カテゴリ:真空管ラジオのレストア日記
現在レストア中の「還暦4号・珍国際ラジオ」は元々、早川電機(現在のシャープ)製の「5R-700」というラジオのこと。 インターネットを探し回ったアルが、このラジオの回路は見つからなかったアル。但し、多分、このラジオの直ぐ後に作られたと思われる5R-800の回路を見つけたのこと。 何故、回路図を探したかと言うと、発振コイルが何故か5端子になっており、どういう回路か分からなかったからアル。 5R-800の回路図と5R-700の現物を比較したら、同じ発振回路になっていたアル。 どうやら普通の発振コイルとは別に、もう一つのコイルを電磁結合させてコントロール・グリッドに入力しているアル。 このコイルを設計した人は絶対にA型ではないと思われるアル。何故なら、コイルの巻き順からすればG1、K、E1の順番で端子が並ぶのこと。ところが、このコイルでは何故かセンター・タップであるKがG1とE1の外に配置されているアル。 最初から5端子の回路に疑問が湧き、ここの部分だけはオリジナルの配線を残しておいたから判明したアルが、いきなり配線を外していたら、何処がどうなっているか検討が付かなかったアル。 しかも悪いことにG2とE2の間に在るコイルは断線していたアル。これでは発振した信号がコントロール・グリッドに届かないアルから、出品者の「受信できます」という文章は信じられないアル。 ラジオ配線係長は、「こんな気持ちの悪い回路は止めまする」とG2とE2を無視して配線したアル。 発振コイルはフェライト・コアを出し入れする可変インダクタンス式アルからパディング・コンデンサーは付いていないアル。 パディング・コンデンサーが使われる部分には220pFのコンデンサーが入っていたアル。普通は440pF前後の固定コンデンサーを使ったりするアルが、何故か、このラジオでは半分の容量になっている??? そこでバリコンを見たら、ア、ア、ア、アイヤー、何とこの時代には珍しく(多分)親子バリコンを使っているアル。 と言う事は、子バリコンの容量が220pFかも知れないアル。 測定装置を持って居ないラジオ配線係長としては、「作ってみて、受信範囲がおかしければ440pFの固定コンデンサーを220pFに交換すれば良かろう」と、取り敢えずパディング・コンデンサーの位置に430pFの双信のディップ・マイカ・コンデンサーを奮発したアル。 双信のディップ・マイカ・コンデンサーは金田式アンプで有名な金田明彦・秋田大学教授が使っている物で、超高級アンプに使う部品のこと。 こんな所に使うのは勿体ないアルが、ラジオ配線係長は「暴れん坊将軍への献上品だから」と使ってしまったアル。 さすがの珍国際本部長も文句を言えず、「ム、ム、ム、ム」と苦虫を噛み潰したような顔をして堪えていたアル。 ラジオ配線係長が苦労したのはブロック・コンデンサーの代わりに単体の22μFを2本取り付ける部分だったアル。 このラジオはシャーシーが浅く、しかもST管ラジオにしては小振りで、スペースに余裕が無いのこと。 何とか取り付けたアルが、コンデンサーが水平でなく少し傾いて取り付けられたアル。 これを見た珍国際本部長は 「これでは画竜点睛を欠くというものぞ。水平に取り付け直せ」 と、ラジオ配線係長に申しつけたアル。ラジオ配線係長は 「5ミリくらいのプラスチック製スペーサーが有れば何とかなりまする」と、またもや江戸まで早カゴを飛ばしたのこと。スペーサーは1個10文くらいアルが早カゴ代は往復で2,000両もするのこと。いくら暴れん坊将軍の為とは言え、公費乱用の誹(そし)りは免れないアルな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月22日 10時52分49秒
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