残業人間の野遊び生活

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  鹿の竜田揚げ

  　鹿肉の竜田揚げを作ってみた。　まず、赤ワイン、醤油、ショウガで下味を付けてから、片栗粉を振って１８０度で揚げるだけ。　鹿肉は水分が多いので、揚げてる最中はすさまじく泡が出て、油が飛び散るのである。　どえらい音を立てながら、ガスレンジの周りがみるみるうちに油まみれになっていくのが分かる。　それをじっと我慢して、すさまじさが落ち着いたところでできあがり。　いや、なに、これ、かなり旨い。　相当旨いぞ。　獣臭さなんぞ、全く感じない。というか肉の旨さを感じることができる、すばらしい料理ではないか。　これは使えるな。　山の学校のイベントでも使えそうだな。　ビールも進む進む。　　なんとしても日曜は出撃するぞ。　なんとか熱も下がって、体力回復のため、ひたすら食いに走る俺なのであった。

  2009年02月13日

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• 撃沈

  　先週から家族の看病に当たっていて、てっきり俺はバカヤロウで風邪もひかんのだ、とタカをくくっていた。　が、不覚にも風邪をもらってしまい、せっかくの休日、布団のこやしとなってしまった。　熱が３８度を超え、ミイラ取りがミイラになっちまった。　参ったなあ。　山に行きたいなあ。

  2009年02月11日

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  とうさんジュース

  　先週末から、５歳の息子Ｋ助がインフルエンザとなり、今日で５日目。　熱は３７度台まで下がったが、まだ予断は許せない。　ついでに付きっきりで一緒に寝ていた家内が風邪でダウンして、結局元気なバカヤロウは俺だけとなって、今日で３日目。　会社も休んで主夫三昧である。　ところで、気が付いてみたら、うちの近所のＫ助の同級生、ことごとくインフルエンザが発症。　うちのお隣も、斜め向かいも、その裏手のお宅も、全員Ａ型インフルエンザ。　恐るべしインフルエンザ。　まさに団地内感染である。　で、みなさんジモティなので、親兄弟親戚がヘルプで来てくれたりしてるのだが、次男坊でうっかり故郷を遠く離れてしまった俺にはそのツテが無い。つまり家族に何かあったときは、すべて自己回収せんといかんのである。　ちょっと周りがうらやましい。　さて、まあ峠は越えたであろうＫ助のために、今日は父さんスペシャルドリンクをこしらえた。　　中身は、　ポンカン、ハッサク、バナナ、ポッカのレモン汁、はちみつ、生卵に牛乳。　香り付けにバニラエッセンスを少々。　ミックスジュースだか、栄養ドリンクだか、自分でもよく分からんが、フルーツに生卵と牛乳を入れるのが、我が渓遊家の伝統なので。　Ｋ助も、うまいうまいと飲んでくれた。　勢い余って、晩飯用に買った水菜で即席漬けも作ってしまった。　左は塩と昆布だけ。　右はそいつに豆板醤を入れた、ちょっとオトナ風。　明日、どんな味になってるか楽しみであるな。　てなことをやっていながら、昼過ぎにうっかり職場用の携帯電話の電源を入れてしまった。　それから、ねらい澄ましたかのように客先から電話がガンガン。　その対応に、パソコンに向かってメールをバンバン送信。　自宅でもパソコンがあれば事が進んでしまう世の中は便利なのだが、それでも会社休んでるのに、家族の面倒も見ながら、仕事もしていて、なんだかいつもよりどたばた忙しい月曜なのであった。　・・・ん～、ちょっと喉が痛いかな。　さっさと布団に入って、水曜の休みはなんとか山に入り込みたいもんだな。　頭の中は、常にこんな山ん中を、鉄砲担いで歩いてる自分がいるのであった。

  2009年02月09日

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• インフルエンザ

  　本来なら、山に入って鉄砲バンバン撃って、イノシシ獲ったぁ！なんて日記を書きたいのだが。　水曜の夜、５歳のＫ助が気管支狭窄（クループ）の症状が出て、家内も俺もほとんど寝ずにいた。　その時は熱は上がってなかったが、木曜の朝に、ゴ～ンと熱が４０度近くまで上がったので、家内が早速医者に連れて行って検査したら、Ａ型インフルエンザだった。　予防接種受けてたのになあ。　早速タミフル服用したのだが、今時分、ちびっ子のタミフル服用はどんな異常行動をしてくれるのか、皆目検討がつかない。　で、家内も付きっきりで面倒見てたので、今度は家内がダウン。　で、ようやく俺の出番。　こんな時、俺は風邪を引かないのである。さすがバカヤロウおとっつぁんである。　今日予定してた用事も全部キャンセル、明日の出猟もキャンセルし、今日明日は家事手伝いを生業としていそしむことにした。　とりあえず、今日の昼は、俺特製カップラーメン。俺の念力の入った湯が入っている。（んなわけないが）　夜は、豚肉の味噌鍋を作った。「Ｋ助ぇ、元気になったら何食べたい？　鹿肉焼いたの食べるか？」　ようやく今日になって熱が３７度台に下がったＫ助に聞くと、「焼いたのはイヤ！　焼いてないのが食べたいぃ！」（鹿の刺身のこと）　若干誘導尋問クサいが、これは否応なしに、１１日は出猟して、Ｋ助に新鮮な鹿サシを準備せねばなるまい。「とうさん、イノシシも食べたい！」　おいおい、なかなか難しい注文するようになったな。　とにかく１１日はがんばろう。

  2009年02月07日

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• 猟友の初モノ

  　週末２回続けて仕事が入って猟に出られず、今日が年明け２回目の出猟。　昨日まで異様に暖かかったけど、今日は少し普通に冬らしい空気に戻ってきた感じ。　今日は、勢子１人、受け５人体制。　メインとなる受けに俺とキャリア３００万年の先輩と、大物猟２年目のおじちゃんの３人が入ることになった。　このおじちゃん、カモ撃ちがメインとされてた方で、まだ大物は倒したことが無い。　是非、倒してほしいものだ。　　キャリア３００万年の先輩と相談しながら、下から順番に縦に、おじちゃん、３００万年先輩、俺と配置を決定。　そして、勢子が犬を放して、程なくモノが起きた。　無線では３頭とのこと。　　犬の鳴き声からして、俺のところに出るはず。　出た！　　が、チラ見せ寸止めで方向転換しやがった。下に下ったな。　「先輩、行くで！」　と、無線を入れたが、そっちに走った気配を感じない。　こりゃ、違うな、もっと下に下ったな。　「おじちゃんとこや！」　読みが当たった。　しばらくして、おじちゃんの花火大会が始まった。向かいの斜面におじちゃんの銃声がこだまする。　「転がしたでぇ！」　「おめでとう！初モノですね！」　この後が大変だったようだ。　モノのガス抜き。そして、３００万年先輩と二人で道路までモノを下ろすものの、山歩きに慣れてないため、２回ほど、すっ転んだらしい。　モノは去年の子でちっちゃかったとのこと。というのも、一番上の待ちにいた俺が下ったときにはすでに解体が終わってたから。　でも、ちっちゃくても１頭は１頭。初物は一生に一度なので、大事なのである。　俺も数年前におんなじ経験したし。　その当時、師匠に俺がしてもらって嬉しかったことを、おじちゃんにもやらせていただいた。　「初の四つ足、おめでとうございます。」　がっぷり握手。　「ありがとうございますっ！」　おじちゃんも嬉しそう。　猟歴５年の俺が言うのもおこがましいのだが、まだ倒した経験の無いおじちゃんに、なんとかモノを倒して欲しかったのだな。　モノを倒して、ようやく初めて共猟の楽しさが分かって頂けると思ってたし。　もちろん、出来れば俺もモノを倒したかったけど、今日はおじちゃんが結果を出してくれて、別の喜びを得ることが出来ました。　きっと、おじちゃんも次回は今までと違った心持ちで猟に参加できるでしょうね。　猟隊の最年少である俺がこんなことを思うってこと自体、厚かましい話ではあるが、ま、そんな感じでおじちゃんも喜んで頂けたみたいだし、ちょっと嬉しい１日なのであった。　　

  2009年02月01日

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  嗚呼、おみいさん（達っちゃんクラブ外伝）

  　本日のメニューである。　ほのぼの田舎料理が好きな人なら、このメニューを見たら鼻息荒くなること間違いなし。　俺なんか、鼻息荒すぎて、鼻水飛び出していた。　山村と都会のみなさんと交流を図り、山村の文化を伝える「山の学校　達っちゃんクラブ」。　本日は「栃餅作り」なのだが、メニューの通り、栃餅だけじゃないのが魅力である。　地元の栃の実たくさん、餅米２升。　鹿や熊との競争の末、勝ち得た貴重な地元産の栃の実である。　俺もこのイベントに助っ人で参加させていただき５年以上経って、少し餅つきの感覚が分かってきた。　が、平日１日１０数時間、パソコンとにらめっこしてるこの俺の体。　２０回も杵を振ったところで、息が上がってくる。　コツだけではどうしようもない。まさに餅つきは体力なのである。　　しかし、うまいモノを食うためには耐えねばならぬ労働なのである。　で、ついてる途中に、こやつに砂糖１キロぶち込み。砂糖をぶち込むことで、餅がまったり柔肌でおしとやかで乙女チックな栃餅に変貌するのである。　淫靡で奥ゆかしい栃餅なのである。　杵が重いちびっ子には、千本突き。　大人から子供まで餅つきに参加するのである。　ここ、奈良県は川上村では、餅つきっちゅうのは、大人から子供まで参加する一大イベントであったことを物語っているなあ。　一方、村の５０年前のコギャルさん達は、「おみいさん」の準備に大忙し。　出汁を取った鍋に、野菜、米、そうめん・・・おもいつくまま材料をぶちこみ味噌仕立てに仕上げるのである。　フィニッシュである。　写真左下が「おみいさん」　おかゆ風だが、念のため聞いてみたら、決して戦時中の米のない時の食事では無いらしい。戦前からあった、川上村の伝統メニューとのこと。　派手さは無い、が、地味で素朴で、体の内側からあったまる山里の伝統料理なのである。　窓の外は雪景色。　これぞ、清く正しい山里のほっかほっか昼飯なのであった。　栃餅食って、漬け物食って、おみいさんをすかさずどんぶりお代わり３杯。　動けねぇ。　

  2009年01月24日

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  深夜の晩飯

  　木曜、金曜と一泊二日で家を空け、四国への出張をこなし、ようやく金晩に戻ってきた。　病み上がりでもあるので、結構お疲れモード全開である。　うちに着いたのはおおかた零時頃で、もちろんみんな寝静まっている。　いつものことだが、家内が準備してお盆に置いてくれてる晩飯を、レンジでチンして無言で食べるのみ。　久々の我が家なのだが、まあわびしいわなあ。　と、今日は違った。　チンされるのを待つだけの無機質なハンバーグ（無機質と言っても家内の手作りであるぞ）のはずだったが、そのハンバーグになにやら差し込んである。　最近ひらがなを読み書きし始めた５歳の息子のＫ助が作った旗だった。　鏡文字で見にくいが、明らかに「とうさん」と書いてあるではないか。　ひとりわびしい晩飯ではあるが、なんだかココロはほのぼのあったまるシアワセの旗なのであった。　

  2009年01月16日

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• 会社休んだが

  　昨日、会社を早退して帰宅した夕方時点で体温は３７．２度くらいだった。　それが夜になると、みるみる上がっていって、３８度を超えてきた。　い、いかん、これはもしやインフルエンザでは？　明日も熱が続くなら医者に行って、検査をして貰って、最悪はタミフルの出番である。　明けて、今朝、やっぱり熱は３８度。　迷わず会社にメールで『休みます』メールをうち、再び布団の中へ。　ところが、日が高くなってくると、吹っ切れたかのように体が楽になり、みるみる熱も下がってきたではないか。　どうもインフルエンザじゃないようだ。良かった良かった。　さて、体がちょっとでも動けるようになると、ダイニングのテーブルにノートパソコンと手帳と携帯を起くと、素早くそこがスモールオフィスに早変わり。　メールをチェックし返事を出し、携帯で客先に電話し、会社に資料作成の指示を出し、パソコンで飛行機と宿の予約をして、明日から１泊出張の段取りが出来上がってしまった。　家に居ても仕事が進んでしまうなんて、便利な世の中になった反面、なんだがうっかり心おきなく休めないというのも、精神的に良くないなあ。　回復が早そうだから良かったのだが、病み上がりで出張というのも、なかなか喜ばしくない状況である。これで夜にクライアントと飲みなんてことになれば、それもしんどいしな。　うまく切り上げて、週末の出猟に体を整えたいものである。　いや、それ以前に病み上がりで出猟なんて、まず家族になんて言われるのだろうか。　

  2009年01月14日

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• パソコン不調

  　もともとご近所さんが事務所で使っていた古いパソコンを譲り受け、俺の書斎に鎮座していたデスクトップパソコンが、このたびお亡くなりになったようだ。　で、今はリビングにあるこれも相当古いノートを使っているが、こいつかべらぼうに遅い。　無料のファイヤーウォールソフトも入れてるので、更に遅い。　なので、写真編集とか出来ない状況です。　代替機というかもう泣く泣く新品を買うことにしたが、これが納品まで１週間くらいかかる見込み。　それまで文章のみのブログとなるでしょう。　ついでに、我が体も絶不調で、今日は職場を早退してきた。　今は微熱だが、もし今夜熱が上がれば、明朝インフルエンザの検査に行くつもり。　猟期に熱を出すなどとは、ふざけたヤツだと自分を責めつつ、ベッドに直行なのである。　なんとか週末までには、いや、明日も仕事はあるので今夜中に治してしまいたいところですな。

  2009年01月13日

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  首が暖かい

  　猟に行って待ち場に着くと、雪が降ろうが雨が降ろうがじっとしてなくちゃならない。　風が無く、日当たりが良い場所ならそこまで苦じゃないが、風が直撃するような場所だと、とかく体感温度も下がって、温度計の表示以上に寒いのである。　特に首。　ブルゾンとかの襟を立てたり、マフラーも巻いたり、バンダナを巻いたり、いろいろ試してみたが、首周りの動きを阻害したり、脱着がめんどくさいなど、どれもしっくりこなかった。　そこで、先日買ってみたのが、こいつ。　モンベルのネックゲーター。　簡単に言うと、フリーズ生地の筒である。　風を遮断してそこそこ暖かく、肌触りも良く、多少延びるので、脱着も楽。首に違和感なく待ち場に居られるし、なんといっても、銃を撃つときに邪魔にならないのが良い。　マフラーと違って、木の枝に引っかかって首から取れちゃうといったことも無い。　今期手放せないアイテムとなっているのである。　ただ、定価1,800円。　ユニクロのフリースをセールで980円で買って、背中部分の生地を切って筒状に縫えば、それで事足りたかな・・・。

  2009年01月12日

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• 新年初出猟初猟果

  　昨日からの冬型天気で、奈良も山の方では雪。大阪・奈良県境の山も雪。　でも、猟隊長の勢子さんから、「行くでぇ！」の連絡を貰っていたので、迷わず５時起き。　いや、なに・・・何が心配かって、うちの猟隊は大半が大阪在住なので、大阪から奈良への早朝山越えが出来るかどうかが心配だったのである。　でもゆるりゆるりと無事越えられてきた。　待ち合わせの場所に着くと、いきなり猟歴豊富な長老が、「今日はアカン、アカンで。モノが動いとらんで。」　猟隊長の勢子さんも、「雪もあるし、午前中１本だけやろ。」なんだが、みなさん消極的なのである。　だが、年末、雪の中、モノが全く動いてない状況の中、単独忍び猟で１頭倒して、その翌日、巻き狩りでも１頭倒して、有頂天、高飛車、天狗になってしまってる俺は、全く消極的ではなく、鼻息が荒いのである。「雪降っても、モノが消える訳じゃないで。寝屋に行って起こせば獲れるって。」　最年少、猟歴未熟な俺が偉そうにのたまっている。「さて、どこやるべ？」　いつもは猟場を決めてかかる猟隊長が、いきなりこの質問。　そこで、また高飛車天狗の俺が、　「○○の山はどうですか？　山がちっちゃいから、ピンポイントで攻められるでしょ。寝てればワンチャンスだけど獲れるんちゃいますか。」　ほんとに最年少、新参のおこがましい発言ではあるが、俺はやる以上はテンションを下げたくない。　「よっしゃ、そこ行こ。」　逆に消極的な隊のみなさんは、俺の言葉を待っていたか、それとも俺の顔を立ててくださったのか、あっさり決まり。　それぞれ待ち場付近に車で散らばり、装束整え山に入ろうとしたら、「鳴いたでぇ！　気ぃ付けやぁ！」　ちょっと、そりゃないでしょ。　待ちが配置に付いてから犬放してよ。（後から聞いたら、犬を車から降ろした途端鳴いたらしい。ま、しょうがないか・・・。）　で、残念ながら、俺が待ち場を決めようとまだ歩いている最中に、鹿に俺の３０ｍほど下を走られてしまった。　撃ち手が待ち場に着いてから犬を放して欲しかったというのが本音だが、犬が鳴きながら鹿を追ってる以上、俺も下手に動かず、撃てそうな場所に決め打ちで待つべきだったかな、と、ちょっと反省。　鹿と一緒に大半の犬も飛んでしまってるが、まだ残りの犬が近くにいるので、俺もとりあえずの待ち場で臨戦態勢。　お、気配が。　銃を構えて振り返ると、ひょこっと頭を出した鹿とにらめっこ。　鹿は犬に追われてるが、その先に俺がいるので、今度は斜面を上に立ち上がって、もと来た方へＵターン。　「俺の手前で立ち上がって、Ｕターンしたでぇ。」　「犬かい？」　「犬ちゃうわ、モノや！」　「モノかい！　○○さん、そっち気ぃ付けてやぁ！」　と思ったら、その鹿、グルリ１周犬を巻いて、また俺の近く３０ｍに飛び出してきた。　ドッカ～ン！　ドッカ～ン！　ドッカ～ン！　だが、ヒョッコンヒョッコンと飛び跳ねるようにその鹿は走り去っていった。　「今撃ったの誰やぁ？」　「渓遊やぁ！　矢跡見るわっ！」　撃った先を見に行くが、全く血糊を引いてない。が、距離が近かったので、当たってない訳も無いはず。　「血糊引いてないけど、足追うわ。」　鹿の足跡追っかけていくと、１００ｍ位先でやっぱりモノがすくんでいて、俺が近付くと再び走り出した。しかし、ほどなく、また座り込んでいる。　やっぱり俺が撃ったのが当たってたようだ。　で、止め矢を入れて一件落着。　３発のうち、２発が胃袋付近を貫通していて、それで血糊は引かなかったのだが、座り込ませたんだろう。　偉そうに若輩者の俺が猟場の提案までしておいて、モノが出なかったらヒンシュクだが、まあこうしてモノが獲れて、ホッと一安心。　年末から立て続けの３連荘である。　ますます俺は高飛車天狗になっていきそうである。　昨猟期以降、うちの猟隊は、９割は俺が撃って獲ってるので、なんだか気味が悪いくらいなのである。　だが、ここは謙虚の一言に尽きる。俺一人で猟やってる訳じゃないしね。　ま、とにかく、新年初出猟で、１頭獲れたので幸先がいいねぇ。　そうそう、奈良県は、大阪府、和歌山県に続き、鹿、猪に限り猟期が３月１５日まで延長された。せっかく猟期が延びたことだし、この調子で行きたいところですな。

  2009年01月11日

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• 初夢とは

  　松の内を過ぎてから、初夢の話題っちゅうのもどうかなと思うが・・・。　今日、職場で初夢の話をしていて、初めて知ったのだが。　俺はてっきり初夢っちゅうもんは、元旦の朝（大晦日から元旦にかけて）に見る夢の事だと、長いこと信じていた。　しかし、職場で聞いたことには、初夢ってのは、元旦から二日にかけて見る夢というのが近代では一般的であるらしい。　ネットで検索してみたらどうもそれが正解のようだ。　実は元旦の朝、俺が見た初夢と信じていた夢では、自分が担当しているプロジェクトで一緒にやってる設計会社のイヤミなおっさんが出てきてしまって、元旦の朝からブルーだったのである。　しかし、初夢がそうじゃなくて、元旦から二日にかけて見た夢だと聞いたとき、俺のココロはハッピーパラダイスに輝いたのである。　年甲斐もなくコッパズカシイ話ではあるが、俺が本当の初夢とおぼしき二日の朝に見た夢では、毎朝俺が見てるＴＢＳの、みのもんた氏が司会している「朝ズバッ！」に出てくるお天気おねぇさんと俺が仲良くなってデートしていたのである。（根本美緒ちゃんのことね）　美緒ちゃんと夢の中で、デートとして最後にキスまでしたなんぞ、恥ずかしくてとてもブログでは書けないのである。　いやはや新年早々、お天気おねぇさんとは、脳天気でご機嫌な話であった。　そんなわけで、今年はいい年になりそうである。　話は戻って、松の内、これも古今東西。　１／７までを松の内というもんらしいが、それは関東の方のことらしい。　こっち（関西）では、１／１５までのようだ。　確かに職場の帰り道、未だに注連飾りを飾ってる家が多い。でも奈良県ちょっと南部寄りの吉野の方では既にとんどをやってしまってる地域もあるようだ。　でもちょっと寂しいのは、うちの近所でも端っから注連飾りを飾ってない家も多い。　やっぱ正月は玄関に飾りをして、書き初めをして、とんどで注連飾りのダイダイやらミカンやら、それから餅を焼いて、縁起もんと言ってそいつを食って、それから、竹に酒を入れてとんどの炎で燗して飲みたいもんですな。　それこそが、清く正しいニッポンジンらしい光景だと思うし、俺は最先端のパソコンでブログを書きつつも、そういう伝統文化を大切にしたいとも思っているのである。　

  2009年01月08日

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  牡蠣三昧

  　年末年始は、交代交代で、俺の実家と家内の実家に帰省することにしている。　今年は、家内の実家の広島の番である。　で、３０日に奈良から広島へ移動。　夫婦共々故郷を離れて暮らす我が夫婦にとって、盆正月は民族大移動的忙しい季節なのである。　大晦日の夜、小雪舞う冬型の天候であるにもかかわらず、外で炭を熾して焼くは、広島といえば、言語道断的にもう牡蠣なのである。これは焼き牡蠣。　これでもかというほど、ジューシーで、もう日本酒が手放せないのである。　写真撮るのを忘れていたが、本日の酒は、奈良から持って帰った地酒。アフェリですが、人気があるのか売り切れてます。俺は地元なので、通販は使わずいつもここに直接出向いて買っている。米惣よしむらさん通販もやってくれるらしい。いつも、と言っても、自分用に酒を買う余裕は無くて、ほとんど帰省の時の土産用かお世話になってる方への進物用。だから、俺が自宅で一升瓶抱えて飲んだくれるってことが滅多に無い、というか味見する機会も滅多に無いので、ちょっと寂しい。　この山田錦を使った「風の森」という、ちょっと寝かせた純米酒。これを冷やでグビッ。雑味無くふくよかで丸みのあるやわらかな味わい。そしてコストパフォーマンスも高いので、奈良の地酒で気に入ってる酒の一つである。　焼き牡蠣のお次は、生牡蠣。　広島の牡蠣は超有名なれど、地元広島で生の牡蠣を食う文化はあまり定着していない感を受ける。　皆、カキフライか土手鍋なのである。　どうもいくら大丈夫な牡蠣といえども、数食えばやっぱり当たるらしい。　それを知ってるから広島人は、生の牡蠣を食わないとか。　いろんな意味でナマが大好きな俺は、この生の牡蠣も大好きである。　殻を上手に剥いて、レモンをちょろっと絞り、きらきら光る新鮮な牡蠣をチュルッ！　すかさず、純米酒をキュッ！　もう何も言えない。　奈良の地酒と、広島の牡蠣の清く正しい見事なコラボレーション。　もう２つ３つ、牡蠣をむいてしまおう。　家内の実家の生粋の広島人である皆様が、誰も手をつけようとしない中、牡蠣殻片手に一人ニタニタ笑っている、至福の大晦日なのであった。　

  2008年12月31日

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• さらにもう１頭

  　昨日、単独忍び猟で鹿を１頭仕留めた興奮覚めやらぬ状態で、同じテンションのまま、５時起き、６時半出発。　ただ昨日延々１０キロ程歩いているので、疲れもそれなり。　途中のコンビニで、珍しくアリナミンＶの助けを借りることとした。　さて、今日は勢子含めて６人体勢の巻き狩り。　って、毎度のごとく、勢子は見切りもせずに猟場を決めて犬を入れようとしている。　で、俺の指定された中腹の待ちも、去年はここで俺が通算２頭仕留めた場所ではあるが、今日はわくわくするような足跡が無い。　ん～、なんだがこのままじゃ獲れる気がせんな。　犬は鹿を起こしたようで、遠くの方で元気に鳴きながら走り回っていている。向こうの待ちが１発だけ矢をかけたようだが、ダメ。　どうもいかんな。　なんとも説明しづらいが、ここで待っててもモノが出そうなイメージが今日は全く湧かないのである。　共猟ではやってはならぬと分かってはいるが、モノが来そうにないので、待ち場を離れ、尾根筋まで出てみた。　ゲゲ、いつのまにやら尾根筋に延々鹿ネットが張ってある。これじゃあ、モノの動きが限定されちまうなあ。　と思ったら、そのネットの向こう側に鹿発見！　迷わず、　ドッカ～ン！　全速力で下りだしたので二の矢を　ドッカ～ン！　三ノ矢を　ドッカ～ン！　勝負有り。　初矢は前足の関節を、二の矢は腹、三の矢は腹から骨盤へ。　犬に追われてない二又角の鹿だった。　俺としては昨日に続いて二日連続の今期２頭目だが、隊のみなさんは今期の初物。　なので、メンバーの雰囲気も俄然良くなり、俺も嬉しい。　正直、昨日一人で獲ったとみんなに話したので、今日、外したら、何言われるか考えただけでもおぞましかったし。　この勢いで午後も張り切ったが、隣の待ちが半矢にしたのに飛ばれてしまい、回収できず。　こうして年内の猟は無事終了。　だが、かなり疲れました。　本日もビールをご機嫌に飲んだ後、というか飲んでる最中から眠くて眠くて、食事終了と同時に、即座に水没撃沈意識不明。　まあなんにしろ、暮れのぎりぎりに、忍びでも巻き狩りでも結果が出せて、安心して年が越せるなあといったところかな。　さて、新年の初出撃はどうなることでしょうね？

  2008年12月28日

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• 今年の初物

  　昨日は仕事納めで、ようやく今日から年末年始休暇に突入。　すかさず、今日は一人での忍び猟。　ただ結構寒いので、モノもそんなに動かないだろうと想像して、いつもよりゆっくり目の出発。　車を降りて歩き始めたのは午前９時。　案の定というか、それ以上に谷筋は冷え込んでいて、最初に入った１キロばかりの枝谷も、全くモノの気配無し。気配どころか、新しい足跡さえ見つからない。　２０センチ級の霜柱もそこらじゅうに乱立して、歩くたびにバリバリ音をたてるほど。　気配が無いとは言っても、鹿も消えた訳じゃなく、どこかにじっとしているはずなので、その場所さえ分かれば、そこに突入するつもりなのだが、まだ何度も行ったことのない場所なので、よく分からん。　この枝谷をあきらめ、林道をのんびり歩いて登って、さらに気配を探していく。　丹念に足跡を探していると、夕べの雪をかぶっていて明瞭では無いが、恐らく昨日の足跡が斜面を上に向かって付いている。そして、その周辺には下った足跡が無い。　これ、きっとこの上で寝とるな。　よし、突入！　林道を外れ、杉の植林地の斜面へ突入である。　やがて地面がヒカゲノカズラで覆われた場所に遭遇。　なんだか、エエ感じ。　ああ、そういや、先日作った注連飾りにつけるウラジロを持って帰らないとなぁ、と気を逸らした途端、カサッと音が聞こえた。　しまった！　まるでこっちが気を逸らしたのを見計らったように、鹿が飛び出して逃げて行った。　　ま、こんなもんかな。　いったん林道に戻りさらに歩いていくと、またカサッと音がする。　いる！　姿は見えないけど、斜面の上方でモノが動いているのが分かる。　斜面を左に切って枝谷の奥に向かって行ってるな。　と、別の鹿が静かに最初の鹿に付いて行くのがちらっと見えた。　左に切った後、斜面を上に行くか、下に行くか？　下に行くならこのまま林道走ってまわりこめば撃てるはず。　いや、違う、雪はたいして積もっていないし、こりゃ上に逃げるな。　すかさずまたまた藪に突入。　必死で藪を登って視界が開けたところで、視野を全てチェック。　おった！　２頭登って行ってる。　銃を構えるが、遠い～。１００ｍ近くある。　それに２頭とも、こっちに尻を向けて立ち止まりやがった。　見えるのは白い尻だけ。　とにかく撃たないと始まらない。それに今日は全弾スラッグを入れている。多少距離があっても当たればなんとかなるかも。　ドッカ～ンッ！　１頭が木立の中を左に水平に走り出した。目の前の杉の大木のせいで一瞬見えなくなるが、次に見え始めるところを狙って銃を構えていたが・・・。　あれ、出てこない・・・。コース変えられたか。　すかさず上に逃げるもう１頭に狙いを変えて、　ドッカ～ンッ！　ドッカ～ンッ！　ん、とことこ走りで見えなくなったぞ。当たったか？　とにかく矢跡（着弾点）を確認せねば。　空の薬室に弾を込めてから、ひぃひぃ言いながら斜面を登って２頭目が見えなくなった辺りへ向かった。　その時である、突如、足元からガバァッ！とでっかいモノが起きあがって走り出した。　うわ、なんだなんだ～、えっ、鹿か！　すかさず、　バッカ～ンッ！　これでヤツの体勢が崩れた。　最初、水平に走ったやつは、実は当たっていて、ここで座り込んでいたのである。そこに俺が登ってきたもんだから、あわてて走ったという訳だった。　よし、まず１頭。初物ゲット！　では２頭目は？　さらに斜面を登って足を拾うが、まっすぐ斜面を上に上がっている。そして血痕も無い。　う～ん、もしかしたらどこかをかすめたから、とことこ走りになったのかもしれないが、この鹿はあきらめよう。　　ちなみに倒したモノの初矢は見事に白い尻から、内蔵を貫通し、肩を砕いて首筋の皮と肉の間で止まっていた。　まあ、当たって何より。　これでようやく今期の初物を年末ぎりぎりセーフである。　時間は午後１時の未だ氷点下。　ここからがきつい。　小さなナイフで一人で腰を曲げてモノの解体である。氷点下なので、長靴の中の指も感覚がなくなってしまう。そしてまだ下手っぴなので、途中でタバコ休憩を入れての休み休みだが、全て処理するまで２時間もかかってしまった。　やっぱもう一本長いナイフ欲しいなあ。　解体を終え、肉を背負って、車まで１時間、肩にがっしり食い込んでくる重さだった。　帰ってから体重計で計ってみたら、装備を入れたザックが７キロ、それに肉が１１キロ、鉄砲が３キロくらいなので、まるでテントを担いだ夏山状態だった。　車に戻ったのが１６時をまわっていたので、最初に見付けた公衆電話でまずは無事を報告。（携帯は当分圏外だし）　猟場からうちまで車で２時間。　帰宅して、まずは風呂で体をぬくめ、そして狩猟始めて単独忍びで通算２頭目、そして今期初の猟果を師匠に報告。　そして、待ってましたのキンキンに冷えたビールで、敢えなく撃沈意識不明の寒い寒い冬の１日なのであった。　明日は隊での巻き狩り。　年末年始休暇は実にハードなのである。（ついつい長文ですいません）

  2008年12月27日

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• （速報）ようやく開眼

  　ブログ更新が滞っております。　泊まりがけの出張の連続、それ以外の日は２３時とか午前零時帰宅が続き、それでも毎週末出猟し、猟から帰ったら、缶ビール２本で意識不明となる状態。　ネタはあるのですが、とてもブログに手を出す時間と体力が無いのが、前回更新以降の私の状態です。　ですが、昨日仕事納め。　そして、早速本日忍び猟に出撃し、冬型の天候で全くモノが動いていない状態の中、寝屋を探して、強引に鹿を起こし、３歳程度の雄鹿を獲りました。　今期の初物です。　今日も１０キロほど山を彷徨して、ヘトヘトになり、とどめのビールを飲んだので、あと５分で意識不明になります。　そして、明日も５時起きで、巻き狩りに出撃です。　ということで、あさって以降、日付順不同で順次ブログ更新していきたいと思ってますので、よろしくお願いします。　とりあえず、本日ようやく開眼したので、速報ということで。

  2008年12月27日

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  Ｋ助の初出猟

  　俺が使ってる銃は、ブローニングの２０００というモデル。口径は１２番で、本物の鉛の弾を撃つことが出来る。価格は、師匠から譲り受けたので、無料といったところか。　弾は薬室、弾倉合わせて３発しか込めれないので３連射しか出来ない。　そして一方、我が息子、５歳のＫ助の銃はＳＩＧのＳＰ２３４０というモデル。口径は６ｍｍで、プラスチックのＢＢ弾を発射することが出来る。価格は、近所のおもちゃ屋でおおかた3,000円もしたので、俺の銃よりかなり高価である。ちなみに東京マルイ製で、グリップに電池を入れて、引き金を引けば、電動でスライドがブローバックして引き金を引くごとに連射ができる、という優れものである。　そして、たしか弾倉に１６発も入るので、俺の銃より格段に連射が出来る。　また、使用するＢＢ弾は、自然環境を考慮して、生分解するプラスチックのＢＢ弾に変えている。　　猟期が始まって以来、「父さんと山に行って、Ｋ助も鹿を撃つぅっ！」と、Ｋ助が大騒ぎするので、先週末、「明日の土曜日に一緒に行こうな」と約束しておいて、本気かどうか確かめるために、試しにその約束をすっぽかして一人で山に行ってみた。　すると、Ｋ助はすっぽかされて本気で怒ってたと、家内から聞いたので、よし、それなら本気で一緒に行こうと、今日に至った。　早起きして、車に乗って、途中のスーパーでカップラーメンと、なぜかおもちゃも買って、いざ山へ。　まあ、いきなり俺が本気出して、いつも行ってる道無き道に入り込むのはＫ助には過酷というもの。　かる～い気分で舗装された林道をのんびり忍び猟スタイルである。　かる～い気分といっても、この林道もモノを獲った実績はあるので、出会う可能性は十分にあるが。　　氷点下の空気に包まれた谷筋で、手に拳銃を持って獲物を探すＫ助の姿は真剣である。　道の脇には夕べからの雪が残り、濡れた地面は凍っていて、肌を刺すような寒さ。　正直、モノが動くにはちと寒い。　「Ｋ助、これ、鹿のフンだぞ。まだ新しいフンだ。近くにいるかもよ。足音立てんようにして、静かに歩けよ。」　「Ｋ助、これ、鹿の足跡だ。あっちに向かって歩いて行ってるぞ。Ｋ助、ちょっとあっちに行って鹿がおらんか見てきてくれるか？」　「うん、分かった。」　俺を真似て、Ｋ助もひそひそ声。　古い足跡やフンなどの痕跡を見付けては、Ｋ助に声を掛け、Ｋ助のテンションを高める努力を怠らない。　「でも、父さん、餌持ってきて鹿を呼んだら、絶対鹿がこっちに来るはずだよ。」　「Ｋ助よ、それは奈良公園だけの特別な話だぞ。」　「ふ～ん・・・。」　１時間ほど林道を散策して、Ｋ助が飽きて疲れたところで、車に戻った。　慣れない早起き、氷点下でばりばり凍った山。お腹もすきすき。　こんな時はあったかいカップラーメンである。　我が愛車、３列シートのエロバス君、３列シートを全部フルフラットに出来て、あんなことやこんなことまで出来てしまうことから、エロバス君という名前であることは以前説明させていただいたかと思う。　実はそれ以外にも、１列目の背もたれを前に倒せば、後ろ向きの椅子に。２列目の背もたれを倒せばテーブルに変わる結構便利な車なのである。こうすればテーブルを挟んで向き合って座ることができるのである。　車の中で湯を沸かし、父子２人で向かい合ってすするラーメンは、実に旨すぎるのである。　残念ながらモノには出会えなかったが、雰囲気だけはＫ助も味わうことができただろうか。　帰り道の車中、　「Ｋ助ぇ、また父さんと鹿撃ちに行くか？」　「う～ん、もういい。」　疲れたＫ助はそのまま夢の中へ。　今日はこれでいいでしょう。　Ｋ助が大きくなって、また行きたいと言ったら、また喜んで連れて行ってやるぞ。

  2008年12月20日

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  朝風呂の快感

  　「渓遊さん、明日起きたら温泉行こうと思うんですけど、一緒に行きませんか？せっかく道後温泉近いし。」　「おっ、エエねぇ、行こか！」　「じゃ、朝メール入れますね。」　四国は松山に出張して、二日目の夜、会社の後輩との会話。　たまたま自分の持ってる案件が愛媛県内で２件連続したので、２泊の出張となった。　二日目の仕事で後輩と合流し、その夜、２人で松山市内の居酒屋で瀬戸内の魚介類に舌鼓を打っていた。　クライアントがいれば、飲み代を経費で処理出来るのだが、今夜は残念ながらクライアントが帰ってしまったので２人だけの晩飯となってしまい、実は自腹。　そして、さすがに可愛い後輩に金を出させるわけにもいかないので、全部俺持ち。　まあ、一緒に登山をやる仲間でもある気の合う後輩なので、財布は傷むがココロまでは痛まない。　ってなわけで、２人で気持ち良くビールや愛媛の地酒に体を委ねていた後に、ぽろっと出てきた後輩の提案。　朝風呂とはなかなかエエ考えではないか。　明けて今朝、７時過ぎ、ビジネスホテルから、迷わず温泉に出撃である。　近代的な建物の狭間に、時間が止まっている空間がある。　そんな異色の雰囲気を醸し出している木造の風呂屋。　これが道後温泉本館である。　千と千尋のユバァバでも出てきそうなたたずまいである。　御託は置いといて、とにかくまずはスッポンポンになり、湯船にざっぷり。　ため息というもの、まさにこの瞬間の為にあるものである、とまざまざと実感。「ふぃ～～・・・」「ふわぁ～～・・・」　体がとろけて、このまま湯船の底に沈殿してしまいそうである。　後輩と顔を見合わせて無言でニンマリ。　アア、たまりません。　平日仕事前の至福のヒトトキなのです。　体が温まったら、再びホテルに戻り、バイキング形式の朝飯へ突入。　最近のビジネスホテルは、バイキング形式の朝飯を出してくれる所が多く、それも和洋の両方あるので、パンでもご飯でも選ぶことができる。　しかも無制限食い放題。　絶体絶命的にニッポン人である俺は、迷わずご飯・味噌汁・納豆・ジャコ天、塩ジャケ。　大盛りご飯は２杯完食。　もうこれで天国、快楽、満腹。　そして気持ち良すぎて仕事やる気全く無し。（嘘である）　体力的にしんどい県外への連泊出張ではあるが、朝風呂に、見目麗しき和食の朝飯。　これ以上何を望むモノがあろうか。　これぞまさにニッポンのビジネスマンの清く正しい出張時のモーニングスタイルである、と、何かすごい法則を確立したような、満足度３００％のかなりエエ気分になった出張であったのである。

  2008年12月19日

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  注連飾り作り（達っちゃんクラブ外伝）

  　本日の達っちゃんクラブは、注連飾り、蔓かご、クリスマスリースを自分で作ってしまおうという恒例企画。　俺もかれこれこの企画に参加させていただくようになって３回目。　なんとなく分かってきたつもりでも、年に１回しかやらないようでは手が覚えてくれないので、自分の技となるにはあと３００年はかかるかなあ、といったところ。　そもそも、注連飾りにするような藁、蔓かごに使えるような蔓といった材料がそう簡単に手には入らないので、まず材料調達自体が難しい。　ということで、今日の材料はスタッフの皆さんが東奔西走して全て自前で揃えられているのである。　参加者の皆さんのいろんな注連飾りができあがってきた。　俺は午前に蔓かごを作り、午後には注連飾りを作ってみた。　蔓の編み方や、藁のしめ方は、手法としては知っていても、実際に手を動かして作るのでは訳が違う。いつやっても難しいもんだな。　が、なんとか形にはなったかな。　外は暖かく、見上げれば猿がひなたぼっこをしていた。　作った注連飾りだが、猟に行ったときにウラジロの葉を切って帰り、紙垂（しで）を半紙で作り、ダイダイが無いからミカンを使って、最終的にはこんな感じになったのである。　この注連飾り、実は我が故郷、鳥取の注連飾りの形なので、ここ奈良界隈ではまず見かけることは無いはず。　郷に入って郷に従わないバカヤロウな俺の、清く正しい望郷の注連飾りなのであった。

  2008年12月13日

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  鹿の天ぷら

  　先日の晩飯のメニューは天ぷらであった。　で、晩飯終わって、ふと台所を見ると、天ぷらの衣が余っている。　お、ちょっと試してみようと、冷蔵庫から鹿肉（昨猟期の最後の在庫）を出し、バンバンと薄切りにして天ぷらにして揚げてみた。見てくれは黒っぽくて良くは無いが、食ってみるとなかなかイケる。鹿肉は脂が少ないので、脂（油）を足す料理が良い、とモノの本で読んだこともあるので、一度試してみたかったのだが、なかなかこれは使えそう。　晩飯の後にもかかわらず、息子のＫ助も旨い旨いとつまんでくれた。　ただ、冷めると鹿特有の匂いが出るので、熱々のうちに食べると良い、とも書いてあったような気がする。　　しかし、おいしかったので、全部熱々のまま食べ切ってしまって、冷めたときにどうなるかを確かめることが出来なかった。　熱い物は熱いうちに、これが料理をおいしく食べる鉄則。　だから、まっ、ええか、旨かったし。　今度は竜田揚げなんぞも試してみよう。　　その前に、なんとしても、まず鹿を獲らねば、である。

  2008年12月09日

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  風流ですな。

  　いつも、獲った食った飲んだってな話題ばかりだから、今日はちょっと骨休めの話題です。　山から帰ってきたら、こんな感じで玄関に華やいでおる。　我が妻の作品。　上手い下手とかは分からないが（俺は上手いと思ってるが）、家の中にこんな感じでお花が飾ってあるのも、無機質は空間が一気に華やいでエエもんである。　妻は生け花以外にもフラワーデザインとやらもやってて、いわゆる西洋の花飾りですな、それで、俺たちの結婚式に使うブーケやブートニアも妻が作って式に臨んだのである。　友達の結婚式の時にも頼まれて、それらを作ったりもしている。　俺が山歩きをしたり、山で鉄砲ぶっ放してストレス解消しているのに対して、妻はこうして花と向き合うことでストレスを解消しているらしい。　俺のように騒がしく動的な趣味を持つ人間に対して、お花の枝をはさみで静かにパチンという正反対の静的な趣味の妻、こういう正反対が、週に最低１日は夫婦喧嘩をしない日を持てているという夫婦円満の鍵でもあるのだろうか（汗　学校の美術の点数は最悪、芸術には全く疎い俺には、まるで神業的な趣味でり、生け花が楽しいなどという感覚は、俺には到底理解不能である。　でも、そういう楽しみ方もあるということは、十分理解しているし、家の中に花が飾ってあってエエ雰囲気になるのも、実に清く正しく歓迎すべきエエ事だと感じている、そんな日々雑感なのであった。

  2008年12月08日

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• 獲れませんな。

  　おおかたの予想通り、今朝は奈良の平野部も冷え込んだ。　朝起きたときの外の温度計は－２度。　出発するとき、遊び半分で、車のウォッシャーレバーを動かしたら、窓にかかった液がワイパーで広がり、フロントウインドウ全面が一瞬にして凍って前が見えなくなってしまった。　市販のウオッシャー液を使うと逆にウインドウが汚れることがあるので、俺のウォッシャー液は実は水道水のみを入れてるだけ。　だから、なおさら凍りやすいのである。　のっけからいらん遊びをやってしまって、視界不良でしばらく運転しづらかった。　で、猟の方はと言えば、わざわざブログに記載するまでもないくらい、なんとも面白みの無い中身だった。　猟場の谷に入り込んで、待ち場まで車に乗って移動中、斜面を走る鹿を発見。　ヤツの逃げていく方向がまさに犬を入れる方角だったので、「こりゃ、後で犬を入れたらかかるな。」と皆も思って、誰を矢をかけず。　で、犬を入れたら早速起きたのだが、待ちのいる谷筋まで、モノが落ちてこない。　高いところを走り回っていて、待ちは上を見上げてボォ～っとしてるだけ。　結局１日、待ちにモノは現れること無く閉局。　勢子さんは必死なのだが、撃ち手にとっては勝負するに至らない状況だった。　犬がモノを谷に落とすだけの力が無いのか。　勢子の入り方がまずいのか。　待ちの張り方がこの時期のモノの居場所に合ってないのか。　いろんな要因がマッチした時にようやくモノが獲れるのだろうが、なかなかうまいこといかないもんだなあ。　ただ、特に反省会をする訳でもなく、大幅な作戦変更をする訳でもなく、いつもいつでもおんなじ攻め方をしているような気がする。　まあ、最年少下っ端の俺がそんな事を口に出せる訳でもないが、ちょっとこのままじゃあ、しばらく獲れないんじゃないかな、という気分になってしまう。　モノはいるんだけどなあ。　果たしてこの状況はいつまで続くのか。　去年のこのブログを見ても、同じようなことを書き込んでいるしなあ。　全然進歩してないなあ。　なんとも歯がゆい３戦連続スカの冷え込んだ１日なのであった。　ま、帰宅してからの暖かい風呂と鍋と、キンキンに冷えたビールはいつも通り気分良いもんであった。

  2008年12月07日

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  また長野からの贈り物

  　突然、何の前触れも無く届いた宅急便。　中身は完熟リンゴ。　８年のおつきあいになる、伊那市にお住まいのりんご農家のおばちゃんから送られてきた。　このおばちゃんとのなれそめはこちらをご覧下さい。（→２００８年４月２９日の日記）　段ボールから湧き出るあま～くとろけそうなりんごの香り。　周りの皮にも蜜がしみ出て、切れば、果肉にも蜜がたっぷり。　早速伊那に電話を入れると、今年は世話を掛けられなかったので、形とサイズは悪いけど、農薬、化学肥料も使わず、限りなく自然育ちだから、もともと低農薬だが、味と安全はいつも以上に大丈夫だよ、とのこと。　その結果は、息子のＫ助の反応で一目瞭然。　このリンゴの時だけ、なぜかＫ助が「りんご食べるぅ！」と言うのである。　そりゃ、そうだろな。　思い返せば数年前、離乳を始めたＫ助だが、スーパーのりんごを全く口にしようとしてくれず、ほとほと困っていた。そこへ登場、その時送って下さった伊那のおばちゃんのりんご。　なぜだか、このりんごは食べてくれたのである。　このりんごはこうしてＫ助の身となり皮となっている貴重なりんごなのである。「渓遊ちゃん、みんなで遊びにおいでよ。待ってるよぉ。秋がイイよぉ。りんごもきのこも獲れるし、松茸もあるよぉ。せっかくこうして縁が続いてんだから、大事にしようよ！」　縁が続いてるのは、あなたの温かさのお陰です。　お陰様で、今日もココロぽっかぽかの俺なのであった。　

  2008年12月06日

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• モノはいるのだが・・・

  　今日は勢子１人、受け４枚という体制。　今日は、と言っても、隊での出猟は今日が初日。　１ラウンド目、犬を放して、しばらくすると、いきなり気配が。　「渓遊ちゃん、そっち行ったけど・・・」（下の受け）　「はい・・・俺の目の前で、照星照門きっちり入ってるけど、これは撃てんわぁ。」（俺）　「ウサギでもタヌキでもかまへんから撃てぇっ！」（勢子）　「カモシカ・・・」（俺）　「あほ、撃ったらあかんで！」（勢子）　俺の目の前２０ｍで、銃を構えたまま、カモシカとにらめっこしたまま、無線でこんなやりとりしてました。　あいつは国の特別天然記念物で過保護に育ってるから、人間とにらめっこしても怖い物知らずで全然逃げないのである。　そのあと、少し離れた場所の受けで、連続発砲。３頭出たらしいが、外したらしい。　それから、俺も１頭オスを見たけど、撃てず。　午前はこのあと、犬探しをして終了。　いるのはいるんだけどなぁ。なんとも間が悪い。　昼から山を変えて、谷筋に１列に受け４枚。　今日も師匠は来ていない。　そこで、最年長古老の大先輩は、「俺は年やさかい、一番下の受けに付くわ。あとは、渓遊ちゃん、行けば分かるわ。」　まだ狩猟人生ほんの数年、そしてこの隊で最年少の俺が、俺を含めて残り３枚の受けの配りを担当。　俺も偉くなったもんだ。とうか、ちゃんと教えてほしいのだが・・・。　２番受け、ここお願いしますね。犬に付かれたら、この斜面を一気に落ちてきますから。　３番受け、ここお願いしますね。このノテ（獣道）、使ってるから、ここ降りてきて沢渡りするヤツを、こっちから狙ってください。　さて、一番奥の４番受け、ノテが交錯してるし、このあたりに俺が居座ろう。　で、結局、モノは起きたものの、２番、３番、そして俺と順番に姿をチラっと見せながら、待ち場の上の方を横切って、犬を巻いて姿をくらましてしまいました。　本日はこれにて終了。　言い訳、分析、反省、懺悔、いろいろ考えたらキリが無いのだが、犬はモノを起こしてるし、受けも発砲してるし、撃ってない受けもモノの姿を見てるし、まあ次につなげていこうではないか、という前向きな気分にさせてくれる１日であった。　次回はなんとか開眼といきたいものである。

  2008年11月30日

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  爆発電池の無線機

  　先日、山に向かってる最中、車のシガーから電源を取って使ってた、俺のハンディトランシーバーから、「ブシュッ！」と音がした。　えっ？と思ったら、また連続してブシュッ！ブシュッ！と小さな破裂音。　なんだなんだ、無線機本体の中がショートでもしたのか、古いしなあ、と電池ケースを外して中を見たら、ケースの中の単三乾電池が４本とも液漏れ。　ん～、安物の電池はだめなのか、それとも、他に原因があるのか？　よく分からんので、予備の無線機から新品乾電池の入った電池ケースを外して付け替えて、またしばらく使っていたら、またもや、ブシュッ！ブシュッ！　なぜだ？１日で新品乾電池８本が液漏れ。　無線機本体に乾電池の液が付かないように、外してビニール袋にポイ。　その時、手に液が付いたので、沢水で手を洗った。　そしたら、手はぬるぬる。　え～っと、アルカリ乾電池の液はなんだったっけな？　この手のぬるぬる感、高校理科の授業で触った、水酸化ナトリウムとおんなじ感触だな。　ま、指紋も消えてないから、手も溶けてないし、洗っとけば大丈夫だな。　で、これが俺の無線機。どちらもアイコム製。　右は現行でマイナーチェンジした機種もある比較的新しいやつだが、左のは１０年モノ。　古くて重いが、二つの周波数を同時に受信出来るのが狩猟にものすごく重宝なので、メインは左のやつ。　メンバーとの会話をしながら、犬の無線も聞こえるというのがかなり便利。　ただ、アマチュア無線そのものが趣味では無いので、ボタンがたくさんついているこの無線機、全く使いこなしていません。　周波数を合わせて、会話するのみ。　モービル無線機を持たない（買えない）俺は、車に乗るときは、この無線機にシガー電源をつなぎ、マグネットアンテナという簡易なアンテナを車の屋根に付けて運用している。　それでも障害物が無ければ１０キロは飛ばせるので、今のところ、仲間との連絡で困ってしまうということは無いようだ。　話は戻って、うちに帰ってから、改めて説明書を見ると、乾電池パックを装着したまま外部電源をつなぐと、電池が爆発します、と書いてあった。　まさに俺の無知から来たアクシデントだったようである。　気を付けねば、ですな。　そして、これも初めて知った。　最近の無線機は、車のシガーとかにつないでも、乾電池でも５Ｗの送信出力が出るらしい。　で、俺もこの２つもカタログには５Ｗ出力と書いてあったので、てっきり乾電池でも５Ｗ出力だと信じていた。　が、今回よくよく説明書を見たら、乾電池の時は１Ｗ出力とのこと。　まあ、それで何かと困ったことが無いし、それほど落胆してもいないが、無線機の世界、知れば知るほど奥が深いようですな。　

  2008年11月27日

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• 休養日

  　俺のブログを訪問して下さってるハンターの方々が、順次結果を出し始めていらっしゃいます。　俺は解禁から３回の出猟で２０頭程度の鹿と出会っているのに、未だ結果は出せず。　ま、俺の鉄砲下手が原因というのは分かっているので、それを解決すればいいのである。　射撃場でじっくり撃ち込んで、その原因を探ればいいのだが、なかなかそこまでの時間も費用も捻出できないので、今は動きようが無い。が、仮に７０歳まで猟をするとしたら、まだ３０年も余裕があるので、そこまであせっていないのが今の気持ちである。　で、せっかくの三連休、家族をホッタラカシで、おととい・昨日と連荘で山に入ると、俺一人好き勝手してるということで、もう家の中は不穏な空気が充満しているのをひしひしと感じてしまう。　ということで、今日は５歳の息子のＫ助と二人で、近所のイオンモールに遊びに行ってきた。　その間、家内は息子から解放され、好きに出来るという訳。　そこまで家計に余裕が無いので、あれもこれも買ってあげる訳にはいかないのだが、スラッグ弾３発分くらいのミニカーを買ってあげたり、バックショット１発分くらいのジュースを飲ませてあげたり。　なんだが例えがみみっちいい話ですが。　ま、男同士二人でのんびり遊んできた次第である。　ところで、息子のＫ助、俺が鉄砲持って山に入ると聞くと、「Ｋ助も鉄砲（ＢＢ弾の）持って、鹿撃ちに行くぅ！」とだだをこねるようになってきた。　それなら近々一緒に山に散歩でも行こうかなと思ってるが、果たして、俺の本物の銃の音を聞いて、腰抜かすんじゃないかと、ちょっと心配しているところである。　ハンターのみなさんはどうされているんだろう？？　お子さんに御自分の猟師姿を披露されているんだろうか？？？　披露された結果、どんな反応だったんだろう？？？　一度とりあえず俺のオレンジベスト＆オレンジキャップ姿を見せてみようかな。

  2008年11月24日

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• 散々か？最高か？

  　今日は一人で出撃。　そして、昨日に引き続き新規猟場開拓。出会いがあれば、もちろん狙っていくが。　気になっていたが、まだ一度も入ったことの無い谷に一人、鉄砲担いで突入。　お、足跡、結構新しいけど、昨日くらいかな。　お、鹿の糞、これは今朝の糞だな。　と、登りから平坦に変わったところで、いきなり鹿の群れ発見。向こうも同時にこっちに気が付き、『あのおっさんナンや？』といった顔でこっちを見ている。　ザックを下ろし、照星照門ぴったり合わせ、発砲。　「パッカーン！」（九粒）狙ったモノは後ろ足を前転するくらいに大きく跳ねてから左に、群れの他の鹿はは右に散った。すかさず、狙ったモノに、　「ドッカ～ン！」（スラッグ）ん・・・最初のバラ弾は入ったと思ったのだが、すたすた走って逃げていった。　逃げた先で、鹿の鳴き声がする。　そっか、逃げた先は１頭だけじゃなくて、複数いるな。　で、その声も遠ざかることなく聞こえてくる。　こいつら、まだ鉄砲を知らない鹿だな。きっと近くで止まってるはず。　谷筋を離れごりごり山を上がると、やっぱり群れが居た。　「パッカーン！」　「ドッカ～ン！」　スラッグが、モノの足元に着弾して土煙が上がるのが見えた。　しっかりためて狙って撃ったのに、当たらない。　射撃場で練習したときと全く同じ。狙ったところより弾が下に走っている。　着弾点に行って見たが、モノに弾が当たった形跡無し。　気を取り直して、谷を登り始めると、また鹿の群れ。足跡のつながりからすると、さっきとは別の群れだろう。　が、距離が遠くて発砲に至らず。　更に登ると、いくつかの谷が合流している広場に出た。で、間伐した杉がそのまんま放置してあって、歩くスキも無い。　はて、どうしよう・・・と考え込んだ瞬間、モノの気配が。　見ると三ノ又（角が三つに分かれた、つまりは年食ったでかい雄鹿）が斜面を登って逃げ始めていた。　ここで４発発砲。　しかし、これも当たらず。　１発目のバラ弾は、当たっても部位によっては効き目が無いこともあるらしいので、当たったかどうか分からないが、スラッグは全く当たってない。　銃をお持ちの方ならお分かりかと思うが、３発しか弾を入れられないショットガンで、４発目を撃つということは、最初の３発を連続で撃ち切ってから、銃をおろして４発目を薬室に入れて、再度挙銃して鹿を狙い直して発砲するだけの余裕があったってこと。　それでもモノは倒れていない。　参ったなぁ。当たらないようじゃ、話にならんわ。　谷はこの合流部以降は急激に急になり、放置された間伐材と、もろい土質で３０分で１００ｍも進まない。　と思ったら、さっきの場所から２００ｍも離れていないのに、またモノの気配。　うぉ！トナカイだぁ！　いや、ごっつい三ノ又発見。　凄くでっかい角をゆっさゆっさと振りながら、黒々した雄鹿が斜面を登っていく。　が、もう当てる自信が無く、発砲せず。　んんん～、参ったなあ。　モノの気配を取る感覚、勘は自分で言うのもおこがましいのだが、絶好調である。　しかし、銃の腕が最悪である。　せっかく鹿の毛穴の数を数えられるくらい近くまで近寄れてるのに、弾が当たらないようでは、てんで勝負にならない。　そして、これ以上登るのは一人では危険と判断し、下ることに。　ただ、同じ道を下るのは面白くないので、谷筋と尾根筋の間の、鹿が斜面を水平に通う横ノテを探して、そこを歩いて下った。　そこで、更に４頭の群れと会ったが、間が悪く発砲できず。　足跡から判断するに前半に出会った群れと同じ連中かな。　結果、同じ群れに２度出会っているかもというダブルカウントもあるかもしれないが、約４時間の行程で、出会った鹿は１７頭ほど。　３０分に１回はモノと出会ってる感じ。　撃てるチャンスは３回、発砲は８発。　おみやげはゼロ。　せっかく鉄砲の怖さを全く知らない鹿の群れだったのに、無意味に群れを散らして、恐怖心を覚えさせただけになってしまった。　でも、この谷は、面白い。　親子の群れもいたし、それほど標高を上げなくても三ノ又に２頭も出会えた。こんなことは初めて。　日当たりもいいし、これから尾根筋に雪が入ったときはここに鹿がたまるのは間違い無いだろう。（免許取って４シーズン目の若造の自信過剰な発言と笑ってください。）　でもこれまで俺が入ったことのある谷の中でも、ここはモノの数が一番多い谷だったのは、間違いない。　ここも上手にやれば、何年も楽しめる谷になってくれるのではないだろうか。つまり昨日に引き続き、貯金箱を一つ増やすことが出来たってことかな。　んな感じで、俺が銃がへたっぴだということが再度露呈したことは散々なのであるが、長い目で見れば、新たな猟場が見つかったということは、最高の成果じゃなかろうか。　ところで、昨日と同様、朝５時起き、朝飯に永谷園のお茶漬けを一杯食い、昼間は飲まず食わずでごりごり歩いて、１５時頃帰宅。　この二日で体重１キロ落ちました。　ダイエットする必要も無い体なのだけど、果たして、猟期が終わることにはいったい体重が何キロおちているのだろう・・・？　体重が減ったことをいいことに、太ることを気にせず、夕べに引き続き、冷えたビールがゴキュゴキュっと喉元を通り過ぎていくのであった。

  2008年11月23日

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  貯金袋作り

  　今日は師匠と二人で犬無し忍び猟に出撃。　出撃といっても、師匠は今日が初日。　師匠のスタンス、それはあせらない。　荷物担いで、銃を担いで山を歩き、自分の体の確認。　そして、今日は無理に獲れなくていい。　新しい猟場を探して、尾根に雪が入ったとき、そして２年後、３年後にも使える猟場を見付けておく事。　それをやっておけば、ここがダメなときはあそこに行こう、ってな余裕が生まれる。　ってことで、今日は新規猟場開拓。　かつて、車がそれほど発達していなかった当時、生活道として使われていた山の中の道、それを探しながら、と同時に鹿の足跡も探しながら歩いてみた。　といっても、今は廃道状態なので、どこが道なのか分からないようなヤツだし、イメージとしては登山道より始末が悪い道。　とりあえず、この辺りかなというところから植林地に突入し、道の無い山をごりごり登って、斜面を切ってひたすら歩き続けた。　この辺りかな、というところで、一気に下に下ると、数十年前に使われていた山の通い道とようやく出くわした。　今度はその道をたどって、山を登り、鹿の通い道を確認、今度は下って、里との接続部（入山口）を確認。　この付近は、下流で猟隊が犬を入れたときに、鹿が逃げてきそうだな。　そして稜線に雪が入ったら、下って来そうだな。　つまりは獲物の貯金箱ですな。　ってなことを師匠と話しながら、のんびり楽しみながら、休憩なしで４時間、飲まず食わずで歩き続けた１日だった。　少なくともあと２００年は現役で猟を続けられそうなほど元気な師匠であるが、俺の為に永年使える猟場を確保しようという師匠の気持ちがひしひしと伝わってくるのである。　旨く写ってないが、右奥の稜線は霧氷になってました。　ぱっと見、ただの紅葉した雑木の斜面だが、大々的な林業で有名な奈良の山中にあって、これだけの規模で植林されていないということは、人が入れないほどきつい場所、苗を植えても育たないほど土が無く、岩が多い場所、などということが想像できる。　だから、鉄砲持って入るにしても、それなりに注意を払うか、もしくは入らないのが無難な場所でもある。　尾根筋に至っては、わざと植林せずに置く風習が奈良にはあるので大丈夫だが。　まあ、そんなこんなでモノとの出会いも無く、もちろん獲物も無い結果ではあったが、明日、あさって、そして来年、再来年、数年後に清く正しくつながる、手ぶらであっても決して無駄にはならない出猟である。　ついでに言っておくと、ワラビのたくさん生える斜面も見付けちゃいました。　　いやはや、こんな日ではあるが、全く退屈しない、得る事の多い１日にビールも更に旨くゴキュゴキュ進むのであった。　

  2008年11月22日

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• 初猟、隊が来ない･･･

  　朝起きたら雨。　しかし、前日待ち合わせ場所と待ち合わせ時刻を言い告げられている以上、疑うことなくその場所へ向かった、純情純真生真面目な俺である。　それになんてったって初猟である。否応なくテンション上がるではないか。　しかし、待てど暮らせどメンバーが誰も来ない。俺の師匠は前から参加できないと聞いていたからそれはともかくとして、「明日８時だぞぉ」と、勢子のおっちゃん。「渓遊ちゃんが行くなら俺も行く」と、去年から参加し始めた俺より少し年上のニイちゃん。「渓遊ちゃんに、いつもの公園前やでと伝えといてや」と、師匠に言付けた７０歳のじいちゃん。　みんな直接間接俺に参加要請をしている。　にも関わらず、誰１人来ない、その上、中止の連絡もよこさないとは言語道断。　そんな奴らやで、と前々から師匠に聞いてはいたが、いくら俺が下っ端新米最年少とは言え、これは年功序列以前の問題、人付き合いの根本的な問題だろ？　こういう人達と猟をやるのは疑心暗鬼に陥るなあ。　もっと大袈裟に言えば、鉄砲という飛び道具を使った遊びをやるのに、信用できないメンバーと猟をやることに疑問を感じてしまう。　それとも、暗黙の了解で雨は中止となっているのを俺が気付いていないだけなのか。　でも、たまたま集合場所が一緒になった別の猟隊は、既に山に入っていて、無線を聞くと雨の中、鹿と追いかけっこをおっぱじめている。　来ねぇなぁ･･･。　ま、腹立ててもしょうが無いし、せっかく来たのだし、いつも忍び猟で行く谷を覗いてみよう。　獲れなくても会えたら嬉しいし、こんな雨の日、やつらはじっとしていると聞いてはいるが、ホントにじっとしているのか俺自身で確かめたことも無いし、いい機会じゃないか。　もちろん、見付けたら撃つけど。　ただザーザー雨なので、車から降りずに乗ったままのいわゆる流し猟で。　ずいずい谷を登っていくと、キリの向こうに、白いお尻があわてて道を渡って行くのを発見。　お、おったおったおったぁ～！　既に姿は見えなくなっているが、雨も降っているし、近くにとどまっているかもしれない。　車を降りて、銃を持って、鹿が道を外れて谷に入った場所を探す。　呼吸を殺し、目を凝らして辺りを見回すと･･･。　おっ、やっぱり木になりきっていた。　７０ｍ位。俺には全く当てる自信の無い距離だが、撃たなきゃ始まらない。　バカ～ン！（９粒）　一斉に走り始めた。　走り始めて初めて分かった、群れは５頭。　ドッカ～ン！（スラグ）　そして誰もいなくなった。　んんん、無念、外したか。　外して悔しい反面、もし倒して、この雨の中、足場がユルユルの谷からの引き上げ、解体をやっていたら、それも痛し痒し、複雑な気分でもあった。　これから２月１５日までの猟期の間、許される限り毎週５時起きの激しく楽しい期間が続く。　まあ、雨とは言え、山に入ることもできたし、初猟からこうしてモノと出会えただけでも良かったではないか、幸先良いスタートではないか、と思える雨の１日であった。

  2008年11月16日

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  ２年ぶりの明神の滝（達っちゃんクラブ外伝）

  　本日の達っちゃんクラブは、吉野川の源流、三之公の谷にある明神の滝を目指す。　毎度源流に来ている日記を掲載させて頂いているので、気軽に来られる場所と思われるかもしれないが、いやなに実はかなり奥の奥で、好きだから頻繁に来ているものの、ほんとは遠いのである。　天気がもひとつだったせいか、参加者が微妙に少なく、いつもなら自分の車で入山口まで行くところを、今日は参加者のみなさんと一緒に村のバスでゆらゆら。　　川上村井戸地区の紅葉。　今年は例年より綺麗と皆口を揃えている。　川の上にまるで喫水線のように木が無くなる境目。　この線近くまで、水がたまる予定なのである。　ダムの是非を問うニュースが関西、九州で飛び交う昨今であるが、この風景は見方を変えると、なんだか痛々しい。　バスのゆらゆらに少し酔ったＫ助だが、歩きは順調。　　先日買ったリュックにおやつを詰めて、しっかりした足取りで滝を目指す。　杖までもって、立派な山男ですな。　　１時間程度の歩きで、明神の滝へ。　いつ見ても、この滝の滝壺はデカイ。　見上げれば紅葉に青空。　カメラを構える俺は、滝の飛沫で顔面シャワー。　頻繁に源流に遊びに来ている俺だが、やっぱり源流はエエですな。　さて、５歳のＫ助だが、同じ達っちゃんクラブで２年前にここを訪れたときは、途中で俺が子供背負子でしょって歩いていた。　今年は、自分の荷物（おやつ）を持ち、見事に全コース踏破だった。　コースとしてはさほど長くは無いのだが、問題は距離では無く、最初から最後まで全部を歩き切ったということ。そしてその達成感をＫ助も感じることができたであろう、ということがバカ親の俺も嬉しい。　「Ｋ助、おまえ今日はよぉ頑張ったなあ。ご褒美に父さんがビールを飲んでやるぞ！」　「Ｋ助もごほうび、欲しぃっ！Ｋ助も頑張ったから、おもちゃ買ってぇ。」　いつもなら帰り道は速攻で寝てしまうＫ助だが、おもちゃ欲しさに頑張って起き続けていたのである。　源流の清き水は絶えることなく流れ続け、その一方では俺の財布からお金がチャリンチャリンと流れ続け、もうすぐ絶え尽きてしまいそうなのであった。

  2008年11月15日

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  ナイフも研いだ

  　日曜日にのんびりナイフも研いだ。　俺が狩猟で使っているのは、バック社のフォールディングハンター。　狩猟に入門するに当たって、必然的に必要になる物だが、師匠も含め猟仲間のみなさんはキャリアも長く、ナイフはみんな知り合いが作ったとか、貰ったとか、自分で作ったとかで、市販のナイフを使っていらっしゃらない。（お金をかけていないとも言えるが）　そして、皆さんのナイフも様々。カッターナイフで鹿１頭さばく人もいれば、３０センチのナガサまで出てくる始末。　だから、いったい俺はどんなナイフを１刀目に持てばいいのか、皆目検討がつかなかった。　で、結局ネットや図書館でいろいろ調べたら、値段もサイズも用途もピンキリ。　そして、何かを始めるときに、基本的に道具や見てくれ（衣装）から入らない性格の俺は、まず最低限の物を準備する癖がある。　中身が伴っていないのに、衣装ぴかぴか、道具は最高級品って方々をたくさん見てきたので、どうもそういうのを敬遠してしまっている。　まずは、最低限から始めて、それを使っていれば、その道具も見えてきて、不満も出てくる。そこで、ようやく次のランクへ道具をステップアップするのである。　ということで、フォールディングハンターに決めて、オークションで安めで落札した次第。　果たして、本国アメリカ製か、怪しい中国製か分からないが、きちんと研げばきちんと切れているので、これはこれで満足している。　猟を始めて４シーズン目。　このナイフだけでも、鹿を一人でさばくことはできるということが分かったのだが、やはりちっちゃいのが不満になってきた。　さて、ようやくステップアップのタイミングになったようだ。　かといって、次に何を買えばいいのか、これも悩ましい。　いまのところ、同じバックの１１９スペシャルにしようかと思ってるが、なにか他にいいのがありますかね？　っと、その前に、研いだナイフ、よく見たら、先っちょにまだバリがあった。　まずは、バリを取ってからですな。　

  2008年11月12日

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  さて、始動

  　昨日、ようやく今シーズンの狩猟者登録が到着。　本来どういう経路で自分の手元に届くのか実は知らないのである。　実は俺、自分の管轄の猟友会支部に入ってなくて、師匠と同じ隣の支部に入っていて、いつも師匠がうちに届けてくれるのである。　で、早速行きつけの銃砲店に行き、実包（実弾）を購入。　今期は、スラッグと、６粒、９粒の３種類にしてみた。　９粒は使ったことが無いから、使ってみようと思っただけで、深い意味は無い。６粒と９粒で違いが分かるほど、銃がうまくないので、ま、経験してみようという感じ。　ご存知無い方の為に、スラッグとは１つの薬莢に１つのデカイ鉛玉が入っていて、その鉛玉に螺旋が切ってあります。　６粒、９粒とはいわゆる散弾で、小指の爪前後の小さな鉛玉がそれぞれ６個、９個入っています。　これら全て大型ほ乳類を撃つための弾で、１丁のショットガンでどの弾も撃てるというなかなか融通が利くもの。 じゃ、鳥とかはこれらの弾で撃てないかというと、うちの師匠はライフルでヤマドリの頭を狙って獲ってるし、俺も６粒でヤマドリを獲ったことがあるので、獲れないわけじゃないけど、弾が獲物に対してデカすぎるので、当たり所が悪ければ、肉が傷んで食う場所が無くなるだけ。　だから、鳥用の弾も様子を見ながら準備する予定。　まだ、カモ撃ちを一緒にするツテも無く、県内のどこでカモが獲れるのか知らないから、今年も鹿猟の帰り道にヤマドリや、天気が荒れたときに谷にうっかり入ってきたカモを狙う程度になるだろうなあ。　さて、いよいよ今週末、解禁です。

  2008年11月11日

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  七五三

  　うすら寒い日曜日。　息子のＫ助はようやく５歳。　雨もなんとかあがって、七五三なのである。　慣れない空気に妙に神妙になっていたＫ助も、千歳飴をもらってご満悦のよう。　バカ親のひとりよがりな一方的なＫ助への願いを絵馬につづってつるしておいた。　これで老後はＫ助が養ってくれるはず。　ウッハッハ。　ふと、気になるものが目に入った。　俺は前厄かぁ･･･。　厄払いせねば。　物騒な昨今、Ｋ助が無事に育ってくれることを切に願う、静かな秋の１日であった。　

  2008年11月09日

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  むかごご飯

  　お米を研ぐ５歳のＫ助。　自分が食べたいモノがあるときは、真面目に積極的になる姿はほほえましい。　研いだお米は、先日に引き続き俺が土鍋でグツグツグツ。　今回は２合の米なので、前回よりも大きな土鍋。　蓋の周りの白い物は、水で濡らしたキッチンペーパー。土鍋の機密性を高める為に縁を埋めている。男性専門誌に書いてあった。（エロ本じゃないよ。男の料理専門の雑誌のこと。）　できあがり。　ただの白飯と思った方、ごめんなさい。　先日、Ｋ助と一緒に取ったムカゴ（山芋の球果）をむかごご飯に仕立ててみた。　レシピは、米２合にムカゴ適宜、水２カップ。それに塩茶さじ１杯、酒大さじ２杯、ダシ用の昆布ちょこっと。　上手に炊き上がったのだが、ムカゴ独特の微妙に香ばしい香りがＫ助にはもひとつだったようだ。　山芋のつるから取ったすぐに生のムカゴなら、Ｋ助もおやつ代わりにポリポリと喜んで食っていたのだがなあ。　旨い旨いとバクバク食ってるのは、バカ親の俺だけだった。　土鍋ご飯、少し時間がかかるが、なかなか面白い。　しつこくレパートリーが増えていきそうである。

  2008年11月08日

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  鉈（ナタ）

  　俺の渓流釣りの師匠でもあったジイちゃんの家を処分することになって、先日、ジイちゃん手作りの竹竿を持って帰ってきたことは、この日記にも書いたが、その時、鉈も頂いて帰ってきた。　ジイちゃんの住んでいた町は、今俺が住んでる奈良県の中で、うちから車で１時間ばかり距離にある吉野地方にも負けず劣らず林業で有名な町で、ジイちゃんも山を持っていて杉を植えていた。　その時、ジイちゃんが枝打ちに使っていた鉈。そしてそれをオヤジも使っていたので、俺で使用者３代目となる鉈となったわけ。　かなり長い間放置されていて、さびも浮いていたし、刃がまるくなっていたので、早速、達っちゃんクラブの達っちゃんに、どう手入れすれば良いのか聞いたら、「研いどくわ」と一言、持って帰ってしまわれた。　自分で手入れしたい反面、林業人生四半世紀のプロ中のプロの技で仕上げてくださるというのだから、興味津々。　で、できあがったのが、この写真の鉈。　浮いていた錆も綺麗にしてくださり、なんと言っても切れ味が凄い。　かみそり並み。　下手な包丁よりも切れる、どころの話ではなく、それどころか手の甲の毛も剃れる。　指の腹を刃の上に置いたとき、その切れ味を感じ取った皮膚が、ピリピリ緊張してくるのが分かる。　これぞプロの技。　まあ、やっぱりかなり使い古されているようで、達っちゃん曰く、「刃が柔らかくなっている」とのこと。　山師の言葉か方言なのだろう、どういう意味なのか、もひとつ理解できないけど、達っちゃんも、それを共通語でどう表現すればいいか分からない。　でもなんとなく気持ちは伝わってくるような気がする。　で、柔らかいということがどういうことなのかは置いといて、じゃ、どうなるかというと、今はよく切れるけど、使えばすぐに切れなくなるらしい。　と、いいつつ、先日のキャンプでも薪割りやら、なんやらいろんなことに大活躍。　かみそり並みの切れ味なので、この鉈を腰に巻いておいておけば、ナイフ代わりに使えて、なんだかんだといろいろな用事が腰からさっと鉈を抜くだけで片づいてしまうのである。　ツールナイフとか最近はいろんな種類が出回っているし、俺も常にザックに入れてはいるが、鉈を腰に巻いているだけで、かなりいろんな事を手際よく出来るようになったな。　いやはや、昔からそして現代もずーっと使われてきているこの道具、質実剛健、よく出来ているもんだな。

  2008年11月07日

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  土鍋ご飯は旨かった

  　夜、晩飯兼晩酌の最中、何を思ったのか米を研ぎ始めた俺。　米１合、しっかり研いで、３０分水を吸わせる。　長年愛用の中国山地で汲んだ湧き水をカップ１杯。　　これを１００円ショップで買った土鍋に入れてグツグツグツ。　沸騰するまで、強火。　沸騰したら弱火で１０分前後。　どこで火を止めるかは、山でコッヘルを使って不自由無く米を炊いている自分の勘に頼った。　火を止める直前、お焦げを作るために数秒強火に。　ハイ、できあがり。　普段、朝は主にパン食。　夜は帰りが遅いので、おなかに負担をかけたくないからご飯は食べない。（その代わり、肝臓にちょっとだけ負担をかけることは毎晩のようにやってるが。）　昼こそ、愛妻弁当でご飯は食べるが、俺が炊きたてのご飯を食べることは滅多にない。　思い立って炊いた、生まれて初めての土鍋ご飯。　意外や意外、思ったより簡単に美味しく炊き上がりました。　米は普通の米だが、水は山の水。　（俺のこだわりの水についてはいずれまた。）　それにしても、炊きたての土鍋ご飯っちゅうのは、ホント美味しくて、疑いなく俺も日本人なのだ、ということを改めて再認識させてくれるのであった。

  2008年11月06日

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  秋こそキャンプ（二日目）

  　二家族でのオートキャンプ二日目の朝。　気温は７度くらいまで下がったが、それなりの用意はしていたので、それなりに快適。　朝５時の村内放送的の爆音ミュージックで目が覚める。　さらにキャンプ場沿いの川の向こうの国鉄のディーゼル列車の爆音で２度目の目が覚める。　他人様の御土地にお邪魔して、厚かましくも一夜の仮設ビニール宿を建築させて頂いているので、文句は言えぬ。　健やかに集落の文化を受け入れるのみ。　これを期にテントを抜け出し、モーニングコーヒーを沸かして頂くと、実に気持ちがいい。　このＯＫオートキャンプ場、なかなか利用者のマナーが良い。というか、たまたまマナーの良い人が集まる時期だったのか。　結構ペットを連れた人が多いのだが、ちゃんと首に延縄を巻いていて、勝手に犬があちこち走り回らない。無意味に吠えまくる犬も少ない。ばっちい糞も落ちていない。　さらに、夕べは遅くまでバカ騒ぎするバカヤロウもほとんどいなかった。唯一、２０台前半とおぼしき若者の集団が、夜中にラジオ体操の歌を大声で歌っていた以外には、静かなものだった。　　おそらくこの時期になると、それなりの経験者しかキャンプに来ないのだろう。　まあ、人出の割りに静かに過ごせて、なかなかである。　さて、朝飯はといえば、　手込めハンバーグ。いや、手ごねハンバーグ。　ハンバーグをこねて、割り箸に巻き付けるのはチビッ子の仕事。　それを備長炭でじっくり焼く。これはワシら父さんの仕事。　そのまま食べたいのをじっと我慢して、コッペパンを割って、割れ目にバターをのめり込ませ、焼き上がったハンバーグを強引に差し込んで、アルミホイルでがんじがらめにしてしまう。　ＳＭパンの出来上がり。　さらに、そいつを牛乳パックに無理矢理ねじ込んで、終いには火まで付けてしまう。　　もう、犯罪的に野蛮な行為である。　そして、もう堪忍してとパンが謝ったところで、アルミホイルを脱がして取り出すと、ふっくら焼けたパンが姿を現す･･･はず。　ちょっと焦げた。　アルミホイルを巻く前に、２枚重ねのホイルの間に濡らした新聞紙を挟んでからパンを巻くと焦げにくいらしい。　そして、正しくはＳＭパンではなく、カートンドッグと呼ぶらしい。　本来はウインナーでやるのが一般的だが、それだと大人仕事だけで完成してしまうので、チビッ子達に参加して貰うため、手ごねハンバーグにしたのである。　ちょっと焦げたけど、外で食うとなんともいやはや旨いではないか。　食ったら走るのみ。　こんな広い無意味なスペースを持っている、このキャンプ場は実に偉い。　この贅沢なゆとりが、我々泊まる者のゆとりにつながるのである。　隣のサイトとの距離も圧迫感を感じさせない程度の配置になっていたので、これも効果あり。　ここ、なかなか気に入った。　お昼の１２時、チェックアウト。　キャンプ初めてファミリーの奥様は、キャンプ場にチェックイン、チェックアウトがあることに、大いにウケていた。　たしかに、そうだな。ホテルじゃあるまいし。　　やたら荷物や道具が多いオートキャンプに俺も慣れてないせいもあり、１泊だとどうしても時間の経つのが速すぎる我が家のオートキャンプであった。　　でも、やっぱり俺の大好きな焚き火を眺めて酒を飲んで、空気の動きを感じられる薄い布でできた家に寝て、朝日と共にコーヒーを飲むことができるなんで、なんだが清く正しく心地の良く、決してイヤじゃない疲労感が、俺の体を包み込んでくれるのであった。

  2008年11月02日

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  秋こそキャンプ（初日）

  　２年ぶりのファミリーオートキャンプに出動。　今回はキャンプは初めてというご近所さんとの２家族、大人４人、チビッ子３人の７人体制である。　目指すは三重県伊賀市のＯＫオートキャンプ場。　我が家のキャンプ歴はおおよそ２０年と長いのだが、これまでのスタイルは限りなく野営に近いので、オートキャンプ場というものをほとんど使ったことが無かった。　しかし、子供もいることだし、今回は初心者ファミリーも一緒と言うことで、設備の整ったオートキャンプ場に行くことに。　で、このキャンプ場はうちから７０キロ程度離れているのだが、名阪国道を使えば、かなり至近に感じる立地なので、ここに決めた。　１サイト（１０ｍ×１０ｍ）が１泊5,250円。　普段、アルプスのテン場に500円で泊まっている俺にとって、この値段は神をも冒涜する値段なのだが、おそらく一般ファミリーキャンパーにとって、家族で温泉旅館に１泊することを思えば、家族全員泊まって5,000円台というのは、逆に破格に安いのだろう。　・・・と、発想を転換して自分を納得させた。　でも、不自由を感じない程度の広さのテントサイトと、施設全体のレイアウトが狭っ苦しさ感じさせないゆとりを持った配置なので、まぁ悪くはないんじゃないの、という気分にさせてくれる。　たまにある、敷地を有効利用するために、碁盤目状に通路とサイトをびっしり並べて、オートキャンプ場だか、震災被災地だか区別のつかないオートキャンプ場。　それに比べれば、ここは快適と言える部類に入るだろう。　のんびりビール片手に、サイト設置。　このご近所さん、キャンプは初めてなのに、なぜかスクリーンタープなるモノを持っていて、俺もご相伴にあずかることに。　夜はこんな感じのエエ雰囲気の中、鍋をつっつきビールをグビリ。　　それと今回のトピック的アイテム。　伊賀に来た以上は、伊賀牛を食わねばならぬ。　１００グラム８５０円の伊賀ウシの肉。焼き肉用としてショーケースに並んでいた肉の中で一番高い肉はグラム９５０円だったが、小心者の俺は２番目に高い肉にしてしまった。　これを４００グラム購入。　この肉屋でとなりで買い物をしていた小綺麗な奥様、こっちが850円の肉にドキドキしているときに、すき焼き用の肉を9,000円も買って、涼しい顔して出て行かれた。　どんな味なのか、気になる･･･。　それでも、こっちも清水の舞台から飛び降りる前に、清水の舞台をぶっ壊してしまうくらいの大奮発なのである。　思えば今年に入って、俺がウシの肉を食ったのは、吉野屋で１回、松屋で３回、ご近所でバーベキューをやったときに俺は羊でいいよと言うに言われず牛肉にしたときに１回、お隣さんが作った牛肉入りのカレーライスのお裾分け１回。　それだけである。　写りは悪いが、実にジューシー。　タレを付け、口に含んで、おお！サプライズ！　ジューシーな肉汁に、あま～い牛のアブラ。脂を甘く感じる肉なんぞ、我が人生でまだ３回ほどしか経験したことが無い。焼き肉のタレの味に負けない濃厚なウシの味わいなのである。　確かに大枚はたいただけの味。　ところがだ、　各人が規定量の１人２枚を食ったところで、全員箸がストップ。　おなかが脂っこい･･･。胃がもたれる。気持ち悪い･･･。吐き気がする･･･。　なるほど、胃がもたれるから、伊賀という町の名前になったのか･･･。　冗談はさておき、伊賀牛の名誉の為に記述しておくが、決して伊賀牛が悪いのでは無い。　以前にも同じ経験があるが、この脂っこい肉に一同胃袋がびっくりしてしまったのである。　やはり脂まみれの高級和牛は、我々一般庶民が食うモノではないのか･･･。　ま、俺はヘビをも食べる頑強な胃袋を持っているので、そこまで気持ち悪くはならなかったが、それでも若干胃がもたれたかな。　そんなこんなで七転八倒しながらも、秋の夜長のオートキャンプ場で、胃袋の脂を落とすため、酒を舐めつつ、焚き火を眺めつつ、ゆったりと時間は過ぎていくのであった。

  2008年11月01日

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  讃岐うどん

  　ぱっと見は、普通の民家で、「うどん」という看板が無ければうっかり通り過ぎてしまうような田舎道に建っているうどん屋。　昨日は和歌山へ出張だったが、今日はうどん王国の四国は香川県へ出張。　こんなうどんの店が実は旨い。　観光ガイドにも紹介されているので、平日でも観光客とおぼしき老若男女が次々と訪れるが、明らかに地元の人間とおぼしき人も、観光客に負けじと、次々やってきている。　　さすがうどん王国。香川の人は、産湯はうどんの茹で汁だという噂は聞いたこともないが、うどん好きというのは間違いないだろう。　横で食ってる作業着のニイちゃんは、メインにかけうどん、おかずに醤油をかけたぶっかけうどんといううどん三昧なのである。　メニューはうどんの小か大のみ。これに勝手に客がダシ汁をかけるか、醤油ぶっかけにするか決めて、トッピングに天ぷらやネギや生姜をぶち込む。　これで５００円もいかないので、実に安い。　で、食った後に勘定するのだが、店の人が忙しいときは、店の人の方から「なんぼ？」と聞いてくる。そして、こっちは自己申告でお金を払うだけ。　実に潔い店である。　完全蕎麦派の俺であるが、本場の讃岐うどんも旨いのであった。

  2008年10月31日

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  白昼露天風呂

  　和歌山県は、白浜温泉で有名な白浜へ出張。　用件が終わったので、帰りの電車までの隙間に車を走らせ、白浜温泉の「崎の湯」へ。　入浴料３００円。　俺がバイクツーリングで初めてこの湯に入った１０年前は入浴料寸志だった。ただ当時も利用者のマナーは良くなく、海に飛び込んでは、隣の湯船を覗いている輩もいたので、管理料やらいろいろ必要になったのだろう。　石を投げれば海へ届くという太平洋を眼前にした露天風呂。　内湯は無し。　あるのは簡素な脱衣所と、壮大な太平洋と岩の湯船のみ。　のれんで仕切られただけの脱衣所で、スーツを脱いで、すっぽんぽんに変身。　「ボク、貴重品はロッカーに入れてね。」　管理小屋のオババに気を遣っていただき、４０歳の俺はすかさず湯船へ突入。　ふはぁ～、世の我が同胞である仕事中のサラリーマンの皆様、実に申し訳ない。　心地よい潮風にあたりながらの露天風呂は、じんわりと体に溶け込んでいき、全身とろけてしまいそうである。　いやはや、ほんと、トホホ的に全身崩壊的に開放的な快楽だわさ。　かくして、平日真っ昼間の露天風呂は実にエエのであった。（上の写真に写っているすっぽんぽんの人は私ではありません。）

  2008年10月30日

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  源流のせせらぎと焼き芋と（達っちゃんクラブ外伝）

  　達っちゃんクラブで、毎年恒例となった源流での焼き芋作り。　今日は家族３人で参加し、吉野川の源流の谷へと参加者、スタッフ合わせて約５０人で分け入って行く。アカハライモリも元気そう。よくヤモリと間違えられるが、これはイモリ、両生類である。ヤモリの方はハ虫類。　源流の小さな河原で、薪に着火。　まずは薪を一気に燃やして熾きを作るのがポイント。　今日の薪は高級木材のヒノキ。村の間伐材で割り箸を作っているのだが、その余り。なんとも高級感漂うタキビなのである。　昨日まで雨が降っていたのに、山がしっかりしていると、水も濁らず鮮烈かつ清冽。　息子のＫ助を担いで、対岸へ渡り終える頃には、あまりの冷たさに、足は痛くなる。　そして、対岸には温泉が湧いている。　五色湯跡。　江戸時代には湯治場であったらしい。　湯の温度は、例えるなら、深夜残業してうちに帰ったときに、既に寝てしまっている家内とＫ助が入った後の風呂の湯くらいの温かさである。　も少しわかりやすく言えば、暗闇にポッと光る一筋の小さなろうそくの明かり程度のたよりない温かさである。（さらに分かりにくくて失礼。）　そして、元居た対岸には、熾きにするために燃えさかる焚き火と、待ちわびていらっしゃる参加者の皆様。　これだけ炎があがっているので、まだ焼き芋には早いのだが、皆さん既に弁当を食べ終わり、あとは焼き芋を食べるだけ、という状態。　で、熾きが出来れば、芋をぶち込み、適度にイジリながら、焼き芋を焼き上げる。　それが、今日の俺の仕事。なので、焼いてる最中の写真が無い。　熾きになったとは言え、あれだけの炎を上げた薪のそばで、焼き芋を焼き上げるのは灼熱地獄の耐熱訓練。あっちっちなのだ。　熾きの遠赤外線で体も温まり、ボーっとなってくる。　秋の源流のさわやかにまったりとしたそよ風の中、俺は汗だくなのである。　そして、できあがった焼き芋。　熾きの遠赤外線のお陰で、芋の中まで、ホクホク。　そして、あま～いのだ。　簡単なようで、実は奥深い焚き火での焼き芋。　芋の大きさで焼く時間が変わる。　薪の種類でも変わる。確か去年は広葉樹の薪で、一昨年は杉、今年はヒノキ。同じ木でも、明らかに燃え方が異なり、熾きになるタイミング、熾きとして燃えてる時間も違う。　焼き芋もかなり奥深い。　が、ここ数年毎年焼き芋を焼いてきて、俺も少しずつ腕も上げてるのかなと自画自賛。　皆様においしい焼き芋を食べていただけたというヨロコビと、普段出来ない豪快な炎の焚き火でオトナの火遊びが出来てしまうという、一挙両得な１日なのであった。　でも、やっぱり、「焼き芋お代わりありますかぁ？」という、参加者の方の声が一番嬉しいですな。　こんな場所で、焚き火をしながら一晩中酒を飲めたら、どれだけ幸せだろう、というくらい、エエ場所だなあ。　紅葉にはまだ少し早いけど、源流をゆるゆると流れる秋風と、一緒に漂う焼き芋の香りは、清く正しく俺のココロをなごやかすこやかにしてくれるのであった。

  2008年10月25日

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  大台ヶ原の紅葉と語り合う

  　朝５時半、バイクでうちを出発。　７時半に大台ヶ原の駐車場に到着。　近畿で一番といっていい位、最初に紅葉が楽しめる山、そして山の上まで道路が付いていて、気軽に行ける山、と言えば、奈良・三重県境の台高山系の大台ヶ原。　紅葉の綺麗な山と言えば、他にもあるのだが、一般庶民にポピュラーな場所といえば、大台ヶ原。これまで何度も行ったことはあるが、紅葉シーズンはまだだったので、一度は行ってみようと思って狙ってはいたのだが、如何せんポピュラー過ぎて、休日はとてつも無い人と車で心斎橋筋商店街になってしまってそれも有名に拍車を掛ける要因になって、なかなか出撃保留になっていた。　で、たまたま代休が取れたので、早速４時半起きで出撃した次第である。　さすが平日。　駐車場もがら空きだった。　大台ヶ原の人が入りやすい場所は東大台と西大台に大きく大別されているが、西大台は環境省の利用調整地区に指定されていて、ごちゃごちゃ手続きをしないと立ち入ることができないので、今回はパス。　でも、実のところ、俺は広葉樹が圧倒的に多く、静かな雰囲気の西大台の方がココロ安らぐのである。　駐車場にバイクを置いて、歩き始めて３０分。　台高の稜線に出ると、尾鷲の海が見える。　山から海が見えると、ちょっと得した気分になれる。　日出ヶ岳のてっぺんから大峰山系の方を望むとまあまあ紅葉も綺麗。　東大台はウラジロモミやトウヒなどの針葉樹が多いので、紅葉の高揚感はまあまあってレベルにとどまるように感じる。　赤いのは主にシロヤシオかな。　天気もエエし、眺めもエエ。　シロヤシオ。　春に白い可憐な花を咲かせるのだが、まだ俺は見たことが無い。　それにしても俺のコンデジはニコンのクールピクスＰ５１００。　ピントが合えば写りや色合いは好きなのに、あきれるほどマクロ撮影のピント合わせが下手くそなカメラである。　あきれるのを通り越して腹が立つほどである。　被写体が小さいと絶対中抜けする。　今日は荷物が軽いので許すが、２０kgのザックを背負っているときに、中腰で花の写真を接写で撮ろうもんなら、ピントが合わないので、膝が震えてくるのである。　でも、それを我慢すればいいカメラである。　近鉄電車の車内広告でも使われたりして、大台ヶ原のお決まりショットとなっている正木ヶ原の枯れ木。　なんで枯れ木だらけなのか、原因はいろいろ諸説あるが、これが大台ヶ原の本来の姿では無い。　大台ヶ原は本来、トウヒやモミやブナが生え、林床は苔だらけの森なのである。　カエデの種類が分からん。　これは「キレイナカエデ」という種類だとしておこう。　大蛇グラ（グラ：やまへんに品という字）　まあこんなもんかな。写真の発色がもひとつだが、実物はもうちょっと赤色が綺麗。　車で気軽に行ける大台ヶ原ではあるが、実はホントに山が深く、谷だらけ。　こんな山奥だということを感じられる場所が俺は好きだなあ。　こんなとき、時々何も考えていない無心状態になってしまう時がある。　雄大な景色を眺めていて、圧倒的な自然の奥深さや力強さを感じてしまった時とか、ただひたすら歩き続けている時とか。　そんな時は言葉すら忘れてしまっていて、突如人に話しかけられても、言葉が出なくて困ってしまう。　でもきっとこれは俺がリラックス出来ているってことだろなあ。　やっぱり山はエエなあ。　こっちが広葉樹が多い西大台方面。　できればあっちを一人静かに物思いに耽りながら歩きたいもんだな。　許されるなら、レギュラーコーヒーを座ってのんびり飲むのもエエなぁ。　大蛇グラから振り返ってもエエ感じ。　見たところ、大台の上の方の紅葉は終わり始めてるようであるが、シオカラ谷はピークといったところかな。　このシオカラ谷、実はここの沢水がうまい。　無味無臭な湧き水の旨さとはまた違う味なのだが、沢に顔をつっこんで、ごくごく飲むとやけにうまかった。　ただ、残念ながらウイスキーの割水としては全然ダメだった。　一言に旨い水といっても、いろいろあるもんである。　それから付け加えておくと、大台の沢にはハナビルというヒルがいるらしい、と、よく書物で見かけるので、飲む人は気を付けてください。鼻に吸い付かれます。　ただ、まだハナビルに付かれたという人に一度もお会いしたこともないのも事実。　　３時間半で東大台を一回り。　天気さえ良ければピクニック気分で楽しめる山域なのである。　帰り道、大台ヶ原ドライブウエイから眺めた西大台。　麗らかな平日の奥山で、清く正しくココロ静かに物思いに耽ることができた１日なのであった。

  2008年10月20日

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  魚を食いに（二日目）

  　日の出前、宿から見た常神半島の海。　実に凛として静寂。　夕べの魚三昧の晩飯と、とどめのお茶漬けのおかげで、腹はまだ減っていないので、ちょっと釣り竿担いで、目の前の海に釣り糸を垂らした。　そして、お楽しみの朝ご飯。　仕事の出張でビジネスホテルに泊まるときは、よく朝のバイキングを食うが、こういう民宿の朝ご飯は数百倍旨い。　地物のカマスの一夜干し、生卵、梅干し、白菜の漬け物、夕べの刺身のアラを使ったアラ炊き。　最近、温泉卵を使う宿が増えた中で、生卵を出してくれるのは実に嬉しい。　軽くお茶碗３杯は食ってしまう。　これぞまさしくニッポンの正しい朝ご飯なのである。　腹一杯のなったところで、すかさず目の前の海に直行。　缶コーヒーをすすりながら、岸壁から見下ろす海には魚だらけ。　深さは７～８ｍはあるが、底まで見えるほど、透明度も高い。　５歳のＫ助にはちょっと早いかとも思ったが、せっかくリール竿を買ったので、投げ釣りに挑戦。　Ｋ助ぇ、リールの糸を人差し指に引っかけてぇ、リールのベールをひっくり返してぇ、竿を後ろに持って行ってぇ、両手を上に上げて、ほぃっ、と投げると同時に人差し指の糸を放す！　Ｋ助にはまだ難しくて、頭の中はパニック、体もがちがちロボコップ。　でも大好きな母さんにカッコエエとこ見せたくて必死である。　手取り足取り、何度かやってるうちに、２時の方向ではあるが、なんとか前に飛ぶようになってきた。　ポイッと投げて、糸をたるませないようにしておくと、竿先に当たりがクイックイッと来るのである。　それをＫ助も認識できたようで、アタリの後に糸を巻いたら魚がくっついているモンだから、興奮度俄然アップ。　人が少なく、魚が多い。　大阪湾とは大違い。　こんなエエ環境で釣りを学べるＫ助がうらやましい。　　そして、ふぐちゃんも釣れた。　すこし離れた場所では、豆アジや、サヨリも釣れているようだが、餌にゴカイを付けて投げておくだけで、１００発１００中入れ食いでいろんな魚が釣れるので、針がからまりやすいサビキはせずに、今日は五目釣りに専念。　結局昼過ぎまで釣りに専念し、腹が減ったところで、常神の海を離れることにした。　眺めの良いところから見る日本海。　１０月なのに、なんだか夏の海を見てるようだ。　無事帰宅し、古くならないうちに釣った魚を処理。　赤くてでかいのが、なんだか分からないので、図鑑で調べてみたらササノハベラというらしい。あとは、タイの子やグレの子など。　もっと釣れたのだが、食えそうなサイズだけキープ。　早速家内が煮付けにしたら、意外にササノハベラが旨かった。　自分で釣ったという自覚が拍車を掛けるのか、Ｋ助がばくばく食っていた。　自分で釣って自分で食う。これぞ命を頂く一連のストーリーの完結である。　わんぱくでもいい、清く正しく育って欲しい、我が息子との釣り三昧となった年に１度の１泊家族旅行なのであった。

  2008年10月13日

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  魚を食いに

  　早朝、奈良を出発し、琵琶湖の東岸を北上。　琵琶湖があまりに綺麗なものだから、思わず飛び込み、ウグイを水中撮影。　もちろん嘘である。　滋賀県立琵琶湖博物館に立ち寄り、水槽の魚を撮影しただけである。　のんびり風光明媚な琵琶湖岸を走って、目的地の福井県を目指していたのだが、思ったより琵琶湖はデカかった。　とても今日中に着きそうにないので、彦根からまた高速に乗って、敦賀まで一気走り。　さて、今日は年に１回の家族旅行で、目指すは福井県は若狭の常神半島の先っちょの常神という漁師町。　新鮮な魚を頂ける民宿が固まっている小さな集落である。　本日の宿は海が目の前。玄関出たら、１０ｍで海なのだ。　早速、昨日買ったＫ助の竿で、釣り教室開始。　まずは安全が大切である。　毒があるから触ってはいけないハオコゼを釣って、「こいつは触るな」とＫ助に伝授。　決して狙って釣れるものではないのですが、釣れちゃった。　で、メインイベントの晩飯はこんな感じ。　どどんと魚だらけなのである。　ズワイガニだけはちと季節はずれで余分だが。　舟盛り（舟じゃなかったが）の拡大。　さらに後からアオリイカの活け造りがどどんと１杯。　これがこの宿の看板である。　活きている。　というより生きているのである。　表面の色がデロデロと変わっているし、足がウネウネ動いている。　ゲソを口に入れると、吸盤が口の裏に吸い付き、ンゴンゴ、ゲホゲホ。　でも、甘く歯ごたえもあり、さらに噛みしめるほどに奥深い味わいが染み出てきて、しみじみ旨い。　実は俺は、同じ日本海の育ちでありながら、アオリイカや甲イカより、スルメイカや白イカの方に親しみがあり、アオリイカは食うチャンスも少なく馴染んでいなかった。　おそらく実家の最寄りの港が、より沖に出られる船を装備していたから、沖で取れるスルメイカや白イカを獲ってたのだろうか。　今日こっちの漁師さんから聞いて、初めて知ったのだが、アオリイカは近場で獲れて、スルメイカは沖合で獲るものらしい。　しかし、今日は目からウロコである。　生きているアオリがこんなに旨いモノかと恐れおののいてしまったのである。　裏を返せば、じゃあ生きているスルメイカや白イカは、この世のモノとは思えぬくらい、旨いのではないか、という妄想も浮かんでは来るのだが。　上の写真は、テーブルに隙間があるのだが、量は相当ある。　５歳のＫ助の分まで、しっかり１人前出されていたのでなおさら。　ただ、供されたものを残すのは俺の美学に大いに反する。　ひたすら食い続けて２時間。　最後に少しだけ取っておいた刺身をご飯に乗せ、ワサビ、梅干し、たくわんを乗っけて、お茶をざっぷり。　隠し味に醤油をタラリ。　トドメのお茶漬け一気喰いなのだ。　いやはや、しばらく魚は食いたくないと思ってしまうくらい、大量の魚で、ココロも胃袋も大いに満足した、清く正しい漁師町の夜なのであった。

  2008年10月12日

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  おニューの釣り竿

  　俺が小学生だった頃、よく河口に釣りに出掛けていた。　エサのゴカイを付けて、ぶっこみ投げ釣りをすると、スズキの子供のセイゴが釣れるのである。　ただ、友達はリール竿。　そして、俺はジイちゃんが作ってくれたオイカワ用の竹ののべ竿で、もちろんリールは無い。　仕掛けの届く距離が全然違うのだから、釣果は歴然。というか俺には全く釣れないのである。　うちは親が厳しく、なかなか欲しい物を買ってくれなかった。　かなりつらい思い出ではあるのだが、おかげで何かを始めるときに、まずは格好からとか、まずは道具からという習慣は身に付くことがなかったのでそれは親に感謝している。　さらに、何かを買うときに、それが無いとどうしようもない、どうしても必要だとなったときだけ、ものすごく吟味して買うクセがつき、いったん買うと、とことんそれを大切に使うクセも付いた。　おかげで、中学校の時に自分の小遣いを貯めて、ようやく買った3.6ｍの投げ竿は２５年経った今でも、第一線、現役で使っている。　さて、今日は近所の釣具屋に行って、息子のＫ助の釣り竿とリールを購入した。　最近安くなったもんで、１．５ｍの竿と糸付きリールがセットで１９８０円。　こだわればキリが無いのは分かっているが、使うに全然じゅうぶんである。　釣りをやったことがない５歳のＫ助にいきなりリール竿とは、いかがなものかとも思ったが、いざ釣りをやっても釣れなかったら、釣りに興味を持ってくれないだろうと、半ばバカ親の押しつけみたいだが、興味を持って貰う最低限のアイテムとして、俺の財布から拠出した。　これは甘やかしじゃなくて、釣りをするきっかけになってくれることを願うバカ親の投資と俺は結論づけた。　Ｋ助、あのバケツに入れる練習しようで。　糸の先に分銅おもりを付けて、Ｋ助も初めて使う釣り竿に悪戦苦闘。　明日から、日本海の漁師町の民宿へ、年に一度の家族旅行である。

  2008年10月11日

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  キンモクセイ

  　この春に植えた金木犀が初めて花を付けた。　まだ小さいせいか、そこまで香りは高くはないが、それらしく匂いはする。　で、植えた場所は風呂の窓のすぐ近く。　夜、窓を開けて湯船に浸かると、外のいろんな匂いが窓から入ってくる。　野焼きの煙の香り、土の香り、近くの里山の木々の香り・・・。　なんだか露天風呂に入ってるようですこぶる気持ちがエエ。　そこで目を付けたのが金木犀。　花が咲けば、湯船に浸かりながら金木犀の香りが楽しめるのでは、という魂胆である。　風呂場から見れば、こんな感じ。　風呂場という表現がちとおっさんくさいな。　浴室と呼んだ方がおしゃれだな。　早速、夜、風呂場、いや、浴室の窓を全開にして湯船に浸かると、　おお、少しだけだが、金木犀のエエ香りが入って来るではないか。　深夜０時、残業から帰って１人のんびり露天風呂気分の清く正しい秋の夜なのであった。

  2008年10月05日

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• やっちまった。

  　毎日お茶代を浮かす為に、ペットボトルに麦茶を詰めて冷凍したやつを職場に持って行っている。　いつもは、愛妻弁当と一緒に家内が冷凍お茶を準備してくれているのだが、今日はＫ助が風邪をひいたため、そっちに手を取られていた。　で、自分でフリーザーからかちこちに凍ったペットボトルを取り出して職場に持って行った。　そして、職場に着き、早速お茶を飲まんと、キャップを開け、ちょっとだけ溶けたお茶を口に含んだ。　「うっ・・・！」　「これ、お茶じゃない・・・」　それは麦茶ではなく、なんと天ぷらに使う天つゆだった。　夕べの晩飯の時、家内が作って作り置きをペットボトルに入れて凍らしていたようだ。　ダシもしっかり利いていて、醤油も伊賀のはさめず醤油という高価な醤油を使っているだけあって、なかなか旨い天つゆである。　これに、天ぷらとビールがあれば申し分ないのだが。　さすがに、お茶代わりに飲むわけにも行かず、職場の冷蔵庫に静かにしまっておいた。　まあ、職場の連中の笑いも取れたことだし、良しとしようではないか。　え～、さて、登山からは無事に帰還しております。　が、毎日深夜帰宅でなかなか写真を整理して、ブログにアップする時間が取れません。　取り急ぎ、このくらいで勘弁してください。　近々山日記をアップ出来るよう奮起奮励します。

  2008年09月30日

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• 下山後の楽しみ

  　爺ヶ岳から唐松岳をのんびり４日かけてから、下山後の楽しみと言えば・・・。　下山してまず最初に口にしたいのは、　牛乳である。　俺のことだから、どうせ清く正しくビールだろうと想像された方、ごめんなさい。　理由は自分でも分からないのだが、昔から下山後はなぜか無性に即座に牛乳が飲みたくなるのである。　それも紙パックじゃなくて、瓶牛乳。　あれば、地牛乳がなおさら良い。地牛乳っていうのは、全国区メーカーの牛乳じゃなくて、地元のメーカーの牛乳のこと。　だが、今回下山した八方では、土産物屋はあっても、瓶牛乳を見付けることができず、お預けワンちゃん状態になってしまった。　それなら、信州と言えば蕎麦である。　これも俺が異常なほどにこよなく愛する食い物なのだが、今回は時間が無くてパス。　じゃあ、どうするか。　実は下山した翌日、山での予備日を想定してもう１日休みを取っていた。　で、息子のＫ助が幼稚園へと旅立った後、テントやシュラフを外に干し、妻と二人で近所の手打ち蕎麦屋へ出撃したのである。　ちょうど俺が今のうちに引っ越した時に開店したまだ５年ほどの新しいお店。　妻は、なんとか御膳とかいう、いろんな小鉢が入ったセットを注文。　俺は、昼間っからいきなり奈良の地酒を冷やで、そしてアジの南蛮漬けをつまみに。　この蕎麦屋さん、実はうちの近所で開店される前は居酒屋もされてたとのことで、ちょっと気の利いた一品もあったりする。　　で、さらにこの蕎麦屋さん、実は俺の知り合いのご実家がやってるお店でもあったりする。　俺がここに行くつもりだったことが、その知り合いからお店にも漏れていたようで、その知り合いのお母様が、にこにこ笑いながら、お酒のつまみにと、小さな小鉢が４つほど入ったアテを持ってきて下さった。　いや、誠に申し訳ない。　うっかり店に行くなんて言うモンじゃないな、逆に気を遣わせてしまった。　アテまでサービスで頂いて、お世話になりっぱなしじゃ、ホント申し訳ない。　ここは売り上げ貢献の為、もう一杯お酒を注文しよう。　昼間っから幸せな俺である。　そういえば、Ｋ助が産まれて早５年。　その間で、妻と二人っきりでの食事は、今日でまだ２回目である。　なんだが新鮮な気持ちになって、ちと照れくさい。　さて、ほどよく気持ち良くなったところで、本命の盛り蕎麦大盛りをようやく注文。　この蕎麦屋さん、最近はやりの求道派蕎麦屋と違って、俺が知ってるこの界隈の店の中でも、量と値段のバランスが良い。（求道派かどうかは俺の持った印象であって、店のご主人がどう考えているかは別の話である。それに求道派じゃないからと言って蕎麦が手抜きというわけではないので、誤解の無いように。）　蕎麦にこだわってますという店構えで、法外な値段で、一握り程度の蕎麦を食わせる店は俺がダメなのである。腹一杯食ってこそ、蕎麦なのである。　とは言え、味はもちろん満足いく旨さ。というか、結構レベルが高い蕎麦なのである。　こんな蕎麦屋さんが近くにあって、俺は実に幸せなのである。　豪快に蕎麦をズバズバッと一気食い。　そのあと、ゆるやかにそば湯をたしなみ、のんびり１時間の食事が終了。　秋の柔らかい日差しの下、程良く気持ち良くなって、チャリンコチャリチャリのんびり帰宅。　節約家族の外食と言えば、月に１度のマクドくらい。　だけど、今日は絶妙にリッチ、ココロもリッチになった秋晴れの平日の昼下がりなのであった。　

  2008年09月24日

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  雨雨雨後晴れの後立山（大逆転唐松岳編）

  　夕べは一晩中爆風。　でも、トイレに行ったついでにテントの張り綱を張りなおして天空を見上げると、ズバババっと広がる満天の星空。下界の灯りもきらきら光っている。　気温はテントの中で６度くらい。　安眠気温範囲が０度からの俺のシュラフもさすがに１５年も使えば、ぺったんぺったんになって薄ら寒くなった。　インナーシュラフを出してようやく健やか睡眠。　すかさず３時半起床。　　朝飯食って、爆風に踊り狂うテントを撤収していたら、　朝日がぼっこり顔を出した。　信仰心の薄い俺でも、この荘厳な御来光だけは自然と両手を合わせて、家族の安泰と、給料アップ、女の子にモテモテ、宝くじに大当たり、いろいろお願いしてしまいたくなる。　八ヶ岳に富士山。右端には甲斐駒かな。　山岳展望で富士山が見えると、得した気分になってしまう。これもひとつのげんかつぎだろう。　さて、最終日。　遠見尾根で下山するか、唐松岳を経由して八方尾根で下山するか考えた末、唐松へ向かうことにした。　４年前に唐松岳に行ったとき、不帰のキレット方面の展望が全く無かったから、もう一度唐松岳に挑戦して、不帰のキレットにキッチリにらみを利かせたかった。　それから今回の山行は、ずっと天気が悪かったので、展望を楽しみながらの稜線歩きが全く出来ていないから、今日ならそれら両方がかなえられると思ったからである。　朝日にかがやく唐松岳。　こんな好天での縦走は、これぞ縦走登山の醍醐味的楽しさがある。　振り返れば五竜。　でっかい五竜は好きな山のひとつだな。　唐松手前のイワイワ、クサリクサリの牛首も楽しく通過。　雨に濡れてなければとても楽でおもしろい。　今回の山行で改めて分かったのだが、俺の体は３日目に山に慣れるようだ。　おとといまでは足が重たかったが、三日目の昨日から足の動きが良くなり、ペースこそそんなに早くはないが、登りも淡々と足を動かせるようになった。　牛首を通過すると、唐松岳頂上山荘に到着。　ここにザックをデポし、唐松のピークへ。　いざ、到着。　剣・立山・薬師もばっちり。　八方尾根の紅葉も始まっていて、うっとり。　アルプスの紅葉は初めて見たが、コントラストがはっきりしていてなかなか見事です。　再び五竜を見て、タバコをプハー。　妙高方面を眺めて、行動食をぽりぽり。　黒部源流・槍穂を眺めて、ココロうきうき。　２回目の唐松岳でようやく見ることができた不帰キレット、天狗の頭、白馬鑓、先っちょだけの白馬ピーク。　思わずハフ～ンとため息。　頂上山荘の向こうに浅間山。　唐松岳に完全に根が生えてしまったようで、ピークの周囲を何周もぐるるぐ周り、その絶景にうっとり状態。　なかなか足が下山に向かない。　この絶景を求めて山に来ているのだから、しょうがねぇよなぁ。　意を決して下山開始。　一気に駆け抜けるぞ八方尾根。　とは言いつつも、眺めがエエもんだから、足が止まることしばし。　妙高もいつか息子を連れて行ってみたい。　　不帰の嶮。　本当は今年の７月に白馬岳から爺ヶ岳まで縦走する予定だったが、休みが取れず今回の山行になった。　いつかあそこも歩いてやらねばならぬ。　お、久々の鹿島槍。　今回果たせなかった鹿島槍からの絶景見物も今後の宿題にしておこう。　去年の家族旅行では、ガスガスで池の全貌もほとんど見えず、ただの池だった八方池。　今日は白馬三山もきっちり見えて、観光地的景観を醸し出してくれた。　ガイド本では２時間２０分かかると書いてあった八方尾根を、一気に駆け抜け１時間３４分。　ようやく無事下山と相成った。　奇跡の天候好天大逆転で、最後の最後に絶景を拝むことができ、今回の山行もかなりの満足度である。　いやはや、やっぱり山はエエなあ。　こうして三泊四日に及ぶ我が山行も終焉に近付いているのであった。・ガイド本の歩行時間　５時間２５分・俺の歩行時間　　　　４時間１４分（休憩を除く）　これで終わりと思いきや、実はこれからが大変。　奈良まで車の自走が待っている。　八方池山荘からゴンドラ・リフトを乗り継いで八方へ。　八方からバスで白馬駅へ。　白馬駅から国鉄の各駅停車で信濃大町駅へ。　信濃大町駅からバスで、我が愛車エロバス君の待つ扇沢へ。　扇沢から、４日間の汗を流すべく大町温泉郷の薬師の湯へ。スリーシャンプー敢行。　３回シャンプーしないと泡がでないくらい、実は俺はバッチィ。　さっぱりしたら、今度は長野の郷土色おやきを土産屋で購入。　そして、豊科インターから一気に４００キロ激走し、キンキンに冷えたビールの待つ、いや、愛する家族の待つ奈良へ２１時到着。　こうして、年に１度のアルプス遠征＆ようやく取れた夏休みが終了なのである。　愛する家族の顔を見ながらの、冷え冷えビールと脂ギッシュの肉は、実に清く正しく潔く俺の胃袋に染み入っていくのであった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしまい。

  2008年09月23日

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  雨雨雨後晴れの後立山（天候回復五竜岳編）

  　なんだか周りが騒がしいなあ・・・と、腕時計を見たら、なんと４時５０分。　ひぇ～、寝過ごしたぁ！　早く速やかに寝て、サクッと健やかに３時起床を目標として、夕べ下の段のオバンゲリオン様に口封じをしたにもかかわらず、おかげさまでぐっすり安眠、スーパー大寝坊なのである。　いつもは頭の横に置いて寝る腕時計を、夕べは手首に巻いたままにしていたのが敗因のひとつだろう。　朝飯作ってかき込んで、パッキングチェックをして軽くストレッチをしてカッパを着て、さあ出発だ、と外に出たのは６時半。　キレット小屋に俺以外の登山者はいなくなっていた。　　本当のところ、今日は五竜までしか歩かないので、行動時間も短いし、あせる必要は無い。　ただ、３時起きはいつもの習慣であり、それに写真を撮るなら朝の方が斜光でいい写真が撮れるのである。　ただし、今日ものっけから雨。　昨日の八峰キレットに引き続き、岩岩、鎖、ハシゴが続く細かいアップダウンのルート。　おまけに昨日と同様、雨に濡れた岩は滑りやすいので、程良い緊張よりもすこし上級レベルの緊張感が続く。　とんがり岩岩である。　ガスガスで奇岩景勝を楽しむことが出来ない。　ところが、どうも上空の雲はそこまで厚くは無いようだ。　ふとしたはずみに青空がチラ見せ。　天候回復してるのかな。　最後にザレザレのもろい岩肌の急登。見えてないが、地図を見る限り、この登りは五竜岳への最後の登りのはず。　そして、遂に五竜岳到着。　周囲はガスガスでやはり展望は無いのだが、上空の雲は確実に薄くなってきている。　もう雨は降らないだろう。　と、来れば、伝統行事を敢行せねばならぬ。　中国三千年の歴史を誇る山岳頂上における伝統行事、我が愛しのピークラーメンだ。　小麦価格高騰で少し値上がりして、ちょっと高級品に成り上がったサッポロ一番塩ラーメンである。　俺の定番。　思えば３０年前、俺が小学校の時、友達と魚釣りをしていて土砂降りに見舞われて、ずぶぬれになったことがある。　その時、帰り着いた友達の家で、彼のおかぁちゃんが作って出してくれたのが、この塩ラーメンなのだ。　それ以来、俺は片時もこの塩ラーメンを忘れたことが無い。　　五竜山荘も見えてきた。　雲は確実に減ってきているようだが、まだ分からない。　今日も軟弱小屋泊まりかとぼんやり考えながら、初日から一緒の同年代の女性パーティーのお二人にも、小屋で会いましょうなどと笑いながら、五竜ピークを後にした。　しかし、五竜山荘へ下りながら、突如心変わり。　今夜はいける、テントだ！　雨の中のテント設営は気が重いが、今は降っていない。どっちかといえば天候は良くなっている感じがする。　ということで、すかさずテントを張ってしまった。　すると、すかさず久々のお日様の光も降り注いできたではないか！　大虫干し大会。　カッパ、ザックカバー、ソックスにブーツ、そしてシュラフ、なんでもかんでも干してやるのである。　　そして、今日のおやつはサンマ缶。　かなり荷物も軽くなってきた。　ところが、突如、１５時過ぎ、テントをたたく雨粒の音。　テントを張ってしまったし、おとなしくしておくしかない。　そのまま１６時の気象通報。　必死でラジオに聞き耳をたて、天気図に数値やら記号を書き込んでいくのだが、なんだかテントの外が騒がしい。　奇声だが歓喜の雄叫びだか判断がつかぬ声がたくさん聞こえてくる。　気象通報が終わって大急ぎでテントのチャックを開けて外を見て驚いた。　それまでの雨が嘘のように上がり、青空が見えている。　そして、遠見尾根を望む白馬村側の谷に、神様がいた。　うちに帰ってから、息子のＫ助にこの写真を見せ、「父さんは神様とお話してきたよ。これが神様だよ。」と、教え込んだら、ほんとに神様だと信じてくれたようだ。「神様ってあんなんだったんだ。」と、俺がいないとき、家内にＫ助はつぶやいていたとのこと。　やがて完全にガスが取れ、近くの白岳までサンダルで散歩。　五竜岳と鹿島槍ヶ岳。　ええですなあ。　やっぱこの景色を見るとココロ和みます。　明日行く唐松岳もその全容を露わにした。　再びええですなあ。　ため息出る風景である。これぞ山の醍醐味。　３０分くらいのんびり景色を堪能し満足してから、晩飯準備でテントへ。　これが晩飯の材料。　今回の山行は数年ぶりに生野菜仕様だ。　生のジャガイモ、タマネギ、ニンジン、ベーコン、それに今夜はクリームシチューなので、クリームシチューのルー、そして白米１合。　ジャガイモ、タマネギが半分になっているは、昨日までの２泊でそれぞれ４分の１ずつ使っていたから。　そう、１食で４分の１ずつ使うのである。　このジャガイモ、ニンジン、タマネギは３種の神器的野菜であって、この３種類の野菜があれば、ルーを変えるだけで、ありとあらゆるメニューが出来てしまうのである。　カレー、クリームシチュー、酢豚、八宝菜、ビーフシチュー、ハヤシライス、なんでもＯＫなのである。　ルーを使わずに砂糖と醤油で味付けしたら、すき焼きも出来る。　米はアルファ米じゃなくて普通の白米。研がずに炊くので多少味が変わるが慣れれば気にならない。　で、燃料節約のため、極限までこれらの野菜を薄く切って、ラードで炒めて水を入れて煮立って火が通ればすかさずルーを入れて溶ければ、ハイ、出来上がり。　食う時は、ご飯はシチューにぶち込んで食うのが鉄則。　クリームシチューをご飯にかけると、あとでコッヘルを綺麗にする手間が増えるだけ。　さて、寝る前のトイレ。　外に出ると、天空は満点の星空。そこにズバババァーーーっと夜空を横切る天の川。　いやぁ、たまらんなあ。　では消灯。　今回は軽量化のため、ガスランタンはやめて、キャンドルランタンを持ってきていた。　キャンドルランタンだけではテントの中はやっぱり暗くてヘッデンが必要だが、ほんわりとした灯りはなかなか風情があっていいもんだ。　寝る前にランタンをちょいと傾け、フゥッと一息で消灯。　傾けると溶けていたロウが流れて落ちてくるのを忘れていた。　ぅあちちちちぃ！　ひとりＳＭに興じるお馬鹿な俺をあざ笑うかのように、初秋の後立山の夜は、爆風が吹き続け、一晩中テントを揺らし続けるのであった。・ガイド本の歩行時間　４時間４０分・俺の歩行時間　　　　４時間５３分（休憩を除く）

  2008年09月22日

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