もんじゅ
1995年のナトリウム漏れ事故以来、運転を停止している福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」普通の原子炉(軽水炉)に比べてコストもかかり、非常に危険で技術的にも難しく、実験・開発中の原子炉でも事故や故障が続き、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなど、先進諸国もすべて開発をあきらめる・・・今のところは・・・・これらは、安全というより充分な核兵器を保有する安保理事国であるからという理由がまず思い浮かぶ。高速増殖炉の惨憺たる歴史は以下。1955,11 EBR-1 米 炉心溶融 1955 EBR-1 米 出力異常 1960 BR-5 ソ連 燃料破損 1960,4 DFR 英 燃料破損 1960,8 BR-5 旧ソ連 細管大破損 1962,12 フェルミ 米 細管損傷Na水反応 1963,7 DFR 英 蒸気発生器ナトリウム漏れ 1966,10 フェルミ 米 燃料溶融 1966,10 ラプソディ 仏 ナトリウム漏れ火災 1966,7 DFR 英 蒸気発生器ナトリウム漏れ 1967,5 DFR 英 ナトリウム漏れ火災 1973,5 BN-350 旧ソ連 細管損傷Na水反応 1973,9 BN-350 旧ソ連 細管損傷Na水反応 1974,9 PFR 英 細管損傷Na水反応 1975,2 BN-350 旧ソ連 細管損傷Na水反応 1976,10 フェニックス 仏 ナトリウム漏れ火災 1976,7 フェニックス 仏 ナトリウム漏れ火災 1978,10 ラプソディ 仏 原子炉容器壁からナトリウム漏れ 1980,7 BN-600 旧ソ連 細管損傷Na水反応 1982,1 ラプソディ 仏 原子炉容器壁からナトリウム漏れ 1982,12 フェニックス 仏 細管損傷Na水反応 1982,4 フェニックス 仏 細管損傷Na水反応 1983,2 フェニックス 仏 細管損傷Na水反応 1984,11 SNR-300 独 ナトリウム漏れ火災 1984,5 PFR 英 ナトリウム漏れ火災 1984,7 PFR 英 ナトリウム漏れ火災 1987,3 スーパーフェニックス 仏 貯蔵槽からナトリウム漏れ 1987,6 スーパーフェニックス 仏 貯蔵槽からナトリウム漏れ 1987,7 PFR 英 細管大破損 1988,8 フェニックス 仏 出力異常 1988,9 フェニックス 仏 出力異常 1990,4 スーパーフェニックス 仏 ナトリウム漏れ火災 1990,7 スーパーフェニックス 仏 ナトリウムに空気混入 1990,9 フェニックス 仏 出力異常 1991,6 PFR 英 潤滑油混入 1993,10 BN-600 旧ソ連 ナトリウム純化系から漏れ・火災 1995,12 もんじゅ 日 ナトリウム漏れ火災 1998,11 フェニックス 仏 蒸気発生器ナトリウム漏れ http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/fbr3.htmlこういった事故の歴史を尻目に神風の国である日本原子力研究開発機構の岡崎俊雄理事長は、今年10月の高速増殖炉「もんじゅ」運転再開を断念し、来年2月に延期する方針を固めた。 高速増殖炉「もんじゅ」は現在、原子炉や付帯設備の安全性を調べるプラント確認試験をしている。しかし、今年3月にナトリウム漏えい警報の通報遅れや漏えい検出器の施工ミスなどの不手際が相次ぎ、国が検出器約1300個の全数点検を指示した。更に5月、一連の不手際に対し国が特別な保安検査をし、この対応で今月末に終了予定だった確認試験が大幅に遅れているという。高速増殖炉「もんじゅ」を動かすのは、日本原子力開発機構の東海村にある再処理工場で再処理して作った日本製のMOX燃料だ。MOX燃料とは、使用済み核燃料中に含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜ高速増殖炉の燃料として主として用いられる。既存の軽水炉原発の燃料用に加工し、核設計を行い適正な位置に配置することによって軽水炉のウラン燃料の代替として用いることできるというのだが・・・これをプルサーマル利用と呼ぶ。1999年9月30日、JCOの核燃料加工施設内で核燃料サイクル開発機構の高速増殖実験炉「常陽」向けの燃料加工の工程中に、ウラン溶液が臨界状態に達し核分裂連鎖反応が発生。この反応は約20時間持続した。これにより、至近距離で致死量の中性子線を浴びた作業員3人中、2人が死亡したが高速増殖実験炉「常陽」は、その後も順調に運転をしているので2006年に米国原子力学会から栄えある「ランドマーク賞」を受賞した。ということは、アメリカ様のお墨付きの国家プロジェクトなのでしょうか?おそらくは、中国に向けての布石でしょうが・・・・アメリカ様の防波堤としての日本として・・・・・カーター政権の時代には、常陽で純度の高いプルトニウムを取り出そうとした日本に対して「待った」がかかりましたが・・・今回はOKのようです・・・アメリカ様の手の内にある国は、核武装出来る時代が到来したということでありましょうか?さて、もんじゅを動かすためのMOX燃料は、今年の7月15日の午後4時ころに東海村の同機構の保管所から3台の大型トラックで18体のプルトニウム燃料を積んで出発し常磐自動車道から首都高速へと乗り入れ首都圏に入り渋谷を通って7時半ころにかけ、混雑する首都圏を南北に横切って東名高速を経て福井県へと運ばれて行ったという。「高速増殖炉とは、スピードが速い中性子を用いて、発電しながら消費した以上の核燃料(プルトニウム239)を生成し、資源の利用効率を飛躍的に高めることができる原子炉のことを言います。」と説明するのは三菱重工だ。http://www.mhi.co.jp/products/detail/fast_breeder_reactor.html高遠増殖炉の使用済み燃料からは、純度九八%のプルトニウムを生産できるという。高速増殖炉の燃料はなにかと言えば、軽水炉でできたプルトニウムであるMOX燃料であり、高速増殖炉はプルトニウムの純度を高める装置とも受け取れる。『もんじゅ』がフル稼働すれば、一年でおよそ30発の核兵器が作れ、一部の日本人の悲願である安保理事国入りも果たせそうだし核兵器があれば「言いなり外交」でなく、少しは「強気の外交」も出来るのかも?などとも・・・・官僚の側に立てば・・・思う。核兵器保有国は、軍事用の原子炉など人里離れた砂漠にでも建てて放射能が漏れようが人がバタバタ死のうが極秘の内にひっそりとやって来た。高速増殖炉スーパーフェニックス に最後までこだわったフランスは、核兵器開発が遅れ20世紀末に核実験を強行した。地球温暖化、2酸化炭素を減らそうという掛け声の中で日本の核武装への道は着々と進行しているのだと思う。尽きるところ憲法9条などこの国で機能しているとは、思えないし、言論の自由も怪しい限りだ。こういった事柄に民意が反映するどころか電気料金や税金として我々に跳ね返ってくるだけだ。これでは、とても民主主義国などとも言えまい。汚職や談合、金にまみれ腐りきった日本の姿だけが浮かび上がる・・・何も日本に限ったことでは無いが・・・・相対的には、現状の日本は、「まだマシ」なのだろうし・・・高速増殖炉「もんじゅ」の名は仏教の文殊菩薩に由来し、もんじゅが建設された若狭湾に面する天橋立南側にある天橋山智恩寺の本尊から来ているといわれる。文殊菩薩は、大乗仏教の崇拝の対象である菩薩の一尊。一般に智慧を司る仏とされる。「3人寄れば文殊の智恵」という諺のあの「もんじゅ」のことだ。原発は安全ですとコマーシャル一本に60億ほどの金をかけ、もんじゅには、年間100億の金が10年つぎ込まれた挙句の事故。そして今回の再始動。核兵器みんなで持てば怖くない・・・・などという戯れ歌が思い浮かぶ。網走沖、奥尻沖、西津軽、四国沖、日本近海には有望な海底天然ガスは、眠っている。日本が国益を優先できる国なら電力も車の燃料も暖房も天然ガスで賄える。しかしながら、一筋縄では、行かないののがこの世界でもある。東西冷戦・・・911テロ・・イスラム圏でのアメリカの戦争・・・・米ロ冷戦・・・この60年余りの時代は、核兵器の抑止力によりかろうじて世界大戦は免れた観はあるしアメリカの軍事力と戦争によって日本は経済成長を遂げたという史実もある。アジアが安定するには、日本の本当の意味での国際貢献が必要だろうし中国の民主化を進める以外に道は無いように写る。これまた、困難な道かと思う。で、もんじゅの再始動か?などと愚考します。(-∧-)合掌・・・