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残業人間の野遊び生活

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鳥羽の漁村で食い地獄（最終日）

　これぞまさに、ニッポンの正しい朝ご飯である。　夕べから泊まっている三重県は国崎の宿、源海。　これはこの宿の名物、ウニ飯。　潮と磯の香りがさわやかに鼻腔を突き抜けていく。　夕べの刺身のお頭を炊いた、鯛のあら炊き。　ちょっと濃いめの味付けで、ご飯ががつがつ進む。　これらに加えて、俺の大好きな生卵までもあるもんだから、ご飯が止まらない。生卵１個でご飯３杯は食えるしなあ。　ご飯を５回おかわり、計６杯食べたところで、ようやくおかずも無くなり、大満足の朝飯タイム。　すかさず、釣り竿持って目の前の海へ。　なんじゃこりゃぁ！　釣り上げたＫ助は「ウミヘビだぁ！」と大騒ぎ。　周りのおっさんは、アナゴやでと教えてくれるが、なんかアナゴとは顔が違うしなあ・・・と俺は半信半疑。　ま、とりあえず持って帰って食ってやろう。　のどかな漁村の防波堤である。　隣との釣り人の距離もあって、のんびり釣りを楽しめた。　着物を着た宿の女将が玄関に出迎えに来てくれるような、きっちり値段相応にサービスが行き届いた宿も悪くはない。　でも、なんだか、こう時間が止まったような、のんびりした休日の漁村の雰囲気を味わいながら、ちょっとおならをこいても許してくれるかなってな感じの、素朴な雰囲気の宿に泊まって、がっつり魚を食うってのも俺は好きだな。　それをここの宿の女将さんも分かっているのか、もともとぶっきらぼうな人なのか、必要以上にこっちに介入してこないのも、楽でいい。　秋晴れの太平洋。　派手さは無いが、清く正しく魚と空気と時間を堪能した、年に１度の家族旅行なのであった。

2009年10月11日

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鳥羽の漁村で食い地獄（初日）

　年に１度の家族旅行。　目指すは三重県の鳥羽。　途中、青山高原に寄って、風車を眺めたりもした。　宿は、鳥羽の南の国崎（くざき）という漁師町の民宿。　宿に着いたら、早速Ｋ助と魚釣り。　宿の目の前が漁港なので、手軽で実にいい。　去年リール竿デビューしたＫ助は、今年はきちんと前に仕掛けを投げることが出来るようになった。　大した魚は釣れなかったが。　夜は魚料理のオンパレード。　写真の撮り方が下手なので隙間があいて見えるが、結構皿数があるのである。　刺身の地獄盛り。　家族３人の旅行なのだが、実は料理は２人分しか頼んでいない。だからこの刺身盛りは２人分なのである。　居酒屋だと、酒の肴に刺身を注文しても、ちょっとつまむ程度しか皿に盛られていない。　だが、ここでは、ひたすら刺身を食って食って１時間食い続けてまくって、腹一杯になってしまうくらいの量なのである。　もしＫ助も含めて３人分の料理を頼んだらどうなっていたのか、考えるのも恐ろしい。　ここ国崎の「源海」という民宿、建物はボロいが、料理が良いというクチコミで決めたのだが、その通り、悶絶してしまうくらい魚三昧、幸せ極致なのである。　　締めは、少し残した刺身をご飯の乗っけて、熱々お茶でさらさらお茶漬け。　ああ、たまらん。　これぞ清く正しい漁師宿での魚三昧地獄図なのであった。

2009年10月10日

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魚を食いに（二日目）

　日の出前、宿から見た常神半島の海。　実に凛として静寂。　夕べの魚三昧の晩飯と、とどめのお茶漬けのおかげで、腹はまだ減っていないので、ちょっと釣り竿担いで、目の前の海に釣り糸を垂らした。　そして、お楽しみの朝ご飯。　仕事の出張でビジネスホテルに泊まるときは、よく朝のバイキングを食うが、こういう民宿の朝ご飯は数百倍旨い。　地物のカマスの一夜干し、生卵、梅干し、白菜の漬け物、夕べの刺身のアラを使ったアラ炊き。　最近、温泉卵を使う宿が増えた中で、生卵を出してくれるのは実に嬉しい。　軽くお茶碗３杯は食ってしまう。　これぞまさしくニッポンの正しい朝ご飯なのである。　腹一杯のなったところで、すかさず目の前の海に直行。　缶コーヒーをすすりながら、岸壁から見下ろす海には魚だらけ。　深さは７～８ｍはあるが、底まで見えるほど、透明度も高い。　５歳のＫ助にはちょっと早いかとも思ったが、せっかくリール竿を買ったので、投げ釣りに挑戦。　Ｋ助ぇ、リールの糸を人差し指に引っかけてぇ、リールのベールをひっくり返してぇ、竿を後ろに持って行ってぇ、両手を上に上げて、ほぃっ、と投げると同時に人差し指の糸を放す！　Ｋ助にはまだ難しくて、頭の中はパニック、体もがちがちロボコップ。　でも大好きな母さんにカッコエエとこ見せたくて必死である。　手取り足取り、何度かやってるうちに、２時の方向ではあるが、なんとか前に飛ぶようになってきた。　ポイッと投げて、糸をたるませないようにしておくと、竿先に当たりがクイックイッと来るのである。　それをＫ助も認識できたようで、アタリの後に糸を巻いたら魚がくっついているモンだから、興奮度俄然アップ。　人が少なく、魚が多い。　大阪湾とは大違い。　こんなエエ環境で釣りを学べるＫ助がうらやましい。　　そして、ふぐちゃんも釣れた。　すこし離れた場所では、豆アジや、サヨリも釣れているようだが、餌にゴカイを付けて投げておくだけで、１００発１００中入れ食いでいろんな魚が釣れるので、針がからまりやすいサビキはせずに、今日は五目釣りに専念。　結局昼過ぎまで釣りに専念し、腹が減ったところで、常神の海を離れることにした。　眺めの良いところから見る日本海。　１０月なのに、なんだか夏の海を見てるようだ。　無事帰宅し、古くならないうちに釣った魚を処理。　赤くてでかいのが、なんだか分からないので、図鑑で調べてみたらササノハベラというらしい。あとは、タイの子やグレの子など。　もっと釣れたのだが、食えそうなサイズだけキープ。　早速家内が煮付けにしたら、意外にササノハベラが旨かった。　自分で釣ったという自覚が拍車を掛けるのか、Ｋ助がばくばく食っていた。　自分で釣って自分で食う。これぞ命を頂く一連のストーリーの完結である。　わんぱくでもいい、清く正しく育って欲しい、我が息子との釣り三昧となった年に１度の１泊家族旅行なのであった。

2008年10月13日

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魚を食いに

　早朝、奈良を出発し、琵琶湖の東岸を北上。　琵琶湖があまりに綺麗なものだから、思わず飛び込み、ウグイを水中撮影。　もちろん嘘である。　滋賀県立琵琶湖博物館に立ち寄り、水槽の魚を撮影しただけである。　のんびり風光明媚な琵琶湖岸を走って、目的地の福井県を目指していたのだが、思ったより琵琶湖はデカかった。　とても今日中に着きそうにないので、彦根からまた高速に乗って、敦賀まで一気走り。　さて、今日は年に１回の家族旅行で、目指すは福井県は若狭の常神半島の先っちょの常神という漁師町。　新鮮な魚を頂ける民宿が固まっている小さな集落である。　本日の宿は海が目の前。玄関出たら、１０ｍで海なのだ。　早速、昨日買ったＫ助の竿で、釣り教室開始。　まずは安全が大切である。　毒があるから触ってはいけないハオコゼを釣って、「こいつは触るな」とＫ助に伝授。　決して狙って釣れるものではないのですが、釣れちゃった。　で、メインイベントの晩飯はこんな感じ。　どどんと魚だらけなのである。　ズワイガニだけはちと季節はずれで余分だが。　舟盛り（舟じゃなかったが）の拡大。　さらに後からアオリイカの活け造りがどどんと１杯。　これがこの宿の看板である。　活きている。　というより生きているのである。　表面の色がデロデロと変わっているし、足がウネウネ動いている。　ゲソを口に入れると、吸盤が口の裏に吸い付き、ンゴンゴ、ゲホゲホ。　でも、甘く歯ごたえもあり、さらに噛みしめるほどに奥深い味わいが染み出てきて、しみじみ旨い。　実は俺は、同じ日本海の育ちでありながら、アオリイカや甲イカより、スルメイカや白イカの方に親しみがあり、アオリイカは食うチャンスも少なく馴染んでいなかった。　おそらく実家の最寄りの港が、より沖に出られる船を装備していたから、沖で取れるスルメイカや白イカを獲ってたのだろうか。　今日こっちの漁師さんから聞いて、初めて知ったのだが、アオリイカは近場で獲れて、スルメイカは沖合で獲るものらしい。　しかし、今日は目からウロコである。　生きているアオリがこんなに旨いモノかと恐れおののいてしまったのである。　裏を返せば、じゃあ生きているスルメイカや白イカは、この世のモノとは思えぬくらい、旨いのではないか、という妄想も浮かんでは来るのだが。　上の写真は、テーブルに隙間があるのだが、量は相当ある。　５歳のＫ助の分まで、しっかり１人前出されていたのでなおさら。　ただ、供されたものを残すのは俺の美学に大いに反する。　ひたすら食い続けて２時間。　最後に少しだけ取っておいた刺身をご飯に乗せ、ワサビ、梅干し、たくわんを乗っけて、お茶をざっぷり。　隠し味に醤油をタラリ。　トドメのお茶漬け一気喰いなのだ。　いやはや、しばらく魚は食いたくないと思ってしまうくらい、大量の魚で、ココロも胃袋も大いに満足した、清く正しい漁師町の夜なのであった。

2008年10月12日

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異国出張

　異国と言っても、一泊二日の長崎出張なので、偉そうに語ることは出来ないが、それでもちょっと違う土地の雰囲気に触れるのはエエもんだ。　二日間とも雨。　だが、雲の上は実にすっきりくっきりと快晴なのである。　大変まぶしい。ずっと外を見てたら雪目になりそうだ。　宿は佐世保に取った。　知らない土地に行ったときは、まずスーパーとか市場に行くことにしている。　そうすれば、地元の人の食生活の一部を垣間見ることができるからだ。　佐世保で気付いたのは、モータリゼーションの申し子でもある郊外型の大型ショッピングセンターが、この地でも例外無く進出しているにもかかわらず、昔ながらのアーケード街や庶民の胃袋的市場がまだ健在だったこと。　肩を寄せ合うように、小さな商店が軒を並べ、歩道には雨がかからないように屋根代わりのカバーをやっている。　　雑貨屋、干物屋、魚屋、お茶屋･･･　　アメリカ海軍の施設がある街なので、どこの英会話学校で習ったのか分からないが、上手に英語を話す外人さんをあっちこっちで見かけることが多い。　その一方で、この商店街はなんだか古き良き昭和を見ている気分なのである。　なんだか憎めない雑然、混沌、そんな無秩序な秩序が、この街で上手く混在し、バランスを保っているようにも感じる。　なんだか懐かしくて安心してしまう町並みを見ることができた。　　もうしばらく滞在して、歩き回ってみたい街だなあ。　結局時間が無くて、佐世保バーガーも食う暇が無かったし。　いやはや、中途半端な出張なんかじゃなくて、清く正しく普通の旅行に出かけたい気分になった長崎での二日間であった。

2008年04月17日

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窓側座席

　子供の時から汽車に乗るにしろ、バスに乗るにしろ、一番前か、窓側の座席が好きである。理由は簡単、眺めがいいから。　ちなみに、電車と書かずに「汽車」と書いたのは、我がふるさとは未だに電車が走ってなくて、「汽車」しか走ってないのである。それも単線。ついでに私鉄も走ってない。　昔は今よりほのぼのしていたので、汽車の先頭車両で運転席のそばで前方の景色をかじりつくように見ていたら、運転士が運転室の中に入れてくれて、先頭右側のスペースの折り畳みいすに座らせてくれて、思う存分景色を楽しませてくれた。　今そんなことをやると、たちまち新聞沙汰になり、その運転士は首になること間違いなし。　さて、今日は松山に出張で、それも飛行機。予約を取るのが遅かったので、ボーイングのでかいやつじゃなくて、エアコミューターのちっちゃいプロペラ機。そして席は通路側。　すかさず同行の上司に頼み込んで窓側席を譲ってもらった。　早朝の伊丹空港。　テイクオフしてしばらくは雲海の上だった。　小豆島辺りから雲が無くなって、かすんではいるが、下界の風景が見えるようになった。　広島の大崎下島。　　グーグルアースよりリアリティがあってなかなか結構である。　ちなみにグーグルアースの裏コマンドでフライトシミュレータモードがあるが、それよりやっぱり面白い。　目の前の風景を見ながら、ここはどこだろう？と、頭の中の日本地図と照合するのだが、なかなかこれが難しくて退屈しない。　あっという間に松山空港到着。　窓枠に額をこすりつけるように風景を堪能したもんだから、前髪がおでこにぺったんこにくっついていた。　帰路も空路で今度は夜景を目論んでいたのだが、経費節減のため、鉄路で。　６時過ぎに松山を出て、奈良のうちに着いたのは午前０時。　日が暮れた後の鉄路は景色も楽しめず、いやはやなんとも距離を感じる移動であった。

2008年02月22日

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衝動的旅行行きたい病

　こんな物を見てしまったので、逆上的に旅に出たくなってしまった。　貝塚市でウルトラマンに会った帰り、息子にでっかい船を見せてやろうと思って、泉大津のフェリー乗り場へ。　20歳台は、フェリーを使って北海道・九州・四国・沖縄とバイクで走り回ってたもんだから、その時の記憶がよみがえり、突発的欲望が再燃してきた。　別にやめた訳でもなく、ちゃんとバイクは今も整備してるし、キャンプ道具もいつでもスクランブル状態である。しかし子供が産まれたらさすがにバイク乗る機会が減ってしまった。（ほかに趣味が多くて手が回ってないというのもあるが・・・）　船が目的の港に着岸するタイミングをみて、バイクを固定しているデッキに移動する。暗くて排気ガスだらけですこぶる息苦しい。そこに船首の蓋があいて、鋭い光が射し込むと同時に、ひんやりとした朝の空気が流れ込んでくる。　これから旅が始まるという気分にさせてくれる瞬間で、思わずアセチルコリン・ドーパミン・ギャバなどありとあらゆる脳内麻薬が頭の中を駆けめぐり、血が沸騰する。　おそらくほかのバイク乗りも同じ気持ちだろう。一斉にエンジンに火を入れ、そしてオンロードもオフロードも皆何故かスタンディングで船から陸へのスロープを下りて、思い思いの方向に散らばって行くのである。　思い出すだけで実にたまらんなぁ。　　バイクにテントくくりつけてどっか行こうかな。

2006年07月10日

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