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2006年03月23日
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カテゴリ:読んだ本☆
「本村洋」、この名前をみてピンときた人も多いはず。
山口県光市で起きた少年によるレイプ目的の母子殺害事件の被害者遺族だ。

少年の身勝手な欲望により、愛する妻弥生さんそして生後11ヶ月の娘夕夏ちゃんを殺され、一人法の壁そして孤独と戦っている本村さん。

その本村さんと妻弥生さんが生前にかわした手紙の数々。


天国からのラブレター

18歳で知り合い、本村さんの高専から大学への編入によって20歳から22歳までの2年間は遠距離(と、いっても広島と北九州。)そして弥生さん妊娠により、1997年本村さん広島大学4回生の時に学生結婚。

今のように携帯でTV電話なんてもちろんできないし、インターネットもここまで普及していなかった、ほんの10年前。

会えない隙間を手紙で埋めようとしている二人の姿がほほえましく、また当時流行っていた事や弥生さん、洋さんが感じていたことが綴られている。
やはり女性のほうがマメなのか圧倒的に弥生さんからの手紙が多い。

私も手紙を書くことが好きだったから弥生さんと自分の姿をだぶらせながら、すっかり自分もその世界にはいりこんでいた。

ふと、弥生さんはもうこの世にいないんだ・・・そう思うとむなしさを感じた。
洋さんはなおさらだろう。



この本から感じ取れる洋さんはおだやかでどこにでもいる青年だ。
感情豊かな弥生さんを温かく見守っている様子が伺える。

そんな普通の人たちでもこういった事件に巻き込まれてしまった。。

TVで事件を必死で訴える洋さんはやはり攻撃的にも見えてしまうだろう。
大切な人たちを奪われ当然だろうし、必死で自分を奮いたたせているんだろう。


「殺した後のほうが犯しやすい」そんな理由から無残にも殺されてしまった弥生さん。
そして異常を感じてか、死体となった母・弥生さんに泣きつくまだ赤ちゃんだった夕夏ちゃんも殺されてしまった。


棺の中の夕夏ちゃんの顔は寝ているようだった、しかし弥生さんの顔は苦痛に満ちていた、と以前カメラの前で語ってらした本村さん。
その言葉を口にだすのも辛かっただろうと思う。


何度も二人の後を追おう、そう考えたけれど、2人の死を無駄にしない為に、この事件を社会に反映させることが2人の為にできる唯一の供養、そう思ったそう。


この本のあとがきにこう記してある。

私が最後に目にした二人の姿は99年4月14日、いつもの朝の出勤風景のなかにあります。
会社に向かう私に「いってらっしゃい。早く帰ってきてね、パパ」と笑顔でキスしてくれた弥生。
その弥生の後からハイハイでついてきて、無邪気な笑顔で私をみつめていた夕夏・・・・2人はこの時の笑顔のままで、今もきっと私の帰宅を天国で待ってくれているのだと思います。
そして、私にもいつか天からのお迎えがきて2人の元に帰る日が訪れます。
その時こそ「弥生、夕夏、ただいま。今帰ったよ。」そういって2人を抱きしめてやろうと思っています。
その日の為にも、これからの私は2人に誇れるような人生を生きていかなければなりません。
それは、「パパは一生懸命に生きたよ。頑張ったよ」と弥生と夕夏の前で言いたいからです。




本村さんの戦いはまだまだ長く辛いものになるだろう。
気の休まる時はないだろう。


少年法について、この事件についてはまたとりあげたいと思う。
情報に踊らされたくはないし、感情だけで文章は書きたくないと思うので最低10冊は本を読んでから、と思っています。

私にできる事はただ一緒に考えること、それだけ。

私のつたない文章をみて一人でもこの事件に関心をもってくだされば幸いです。





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最終更新日  2006年03月24日 13時13分53秒



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