国家が威信をかけ守る危険物体
ブログ休止中、私はkamiesu先生と一緒に、国家が威信を賭けて隔離保存する危険物体の見学に出かけた。その危険物体は、のどかな田園風景に、忽然と姿を現す。危険物体は極度にデリケートで、少々の振動や環境変化で破壊されてしまう。地震なんかが起きたらひとたまりもない。もちろん破損されたら、新聞の一面トップに掲載されることは間違いない。だからこそ、国家が膨大な予算をかけて守っている。ある時、研究員が危険物体に接触して、物体の一部が2cm崩落した。たったそれだけの事態が新聞の一面で報じられ、物体を破損した研究員は精神的ショックで、精神科医に心のケアを施されたという。さて、問題の危険物体があるのは、ここだ。危険物は風雨からの保護するため、仰々しい鉄骨と白いテントで覆われている。まるでサティアンだ。内部は体育館が一つ入るぐらいの大きさで、物体は分厚い黒いシートで覆われている。また湿度・温度が一定に保たれるよう、危険物体にはダクトで空気が送られている。この危険物は湿度を99%に保っておかないと、破壊する危険性があるのだ。もちろん危険物体は、一般には公開されていない。ただ模造品が現物から近い場所に展示されている。恐るべきことに、この危険物体は北朝鮮に類似品が存在する。北朝鮮の影響を強く受けた物体で、調査すればするほど日本と韓国・北朝鮮間の国際問題になり兼ねない代物だ。危険物体を解体移動する計画もある。しかしそうなると、物体が原型をとどめぬくらい破壊されてしまう可能性が高い。学者の間でも、現地点で保存するか、解体保存するか意見が分かれている。とにかく、この危険物体はデリケートで、しかも極めて希少性が高い。私の予想以上に、危険物体は国家によって厳重に守られていた。