カテゴリ:世間・時事
毎日そこそこ書きたいネタ元はあるのだが、家に帰るとホントにぐったりで、なかなか字づらにして書けないのが悩みのタネになってくる。
今夜は書くか、もう寝ちゃおうかと思っていたら、さっき見ていたNEWS ZEROで、自殺の現場に急行する救急車やレスキュー隊の人たちに密着した短いシリーズがあった。 今や1年間での自殺者は全国で32000人を超えているらしく、これを1日で均すとなんと1日に約90人・・・これだけの数の人が毎日、日本のどこかで命を絶っているとしたらやはりこれは驚愕の数字ではないかと思う。 しかし、出動するそういう職種の人々は結局のところ「死んではいない」人に対しても出動しているのだろう。 普通の言い方をすれば「死に切れなかった」になるのだろうが、中には最初から本気で死ぬ気まではない常習的リストカッター(とてもキライな言い方だ)にも対処するのだろうから、そういう仕事はまた違った意味で腹立たしく気が滅入るのだろうなと思いながら番組を見ていた。 そういう自殺者の、本来の悩みの分類を見ていると、比率のトップは健康問題で、それも多くの人が鬱病やストレスが自殺の原因と考えられると説明されていたが、はたと疑問に思ってしまった。 こういう精神的な疾患があちらでもこちらでも見られるようになり(事実、私も2007年の後半はなんとなく不安定で落ち込みがちでふさいでいたと自分でも思うが)心療内科だとか精神科に通うことが30年前ほど珍しいことではなくなった今、人間は30年前と比べて、いったいどの時点で、どんな原因からそんなに弱くなったのだろうと思い始めた。 いや、もしも人間の強度が変わっていないなら、人間を取り巻く社会的外圧がそこまで昔より強くなってきたということになるのだろうが、ここでさらなる疑問点発生。 かつて日本は戦争で負けたのだ。 (私が現場を見てきたわけではないが)戦後の焼け野原で、モノもなければカネもないし、当然、現代の人々にはもはや想像がつかなくなったほどの不便さの中、それこそ今日明日を食うや食わずで生きてきた時代の人間たちがいたはずなのだ。 しかし、そんな頃に(なかったとは言わないが)ウツだとかストレスだとか、対岸の火事みたいに精神に疾患が発生する、というようなことに思い至る余裕もなければ、自殺するヒマすらなかった人たちが苛烈な戦時~戦後を生き抜いてきた事実があった。 では、その人たちに比べて、現代人が何かを理由に極端に弱く(病気にかかりやすく)なったのかと思って、その疑問をストレートに口にしてみたところ、クマイチが言った。 「それはね、違うんだよ。そういう戦争の時代で何もかもがめちゃくちゃになった時代は、みんながなんにもなくて、その中でも『みんなが何もないから』近いサークルの中で助け合ってきたんだよ。だから精神的に切り抜けて来られたんだよ。でも今の時代はね、誰かが困っていても、隣りの人も誰もそのことすら知らないんだよ」 なるほどなぁ・・・ もともとの私の疑問もたいしたことではないし、それに応じたクマイチの答もたいしたことではなかったかもしれないが、彼の答になんだかひどく得心してしまったこの夜なのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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