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2006年12月30日
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カテゴリ:映画
そして、この間借りてきたDVDの最後に見たのが「グッバイ、レーニン!」だった。
結論から言おう。
ダイスキだ。(爆)



「グッバイ、レーニン!」


**そして、いつものように若干のネタバレでスミマセン。

1989年の10月のある日。
当時、東西に分かれていたドイツ、東ドイツのベルリンでのこと。
どこにでもいるような青年、アレックスは、迫り来る自由経済・資本主義の静かな圧力が引き起こす学生デモの一つに参加していたところ、デモの沈静化に躍起になる警察につかまってしまう。
その現場をたまたま通りがかって目撃したアレックスの母、クリスティアーネ。
彼女はそれを見てその場に倒れこんでしまい、急性の心臓発作で病院に搬送されてしまう。
クリスティアーネがそれほどの打撃を受けるのには背景もあった。
まだ幼かったアレックスと、その姉アリアネを抱えたクリスティアーネの夫は西側に亡命していった。
その打撃を振り払うかのように、2人の子供を育てるかたわらで、クリスティアーネは一心に社会主義活動に精を出し、児童団の少年少女を社会主義流に育て、ともかくまっかっかの社会主義ガチガチの生き方をまっとうしようとする。
アレックスがデモに参加したのは別にそういう母への反感というような強い感情でもなく、ただ世間の流れに乗って自分もデモに参加して歩いてみた、という程度だったはずなのだが、とにかくその時にアレックスが警官に小突き回されているのを見たクリスティアーネ自身は、東ドイツ建国40周年の式典に参加する途中。
社会主義一辺倒で生きてきて、いまや模範的な党員としての立場を築いた自分と、軽い気持ちで西側社会への憧憬を連呼するデモに参加している息子。
病院に搬送されたクリスティアーネは、いつ覚めるともわからない長い眠りにつく。
年が変わって1990年、ベルリンの壁は崩壊し、東ドイツという社会主義国は永遠になくなってしまう。

奇跡的にクリスティアーネが8ヶ月の昏睡状態から目覚める。
そのクリスティアーネを家に引き取り、介護する生活を始めようとするアレックス。
姉のアリアネもそれなりに手伝ってはくれるが、彼女は彼女で子供ができ、そして新しいボーイフレンドもでき、彼女自身の家庭として考えるべき生活もある。
母の退院の時に主治医から「お母さんにはいかなる精神的ショックも与えてはいけない。そのことで次にまた発作が起きた時の命の保証はない」と強く言われたアレックスは一つの決心をする。
あれだけ社会主義に誇りを持って生きてきた母に「東ドイツは、社会主義は、崩壊したんだよ」とは言えないアレックス。
しかし、家の窓を開ければどこもかしこも資本主義の色にどんどん塗り替えられていく旧東ドイツの残骸(もう残骸さえも見当たらないほど)ばかりで、8ヶ月の昏睡状態の間にそのような大きな変化の波が押し寄せ、そしてさらわれていったことは絶対に母に知られてはいけない。
ベッドの中で日がな一日、静養して過ごさなければいけない母クリスティアーネに「社会主義の東ドイツ永遠なり」をアピールするためのアレックスの、笑えるような笑えないような工作が始まっていく。

*****
はい、終わって泣きました。ちょっと。(笑)
ここしばらくで私にとってはかなりヒットの映画。
最初にこの映画のことを知った時、このお母さんという人は、もう相当お年を召した人をイメージしていたら実際はぜんぜん違っていた。
お母さん・クリスティアーネ役のカトリン・ザースという人はキレイな人だったので驚いた。私好み。
特に、退院してからの感じがきれいな人だなぁと思った。
そして息子役のダニエル・ブリュール。
名前はドイツっぽい気がするが生まれはスペインだそうだ。
むちゃくちゃオトコマエという感じではないが、押し付けがましくない母親思いの役柄はぴったり。
そのガールフレンド役のチュルパン・カマートヴァって、映画の中でもソビエトから来た看護婦という役だったが、本当にロシア生まれのようだ。
この子がまた、なんとも言えずかわいくてイヤミがなくて、ファンも多いだろう。

いわゆる悪人のいない映画というか、人間の善意というのはこういうものなのだという映画。
アレックスがお母さんに、とにかく壁崩壊・資本主義のなだれ込みを見せないために一つずつ考える小細工が、とってひっつけたようでおかしい。
おかしいのだが、それをマジでやっている息子という構図が優しいと思う。
どちらにしても映画というものは虚構の世界だから、この映画の冒頭から結末を理詰めで考えれば「そんなん、おかしいやないか」と突っ込む人もいることはいるだろうが、どちらにしても想像の世界なのであれば私はこういう映画が観たい。

病み上がりのお母さんにショックを与えないために、あらゆる周りのものに工作しまくって、いわばウソにウソを塗り固めていって、いったい最後はどうなるのだろうと、思いながら観ていた。
人によっては結末が納得いかないと思う人もいるらしいのだが、私はあれでよかったのだと思う。
若干、膨らまし足りないエピソードや登場人物があったりで、それならいっそのことカットしてもよかったのではというような場面がなきにしもあらずだったが、総体的に秀逸な映画だと私は思った。
人間らしい心のあり方、の一つの形をコミカルともシリアスとも、見る人のスタンスで見ることのできる佳作であることは間違いない。






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Last updated  2006年12月30日 05時26分45秒
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