日本生命逆転勝ちで野村シダックス終戦
今日の日本選手権・第三試合はシダックスと日本生命の対戦でした。おそらく一回戦屈指の好カードと思われますこの試合。6年前の覇者と、3年前の覇者の対決です。普段は赤いユニフォームを着ている両チーム、今日は一塁側のシダックスが白いユニフォーム着用でした。◇第32回日本選手権一回戦日本生命 000 002 000=2(8安打、0失策)シダックス100 000 000=1(4安打、0失策)[生]国安(7+2/3,1失点)、山脇(1/3)、土井(1)-藤田 (三)佐々木正、石田 (二)阿部[シ]武田(6,2失点[自責1])、森福(3)-小山、坂田9阿部-6田中-8佐々木正-D下野-7及川-4石田-5澄川→H3天野-3佐々木勇→5松瀬-2藤田7大江-6藤沢-8中村-4佐藤-3松岡-D入江-5高阪-9徳山-2小山→H2坂田経過を書きますと。(選手名は名字だけで行きます)シダックスが初回、四球で出た先頭の大江をバントで送った二死二塁から、四番の佐藤がセカンドとライトの間にポトリと落ちるタイムリーを打って1点先制します。試合はそのままゼロ行進で早くも中盤へ。3,4,5回と得点圏に走者を進めながら活かせなかった日本生命はようやく6回、先頭の佐々木正がライナーで右中間を突破、確か何年か前に大阪ドームでランニングホームランを打ってたと思いましたが今日も速い速い、センター中村の三塁への懸命の送球にも関わらず余裕で三塁セーフ。無死三塁の大チャンスを迎えます。しかし続く下野三振、及川も弱々しくショートへの小フライで2アウト。チャンスが遠のきます。が、続く石田の打球はライナーで二遊間を越え、同点。さらに速い球足で左中間をゴロで抜けて行く間に石田激走、ヘッドスライディングできわどく三塁を陥れます。結果的にはこれが大きかった。ここで日本生命、勝負どころと見たか、澄川に代わって代打の天野。その天野への初球、空振りしますがキャッチャーが後ろに逸している! 武田が素早くカバーに入ったものの送球は一瞬遅く、石田ホームイン、逆転。痛恨のバッテリーミスで小山、天を仰ぎます。シダックスは7回から高卒新人の森福が日本生命打線を封じますが、打つほうが全く奮わず。4回に満塁のチャンスを逃したあとはほとんどランナーさえ出せません。8回には藤沢・中村が右へ左へ大きな当たりを打ちましたが外野の守備範囲。続く佐藤が四球で出てようやく国安を退けますがワンポイント登板の山脇にかわされ、9回も土井の前に三者凡退。最後は徳山空振り三振でゲームセットでした。今年の選手権のコピーは「いざ、決戦」らしい。日生側は黄色いメガホンで応援、シダックス側は赤い帽子で応援席を赤く染めていました。決勝点こそミスで入りましたが、好守備あり、好走塁ありで、なかなかいい試合だったと思います。日本生命側で印象に残った大きなプレーは、6回の佐々木正・石田両選手の激走。特に石田選手はレフトへの当たりで三塁打。タイムリーってことで喜んでしまいそうなのに、走って走って三塁へ。打球を処理したのは肩の強い中村選手だと思ったけど、気迫のヘッドスライディングでセーフに。もしこのとき三塁へ行っていなければパスボールで逆転はなかったのだから、大きなプレーでした。投げるほうは先発の国安投手、130キロも出ないのに、シダックス打線にいい当たりさえほとんどさせません。初回の1点もポテンヒットだし、四球はちょっと多かったけど(4つ)、ほとんど完璧でした。今年は影が薄かったような気がしましたが、お見事なピッチング。一方、抑えで出て来た土井投手、こちらは速いですねぇ、来週には36歳の誕生日を迎えるというのに、年齢なんて関係ないとばかりに146km/h出してました。2年前の都市対抗でシダックスに逆転サヨナラ負けしたとき、最後にマウンドにいたのが土井投手。パーフェクトリリーフで借りを返しました。一方のシダックスは。やっぱりバッテリーエラーですかねぇ。バッテリーごと日本ハムにドラフト指名された二人だったのですが。武田投手は6回2アウトまでこぎつけたのに、そこから2失点。6回降板が予定どおりだったとすれば、あと1つだけ、たった1つのアウトを取れば無失点の最高の形で交代できたのに、台無しになってしまいました。ちなみに逆転された直後、動揺したのか天野に頭部死球。セリーグだと退場かな、あれは。痛恨のパスボールで逆転を許した小山捕手もこの場面、天野が何と盗塁!したんですが、このとき小山のセカンド送球は大暴投でセカンドベースの遥か上。エラーにこそならなかったけど、やっぱり動揺したんでしょうか。このあと代打を送られて途中交代。打つほうでも満塁のチャンスで三塁ファウルフライ。プロへ旅立つバッテリーには苦い試合となってしまいました。良かったのは森福投手。今年見るのはもう4度目、かな。私がシダックスの試合を見に行くと必ず出て来るような気が。今日も気持ちの良い投球で3回を2安打無失点。高卒新人ですよ。まったく末恐ろしいです。ところで小山選手なんですが、昨日見たドラフト指名選手のプロフィールに「両打ち」と書いてありました。あれ、そうだっけ?と思って「グランドスラム」を見ると、確かに両打ちになってます。左打席って全然印象になあ、って思いつつ、私が今まで良く見なかっただけかもってことで今日は注意して見ましたけど、右の国安に対してやっぱり右打席に入ってました。左打席は封印中?そして楽天の監督になる野村さんの最後の大会ってことで、特別席にも大きなカメラを持った人達が何人もウロウロしてたし、ベンチ脇のカメラマン席もいっぱい。結果的に野村さんのシダックスでの最後の采配となったわけですが、最後の打者のとき、集まったカメラがみんなシダックスベンチの中を撮ってます。誰もグラウンド撮ってません。試合より監督です。それだけ注目されていました。整列して挨拶を済ませるとさっそくベンチ前で監督を囲んでミーティング、その周りをさらに取材陣が囲み、監督にフラッシュの嵐を浴びせていました。3年間、おつかれさまでした。その野村監督を、これで最後なんだなあ、と思いつつ整列のときに背番号を見ると。あれ、14? 野村監督は19番ですよねえ。良く見ても、やっぱり14番。背中のネームを見ると、"HONMA"と書いてある。新人・本間投手のユニフォームを借りたようです。ひょっとして、このカメラに囲まれた大注目の舞台でユニフォーム忘れちゃいましたか?(以下、2005/11/20追記)朝刊を見ると、やっぱりユニフォーム忘れたみたいですね。後任監督は、6年前の優勝のときのMVP・田中善則コーチとのこと。田中コーチはこの日は三塁コーチをしてましたが…お腹がとっても立派になられました。ウリャーの吉井コーチも、もともとコロコロした体型ではありましたがこちらもずいぶんと立派なお腹に。(写真が少ないのは、途中でカメラが壊れたせいです。ひーん。何とか直ったから明日は撮れるぞっと。)