祈りと幸福と文学と

[鳥とか虫とか植物とか] カテゴリの記事

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• サル！

  特別天然記念物に指定されている野生のライチョウが、ニホンザルに食べられる被害が出ているという。ここのところ、やたらと増えてきたニホンザル。ちょうど今は、夏のものが消え、秋のものはまだ実らず、山に食べ物が乏しくなる季節でもあり、こうした被害はまだ続くだろう。そんなことを考えていたところ、義母が大声で僕を呼んだ。何をいっているのかわからない。よほど混乱しているのか僕を呼ぶのに義兄の名前で呼んだりしている。「どうなさいました？」義母はお縁に立っていたが、僕がそばによると、庭を指さして、いった。「見て、サル！」･･････。義母の指さす先には、大きなニホンザルが、うちと隣の境に立つブロック塀の上を、のっそりのっそり歩いていた。歩くといっても、ニホンザルの場合、足もまた手のようなもので、四本の手で狭いブロック塀の上を、器用にバランスをとりながら前に進み、隣のキンカンの残りの実をみつけると、ひょいと立ちあがってこれを取り、口に運び、また四つ這いになって、のっそりのっそりと行くのであった。隣の主人（義母の妹の夫に当たる）がちょうど納屋の片付けをしていたので、声をかけて、指さして見せた。隣の主人の位置からは、サルの尻がよく見えたはずだ。これも驚いたように、というより、むしろ呆れたようにサルを凝視して、そしていった。「はじめて見た」　８０代後半の人物である。野生のサルを見たことがないという意味では、もちろんない。家に野生のサルが現れるという現象が、はじめてだったのである。オスかメスかは確認できなかったが、毛並のいい、立派な体格のサルであった。まだうちの庭の栗も、柿も、熟してはいない。ここに来ても食べ物にはありつけず、サルはブロック塀の端までつたって行くと、橙（ダイダイ）の木陰に隠れて、やがていなくなった。隣のまたそのお隣の家の敷地へ入って行ったものとみえる。去年の秋は近所で巨大なイノシシを見たけれど。今年は庭にニホンザル。農村に住んでいるかのような錯覚を起こしてしまいそうな、百万都市の朝だ。

  2015.09.05

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  ビロードハマキ

  桜ファームでは、ただいまキュウリの大収穫中。今日も獲れたてのキュウリが、利用者やスタッフの冷やし中華を彩っていました。苦労して栽培してるおいらの口には、一切れも入って来ないけどね(ｲﾔﾐでもホント、稔ってくれてよかった～ほっとしています(^o^)で、仕事のあいまにも忙しく手入れをしていたところ･･･ん？おまいさん、ひょっとして、ビロウドハマキさんじゃあごぜーやせんかっ！！満天の星空みたいな翅の柄のハマキ蛾。キュウリの葉っぱの上で、ゆったり翅を休めておられんやんした(^_^)きれいやねえ･･･。

  2014.06.19

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  風物詩　ウメエダシャク

  茄子の苗に花がつきました。茄子の花って、やさしい薄むらさきで、上品で、清楚で。うっとりしますよね。もずです。いよいよ今日３つめの日記。この時期、住宅地の風物詩といえば、これ。ウメエダシャク（虫の苦手な人、ごめんなさい）桜ファームにも、ひらひらうじゃうじゃ舞っています。うっかり深呼吸でもしようものなら、口の中に飛び込んできそうなほど、夥しい数で、ひらひらうじゃうじゃ。画像は社用車にひっついていたウメエダシャクのカップル。たぶん６月のはじめまで、飛んでるんだろうな。この蛾が飛ぶようになると、枇杷が熟れはじめます。でも、そういえば小倉で枇杷を植えている家って、あまり見ないんですよね。小倉生まれの義母なんか、庭に枇杷を植えると縁起が悪い、とか言ってるし。ところで、この時期というと、うちの奥さんは食中毒で腹を壊しました(-"-)小学校の運動会で、配られた職員用の弁当がどうもいけなかったらしく、その弁当屋の弁当を食べて腹を壊した人が、北九州市の発表で101人にのぼったといいます。うちの奥さんの職場でも、今日４名が欠勤。うちの奥さん含めて２名が早退。これもこの時期の風物詩？食材にはくれぐれも熱を通しましょうね（笑）

  2014.05.27

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  ねずみもちとイシガケチョウ

  この日曜日は、門司では「門司港まつり」で賑わいました。楽しみにしていたマヒワと二人、行ってみたのですが、行って、発見したことの一つ。「門司港って、ミズクラゲよりアカクラゲのほうが多いね」（マヒワ）祭りのイベントそっちのけで、岸壁の海面を覗きんでいるひと組の父娘（笑）･･･もずです。今日の日記、２つめです。さて、桜ファームのご近所さんの庭木に、いま、白くて金木犀に似た小さな花がわんさか咲いて、それが毎日大量に道路に落ちて、アスファルトを花だらけにしています。竹ぼうきで掃き集めると、買い物袋いっぱいになるほど。木のある家は、空家なのか、人の気配はなくて、表札もないし。じっと木を見上げていると、「この木、花は小さくて可愛いのよね。でも、庭木にするのは珍しいわよね」通りかかったご婦人が、声をかけてきました。「これ、なんという木なんですか？」と尋ねた僕に、ご婦人は、「ネズミ」と答えます。「ネズミ？」「そう。実が黒くて、こーんな大きさで、もうネズミの糞みたいなの。だからネズミ」ふーん、ネズミねえ。ホントかなあと思って、あとで調べてみると、まさしく正式名称が「ネズミモチ」モクセイ科イボタノキ属の樹木で、ご婦人のいったように、果実がネズミの糞に、葉がモチノキに似ていることから、この名が付いたらしいのです。どちらかというと公園などに植えられている木で、庭木にされるのは珍しいらしい。日陰っぽい臭い。でもこの臭いに、ミツバチやウメエダシャク、それ以外にも、たくさん虫が集まっています。その中に、「？」見慣れない虫の姿がありました。持っていた会社のコンデジで最大望遠にして撮影してみて、モニターを覗いてみると、おお、これは！イシガケチョウではありませんか！！沖縄や西南諸島のイメージのある、この蝶。実は近年の温暖化の影響で、関西以西でも頻繁に姿を見るようになって、小倉でも、こうして桜ファームのそばまで来てくれました。翅を開いた姿で、ネズミモチの葉の上で、ゆったりと陽射しを浴びていました。

  2014.05.27

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  桜ファーム

  最近始めたことの一つに、畑があります。うちの畑ではなく、職場の畑。近所のお花屋さんから、茄子の苗４９本、きゅうりの苗４８本をいただきまして、これを、建物の南に耕した小さな小さな畑に定植しました。この畑を、僕は「桜ファーム」と名付けました。場所は、小倉の、中心部から車で15分くらい離れた住宅地。職場の名称に「桜」がつくので「桜ファーム」。こんばんは、もずです。当然、福祉職場が畑のためにお金をくれるはずがありませんので、支柱を立てること一つにしても、近所を歩きまわって、落ちている廃材を使ってやらなきゃならない。スコップも鍬も、なーんにもありませんから、畝も小さなショベルで作らなくちゃならない。もうデタラメですよ。でも、どうです？なんだか、畑っぽいと思いませんか？小さな苗なので、最初のうちだけでも農薬を撒いておこうかと思ったのですが、よーく見てみると、いつのまにか、テントウムシが産卵に来てくれてました。ナナホシテントウや、ナミテントウや。･･･かわいい(*^_^*)農薬は中止です。（今日は３つ日記をアップするよ！）

  2014.05.27

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• 鷹を見る！

  おおおっ！！ サシバが七羽くらい上昇気流に乗って集まり、渡っていくのを見た！ そしてそれを見送るかのように、白い鷹ミサゴ二羽が、青空にアクロバット飛行をするのを見た！ 晴れた朝の山国川は素晴らしい。

  2013.11.01

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• 十一月の燕

  川縁に、11月の燕を見た。 11月の燕は、淡い朝の光のなか、風に押し流され、押し流されて、しきりに翼を打っていた。 川を渡る鉄道の音。見ると燕は二羽になり、三羽となって、上へ上へと舞い上がり、いつしか小さな群れとなって、ゆっくり東の空へ移動していった。 すすきの穂の波打つ川縁に、もう燕はいなかった。

  2013.10.26

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• 稲穂の揺れる風景

  いまの季節、どこの田も稲が穂をつけていて、黄金色に輝いている。稲穂が風にざわめく様子に、つい目を細めてしまう。古事記神話をネタに小説なんか書いているせいか、最近の僕には奇妙な反応があって、稲穂の波をみつめていると、そこだけが僕の目に、なんだか弥生時代にみえてしまうのである。現代の風景の中に現れた、弥生時代。弥生時代は田んぼを中心にゆっくり広がっていって、いつしか空はもっと広くなり、ビルや鉄塔はかき消え、貫頭衣をまとった民の気配がそこかしこに濃密になってきて、目をあげると、そこに竪穴式住居の環濠集落が……あるわけないか ^^;ところで実った稲を見ていると思い出す話がある。大正生まれのある老婦から聞いた話。毎年毎年、同じように育てているのに、田んぼのある部分だけが、いつもひどく成長不良になってしまうのだそうで、とくにそこだけ日陰になるわけでもなく、土が違うわけでもないのに、なんで毎年こうなのか、散々悩んでも埒があかず、とうとうお金を払って専門家に調べてもらうことにしたという。すると吃驚することに、調査の結果、田んぼの発育不良の土壌の下に、なんと温泉の通っていたことがわかった^^;ウソみたいな話どけれど。稲も実らぬ役立たずの土地……しかしその後は、村人たちの疲れを癒す大切な場所となった。…まあ、大分県らしい話といえば、そうなんだけど。ここじゃいたるところに温泉があるのだし。「で、その温泉には、入ったことあるのですか？」と、尋ねる僕に、老婦は耳に手を当てて「は？」「その温泉に入ったことありますか？」「は？」･･････入ったこと、ないんだな。

  2013.09.28

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• ほたる狩り

  昨日のこと。お風呂上りにつっかけ履いて、歩いて３分ほどのところにあるお宮さんへ、夜風に濡れた髪を乾かしながら、ぶらり出かけていきました。お宮さんのほとりに川が流れていて、道幅が狭く、その狭い道を、車がひっきりなしに通っていきます。轢かれないようガードレールにぴったりくっついて、川のむこうの闇にじっと目を凝らす。あとからうちの奥さんとマヒワもやってきて、３人でじっと目を凝らす。じいいーっと目を凝らすこと、約５分。やがて、ふわっ、と闇に舞う、黄緑色の光。「あ、そこ。飛んでる！」ゲンジボタルの淡い光。あ、そこにも。あそこにも。･･･。しばらく眺めたあと、すっかり満足したうちの奥さんとマヒワ。「おとうさんが誘ってくれたおかげで、今年も蛍が３匹観れたねえ」３匹･･･。なんてケチ臭い蛍狩りだろうと思いつつ、でもこれが、もずのおうちの恒例のほたる狩りなのでした。

  2013.06.04

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  ラアラア唱って

  梅の実を収穫しました。梅の葉には、ウメエダシャクの幼虫が結構たくさんついてました。６月を過ぎたら、またヒラヒラと、群れて飛び交うんだろうな。礼拝中に、気のりのしないプランが二つほど降りてきて、え、神さま、おれにこれをしろと？いやいや、これはきっと気の迷い。まさかそんな、やりたくないよ、いやだよ。でもそれが神さまの御心なら、ただもうラアラア唱つていくのだ。門司港は港まつりで大賑わい。列車を待つホームのベンチに腰をおろしiphoneで中原中也の詩を読むおいら。新しいんだか古いんだか。そろそろ滞った小説をどうにかしないといけないと気は焦るものの、専門学校の添削課題にレポートもあと二つ。マヒワの運動会もあることだし、ただもうラアラア唱つていくのだ。さて、摘んだ梅の実はどうしよう。下戸のおいらは梅酒なんて飲まないし、梅ジャムも梅干しも、余ってるくらいだし。楽しいのは収穫まで。あとは途方に暮れてしまって、ただもうラアラア唱つていくのだ。※「ただもうラアラア唱つていくのだ。」というのは、中原中也の詩「都会の夏の夜」にくり返し使われている文句です。

  2013.05.26

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  この花なんの花？

  これ、ご存知ですか？昨年はこの時期、介護福祉士国家試験の実技講習で、休みが休みでなかったため、見損ねてしまったのですが、今年は、花の時期の終わりになんとか間に合いました。カメラでパチリ。もうほとんど残っていなかった花の、わずかな生き残り。田舎のほうに住んでおられる方は、よくご存知と思いますが、でも意外と知らなかったりします。実なら、誰でも知っていますけどね。というわけで、柿の花でしたー。

  2013.05.23

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  てんとう虫を探せ！

  先週、故郷の福山に戻りまして、お墓参りもし、親と積もり積もった世間話など楽しんだあと、なつかしい我が家のまわりを散歩しました。よく晴れてまして(*^-^*)ぷらぷら歩くうちに、先日耶馬国川のほとりを散歩したとき、てんとう虫に会えなかったことを思い出し、てんとう虫を探してみました。40過ぎたおっさんが草むらにしゃがんで、てんとう虫を探す図。あまり美しくないような気が･･･。お、いたいた。チャイルドてんとうちゃん。お子ちゃまですが、体の大きさだけはもう大人なみ。なりばかり大きくなって、まったく近頃の子供ときたら。さらによく探すと･･･。ティーンズてんとうちゃん。さなぎになりたての黄色が卵焼きじゃなー。こちらは少し時間の経った、ハイティーンてんとうちゃん。もう大人の入り口に立っています。恋の一つや二つは知っているお年頃？ところで成人した？てんとう虫はここでも見当たらず。仕方がないので場所を変えました。と、いましたいました。アダルトテントウちゃん。ナナホシテントウのアダルトちゃん。ナズナ？の葉の裏で寝てました。「あんだよ、あんた。気持ちよく寝てたのにー」みつけてみれば、みつかるもので、近くには、ほかにもいましたてんとう虫。ナミテントウちゃん。低木の葉にいました。ナミ、という名前が牛丼っぽくてナイス！こちらはベジタリアンのニジュウヤホシテントウちゃん。野菜の苗の葉にとまっています。やはりお昼寝しとったみたい。ようやく会いたかったてんとう虫に会えて、これでおいちゃんは気が済んだ。ふむ =3（鼻息

  2013.05.12

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  木

  これは故郷の家のそばにある桜の木。近づいてみたら、もう寄生する生き物だらけ。幹にはアリとかカミキリの仲間とか、なんだかわかんないような甲虫とか。キノコとか、蔓草とか、葉にもうじゃうじゃと、蜂も無数に群がってた。もう葉っぱの時期だけれど、花の時期には、もっとたくさんの虫が花に群がる。虫だけじゃなくて、四十雀やコゲラ、ヒヨドリといった鳥たちも。秋になったら、葉を落として、その落ち葉にも、虫や菌が群がって。たぶん枝の樹皮の裏にも、根にも、数え切れないくらいのたくさんの生き物を養って、木は寡黙に立っている。たぶん木は、損したとか得したとか、考えないと思うんだ。ゆったりと太陽の恵みを受け入れて、その一方で、与えられるだけのものを無償で与え尽くして、養って、養って、枯れるまで、あるいは枯れたあとまで、養って、そういうのを生きている、っていうんだな。

  2013.05.12

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  ミツバチ復活

  大喜びしたわりに、ころっと忘れとったことを一つ思いだしましたん。昨年、オオスズメバチに皆殺しにされてしまった、我が家のミホンミツバチちゃん。４日に門司のおうちに帰ってみたらなんと、また巣をつくっとるみたい。ぷーん、ぷーん、と可愛い羽音を鳴らして、何匹も何匹も物置小屋の床下に出入りしてました。かわいいー！！！たぶん女王蜂ももう入っとるんじゃろなー。今年はオオスズメバチ、来んかったらええなー。･･･と、ここまでで一旦アップしたんじゃけど。なーんか寂しかったけん、ちょっと追記ね。お仕事から帰って、すぐに勉強したりするのが、なんかイヤで、洗濯したあと、ほんのちょっとだけ耶麻國川のほとりを歩いてみたん。てんとう虫にでも会えんかなーと思うて。夕方で、少しだけ風があって、寒くもないし。ええ気分じゃったー。カイツブリが啼いとった。アザミの花とか咲いとって。いつもどっかにおるてんとう虫も、会いたいなー思うて探すと、なかなかおらん。カラスノエンドウにアリマキが群がっとったけん、そこにおらんかなーと覗いてみたけど、やっぱりおらん。そのうち、だんだん日が暮れてきたんよ。川にたたずむアオサギさん。なんか哀愁があるんよねー。とうとうてんとう虫には会えずじまい。でも、静かな川の流れに疲れが癒されたような気がしました。耶麻國川の夕景。なんか、なつかしい気がするんは、なんでじゃろか。

  2013.05.06

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  ささやかな発見

  夜勤明け。仮眠をとってから、市内のデパートへ買い物にいく道すがら、車の窓から、ふと外を見て、　･･･ん？いつも使う道のほとりの、いつもの空き地なんですが、おわかりでしょうか？ちょっとだけ拡大。･･･さらに拡大すると、ゴイサギ様でございます。はじめて気がついた。ここ、ゴイサギの鷺山になってたんですねー！！夜行性のゴイサギ。昼間はここで徒党を組んで寝ているご様子。知らんかったー。ちなみに、若干コサギも混じってますけど（笑

  2013.02.22

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• 曼珠沙華の濃い緑

  北九州市の門司におります。勤めに行くうちの奥さんを送り出し、学校へ行くマヒワを送り出し、整骨院に行く義母を車で送り、ついでに原稿を投函して。ヒヨドリの声を聞きながらインスタントコーヒーを飲んで、おはようございます。もずです。あともう少しで、僕も歯医者に出かけます。なんか、まったりとした休日のようですが･･･。休みじゃありません。夜勤です、今日。今日は島原の乱がはじまった日です。ご存知ですか？ずいぶん昔、原城跡に行ったことがあります。なんにも憶えてないのですが、カササギが飛んでいたのだけは憶えています。え、長崎なのにカササギ？　と驚いたので。･･･鳥のことしか憶えてない（泣）いつのまにか小菊が咲いています。黄色や、薄紫や。かわいいな、と思いながら、またコーヒーを一口。え、小菊ってかわいいですよね。ね、かわいいですよね。あの可愛らしさに、最近目覚めました。以前は、なんで老人は菊がそんなに好きなんだろうと不思議に思っておりましたが。たんぽぽならわかるけど、みたいな。「民さんは野菊みたいだ」葬式の花かい、みたいな。「りんどうみたい」というのも、なんだかよくわからないけど。なんの話かわからない人もいるでしょうね（笑）･･･。えっと。庭の緑の中で、ひときわ濃い緑なのが、マンジュシャゲ（あれ、変換しない！？）の葉。彼岸花が終わって、茎も枯れて、何にもなくなったころに、地面からニョキニョキと出てきます。金属みたいに硬そうな葉っぱ。そこだけ色が違って、異様に黒っぽい緑。どーも、この植物はあまり好きになれません。義母が好きなので、抜きませんけど。そうそう。義母に袋入りのうどんをいただきました。いつもいつも、ありがたや。しかし、わたしには受けねばならない洗礼（バプテスマ）がある。（ルカ伝12・50）今日は新共同訳ね。文語訳聖書は中津に置いているので。そういえば朝刊に角田美代子被告の顔写真が載ってましたけど、フツーのおばさんっぽい顔で･･･。

  2012.10.25

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  河原にみつけた足跡

  おはようございます。朝、とっても天気がよかったし、「ふくやま文学」用の短編小説も今朝ようやく書き上げて、気分も変えたかったし。で、邪馬国川（山国川）のほとりを散歩しておりました。ホオジロの地啼き、川の中で日向ぼっこするアオサギたち、すすきの銀の穂の群生、秋の花にとまる蝶たち。見るものがみんな目に嬉しくて、歩くコースが歩道からどんどん河原に逸れて行き、気付けば熊笹の群生に分け入っておりました。ふと、足もとの砂の上に目をやると、こんなものが･･･。カメラを持ってなかったので、撮影できず残念だったのですが、こんな感じのフットプリントが、鮮やかに残っていたのです。この足跡の主は、チドリさんか、それともシギさんか？昨日の朝、雨が降ったので、足跡がついたのはその後。足跡の主がそこらへんから顔を出さないかと、しばらくきょろきょろしてみたのですが、それらしい姿もなく、あきらめて帰りました。明るい朝に感謝＋主人の意を知りながら用意せず、又その意に従わぬ僕は、笞うたるること多からん。（ルカ伝12・47）ところで、「福山文学」はいま性的な題材を排除する傾向にあるんだけど、今朝書き上げた短編は思いっきり性的な内容で、これはボツになる可能性が高い。ボツになったらどうしよう？　ほかに発表するところもないしなあ。

  2012.10.24

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• 平和な家庭が殺戮者たちのアジトに

  角田美代子という人物の関わった殺人や死体遺棄の事件の全貌があきらかになりつつあります。平和だったいくつかの家庭が、この人と接触したがために、破壊され、殺され、遺棄され、財産は横取りされて。こういう人物が存在するということが信じられないのと同時に、なんとか打つ手はなかったのかと、歯がゆくて。･････。いえね、今年の４月１０日の日記でご紹介した、ニホンミツバチたち。実は、あのかわいいミツバチたちは、もううちにはいないんです。オオスズメバチと接触したばかりに、平和だった巣を中心とした社会は、破壊され、ミツバチや幼虫たちは殺戮に遭い、遺棄され、蜜は横取りされて。こんな悲劇が存在するということが信じられないのと同時に、なんとか打つ手はなかったのかと、悔しい思いでいっぱいです。あのかわいいミチバチたちのいた明るい陽だまりの場所に、今は、オオスズメバチが、ブオオオオーン、とプロペラ機のような重低音を鳴らして飛び交っています。悔しい･･･。なんじら腰に帯し、燈火をともして居れ。（ルカ伝12・35）久しぶりにカマンベールチーズを食べました。うちの奥さんが、どういうわけかカマンベールチーズが嫌いで、食べる機会があんまりなくて。

  2012.10.23

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  ジョウビタキってこういうの

  昨日が夜勤明けで今日はお風呂当番。夕方には疲労困憊で倒れそうになったもずです。こんばんは。体が弱ったなあ！昔は徹夜なんて平気だったのに。さて。昨日、ジョウビタキがやって来た、と書きましたが、ジョウビタキがどんな鳥だか、ご存じですか？お庭とか公園とか畑とかにフツーにいて、結構人のすぐそばまでやってきて、ヒ、ヒ、とか啼きながら、カチカチ、と木を軽く打つような声も出したりしながら、お辞儀したり、尾羽を振ったり、ちょこまか動いている、とても身近な小鳥です。見たらたぶん、「ああ、あれがそうか」と思う方が多いんじゃないでしょうか。さっき色鉛筆で、チャカチャカ、と描いてみました。こんな感じの小鳥。かなり大雑把な絵で恐縮ですが、ね、見たことないですか？ちなみにこの絵のジョウビタキはオスです。メスは、全身がねずみ色で、翼の白い紋が目立ちます。10月下旬は、もう冬鳥のわたってくる時期ですよー。八代には、そろそろ鶴が渡ってくるのかな。そして感染症の季節。ああ･･･。主に栄光＋いかに何を答へ、または何を言はんと思ひ煩ふな。（ルカ伝12・11）ところで昨日の日記、聖書箇所間違えてたな(-"-)

  2012.10.20

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• ６月

  ６月。梅の実が大きくなりました。門司のおうちでは、３年くらい前にマヒワが道端で摘んで持ち帰った小さなアップルミントが、今年も猛威を奮って庭に繁殖し、そいつを鍬で根っこから剥ぎ取りながら、ふと見上げる、風の青あお。６月だなあ。僕の故郷、福山の家では、枇杷が不作だったらしい。わずかに収穫した枇杷を両親と３人で食べながら、門司のあたりでは「枇杷は病人のうめき声を聞いて育つ」といわれていて、枇杷の木を植えている家はあまりないのだという話をしました。福山で、枇杷にそんな気の毒な言いがかりをつける人はいないので、両親には珍しい話だったようです。「それにしても、店で売っている枇杷は、どれを食っても美味くない」と、父がいいました。僕も同意見で、買って食べた枇杷が甘かったという記憶がなく、でもどうしてそうなのかは、いまひとつわかりません。枇杷は６月の果物。６月といえば、福山では、ウメエダシャクという蛾が、どこに行ってもうじゃうじゃと飛んでいました。中津でもよく見かけます。門司の家ではむろん、梅の木にいっぱいとまっています。ウメエダシャクの乱舞も、６月の風物詩でしょうか。ウメエダシャクの幼虫は、ちょっと大きめの尺取り虫で、黄色と黒のボディーは、蛇革のような硬質感があります。農家の人には駆除すべき害虫として嫌われていますが、うちではそんなに目の仇にする人もいないので、春の日射しの中、みんなのびのびと育ってました。そしてみんな無事に羽化して、いま、元気いっぱい飛びまわっています。６月。胡瓜の収穫がはじまりました。６月。アジサイも見事な花をつけました。いつも更新を楽しみにしている、あるブログの記事によると、アジサイは日本原産の花。元々は「あづさい」といって、「あづ」は小さいものが集まっている様子、「さい」は、真藍を意味するのだそうです。小さい花が寄り集まって咲いている、梅雨の国の花、なのですね。ちなみに「紫陽花」は当て字で、中国で「紫陽花」というと、別の花を指すらしい。６月。昨日は遅番で、門司に帰ってきたのは深夜の12時半くらい。車を降りると、闇夜にホトトギスの声を聞きました。空を飛びながら啼いていたのだと思います。俳句では夏の季語。６月。そろそろこの近所でも、蛍が飛び交うはずです。

  2012.06.14

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  受けた屈辱はどう昇華すればいいですか？

  門司のおうちに咲いた「みやこわすれ」です。　　いかにして契りおきけむ白菊を都忘れと名づくるも憂し承久の乱で佐渡に流された順徳上皇が詠んだ歌とされています。佐渡に伝わる伝説によれば、順徳上皇は御所の周辺に小さな菊をたくさん植えて愛でていたとか。もっとも現在の「みやこわすれ」は江戸時代に作られた品種なのだそうで、伝説通りなら、順徳上皇が「みやこわすれ」と名付けた菊は、別の植物だったことになります。いえね、職場でムカッ腹の立つことがありまして。頭のてっぺんから火の柱が立つかと思ったくらい、頭にきて、殴りとばしたい、思い知らせたい、復讐したい、と、憤怒の塊みたいになってしまいました。もちろん、いい歳ですからね。黙って自制しましたけど。いや、自制することはできるんですよ。当然ですけど。でもね、自制したくないんです。それは間違ってるだろう、って思ってしまうわけです。こんなに屈辱を受けたのに、そしてこんなに憤っているのに、その感情を手放すってことは、「許す」というより、「泣き寝入り」するだけのことで、全然立派じゃないし、「復讐は神がなさる」という聖パウロの言葉が、僕の周囲で実現された試しがないし、要するに屈辱を与えた者勝ちで、受けた側は理不尽に我慢するしかない。それって間違ってないですか？おかしくないですか、神さま？　って感じで。黒魔術によれば、呪うと決めたら、全世界を敵にまわしてでも目的を達成するまで意思を貫きつづけることが大事なのだそうで、そうまでいわれると、別に全世界を敵にまわすほど呪ってやりたいわけでもないし、と、今ではいくぶんクールダウンしたんですけど。でも納得いかないです。受けた屈辱は、晴らせないの？泣き寝入りしなくちゃいけないの？それは、なぜ？　　･･･カルマを背負うからとか、そういう仏教世界に踏み込む説明はなしで（笑）屈辱を与えた側が、近い将来、なんらかの形で「報い」を受けることはあるかもしれません。でもそれは、自然が加害者に与える一方的な「罰」であって、屈辱を受けた側の心を救済したことにはなりません。受けたダメージが、無かったことになるわけじゃない。怒りをこらえた分、神さまへの「貸し」になるとかね。怒りをこらえることが「幸福」の貯金になるとかね。そういうことなら、少しは納得できるかもしれませんが。配流の先で小さな野菊の花をみつめた順徳上皇の眼も、いまの僕と同じであったか、とか勝手な想像をめぐらしつつ、「みやこわすれ」の薄い藤色が、とても深く思えるのです。

  2012.05.13

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  ジャスミンンと紫蘭

  門司の家に帰ってみると、ジャスミンが咲いてました。義母が人からもらって植えたものだそうで、簡単に根付いて育ったそうです。義理の姉という人が、植物を育てる名手で、このジャスミンを羨ましがって、枝をたびたび持って帰るのですが、ところがどういうわけか、なかなか根付かない。理由は不明。鼻を近づけると、とてもいい香り。足もとに咲いていた花弁を摘んで、部屋に干しました。お部屋の中がとてもいい香りに包まれてます。この季節、散歩がてら住宅地に足を向けると、どこのおうちでも紫蘭を上手に咲かせてらっしゃいます。ペチュニアやバラやヒメアヤメよりも、普及率が高いんじゃないかと思えるくらい、どこのおうちも紫蘭。紫蘭。うちにも紫蘭が咲きました。ただ、うちの紫蘭は、人目につくところには咲きません。奥まったところの、蔓やドクダミやなんやかやの有象無象の草々の中にまじって、こっそり花弁をつけています。マヒワに紫蘭を指差して、「このお花の名前を知ってる？」「知らん」「正解。これが紫蘭だよ。よく知ってるね」こんな他愛のないジョークにも、嬉しそうに笑ってくれるマヒワ。あと二ヶ月で８歳。

  2012.05.11

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  オオクビキレガイをご存じですか？

  これ、ご存じですか？オオクビキレガイ、と申します。地中海沿岸部の原産で、地中海のほか、カリブ諸島沿岸など温暖な地域に生息する陸生の貝。大きさ２２ミリ～３５ミリ。寿命は１年半と短いのですが、年に２度、直径３ミリほどの卵を数十個単位で産みます。日本では１９８８年５月に北九州市戸畑区東大谷の空き地で初めて確認されました。その後、９０年９月に、僕の住んでいる門司区でも、９２年３月に山口県宇部市、９６年７月に福岡県宗像市鐘崎、２００４年１０月には福岡市東区でも見つかりました。いまや北九州市内では、ほぼ全域で確認されています。発見場所はいずれも空き地や畑、民家の庭先で、夕方になると土の中からうじゃうじゃと現れて、たった一晩で畑や庭の花や野菜を食い荒らします。土中に卵を産んで、短期間に大量に繁殖します。「昔はこんな貝、おらんかったのにねー」と義母に言われて調べてみたら、上記のようなことがわかりました。畑の土をちょっと掘ると、ほんとに、うじゃうじゃうじゃうじゃ出て来ます。ちょっとおぞましいくらい。

  2012.05.02

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  春らしい珍事

  門司のおうちに帰ってみると、おうちの庭に、春らしい珍事が起こっていました。うちの庭の主である栗の木に、変なものが。もっと近寄ってみると、おわかりでしょうか？これ全部、ミツバチです。ミツバチが集まって、もぶれついて、氷柱みたいになってるの。「ミツバチが栗の木に巣を作ったあ！！」家人は大騒ぎ。これは困ったねえ、なんて話してました。実はこれ、分蜂という現象です。うちの倉庫の軒下に、ニホンミツバチの巣があるんですけど、たぶんそこに、新しい女王バチが誕生したのでしょう。いままでの女王バチが、家臣（？）をひきつれて、巣を旅立ちまして、新しい巣を作るまでに、よっこいしょ。どれほども離れていない栗の木の幹を仮の宿にしたわけです。しばらくするといなくなります。それにしても、お庭にニホンミツバチというのは、いいでしょう？楽しい春の風物詩･･･なのですが、５月になったらこの栗の木、消毒しなくちゃいけません。それまでに消えてくれるといいんだけど。

  2012.04.10

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• メジロを見ませんか

  この冬、結局メジロを見なかったもずです。こんばんは。メジロ、みなさんのお宅やご近所で見かけますか？野鳥の会に所属する義理の兄ともこのあいだ喋ったんやけど、「今年、メジロが来ないよね」と、やはり鳥仲間の間でも、もっぱらささやかれているらしい。九州だけの話かと思ってたら、今朝、出勤前にNHKのラジオで、アナウンサーが全国から寄せられたお便りを読み上げている中にも、「うちでも、今年は梅の木にメジロが来ませんでした。代わりにスズメが梅の花をついばんで落としています」てなお便りがあったりして。「うちでも」ってことは、僕がラジオをつける前にも、その手の話題を提供した人がいたということだろう。どうも「メジロがいない」現象は全国的なものらしい。なんでメジロが？実はメジロだけでなくて、今年は冬鳥のシロハラにも会ってない。毎年かならずうちに来てくれるのに。で、その代わりというか何というか、猛禽を町中で見かけるようになった。これも、僕だけかと思ったら、どうも鳥仲間の間では、もっぱら話題になっていることらしくって、オオタカとか、コミミズクとかが、フツーに町中に現れている。全国的かどうかは知らないけど、すくなくとも九州の北半分ではそういう現象が起こっているらしい。テレビを観ていると、リュウグウノツカイが浜に打ち上げられたとか、クジラやイルカの座礁が例年になく多いとか、なーんか去年の暮れから今年にかけて、野生動物の行動が、大きな規模で、ちょっと変。なんかあるんかなー。メジロもシロハラも見ないまま、春が来て、職場でお仕事しながら、けさはヒバリのさえずりを聴いていました。

  2012.03.28

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  イネの花

  夏休み最後の朝、お父さんが言った。マヒワ、イネの花を見に行こうよ。･･･イネの花？家の戸締まりをして、お気に入りのピンクの麦わら帽子をかぶって、お父さんについていく。玄関には、けさ咲いたばかりのサギソウの花。鳥が翼をひろげたみたいな姿をしていて、育てていたおばあちゃんがとても喜んだ。「イネの花って、どんな花だと思う？」と、お父さんが訊く。「えっとね、白い花」「白い花？　白くて、どんな花かな？」「ドクダミみたいなの」近所の田んぼに来てみると、青々とイネは若い穂を立てていたけれど、花らしいものは何もない。「花の時期は済んだんだね、中津ではまだ咲いてたのに。残念だな」お父さんは、しょんぼりつぶやいた。本当にがっかりしたみたいだった。だからどんな花なのか、結局答え合わせはできなかった。田んぼには、トンボが群れて飛んでいた。「赤トンボ」と指さすと、あれは黄トンボだよ、ウスバキトンボというんだ、とお父さんが言った。お母さんのいう「盆トンボ」だ。イネの花ではないけれど、土手にツユクサの青い花弁がちらほら見えた。せっかく散歩に出たのだから神社に寄ってみようよとお父さんが誘う。神社のほとりには小さな川があって、メダカくらいの小魚が群れて泳いでいる。お友だちはメダカだというんだけど、お父さんは、クロメダカはあんなところにはいない、と言っていた。「きっとカダヤシだよ」と。でも今朝、実際に泳いでる小魚を見て、お父さんは首をかしげた。「カダヤシじゃないね、これ。ちがう魚だ。なんだろう？」神社の鳥居をくぐると、黒くて大きな蝶が四匹、ひらひらと出迎えてくれた。黒いアゲハ蝶ならうちの庭の橙の木にもよく来るけど、それとはちょっと様子がちがう。「カラスアゲハだね。ほら、あの葉っぱにとまってるの、羽根に緑の光沢があるだろ」うちの庭に来るのはクロアゲハ。羽根のまんなかに白い紋があるやつだ。黒いアゲハにもいろいろあるんだな。そんなことを思いながら、屋根より高いイチョウの木を見上げたり、今まで上ったことのなかった山の斜面の階段をのぼってみたりして、短い時間だったけど結構楽しく遊んだ。信仰するものはちがっても、ほかの人たちが信心を寄せている場所だから、敬意をあらわすといいんだよ。お父さんがお社に頭を下げたので、マネしてちょっとお辞儀した。神社からの帰り、うちにアシナガ蜂の巣があるんだよ、とお父さんに教えてあげた。アシナガ蜂の巣は知らなかったけど、蜜蜂の巣なら知ってると、お父さんも言った。そこで教え合いっこをすることになった。まずアシナガ蜂の巣から。それはちょうど洗濯物を干す軒の少し上にあった。その巣を見て、お父さんは青くなった。「でかい･･･」これはいつか誰かが刺される。危険だといって、お父さんは家に飛び込んで頭をタオルで巻き、ジャンパーを来て出てきた。手には殺虫剤のスプレー。脚立をもってきて、「マヒワは家に入ってろ！」駆除をはじめる。やがて終わったらしく、お父さんが取ってきた巣を見せてくれた。六角形の部屋がいっぱいの、直径25センチくらいの大きな巣。巣を見ている間、お父さんは殺した蜂の死骸を検分していた。セグロアシナガバチだった。蜜蜂の巣は倉庫の縁下にあるらしい。小さな窓からたくさんの蜜蜂がしきりに出入りしている。こんなところに巣があったなんて知らなかった。巣のすぐそばにオニグモが巣を張っていて、蜜蜂が１匹巣にかかってもがいていた。家に入って、図鑑を数冊開いて、調べものをした。イネの花の絵を見た。花には見えなかった。思わず「これが花？」と叫んじゃった。カラスアゲハ、ムラサキカタバミの花、蜂にそっくりの蛾のオオスカシバ、さっき見たセグロアシナガバチやセイヨウミツバチ･･･。お父さんによると、クマバチとクマンバチは違うという。クマバチは、お花の大好きなやさしい蜂で、刺さないけど、クマンバチは正しい名前をオオスズメバチといって、秋になると、毎年この蜂に襲われて死ぬ人が出るんだって。動物のページもめくって、人間が猿の仲間だというのもはじめて知った。開いた類人猿のページには、大好きなフクロテナガザルの絵もあった。＊昼からお父さんと、また神社の小川へ行った。今度はアミも持参だ。えいやあっ！　と、小魚を７匹くらいすくって、家に持って帰り、水槽に入れる。今度は魚の図鑑を開いて、これが何なのかを調べた。なにかの稚魚らしい。でも、一所懸命調べたけど、おばあちゃんの虫めがねも借りて、お母さんのパソコンも借りて、お絵描き帳にヒレの絵まで描いて、調べたんだけど、でも似たような魚が何種類もいて、結局何かがわからなかった。お父さんはとても悔しがったけど、そのままでは魚が弱ってしまうので、小川へ返しに行った。そのあともよほど気になるらしく、「淡水魚の飼育セットをそろえて、あの小魚を大きくなるまで飼ってみようか。大きくなったら何の魚かわかるはずだから」などと言っていた。またはじまった、と思った。そんな水槽どこに置く気だよ。まったく、少しは大人になればいいのに。それにしても、今日は何種類の生き物を観察したんだろう？淡水魚の飼い方をパソコンで調べているお父さんのそばで、ふと思う。目を閉じたら、虫や魚や草の姿が入れ替わり立ち替わりあらわれる。そういえば、ミンミン蝉もどこかで啼いていたな･･･台所では、おばあちゃんの買ってきたアサリが、貝からにゅうっと顔を出してたな･･･そういえば･･･と思っているうちに、いつのまにか、お昼寝しちゃってた。

  2011.09.01

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• ヒヨドリの受難

  むかし良寛さんは、よく弁えもしないことを知ったかぶって話すことを「戒語」として戒めていました。だから、こっそりと、小さい声で、遠慮がちに言いますね。予算が成立しないとみんな困ります。わたしたちの生活を人質にして、予算成立を妨害して、むやみに政局に持ち込もうとするのはやめてください。わたしたちはたいへん迷惑しています。政権を奪回したければ、予算が通ったあとで、勝手に永田町内でいろいろとやってください。・職場からの帰り。どうやら車に轢かれたのでしょう、ヒヨドリが１羽、道路から少し浮いたところでのた打っていました。向こうから来た車が、これに気づき、スピードを落として、よけて行きました。ばたばたとはばたいて、宙には浮いているのですが、体をまるめていて、とても飛んでいるという状態ではありません。苦しそうに、道路に落ち、翼を必死に打って。私もスピードを落としました。つかまえても、たぶん、助けようがないと思いました。どうにもしてあげられない･･･。徐行して、のた打つヒヨドリの横を通りながら、ああ･･･と思っていると、ふわっと、黒い翼影が！ハシブトガラスでした。ふいに道路に現れて、太い嘴で、ヒヨドリをパクッとつかまえました。ああー！！（＠o＠；私が叫んでいる間に、カラスとヒヨドリは、サイドミラーから消えてしまいました。思いがけない展開に、ああーと間抜けな声が止まらない、運転中の私でした。

  2011.02.23

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• 抜け殻みーつけた！

  門司のお庭で、大きなショウリョウバッタの抜け殻をみつけました。抜け殻は半透明の白色。頭の尖った、葉っぱのような形。長い足のあとは、なんだか股引みたいに、白くだらりと伸びています。ショウリョウバッタとは、小学生の頃から呼んでいましたが、ショウリョウが「精霊」だと気付いたのは、ごく最近。精霊節（旧盆）のころに姿を現しはじめるところから、精霊バッタと呼ばれるようになったといいます。日本でも最大級のバッタです。それにしても、見事な抜け殻でした。このお庭では、いろんなものがみつかります。マヒワに見せてやればよかったな。夕方、やはり白っぽい、小さなカマキリの抜け殻をみつけ、手に取ろうとすると、ひょい、と跳ねて、前足の鎌をこちらに向けて構えました。なーんだ、実が入ってたのか。

  2010.08.04

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• 盆とんぼ

  北九州の門司のおうちでは、ウスバキトンボが群れて飛ぶようになりました。夕方。あかね空いっぱいに、音もなくトンボの集団が飛んでいる風情は、なかなかよいものです。これに気がついた、うちの奥さん。「もう盆とんぼが飛ぶ時期なん」盆とんぼ。この風情にぴったりくる、やさしい呼称だと思いました。そう、ウスバキトンボとカタカナ名で呼ぶより、盆とんぼと、平仮名で呼びたい、そんな風景でした。

  2010.08.01

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  曼珠沙華

  モズの高鳴きが、晴れた空によく響いています。秋の訪れを告げる高鳴き。この声を聞くと、秋が来たなと思います。秋ナスを収穫して、ふと庭を久しぶりに見ると、彼岸花がうじゃうじゃと生えていて、ぎょっとしました。地面から、いきなり茎がまっすぐに伸びて、その先に、赤や白の蕾や花がついていて。 せめて一枚か二枚、葉っぱがあったら、かわいいのに。

  2009.09.18

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• 虫の声にぎやかに

  娘マヒワの保育所で、懇談会があったそうな。出席したうちの奥さんに、保育所の担任の保育士さん、「マヒワちゃんは、イヤなことはイヤと、はっきり意思表示できるところがいいですね」と、言ってくれたそうな。　Ｈくん「やーい、マヒワちゃん、たたいてやるー」　マヒワ「せんで！」　※注　せんで＝「しないで」の意えらいなあ。ダメな父親のもず。大人になってからというもの、イヤなことも、なかなか口にできなくなってきて、いつもいつも我慢ばかり。少しは娘の爪の垢でも煎じて飲まなきゃ。して欲しくないことは、毅然として、して欲しくないと主張しよう。　部長「これから特養事業部会議を始めます」　もず「せんで！」　･･･アホですね。まるきりアホですね、これでは。　　　＊虫の多いこのおうち。今日は秋の虫の声が耳に痛いほどです。ほとんどはエンマコオロギの声ですけど、ほかの虫の声も、若干混じってるな。昨日の夜は中津市でクツワムシの賑やかな声も聴きました。これらの虫の声は、色でいえば、白色かな。目を閉じてじっと聴いていると、白い光になって感じられます。きれいだな。　酔うてこほろぎと寝てゐたよ　　　　　　　　（種田山頭火）ところで、虫が鳴くのはオスがメスを呼ぶためだと言われていますけど、鳴き声を聴いていると、気分的に、とても涼しくなってきて、ひょっとしたら、秋を連れてくるのは虫たちの声ではないか、などと思ったりもします。しきりに薄い翅を摺り合わせて、晩夏の夜、思い思いに歌い始めるコオロギたち。　　夏さん、さようなら。　　秋さん、はやくおいで。虫の声を聴けます→こちら

  2009.08.25

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• 虫たちはふるさとへ

  先日。深夜。月を眺めながら、縁台に座って涼んでいたところ、私の膝のすぐそばに、なんだか大きなゴミの影が。なんだろう？手にとろうとして、その手をすぐにひっこめました。ゴミと見えた影は、セミの幼虫の抜け殻と、それにつかまって翅を乾かしている羽化したばかりのセミ。　　･･･。都会生活が恋しいもずです。こんにちは。ところで、空を飛ぶタイプの昆虫は、太陽の位置から方角を認識するそうですが、飼育して空に放したアゲハチョウが、どいつもこいつも檸檬の木に産卵しに帰ってくるのを見ていて、その能力は、産卵に結びついているのではないかと思いました。自分がどこで羽化したか。その位置にさえ戻ることができれば、産卵場所に困ることはない。自分がそこで育ったのですから、ほぼ間違いなく、子供が育つための環境は整っているわけです。アゲハチョウは巣を持ちませんからこれを帰巣本能と呼ぶのは変ですし、いっそ帰省走性とでも呼びましょうか。生まれ故郷に帰ろうとする走性。人間が、辛い時に故郷の風景をまぶたに浮かべるのも、動物全般にそういう走性が、生まれながらにそなわっているため。という仮説は成立しないかな？･･･しかし問題なのは、檸檬の木。まだ小さいですし。そうそう産卵ばかりされたのではたまらない。アゲハさん。こんな詩を知ってるかい？　　ふるさとは遠きにありて思ふもの　　そして悲しくうたふもの　　よしや　　うらぶれて異土の乞食となるとても　　帰るところにあるまじや　　　（室生犀星「小景異情」より）よそで産卵せい！

  2009.08.12

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  ナミアゲハ羽化の様子

  5月16日にナミアゲハが檸檬の若葉に産卵。そのうち飼育ケースに移動させて孵化させた９個体のうち、6月24日に１個体が羽化に成功、6月26日本日、２個体目が羽化を開始した。今朝、蛹が他の個体に較べて黒っぽくなっていて、注視すると翅の模様が透けてみえたところから、数時間後に羽化がはじまると判断。午前9時53分。蛹がとつぜん震え、羽化がはじまった。画像はよくわからないと思うが、蛹の殻が割れて、顔が出てきた瞬間。羽化そのものはわずか15秒ほど。全身が出てきた、と思ったとたん、ボト、とケースの底に落ちてしまった。仰向けになってもがくものの、自力ではどうしようもなかったらしい。絵筆をケースに射し込んで、よじのぼらせた。翅の乾燥をはじめる。乾燥作業は、ほぼ翅を閉じた状態で行っていた。たまにゆっくり翅をはばたかせるが、あまり大きくは開かない。約１時間かけて、翅が乾く。11:00 翅が完全に乾く。乾くと、急にアクティブになって、翅をさかんに打ち、ケースの外に出ようとする。11:03 大空に帰って行きました。親アゲハの産卵から41日目。蛹になってからは11日目での羽化でした。生まれた瞬間から飼育ケースの中だったので、外へ出るのははじめて。よく晴れた空でよかったね。

  2009.06.26

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  豊年エビの里

  山口県の周南市に用事がある義母のために、運転手として同行して参りました。いつもいつも、同じ場所で知った人ばかりに会う生活を送ってましたので、サービスエリアで知らない人がたくさんいるのを見て、出会いを恋しがってたんだなあ、としみじみ。とくに若い女の子を見るとわくわくします。とくにとくに、お化粧の上手な子を見かけると、話しかけたくなったりして（←あほそれはともかく、いろんな人と出会いたい欲求が強くなっているのを感じました。さっさと就職しなくては。用事で訪れた家は、川や林のすぐそばの、静かな田園にありました。庭でカワセミの声を聞く、という楽しい体験をしました。田んぼには、おたまじゃくしに混じって、こんな生き物もうじゃうじゃいました。うちの奥さんは「あ、めだか」と指さしてましたが、触覚があるし、それに尾の先は尾ヒレでなく、甲殻類の尾又。この尾又は朱色でよく目立ちます。 帰って調べてみると、これ、ホウネンエビっていうんですね。カブトエビに酷似した生態で、私が見たのは緑色っぽい個体群でしたが、この子もカブトエビと同様、仰向けになって泳ぐという。カブトエビと同様に一年のほとんどを乾燥した土の中で、卵の状態で過ごし、田んぼに水の張られる初夏に孵化、すぐに成長して産卵して、あっという間に消えてしまうようです。

  2009.06.14

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• 恋はうるわし

  おはようございます。もずです。芽キャベツの種鞘で、ナナホシテントウが朝から交尾してまして。見ていると、それがとても、ながくて濃くて念入りな交尾でして(*^_^*)よく見ると、ほかのところでも、別のナナホシテントウが交尾してまして。さらに見ると、ナミテントウも２番（つがい）が交尾してまして。ついでにヒメナガメも交尾してまして。朝って、虫の交尾の時間なんでしょうか。一日のはじめから、虫にあつーく当てられてしまいました。

  2009.05.19

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• 明日は満月

  先ほどの蛍。ケータイのカメラ機能で撮影してやろうかと、ふたたび外に出てみると、すでにいなくなってまして＾＾；そういえば時刻も遅くなると、蛍も寝るんでしたっけね。明日は満月。瞑想にいい夜になりそうです。

  2009.05.08

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• ５月の蛍

  お風呂から上がって、縁台に腰かけ、気持ちのいい風にあたりながらタバコを吸っていたところ、庭に生えた小木の葉っぱに、ほう、ほう、と光る蛍を見ました。一匹だけ。しかも５月のはじめなのに。薄い緑の、淡い光。昔はこの庭にも、ゲンジボタルが普通に飛んでいたとは聞いていたけれど。奥さんを呼んで、一緒に眺めました。「ここで蛍を見るの、３０年ぶりかしら」マヒワをだっこして、奥さんはしみじみと蛍をみつめ、「なんだか幸せを運んできてくれたような気がする」私もそんな気がしました。･･･もひとつ。今日の午後、執筆していて疲れた目を休めようと縁台に座ったとき、晴れ渡った空のはるか高いところに、なんだか見たことのある翼影が･･･。（まさか、あれ）ハヤブサだよね･･･。翼影は一度もはばたくことなく、滑空だけで空の端から空の端へと渡って行き、いったいどこに生息してるんだか見当もつかないけれど、あっという間に見えなくなってしまいました。もっとも視力がかなり悪くなったもず。あれがハヤブサと断言する自信はなくて（一度もはばたかなかったし）、飛行機の音も聞こえていたし、あるいは飛行機か･･･？でも、あの翼を弓状にした影。翼の先の鋭利さ。尾羽根までのシルエットの美しさ。どうだろう？就職活動はぜんぜん捗らないのに、退屈を知らない毎日です。

  2009.05.08

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• 軍備拡張論とタコの祖先

  ※12月8日の日記の転記です。-----------------------------新しい教会暦が始まったとたん、一足飛びに寒くなったと感じるのは私だけでしょうか。お久しぶりです。もずです。これをお読みの皆様に、イエス・キリストの祝福がありますように。待降節の第２週目。お元気でお過ごしのことと思います。今日、友人夫婦からお肉をいただきました。ごちそうさまです。感謝。ところで、ガンミ、という言葉をご存じですか？私は昨日はじめて聞きました。理科の自習をしていた中３生のノートを見ていたら、その女子生徒、鉛筆をとめて、私を見るんです。「あ、気にしなくていいから、つづけて」という私。「と言われても、気になる」と女子生徒。「先生、ガンミじゃもん」ガンミ、初登場。その子の説明によると、ガンミとは、じいいいいーーーーっと執拗に見る、ことを指すらしい。若者コトバなんでしょうか。たぶん広辞苑とか調べても載ってないと思います。小さい頃、私は昆虫小僧でした。ファーブルのような昆虫学者になるのだと、毎日虫をじいいいーーーっと見ていました。中学にあがると、鳥少年になったもず。野鳥の小さな動きまで、じいいいいいーーーーーっと毎日みつめておりました。それが40才のおっさんの、ガンミの言い訳になるかどうかは知りませんが。「でもさ、虫を一度、そのガンミで、じっと見てごらん。脊椎動物と無脊椎動物はさ、ぜんぜん別の進化の過程をたどったはずなのに、それぞれの進化の先端にいる鳥類や哺乳類も、昆虫や蜘蛛も、同じように顔がある。な、不思議に思わん？　感動せん？」「感動せん。フツーそんなこと、考えん」女子中学生に軽くいなされるもず。スーパーの鮮魚コーナーで、タコの切り身やイカの刺身をみかけると、やはりその場に立ちつくして、じいいいいいーーーーっと見入ってしまいます。古生代から中生代にかけて、足頭綱の仲間にアンモナイトがいたことはご存じですよね。アンモナイトには、外敵から身を守るための貝がありました。タコの祖先やイカの祖先にも、昔は貝があったと考えられています。でも、タコの祖先やイカの祖先は、時代のどこかで貝を捨てました。白亜紀の終わり、Ｋ－Ｔ境界の大量絶滅で、三葉虫や恐竜、翼竜たちとともに、アンモナイトも絶滅しました。タコやイカは、いまも生き残っています。同じ足頭綱でも、外敵から身を守るための貝を手放さなかったばかりに絶滅してしまったアンモナイトと、それを手放して丸裸になったことが、現在まで生き延びる結果となったタコやイカと。内閣が変わるたびに憲法改正論とともに浮上する軍備拡張論に、この事実は一石を投じるのではないかと、思うけれどそんなこと言ったら余計にアホな先生と思われそうなので、護憲論は脇に置いて、その不思議だけを語ったのですが、「そんなこと思いながらタコ見るの、先生だけだと思うよ」結局アホな先生と思われてしまいました。「視る」とは、すでに何かなのだ。梶井基次郎は作品のなかでそう語っていますが、ある意味「視る」ことが生活のすべてだったといっていい梶井。彼もまた、ガンミだったのでは･･･と、これは我田引水が過ぎるか。

  2009.01.09

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