(車車間・路車間通信)と地図情報を利用してロバスト(堅牢)性を高めたものをレベル2+と定義して市場規模の算出を行っているが、GMの当該システムはレベル2+に相当する。2018年において量産しているのはGMの1車種のみであるために搭載台数は2,000台であるが、2020年に向けて日米中市場の高級車を中心に拡大すると予測する。出典:http://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2134