カテゴリ:真空管ラジオのレストア日記
3時間掛けて配線のチェックを終わったラジオ配線係長は、「殿、いよいよエレキテルを繋ぎまする。危険が御座るので、お人払(ひとばら)いを」とラジオの周囲、半径5キロメートル以内に人間が立ち入らないようにしてスイッチを入れようとしたアル。 ところが、ア、ア、ア、アイヤー、ダイヤルの古い糸を交換する為に、糸を切ってあった事に気づいたのこと。 ア、ア、ア、アイヤー、これは大変な事アル。しかも良く見たら大きなプーリーが2個も付いているのこと。 分解する時は何気なく簡単に糸を切ってしまったアルが、これはどうゆう順序で糸を結べば良いあるか? ラジオ配線係長は珍国際本部長にお願いして、ダイヤル糸かけ班長を呼び出したアル。 しかし、ダイヤル糸かけ班長は「身共は、これまでに3台のラジオを修理して御座ったが、大きな車輪が2個も付いた物を修理した事は御座らぬ。」 と考え込んでしまったアル。 ダイヤル糸かけ班長がプーリーと格闘すること3時間、やっと元に戻ったのこと。 一番難しいのは、最後にスプリングに糸を結ぶところアル。元々が滑りやすい糸を使っているアルから、スプリングを引っ張った状態で糸を結ぼうとすると、どうしても緩んでしまうのこと。 困り果てたダイヤル糸かけ班長は御内儀を呼んで二人がかりで縛ったアル。 綺麗に結べるともっともらしくなったアル。 そこで暴れん坊将軍、珍国際本部長、ダイヤル糸かけ班長らの前で、恐る恐るラジオ配線係長はラジオをスライダックに繋ぎ、徐々に電圧を上げてエレキテルを注入したアル。 30~50ボルトに上げても煙は出ず、妙な臭いもしないアル。素早く各所の電圧を測り、「異常は御座らぬ」ということで、100ボルトまで上げ、バリコンを廻したら、ア、ア、ア、アイヤー、NHK第二放送が聞こえてきたアル。 後はI.F.T.の調整、バリコンのトリマーの調整、発振コイルのフェライト・コアの調整、トラッキング調整をするだけアル。 残念ながらオリジナルのマジック・アイは全く光らないアル。ラジオ配線係長は、「これは殿への献上品で御座る。6E5Cでの代用は許されませぬ。純正の6E5でなければなりませぬ」とまたもや早カゴを飛ばして秋葉原に行って6E5を買って来たアル。 いよいよ最後の調整に取り掛かる前に、ラジオ配線係長は再度、水垢離をとり、体内もアルコールでタップリ消毒し始めたアル。 暴れん坊将軍は「早く致さぬか!」とせかしたアルが、ラジオ配線係長は 「『急(せ)いては事を、し損じる』と申しまする。明日、じっくりと調整致しとう御座る」と取り合わずに、本格的なアルコール消毒に向かったアル。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月23日 16時47分08秒
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