チベット
インドにあるチベット亡命政府の発表によると、「解放」の美名のもとに中国によって殺されたチベット人は1950年から84年までの間で120万人以上。チベット人口600万人のうち、実に5分の1以上になる。内訳は以下の通り。戦いや蜂起によるもの・・・・・43万2705人餓死・・・・・・・・・・・・・34万2970人獄死、強制労働収容所での死・・17万3221人処刑・・・・・・・・・・・・・15万6758人拷問による死・・・・・・・・・9万2731人自殺・・・・・・・・・・・・・・ 9002人合計・・・120万7387人チベット政府は、貴族的で、縁故主義の僧侶たちによって運営される国家機構で、税を徴収し、反体制派を投獄し、拷問し、あらゆる全ての通常の政治的陰謀に関与していた。亡命政府はインドで設立され、少なくとも1970年代まで、CIAから年間170万ドルを得ていた。日本の戦後最大の与党「自民党」が結成当初よりCIAより資金提供を受けていたように・・・・1989年にノーベル平和賞を受賞したダライ・ラマの非暴力支持という公的姿勢にもかかわらず、この資金は中国に対するゲリラ作戦のギャラだったなどと言われる。ソ連のアフガン侵攻時のヴィンラディンやアルカイダに対するCIAの資金提供も似たようなものかと思う。ダライ・ラマ自身1950年代末から1974年までCIAの給料を貰っており、月に15,000ドル(年間180,000ドル)受け取っていたと言われている。資金は彼に個人的に支払われたが、彼はその全てあるいは大半をチベット亡命政府の活動に使っていた。主としてニューヨークとジュネーブの事務所の資金と、国際的なロビー活動のためだったなどと言われる。CIAがただでチベット政府やダライラマにお金をあげたりするわけもなくチベットには世界埋蔵量の半分を占めるリチウムの他、中国の鉱物埋蔵量では第一位のクロム鉱、同じく第三位の銅山、そして数え切れないほどの量のダイヤモンドがあるからだ。北朝鮮には、タングステンに代表される希少金属(レアメタル)資源が豊富に埋蔵しているように。近年の紛争や戦乱の背景には必ずといっていいほど地下資源の争奪がある。温首相は、「ダライ・ラマが独立を放棄し、チベットと台湾は中国の不可分の領土だと認めれば、中国政府は対話の門戸を開いている」とした上で、「今回の騒乱はダライ・ラマ集団が組織し、中国内外で綿密に計画したものだ」と主張。ダライ・ラマの「独立は求めず、平和的に対話する」という声明は「偽善に満ちたまやかしだ」と非難した。『人民日報』は「今回の暴力事件は、海外にある『チベット独立』勢力が下心をもって仕掛けたものだという確固たる証拠がある。この事件はダライラマ一派が組織的、計画的、念入りに画策し、扇動した事件だ。その険悪な下心は、北京オリンピックとパラリンピックの機につけこみ、中国の安定と団結を破壊し、チベットを祖国から分裂させることにあるものだ」だと書く。中国が残虐か?アメリカが残虐か?中国にしろアメリカにしろ自らの国の人口を養い産業を維持するための行為だと彼らは思っているはずだ。これら騒乱の歴史が人類史でもある。大筋から見ればアメリカの覇権失墜が急速に進み中国やインドが台頭するロシアも巧みに自らの国益を増やそうとしている。オリンピックによって国威を示そうとする中国に対して様々な工作が日常的に行われる。西側の見解はダライラマとの対話というカードを使う。【ロンドン25日時事】英外務省は25日、世界の人権状況をまとめた年次報告書を公表し、チベット問題について、中国政府がチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と前提条件なしに対話を行うことが最善だと強調した。 公表に当たって記者会見したミリバンド外相は、チベット情勢をめぐり世界中で懸念が広まっていることは「正当で適切だ」と評価。ただ、北京五輪ボイコットの可能性に関しては「正しい選択ではないと思う」と述べた。【パリ福井聡】サルコジ仏大統領は24日、チベット情勢を巡り、中国の胡錦濤国家主席に自制を呼びかけるメッセージを送った。大統領府によると、大統領は声明で「中国政府と(チベット仏教の最高指導者)ダライ・ラマ14世側が速やかに対話を再開し、中国の中でチベット人が自らの文化を十分享受できることを望む」と訴えた。そしてロイター通信によると、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は14日、中国チベット自治区ラサで起きた僧侶らの抗議活動をめぐり、中国政府に「強い懸念」を表明。「現在の統治下でのチベット人たちの根の深い怒りの表れだ」などとする声明を出し、中国政府に武力行使をやめるよう強く求めた。こんな報道を眺めていると何が善だとか悪だとか一筋縄では行かない世界の現実だけを感じる。ある意味僕にとっては、ダライラマという人物は、ヴィンラディンと重なる。小国の悲劇と大国の思惑によって引き裂かれる民族の悲劇。中国のやってるようなことは日常的に世界で行われるし歴史的な紛争の火種となる問題は腐るほどある。メディアがどう報道するかだ。僕にとってのチベット問題は、アイヌ民族への同化政策と似通うのだ。今の中国はまさしく富国強兵、殖産興業の時代を生きている。そしてわが国日本は?と言えば。「国が違えば意見が食い違うのは当然」と福田首相発言は、アメリカと中国に挟まれたわが国の現実を象徴したかのような言葉だ。民主党の小沢一郎代表は「私は以前から中国の持つ問題点を指摘してきた。中国政府、共産党政権が継続して中国の政権であるためには、解決しなければならない問題だ。台湾の問題もほぼ同様だ」と述べ、中国が両問題を軟着陸させられなければ、共産党政権自体が動揺するとの見方を示した。ドルの失墜やバブル崩壊が連鎖的に進む世界経済の動乱の中で多極化へ進む世界で様々な問題が持ち上がる。チベット亡命政府のあるインドの対応は日本に近いようだ。【3月11日 AFP】中国の支配に抗議するチベット民族蜂起から49周年の記念日にあたる10日夜、インド北部Kangra地区のダラムサラ(Dharamshala)で、約100人の亡命チベット人によるチベット独立を支持するデモが行われた。デモ参加者らはチベットを目指し行進したが、数時間後にインド警察当局によって行く手を阻止された。 これに関し、現地警察当局の幹部は、インド政府からデモを阻止するよう通達が来たことを明らかにした。通達によると、デモは「インド国内では反中国の政治活動を行わないとした、インド政府とチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世との合意に明らかに違反する行為」だとしているという。 ダラムサラでは同日、民族蜂起49周年の記念式典が行われており、ダライ・ラマ14世が「チベットに対し想像を絶する徹底的な人権侵害を続けている」として中国を批判していた。 ダラムサラは、49年前の民族蜂起が失敗に終わりチベットのラサ(Lhasa)を脱出して以降、ダライラマが拠点としている場所で、チベット亡命政府も置かれている。とまあ、東西冷戦の残滓とそれ以前の様々な国に支配されたチベットという国の大国に挟まれた場所がチベットの悲劇を生んでいる。じゃあ、チベット独立政府がまともか?と言えばこれもまた仏教軍事政権ともいうようなとんでもない政権だったのだ。ということも最後に書いておく。仏教が平和主義か?なんてのも疑わしいのだ。キリスト教やイスラム教がそうであるように・・・利害を超えた客観的な報道をメディアがするようになれば平和への一番の近道だろうかとも思う。誰だって平和が良いに決まっているのだ。だけど、それがいかに困難かという現実を知る必要もあるかと思う。(-∧-)合掌・・・