ＭＹ　ＨＩＤＥＯＵＴ ～私の隠れ家～

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  「デッドライン」(2004・タイ)

  "102 BANGKOK ROBBERY""DEAD LINE" 監督、製作・・・タニット・チッタヌクン 出演・・・チャッチャイ・ブレンパーニット、アムポーン・ラムプーン ・物語序盤・軍の特殊部隊に所属するナウィンは、麻薬組織と戦っていた。しかし上層部が部隊を見捨て、援軍を送らなかった為に、壊滅的な打撃を受け、ナウィンの親友は死亡した。ナウィンは残った仲間と共にバンコクへ戻ったが、失業状態で銀行強盗に走る。逮捕されたナウィンの元に、殉死した親友の父親で将軍である人物から、ある特別な依頼が…。その頃、通貨危機が起こったタイでは、ＩＭＦから融資を受け復興を目論むが失敗に終わり、新たに立ったタクシン政権が政権を握っていた。政府は強引なＩＭＦへの借金返済によって、危機的状況を打破しようとしていた。これに反発する勢力は爆弾テロによって、タクシン政権の転覆を狙っていた。この勢力に参加していたのが将軍だった。ナウィンはテロリストのリーダーとして動き、この事件を捜査するパコン警部と対決する。 1997年にタイで実際に起きた通貨危機を背景に描いたアクション映画です。タイの映画を日本で観られる機会って少ないですよね。俳優さんの名前も情報が無くて、二人しか判りません。パコン警部役のブレンパーニットは髭が似合う渋い方でした。タイではベテラン俳優さんのようです。ナウィン役のラムプーンは、９９の岡村を少しカッコ良くしたようなルックス(笑)。若く見えましたが、資料で生年月日を見ると、意外にもブレンパーニットより一つ年上でした。映画は先ず、タイの情勢に詳しくない為、登場人物達の置かれた状況や背景を理解するのが大変でした。荒筋も資料を読んで初めて判ったという感じで。ただ、それほど不親切な映画ではないので、タイについて知識のある人なら、全く問題なく理解できると思います。全体的な印象は、とても硬派で確りと作られたアクション映画という感じでした。一切揺らぎの無い、骨太な印象です。実際にあった経済危機を題材にしているので、それを把握していないと、最初の内は置いてゆかれる感じですけど、意外にもちゃんとした映画だったなぁと驚きました。タイの皆さん、侮っていてゴメンナサイ。ただ台詞を出来る限り削ってハードな雰囲気を作り上げているので、その結果台詞による状況説明が殆ど無いという構造になっています。多分、判っている人から見ると、不親切というレベルではないのでしょうが、一般の日本人が観て、何処まですんなりと筋書きを把握できるかは疑問です。テロリストのリーダーとして抜擢されたナウィンですが、どうして彼がこの重要な任務に抜擢されたのか、理論的に納得できる説明はありませんでした。役柄としては嵌っていましたけどね。硬派なアクションがメインですが、筋書きは二転三転として、サスペンス的要素も強いです。ラストの交差点での銃撃戦は、実際に有名な大交差点を封鎖して撮影に臨んだそうです。見せ場なのですが、現実的に考えると、あれだけの警官隊に囲まれて、あの少人数で銃撃戦ができるのか、少し悩んでしまいました。結末も黒幕の正体とその始末の付け方には、ちょっと無理があるというか、唐突というか…。少々納得のいかない部分もありましたが、全体としては堅実に纏めてきた感じです。ナウィンは位置的には悪役なのでしょうが、誰が悪いという感覚では描いていなかったですね。これからも機会があれば、アジア映画を沢山観てみたいです。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 28, 2005

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  「ミート・ザ・ペアレンツ２」(2004)　試写

  １１／２６(土)より全国ロードショーです。"MEET THE FOCKERS" 監督・・・ジェイ・ローチ出演・・・ロバート・デ・ニーロ、ベン・スティラー、ダスティン・ホフマン、バーブラ・ストライサンド、ブライス・ダナー、テリー・ポロ、オーウェン・ウィルソン、アラナ・ユーバック、レイ・サンティアゴ、ティム・ブレイク・ネルソン、Ｊ・Ｐ・マヌー、他。 ・物語序盤・看護士のグレッグ(本名ゲイロード)とパムは結婚間近の熱々のカップル。元ＣＩＡで堅物のパムの父親ジャックから結婚の承諾も得て、残る試練は、お互いの両親の対面である。グレッグはジャックに、両親バーニーとロズは弁護士と医者と話していたが、本当は専業主夫とセックス・カウンセラーだった。二人はとても奔放で開放的な性格で、とてもジャックとは合いそうにない。 果たしてグレッグは最大の難関を乗り越えられるのか？前作を観ていないのですが、細かいネタを除いて、特に弊害は無かったと思います。観ているに越した事は無いでしょうが。全編観た感想としては、全然笑えないぞ…でした(笑)元々コメディーというジャンルが不得手ではあるのですが、正直、もう少し笑えるかなと期待していました。結論から言うと、アメリカン・コメディーの典型なのでしょうね。扱っている題材からして、ファミリーですから。家族の絆が失われてしまったアメリカで、もう一度ファミリーという温かな関係を思い出そうよ、というコンセプトで作られています。この辺からして、日本人の思考には合わない訳で…。ファミリーのあり方自体が日本とアメリカでは全く異なりますからね。アメリカでは全米歴代コメディＮＯ．１に輝くヒット作となったようです。単なるコメディーではなく、家族を扱っている点が観客の共感を呼んだのでしょうね。日本ではヒットはおろか、殆ど話題にならずに消えてしまう作品でしょう。今更公開しているのも、どうかと思いますし…。英語に堪能なアメリカ通の方が観て楽しむ映画かな。言葉の壁もありますしね。字幕だとどうしても細かいニュアンスや言葉遊びが伝えられませんから。笑いの要素もあちこちにあるのですが、どうも冷めた笑いにしか繋がりませんでした。笑う場所はここだという事は理解できるのですが、何処か陳腐なネタばかりで。いっその事、メッセージ性皆無のおバカコメディーにしてしまえば良かったのですがね。変に家族の温もりや夫婦のあり方をテーマに押し出してしまったので、お笑いネタ自体が付け足しのようで退屈になってしまいました。でもアメリカの家族の理想形を知るには良い映画かもしれませんね。現実にアメリカでは、結婚しても相手の家族と面識が無いという人達が多いと思います。そこで敢えて、家族と家族の絆を描いてみせた所が理想を追っているように感じられました。家族同士の対面というと、日本の結婚を連想しますよね。アメリカの人間関係の希薄さが裏にあるように思えました。豪華キャストを起用していますが、コメディーとしては全般的に不発でしたねぇ。ちょっと残念な出来でした。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 24, 2005

• 特設掲示板について

  トップページからリンクを貼っておりました特設掲示板ですが、レンタル先のサーバーの具合が悪くなったらしく利用不能になりました。復旧するかと待っておりましたが、目途が立たない為、別のレンタル掲示板を借りる事に致しました。これまで沢山書き連ねてきた過去ログが全て消滅してしまったのは、大変残念です。書き込んで下さった皆様、申し訳ありません。今後は新しい掲示板を引き続きご利用下さい。

  Nov 22, 2005

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  「メタルギア・ソリッド３～スネーク・イーター」

  12/22に完全版の「サブシスタンス」が発売予定の「メタルギア・ソリッド３」です。完全版(初回限定)の内容は、・DISC１…ゲーム本編、デモシアターなど・DISC２…オンライン対戦、ボスサバイバル、サルゲッチュのミニゲーム、爆笑ムービー、MSX2版『メタルギア』(1987発売) 『メタルギア２ ソリッド・スネーク』(1990発売)・DISC３…「観るMGS3」 3時間半に及ぶ本編ムービーの映画風リメイク版収録というものです。ちなみにサブシスタンス通常版には、DISC3が付いていません。今迄プレイ不可能だった幻のソフト、MSX2版の二作が移殖されているのは魅力ですね。今から新品で購入するなら、こちらの「サブシスタンス」の方が宜しいでしょう。私がプレイしたのは、去年の冬に発売された普通の「メタルギア・ソリッド３」です。プレイしてみて、非常にシネマティックだと感じました。前２作も映画的要素は大いにありましたが、今回はまるで映画の合間にゲームをしている感覚でした。単に映画パートが長いというだけでなく、全体の雰囲気も洋画のようです。また、監督の小島氏の映画好き度が滲み出している作品でしたね。無線通信の時のキャラクターの会話が、映画ネタでいっぱいです。結構マニアックな会話なので、全部判る人はかなりの映画ツウでしょう。今作の舞台は冷戦時代のソビエト連邦です。主人公のネイキッド・スネークには、かつての恩師ザ・ボスを倒すという過酷な任務が課せられています。この二人の対決が切ないです。最後までやってみると、ザ・ボスが気の毒でしたね。若き日のオセロットも、なかなか個性が強くて魅力的でした。個人的にオセロットを主役にした、サイドストーリー的なゲームもプレイしてみたいです。スパイのエヴァ(タチアナ)のお色気は凄かった…。いつもジッパーを降ろしているコスチュームはやり過ぎだと思いましたけど(笑)、彼女のフェロモンには、女の私もドキドキでしたよ。ゲームなのに確り濡れ場まであって、観ているこっちは照れてしまいました。大人なムードがぷんぷんと漂うゲームだったわぁ。(*^。^*)アクション難易度はユーザーのレベルに合わせて選択できるので、どなたでも楽しめると思います。シネマティックなゲームがお好きな方にオススメです。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 21, 2005

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  「あらしのよるに」(2005・日本)　試写

  １２／１０(土)より全国ロードショーです。監督・・・杉井ギサブロー アニメーション監督・・・前田庸生 原作、脚本・・・きむらゆういち 出演(声)・・・中村獅童、成宮寛貴、竹内力、山寺宏一、林家正蔵、KABAちゃん、アメリカ・ザリガニ、早見優、市原悦子、板東英二、他。 ・物語序盤・ ある嵐の晩、サワサワ山に暮らすヤギのメイは雷雨を逃れて、小屋に飛び込んだ。そこへもう一匹、同じように雷雨を避ける為に入ってきた動物が…。メイは自分と同じヤギだと思い込んでいたが、それはガブガブ谷に棲む狼のガブだった。真っ暗闇の中で互いの素性に気付かぬまま、言葉を交わす二人。メイとガブは意気投合して、翌日一緒に昼食を取ろうと約束する。合言葉は「あらしのよるに」。しかし翌日の再会は二人にとって、大きな驚きとなる。狼とヤギ、自分達が食べる側と食べられる側の関係にあると判って仰天する二人。だが既に友達となった二人は、互いの境界線を越えて、友情を培ってゆくのだった。試写会にはゲストで、原作者のきむらゆういち氏と長老ヤギ役の板東英二、他が来ていました。きむら氏は人前で話すのが苦手なようで、終始恥ずかしそうにされていらっしゃいました。さて、この「あらしのよるに」の原作はベストセラーの絵本です。全部で七冊出版されているようです。映画はこれら全てを網羅した内容になっています。ストーリーは違うカテゴリーに属する二人が、初めは周囲の目を盗み、その後は反対を押し切って自分達の友情を貫くものです。ガブもメイも雄なんですけど、観ていると堅い友情というより、恋人同士の駆け落ちみたいでした(笑)。全てを捨てて、二人きりで暮らす事にそこまで意固地になる必要性と、追い詰められた緊迫感が、今ひとつ感じられませんでしたね。まあ、所詮、子供向けの童話だからと言ってしまえばそれまでなのですが。意外だった点は、大人の観客に結構人気があった事です。正直、私はこの作品について何も知りませんでしたので、然程期待感も持っておりませんでしたが、会場に来てみると話題作である事が判りました。端的に結論から言うと、大人が映画館で観るほどの価値がある映画ではなかったです。ストーリーは当たり前ですが子供向けですし、作画のクオリティーも最近のアニメに比べると見劣りしました。ヤギと狼の質感を出した独特のタッチは印象的でしたが、背景は手抜きというか稚拙でしたね。一昔前のアニメ映画を観ているようでした。しかし一番気になったのは、やはり声ですね。近年、本当に厭な傾向ですが、話題作りの為に、本職の声優の代わりに、俳優やタレントを起用する事が当たり前になってきています。この作品もまさにそれ。俳優なら、まだ演技をする職業という共通点は持っていますが、タレントやお笑い芸人などは明らかに門外漢。先に声を聞き、役どころに相応しいと納得した上での起用なら許容できますが、先ず人ありきで、声は普段どおりでＯＫですよ、というのでは無責任過ぎます。確かにアニメファン意外の観客を少しでも呼び込む為の戦略としては、一理あるのかもしれませんが、蓋を開けてみて、このレベルの出来栄えでは逆効果ではないでしょうか？大体、子供向け・ファミリー向けの映画に、タレントなど起用する必要は無いのです。子供達の心には、聞いていて違和感の無い本職の声優の声の方が、余程自然に耳に溶け込んでくる筈。それでも、ガブ役の中村獅童さんの演技については、充分評価できる内容だったと補足しておきます。しかしメイ役の成宮寛貴さんの声は、絵柄とイメージが掛け離れていました。棒読みに近い淡々とした声で、しかも敬語で話されると、親友同士なのかすら疑いたくなってきますよ。絵本が原作なので、優しい響きになるように敬語・丁寧語で脚本を書いた事は理解できますが、それを活かすにはもっと可愛らしい声でないとねぇ。子供向けの映画なので、多くを求めても仕方ないのですが、声の配役については、どうしても納得がゆきませんでした。蛇足ですが。肉食動物が友人の草食動物に食欲を覚えてしまうシーンは「マダガスカル」を連想させましたね。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 18, 2005

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  「デビル・メイ・クライ３」

  来年の初めにはスペシャル・エディションが発売予定の「デビル・メイ・クライ３」です。この特別版では、敵キャラだった、ダンテの双子の兄バージルが操作可能になっている他、色々な追加要素があるみたいですね。私がプレイしたのは勿論初期のヴァージョンです。「１」「２」と比べて、難易度が上がりましたね。雑魚でも結構強くて、簡単にダメージを食らってしまいます。戦闘スタイルが選べるようになり、武器も増えました。戦いに応じて、戦法を変える事ができるようになった訳です。しかし一度に持てるのは、銃器・剣共に二種類ずつ。変更できる場所は限られているので、逆に宝の持ち腐れといった感じが強かったです。使わない武器は最後まで全然使わず終いで。今回のソフトは順序としては「３」作目に当たりますが、時系列で行くと、１作目よりも以前の話になります。ダンテの顔があどけなくて、可愛かったかな。バージルも髪を撫で付けなかったら、ダンテとそっくりでしたね。ただ画像レベルはあまり褒められたものではなかったです。もう少し気合を入れて作ってほしかった。ダンテの性格は、１作目の元気な兄ちゃんが戻ってきた感じで良かったと思います。やっぱりダンテは小生意気な口をきいてくれないとね。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 17, 2005

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  「どろろ」

  手塚治虫氏原作の漫画「どろろ」をゲーム化した作品です。ジャンルはアクション・アドベンチャー。生まれた時に魔神達によって、体から４８個の部位を奪われてしまった青年・百鬼丸が主人公。魔神達を倒しながら、自分の体を取り戻してゆく旅を続けています。どろろというのは、百鬼丸を兄貴と慕う泥棒の少年。ゲームでは百鬼丸とどろろを交互に操りながら、物語を進めてゆきます。このゲーム、アクションの難易度が結構高いです。ライト・ユーザーでも楽しめるように難易度を選べるようにしてもらえたら良かったのですが…。ヘタレな私は、途中で行き詰まってしまい、敢え無くリタイア。魔神４８人全員を全て倒すと、真のエンディングが見られるそうです。真のラスボスはかなりキツイらしいですが、腕に自信のある方は挑戦してみて下さい。ところで「どろろ」、実写映画化されるそうですね。百鬼丸は妻夫木聡、どろろは柴咲コウというキャスティング。2007年に東宝系で公開予定との事です。百鬼丸に妻夫木さんでは線が細すぎませんかね？しかもどろろは思い切り大人になっているので、どうなるか不安です。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 16, 2005

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  「大停電の夜に」　(2005・日本)　試写

  １１／１９(土)より全国ロードショーです。"UNTIL THE LIGHTS COME BACK" 監督・・・源孝志 出演・・・豊川悦司、田口トモロヲ、原田知世、吉川晃司、寺島しのぶ、井川遥、阿部力、本郷奏多、香椎由宇、田畑智子、淡島千景、宇津井健、他。・物語序盤・クリスマス・イヴの夜を迎えた東京。人工衛星を双眼鏡で追っていた少年田沢翔太は、病院の屋上から今にも飛び降りそうな若い女性梶原麻衣子を見付ける。上司の佐伯遼太郎と不倫関係にあった草野美寿々は、遼太郎を行き付けのホテルに呼び出す。遼太郎の父親は余命三ヶ月で、息子に出生に関わる重大な秘密を打ち明けた。寂れた路地でキャンドル・ショップを経営する叶のぞみは、向かいでジャズ・バーを営む木戸晋一に仄かな想いを寄せていたが、彼は昔別れた恋人佐伯静江を待っていた。刑務所から出所したばかりの大鳥銀次は、かつての恋人で今は別の男と家庭を持っている杉田礼子と再会。突然の事に逃げ出した礼子だったが、地下鉄の改札口で産気づいてしまう。会社を定年退職した国東義一は、妻小夜子や独立した子供達とお祝いの食事会を開こうと待ちわびていた。しかし小夜子の元には、義一の知らない人物から、深刻な電話が掛かってくる。 様々な人々がそれぞれの生活を送っていたその時、東京は大停電に見舞われるのだった。一言で表現するなら、テーブル・ワインのような映画でしょうか。極上のヴィンテージワインでもないし、甘ったるいデザートワインでもない。お手軽で癖が無くて、食事と一緒に飲むと、それなりに美味しいよという感じの映画でした。鑑賞前は、"クリスマス・イヴ""群像劇"と聞いて、「ラヴ・アクチュアリー」みたいな映画かと慄いておりました。「ラヴ・アクチュアリー」ではラヴ・コメてんこ盛りの激甘攻撃に、たじたじの私でしたから。でも観始めたら、全然雰囲気は違いました。鬱陶しいラヴ・シーンは一切無く、どの恋愛要素も目障りにならない程度のドラマに仕上がっていました。１２人の一夜を描いた群像劇ですが、それぞれが微妙に連鎖していて、それが不自然でなかった事が良かったですね。各々のキャラクターを上手く立たせながら、厭味なく脚本を纏めた点を評価したいです。どの登場人物のドラマも同等に印象に残りましたから、その辺は本当に上手いと感心しました。物語全体がファンタジックでほのぼのとしている一方で、各エピソードはわりとシリアスです。そのバランスの良さが、さっぱりとした印象を与えたのでしょうね。軽く笑わせながら、実は重たいエピソードを持ってくる。実に日本的な脚本です。これをハリウッドで作ると、「ラヴ・アクチュアリー」になってしまうんだな多分。古典的日本人の私としては、あからさまにブチュブチュとキスされるより、語りや仕種で愛情を表現してほしいのですよね。その点でも、この映画には共感できました。リアリズムという面は、作風が温かいファンタジーという感じなので、殆ど重視されていませんでした。都市全体規模の大停電が起こったら、現実には大問題ですよね。でも皆さん、何故かのほほんとしていました。年末の寒い時期に電気が止まったら、寒くて凍えてしまうと思うのですが、皆が気にしていたのは灯りだけで、誰一人寒さの問題には触れていなかったのが気になりました。せめて白い息くらい吐いてほしかった。また根本的に電力が絶たれてしまったら、ライフラインが全面的に麻痺してしまうと思うのですが、その点も全く考慮されず。その他、各ドラマパートでも、リアリティーに関しては、細かいツッコミ所は多々ありました。灯りの消えた街を一人徒歩で行き来する登場人物達とか。治安上絶対に危ないので、良い子は真似しないように(笑)。それでも全体的に心温まる幸せなファンタジーだと感じられたのは、やはり脚本の上手さでしょうね。個人的に一番可愛かったのは、キャンドル・ショップのオーナーを演じた田畑智子ですね。彼女の少し惚けたキャラクターが、物語を光らせていたと思います。クリスマス・シーズンにはぴったりの映画ではないでしょうか。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 14, 2005

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  「TAKESHIS’」(2005・日本)

  "TAKESHIS'" 監督、脚本・・・北野武出演・・・ビートたけし、京野ことみ、岸本加世子、大杉漣、寺島進、渡辺哲、美輪明宏、六平直政、上田耕一、武重勉、ビートきよし、高木淳也、木村彰吾、津田寛治、芦川誠、THE STRiPES、石橋保、松村邦洋、國本鍾建、内山信二、ゾマホン、他 ・物語序盤・ビートたけしは売れっ子タレントとして、周囲からチヤホヤされ、愛人を連れ歩いて、楽しい毎日を送っていた。一方、たけしに顔は似ているが、長年売れない役者として、日の当たらない生活を続けている北野。オーディションには毎回落ち続け、コンビニでアルバイトをしながら生計を立てている。ある日、北野は知り合いの役者のツテで、ビートたけしに会う機会に恵まれ、彼からサインを貰う。この日を境に、北野はビートたけしが演じる映画の世界へと迷い込んでいく。それは夢とも現実ともつかない混沌とした世界だった。2005年のベネチア映画祭でサプライズ出品された作品です。北野監督によると、観客はみんな、ぽかんとした顔をしていたとか。観終わって、その気持ちが良く判りました。ぽかんとするしかないですよね、この作風では。プロの評論家なら、色々解釈をこじつけて、評論するのでしょうけど、素人としては、ただ眺めて終わるだけの作品なんですよね。最初から最後まで、北野監督の夢や空想の世界に付き合わされるだけですから。今迄の作品も、確かに彼のカラーが強く出ていましたけど、ここまで観客を顧みない作品は初めてではないですかね？監督には映画を好きに撮る権利があるかもしれませんが、次の作品に繋げる為には、ある程度の興行成績を収めないといけない訳で。と考えれば、観る側の気持ちも考慮するというのが、自然な発想なんじゃないのかな？北野監督は大物になりすぎて、誰も彼に注意できない状態なのかもしれませんね。「これが俺様の目指す芸術の世界なんだよ。文句あるなら観るな。」という彼の言葉が聞こえてきそう。観ていて特に嫌悪感を抱くような作風ではありませんが、これでは収益は上がらないでしょう。何処へ行くんだ北野武？老婆心ながら、ちょっと心配してみる。彼は私の夢の中の登場人物、でも同時に私は彼の夢の中の登場人物。売れない役者の北野は、憧れのビートたけしに会ってから、自分と彼の世界を混同したようなカオスの中に迷い込んでゆく。果たしてこれは夢なのか現実なのか？北野の思考は、ビートたけしの主演したバイオレンス映画と同調し、彼を暴力的な行動へと走らせる。この映画では、ビートたけしだけでなく、出演者全員が一人二役を演じています。定まった物語などは存在せず、どのシーンも殆ど脈絡の無いものばかり。全てがナンセンスで、まさに夢の中を彷徨っている気分になります。バイオレンス表現にも今迄の自分の作品をパロディーにしたような、滑稽さが感じられます。北野とビートたけしの世界が再び一点で交錯するラストまで、掴み所の無い夢の遊覧は続きます。観終わった後、周りの観客はどう思っているんだろうなぁ、と珍しく他人の感想が気になったりしました(笑)(全員、無言で無表情でした。(^^ゞ)そして北野監督は、いつもこんな事を空想して暮らしているのか、とも思いました。タップダンスは相変わらず好きみたいですね。それと女形も。あとは、珍しい京野ことみのエロティック・シーンと、それに被さる、別の女性の少しコミカルなエロスが記憶に残りました。好き嫌いが分かれる作風という以前に、どう反応したら良いか、全然判らない作品ですね。そもそも"判る"為の映画じゃないですが。お金を払って観るなら、北野フリークくらいにしかお勧めできませんねぇ。そうでないと途中で寝るかも…(^^ゞ↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 10, 2005

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  ちょっとブレイク。「バイオハザード・アウトブレイク」

  試写会ツアーが続いたので、今週はのんびりさせて頂こうかと思っております。更新が滞って、スミマセンです。今週鑑賞予定は「ＴＡＫＥＳＨＩ’Ｓ」くらいですかね。あとは録画したテープを観るか、レンタルしてくるか。鑑賞したら、ぼちぼち感想を書きたいと思っております。久し振りに、最近、遊んでいるゲームについて。今更も今更ですが「バイオハザード・アウトブレイク」です。「２」も発売されましたね。初めてネットワーク対応のバイオハザードとして発売されたソフトです。私はゲームをネットに繋ぐ環境を持っておりませんので、オフでのシングル・プレイですが。やってみて先ず思ったのは、普通の「バイオハザード」シリーズより難しい！でした。ネットゲームという事で、いつもリアルタイムで時間が経過してゆきます。今まではアイテムを使っている時や、マップを確認している時は、時間が止まってくれていたのですが、その間も容赦なく敵が襲ってきます。これはちょっと厳しいシステムですね。その他、シングル・プレイだと、一緒に行動するキャラクターが自動的に二人決められています。一人に持てるアイテムの数が４個と極端に制限されているので、他のキャラクターに荷物持ちをさせなければいけません。と言っても、彼らも敵と戦う以上、武器や回復剤は持たさねばならない訳で。結局必要なものは自分が持たなくてはならないのですよね。他のキャラクターも、常に従順に自分に従ってくれる訳ではないので、必要な時に何処かに姿を消しているという事が多々あります。シナリオは全部で五つ。まだ四つ目をクリアできていない状況です。何がつらいって、シナリオ途中のセーブデータを保存できない点。各シナリオは比較的短いと言っても、やはりクリアまでにはそれなりの道程があります。ゲームオーバーになったら最初からというのは、ちょっと痛すぎる…。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 7, 2005

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  「奇談」(2005・日本)　試写

  １１／１９(土)より全国ロードショーです。監督・・・小松隆志 原作・・・諸星大二郎『生命の木』（集英社刊） 出演・・・藤澤恵麻、阿部寛、ちすん、柳ユーレイ、神戸浩、菅原大吉、土屋嘉男、堀内正美、白木みのる、一龍斎貞水、草村礼子、清水紘治、他。 ・物語序盤・1972年。佐伯里美は民俗学を学ぶ大学院生。彼女は幼い頃、神隠しにあった事があり、その時の記憶を失っていた。少年と穴の夢を頻繁に見るようになった里美は、それが失くした記憶と関連しているのではないかと調べ始める。そして昔の新聞記事の中に、当時の事件の経緯を載せた記事を見付け、その現場である東北の村を訪れる事に。そこはかつて隠れキリシタンの里であったが、近隣には村人さえもタブー視する"ハナレ"という場所があった。里美は村のカトリック教会で、異端の考古学者・稗田礼二郎と出会う。彼は「世界開始の科の御伝え」という古文書に従って、村とハナレを調査しているのだった。　諸星大二郎の妖怪ハンター・シリーズの中の一作を映画化した作品です。諸星大二郎さん、有名な漫画家さんですが、私は殆ど読んだ事が無いです。従って、この作品も予備知識無しで鑑賞しました。時間が８８分ととても短いのですよね。でもお話は大団円まで、上手く纏めてあったと思います。おどろおどろしくて、謎めいた雰囲気も良かったと思います。時代設定も敢えて少し現代から遡らせ、古めかしい空気を自然と感じられる辺りに定めたのが正解でしたね。俳優さん達の台詞回しが、芝居掛かっていたのも、ミステリアスな雰囲気を醸し出していたと思います。一方、諸星大二郎作品初心者として感じた事は、固有名詞が聞き取れない・覚えられないという問題でした。映画の序盤で、昔の"はなれ"を撮影したフィルムというものが出てくるのですが、ここで話されている言葉が、全くと言っていいほど聞き取れませんでしたね。江戸時代に使われたキリシタン言葉である上に、東北弁であるという所が、聞き取りにくい点に拍車を掛けた感じでした。オフィシャル・サイトを読んで、漸く意味が分かった部分も多々ありました。原作の予備知識が無い方は、先に読まれてから鑑賞された方が良いかもしれません。と言っても、話の筋書き自体は特に分かりにくいものではありませんでした。江戸時代に伝えられたキリスト教から、土着の固有宗教として分派してきた古い教えを頑なに守っていた人々のお話です。知恵の木の実を食べて地上に落とされた"あだん"の子孫と、生命の木の実を食べて永遠の命を手に入れた"じゅすへる"の子孫の物語。序盤に出てきた、磔のシーンがどのような結末に繋がってゆくのか、最後まで興味深く観られましたね。でも繰り返される神隠しが何の為に必要だったのか、最後まで観てもよく分かりませんでした。原作では語られているのでしょうか？映画館で観る値打ちがあるのかはかなり微妙ですけど、個人的には結構面白かったですよ。元々奇妙な民話みたいなのが好きなので。(^^ゞそうそう、どうでも良いけど、出会ったばかりの男女、里美と稗田が旅館の同じ部屋に泊まっていたシーンにはちょっと目が点でした(笑)。何か間違いがあったら、どうするんですか？ミニ用語解説あだん・・・アダムじゅすへる・・・アダムと共に作られたとされる人間。"えわ"(イヴ)とは別の人物。ルシファーを指すらしい。でうす・・・ゼウス、神きりんと・・・キリストぱらいそ・・・パラダイスか？天国いんへるの・・・インフェルノ。地獄↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 4, 2005

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  「機動戦士Ｚガンダム II－恋人たち－」(2005)

  只今、公開中です。総監督、原作、脚本・・・富野由悠季 出演(声)・・・飛田展男(カミーユ・ビダン)、池田秀一(シャア・アズナブル)、古谷徹(アムロ・レイ)、鈴置洋孝(ブライト・ノア)、ゆかな(フォウ・ムラサメ)、池脇千鶴(サラ・ザビアロフ)、川村万梨阿(ベルトーチカ・イルマ)、岡本麻弥(エマ・シーン)、勝生真沙子(レコア・ロンド)、浪川大輔(カツ・コバヤシ)、新井里美(ファ・ユイリィ)、井上和彦(ジェリド・メサ)、 島田敏(パプテマス・シロッコ)、榊原良子(ハマーン・カーン)、他。 声優変更問題について。このサイトの島津さんの掲載文を読んでいたら、すっかり夢が壊れてしまいました。大人の事情、業界の醜い裏側。うーん、なんだか悲しいですなぁ。(>_

  Nov 3, 2005

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  「ダーク・ウォーター」(2004)　試写

  １１／１２(土)より全国ロードショーです。"DARK WATER" 監督・・・ウォルター・サレス原作・・・鈴木光司『仄暗い水の底から』（角川書店刊） 出演・・・ジェニファー・コネリー、アリエル・ゲイド、ジョン・Ｃ・ライリー、ティム・ロス、シェリー・デュヴァル、パーラ・ヘイニー＝ジャーディン、カムリン・マンハイム、ピート・ポスルスウェイト、ダグレー・スコット、他。 ・物語序盤・ダリアは夫と離婚調停中の女性。５歳の一人娘セシー(セシリア)の親権をめぐって、夫妻はいがみ合っていた。ともかく娘の親権を得る為に、生活基盤を築こうと、ダリアはセシーを連れて、ニューヨーク郊外のルーズベルト島にあるアパートを下見に来た。築年数も古く、見るからにボロボロのビルであるが、金銭的に余裕の無いダリアは、９階の一室を賃借りする事に。新しい仕事も見つけて、親子二人で新生活を始めると意気込むダリア。ところが、真上の部屋からはバタバタと足音が聞こえ、寝室の天井の黒い染みからは始終水漏れがしていて、とても住めたものではない。ダリアはアパートの管理人と賃貸業者に苦情を言うが、なかなか修理してもらえず苛立っていた。また夫婦間の調停の問題も気掛かりで、ダリアは日に日に精神的に追い詰められてゆくのだった。 ラストでは涙が二粒両目から零れて、じわ～っと頬を伝いました。考えてみると、ホラー映画で泣いたのは初めてだなぁ。この映画をホラーとジャンル分けするか、という点で先ず一考しなければなりませんが。確かに幽霊が出てきたりして、その辺はホラーです。しかし、この映画が描きたかったメインテーマは、恐怖ではないですからね。これはホラーというフィールドを借りて描いた、親子愛のドラマです。ダリアとセシーとの絆、ダリアと母親との満たされなかった関係。そしてダリア達の部屋の階上に、かつて住んでいた親子の悲劇。描きたかったのは、全て親と子の繋がり方なんですよね。それはある所では愛情と思い遣りに満ち、ある所では憎悪となり、ある所では無関心でした。この作品は邦画の「仄暗い水の底から」のリメイクです。細かい設定は変更されていましたが、全体の流れとしては、オリジナルに忠実に作られていました。一番印象的な違いはラストですね。ハリウッド映画らしく、確りと白黒を付けた結末になっていました。普段は観客に想像の余地を残した邦画の曖昧さが好きなのですが、この作品に限っては、平易ではっきりと結論を出した締め括り方が効果的だったと思います。ダリアの選んだ選択が、深い母性愛の所以である事がよく伝わってきたので。「仄暗い水の底から」からは、映画としては、正直私の中では、駄作の域に入りかけていた作品でしたが、「ダーク・ウォーター」は自然とドラマが心に響いてくる作りでしたね。リメイク作品では大変珍しい事ですが、今回はこのリメイク版に軍配を上げたいです。俳優では、主演のジェニファー・コネリーが、複雑な役どころを見事に演じていたと思います。かつて母親に捨てられ、心に深い傷を負っている女性で、その分、我が子への愛情は半端なものではありません。自分のようなつらい思いは、絶対に我が子には味わわせないという決意を、心に秘めています。しかしそれを嘲笑うかのように、奇怪な出来事や容赦ない現実が彼女を狂気の世界へと追い詰めてゆく…。また娘役のアリエル・ゲイドも愛らしくて良かったですね。黒い瞳がとても印象的で。大粒の涙を零す所が、とてもいじらしいんです。ジェニファーと仲睦まじい姿は、本当の親子のように見えました。恐怖を期待する作品ではありません。親と子の絆を描いた悲しいドラマを観て下さい。ところでＮＹって、あんなに雨が続く事はあるのでしょうか？「仄暗い…」を観た時も、大概好い加減にしろという位、毎日雨・雨・雨でしたけど。まあ、日本には梅雨という、一応説得力のある季節がありますが…。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 2, 2005

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  「同じ月を見ている」(2005・日本)　試写

  １１／１９(土)より全国ロードショーです。監督・・・深作健太 原作・・・土田世紀 出演・・・窪塚洋介 熊川鉄矢 エディソン・チャン　水代元（ドン） 黒木メイサ 杉山エミ 山本太郎 金子優作 松尾スズキ、岸田今日子・物語序盤・熊川鉄矢と水代元・通称ドンは幼馴染で親友同士。森の中に秘密基地を作って、いつも一緒に遊んでいた。そんな二人の世界に、一人の少女エミが現れる。彼女は森の中の一軒家に両親と共に暮らしている少女だったが、生まれつき心臓が悪く自宅療養していた。鉄矢とドンは、エミと友達になり、それ以後三人は大の仲良しになった。それから数年が過ぎた頃。森林火災が原因で、エミの家が全焼し、父親が焼死するという事件が起った。警察は近辺をいつもうろついていたドンに容疑を掛け、彼は放火犯として刑務所に収監される。その後、成人した鉄矢とエミは交際するようになり、鉄矢はエミの心臓を治す為に医者への道を進んでいた。そんな彼の元に警察から、ドンが刑務所を脱走したという知らせが入る。 一言で表現すれば、「復帰作にこんな作品を選んで良いのか、窪塚洋介よ？！」という感じの作品でした。原作はコミックスなのですね。最近、漫画が原作の映画が矢鱈多いなぁ。良かった点を挙げれば、主要キャラクターの性格描写。鉄矢とドンの人間性の対比が絶妙だったと思います。医者というエリートの道に進み、愛するエミを恋人にしている鉄矢。端から見れば、全て満たされており順風満帆な人生を約束されているような人物だが、その内面は常に不安や苛立ちで波立っています。エミからの愛にも確信が持てず、その為に、ドンの存在を憎みすらします。いつも絶対に自分を責めず、全てを悟ったように、自分を許してくれた親友ドン。そんな彼に深い友情を感じつつも、同時に嫌悪感が走る。一方のドンは、早くに両親を亡くし、貧しい暮らしをしてきた青年。相手が思った事を感じ、それを絵にする特別な才能を持っています。常に自分の立場を理解し、多くを望まず、鉄矢やエミの為に自分を犠牲にしてきたドン。しかし心の奥底には、誰よりも熱い思いを持っています。この二人の心理が手に取るように分かりました。ただ問題はこのキャラクター達の背負った重みを台無しにしてしまう、脚本や演出の好い加減さ。ドラマがとことんシリアスに展開しているのに、ツッコミ所が満載というのは、かなり痛いですね。最初の内は、見なかった事にしようと自分に言い聞かせていたのですが、次から次へと、現実的に考えて可笑しな部分が出てきます。流石に黙殺しきれなくなって、中盤以降はドラマから心が離れてしまいました。例えば、ヤクザ崩れの金子が殺された時、遺体が安置されていた場所が知り合いの美容整形外科のベッドだったのには驚き(笑)。殺人事件なんですけど、警察は出てこないんですか？ドンは子供の頃から孤児みたいでしたが、どうやって自活していたんでしょう？この下、ネタバレっす。心臓移植のシーンにはぶっ飛びました。ドナー登録してたのか？それ以前に、脱獄犯よ、彼。何処の病院に担ぎ込まれたか知らんけど、心臓移植ができる程の大病院に都合よく搬送されたの？しかも心臓が小さいとは言え、大人の心臓を子供に移植するのは…。全ての符号から導き出される答えは、インポシブル！つーか、あのガキ、連続放火犯だぞ。何、めでたし、めでたしで締め括ってんだ？！これらに限らずラストまで、どう考えてもリアリティが無さ過ぎる場面が続きます。それでいて、確りシナリオは重々しいまま悲劇的結末へと突き進んでゆきます。そこまで無理な体勢から、泣きという投げを打ってきますか？あまりに強引な荒業に、私は笑ってしまいましたが、会場では泣いている方も多々おられました。皆さん、素直ですね～。窪塚洋介の演技は良かったと思います。複雑な過去と感情を背負う難しい役どころを上手く演じ切っていました。(バレエダンサーの"熊川哲也"と読み方が同じ名前というのは、個人的に失笑ポイントでしたが、これは原作があるので仕方ないですね。)対するドン役に、エディソン・チャンを起用したのには、正直、自分の中でも賛否両論真っ二つですね。確かに表情や眼力だけで、ドンの性格を見事に表現していたと思います。でも純粋な日本人役を、日本語のできない彼に演じさせるのは、無謀ではないでしょうか？寡黙な青年の役で、然程不自然さは感じませんでしたが、それでも片言の日本語は明らかに変です。演技力と頑張りは評価しますが、キャスティング自体に問題があります。山本太郎の出番は途中までですが、存在感は充分ありました。いつも自然体な演技が良いですね。彼の台詞の中で、「人間はゴミ箱。綺麗な心を持った者ほど汚されてゆく。」という言葉は胸に残りました。人間の心の弱さ醜さの表現は良かったけれど、重苦しい話のわりに、ディテールを等閑にしてしまった惜しい映画でしょうか。蛇足ですが、今回の試写会は観客全員にプレスシートが配られました。初めての経験で興奮してしまいましたよ。でもチラシ収集家としては、チラシも挟んでほしかったな。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Nov 1, 2005

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  「イントゥ・ザ・ブルー」(2005)　試写

  １１／５(土)より全国ロードショーです。"INTO THE BLUE" 監督・・・ジョン・ストックウェル出演・・・ポール・ウォーカー　Paul Walker ジャレッド ジェシカ・アルバ　Jessica Alba サム スコット・カーン　Scott Caan ブライス アシュレイ・スコット　Ashley Scott アマンダ ジョシュ・ブローリン　Josh Brolin ベーツ ジェームズ・フレイン　James Frain レイエス タイソン・ベックフォード　Tyson Beckford プリモ ・物語序盤・ジャレッドは、カリブ海のバハマでダイビング・インストラクターをしていたが、彼には沈没船を見つけて一山当てたいという夢があった。しかし彼にあるのは、ポンコツのボートだけ。そんなジャレッドの恋人サムは水族館で働く女性。金は無くとも、愛があれば良いと思っている気立ての良い女性である。そんな彼等の元に友人の弁護士ブライスが、新しい彼女アマンダを連れて訪ねてくる。四人はブライスのボートに乗って、ハリケーンが通り過ぎた海に潜り、偶然沈没船の一部らしき物を発見する。それは伝説の難破船ゼフィア号らしかった。しかし彼等が見付けたのは、それだけではなかった、近辺には最近墜落したと見られる飛行機が沈んでおり、中には大量の麻薬が積まれていた。警察に通報すれば、難破船の財宝の権利も失ってしまう。彼等は相談の末、難破船の確たる権利を得られるまで、麻薬の事は黙って引き上げ作業を続ける事に…。 ポール・ウォーカーもジェシカ・アルバもダイバー経験が豊富という事で、サメのうようよいる海中をスタント無しで泳いでおりました。泳ぐ姿もさまになっていて、スタイルのいい人は素敵だなぁ、と。難破船の引き上げ作業をしている間も、ずっと皆さん、肌を曝け出してサービスしております。ジェシカ・アルバとアシュレイ・スコットはぴちぴちビキニで頑張ってました。でも海中作業は何かと危ないから、ダイビング・スーツを着て下さいね(笑)。最初の頃は、ボンベを背負わずに、素潜りで結構長時間潜っていました。よく息が続くなぁと感心しましたね。本当に皆、ダイビングに慣れている感じでした。海も透明度が高くて、とても綺麗でしたよ。前半はひたすら、海、海、海、主人公達が泳ぐのを眺めていました。(後半も海が舞台なのは同じですけど。)クライマックスのジャレッドの息の長さには笑いました。あれは絶対に無理でしょ。お前は何分息を止めていられるんだ？とツッコミです。もう一つクライマックスでツッコミ所は、相棒のブライス。思い切り、水中ガンの矢が刺さっていたと思うんですけど。次のシーンでケロッとしているし。少し日数が経過しているとは言え、傷跡も無いのは絶対に可笑しいです。しかも、知り合ったばかりとは言え、恋人があんな事になったのに、お前は明るすぎ。自分でも「俺はそういう奴なんだ～」と開き直っていましたが、全ての事件の元凶はこいつです。リッチなふりして、実はすっからかんで、資金面でも全然役に立ってなかったし。皆、もっとこいつを非難しましょう。映画としては、アドベンチャーあり、サスペンスありで、結構面白かったです。お宝を積んだ沈没船に、麻薬を乗せたまま墜落した飛行機。そこに絡んでくるギャング達。ジャレッドのライバルのトレジャー・ハンター、ベーツ。そして警察も。色々な人の思惑が交錯して、事件が錯綜してゆきます。個人的にツボだったのは、最後の戦闘シーンで、それぞれの行動がてんでバラバラだった事。皆、自分の身は自分で守ろうねという感じで、勝手に行動していました。一応、作戦はあったみたいなのですが。ヒロインのサムなど、完全に孤軍奮闘していましたしね。やはりジェシカ・アルバはセクシーでもタフな女が似合うか。冬場に潜水の映画を観るのも何ですが、手軽な娯楽には良いと思います。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 31, 2005

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  「まだまだあぶない刑事」(2005・日本)

  只今、公開中です。監督・・・鳥井邦男 出演・・・舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、佐藤隆太、窪塚俊介、水川あさみ、原沙知絵、ベンガル、山西道広、木の実ナナ、小林稔侍、他。 ・物語序盤・７年前の事件で生存不明となっていた"タカ"こと鷹山敏樹と"ユージ"こと大下勇次は、アンダーカバーコップとして、韓国釜山で小型核兵器の闇取引の捜査に加わっていた。そして２人は７年ぶりに古巣の横浜へと舞い戻った。帰国早々銃撃戦に巻き込まれた２人は、若手刑事の水嶋と鹿沼によって港署へと連行されてくる。そこではかつての後輩"トオル"こと町田透が捜査課課長となり、少年課課長に"カオル"こと真山薫、そして署長には松村優子と、すっかり様変わりしていた。そんな最中、タカとユージが７年前に逮捕した凶悪銀行強盗犯の尾藤が、脱獄不可能とされていた刑務所のシステムを破って脱走し、その一斉捜査が行なわれるが…。 ７年ぶりとなる劇場版第６作です。因みに、これまでの劇場作品は以下の通り。あぶない刑事(1987) またまたあぶない刑事(1988) もっともあぶない刑事(1989) あぶない刑事リターンズ(1996) あぶない刑事フォーエヴァーTHE MOVIE(1998) ＴＶドラマの方は1986年からの放映でした。実は私、この「あぶない刑事シリーズ」、ＴＶドラマも映画作品も、どれも観た事がありませんでした。今回が初めての鑑賞です。取り敢えず、破天荒な刑事二人組みが、法律などそっちのけで事件を解決してゆくストーリーである事だけは知っていましたが。初めて観た感想は、「これはこれで良いんじゃないの？」でした。全編、漫画みたいな話で、リアリティーなど論じる隙もありませんが。ジョークも笑えるかどうかスレスレのラインですが、この作品においては、それで良いと言うか…笑。笑えなくても良いんだよ、間抜けな感じさえ出ていれば、という感覚です。度を越した気障な振る舞いも、舘ひろしと柴田恭兵なら許容範囲、というか、これも含めてユーモアなんですよね。気障に徹しながらも、老化をネタにギャグを飛ばしていましたので。筋書きに関しては、子供向けの勧善懲悪モノのような幼稚なストーリーです。特に語るべきものはありません。小型核爆弾をぽんぽん投げてるし…、無茶苦茶です。でもこの映画は、タカとユージの気障な台詞や行動、そしてお惚けを観られれば、それで良いのだと思いました。シリーズ開始が1986年という事で、流石に主役二人にも老いを感じましたけどね。アップはちと厳しいかな。それでもあのキャラクターが、無難に似合っているのは流石でした。序盤、オセロの中島知子がウェイトレス役で出ています。もう少し出番があるのかと思っていたら、完璧にカメオ出演でした。映画の評価としては、２時間ドラマの域を出ていませんが、"アブデカ"の雰囲気は楽しめたので、個人的には満足です。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 30, 2005

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  「エコーズ」(1999)

  "STIR OF ECHOES" 監督・・・デヴィッド・コープ 原作・・・リチャード・マシスン『渦まく谺』 出演・・・ケヴィン・ベーコン、キャスリン・アーブ、イレーナ・ダグラス、ザカリー・デヴィッド・コープ、ケヴィン・ダン、ルシア・ストラス、他。・物語序盤・ 配線工のトム・ウィッキーは、妻マギーと息子ジェイクと３人暮らし。トムの趣味はバンド活動で、平凡な日常に少し食傷気味だったが、それなりに幸せな毎日を送っていた。マギーの姉リサは療法士の資格を持っており、催眠術を使う事ができた。トムは冗談半分でリサの催眠術を受けるが、それが切っ掛けで、奇妙な映像や霊の存在を知覚するようになってしまった。ある晩、揃って外出した夫妻は、子守の少女が息子のジェイクを連れ出すというトラブルに見舞われる。彼女の言い分では、半年前に行方不明になった姉サマンサを、ジェイクが知っているというのである。その場は穏便に収まったが、トムは助けを求めるサマンサの霊を目撃していた。その後、仕事に行くのもやめ、トムの行動は段々異常になってゆく…。 1999年度の作品が何故か今になって、日本でロードショーになりました。ケビン・ベーコンが若いので、少し違和感がありますが…。雰囲気としては、「シックス・センス」のような感じでしょうか。でもどんでん返しはありません(笑)。霊が見えてしまう主人公とその息子。霊は何やら、彼らに助けを求めているらしい。何も見えない妻からは、可笑しな目で見られつつも、一人真相を探り当てようとする主人公。普通に面白かったです。何故、今頃ロードショーになったのかは謎ですが。ストーリーとしては、特に目新しいものはありませんし、事件の真相もとても平凡。それでも退屈せずに観られたのは何故だろう？ケビン・ベーコンのお蔭かな？義姉の迷惑で無責任な催眠術のせいで、霊感体質になってしまった主人公トムですが、結構前向きにその能力を受け入れている所が面白いです。絶対に真相を暴いてやるという確固たる意志を持って、ポジティヴに行動します。何かあると信じたら、借家だって、お構い無しにぶっ壊す。潔くて男気があって良いですね(笑)。頑張れ～、と応援してしまいました。逆に奥さんの態度にはイライラ。折角"見える人達"と遭遇して、情報を得るチャンスを得ているのに、旦那にそれを秘密にしているとは何事です？彼等が協力してくれれば、もっとスムーズに問題が解決したかもしれないのに。察しの悪い女房だ、と思わず怒ってしまいました。ラストの住民の反応には、少し驚きました。「とても住みやすい町なんだ。」これは重要なキーワードだったのですね。しかし霊感が一番強い子供が可哀想です。最後まで彼に対するケアは何もなされていなかったので。あの子はこれからどうなるのでしょうか…？↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 29, 2005

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  「ソウ２」(2005)　試写

  １０／２９(土)より全国ロードショーです。"SAW II" 監督・・・ダーレン・リン・バウズマン出演・・・ドニー・ウォールバーグ、ディナ・メイヤー、フランキー・Ｇ、エマニュエル・ヴォージア、トビン・ベル、エリック・ナドセン、ビヴァリー・ミッチェル、トニー・ナッポ、ショウニー・スミス、他。 ・物語序盤・エリック・マシューズ刑事は彼の情報屋マイケルが殺されたという事で、殺人現場に身元確認の為に呼び出される。マイケルの死体は顔に鋼鉄の仮面を付けられ、顔は判別できなかったが、身体の特徴から彼である事が判った。そして彼の死体には、ジグソウ・パズルのピースの傷が付けられていた。マイケルは警察が追っている連続殺人犯ジグソウの犠牲者らしい。その後警察はジグソウのアジトを突き止め、ＳＷＡＴ達が踏み込んだ。トラップで犠牲者は出たものの、ジグソウはあっさりと警察に捕獲された。しかしジグソウは悠然として、ある事件が進行中である事を示唆する。部屋にあったモニターには、男女８人が何処かの部屋に閉じ込められている映像が映し出されていた。その中にはマシューズ刑事の一人息子ダニエルの姿もあった…。 独立したお話かと思いきや、意外にも純粋な続編でした。ご覧になる予定の方は、必ず一作目を鑑賞して下さいね。オープニング。一人の男が密室に監禁されています。彼の頭部には、鉄製の器具が装着されており、目覚めた男は状況を理解できずにおろおろする。そしてテレビから、あの恐ろしい声が…。「さあ、ゲームを始めよう。」初っ端から痛々しいシーンで幕開けです。自分の目の奥に隠された鍵。一時間以内にそれを取り出さねば、多数の針が飛び出した器具が前後から顔を挟み、残虐な死が訪れる。序盤を観て、「ソウ」ってこんな映画だったなぁ、と懐かしい記憶が蘇ってきました。その後もあの不気味な人形が出てきたりと、お話が前作から繋がっている事が判ります。今回ジグソウの獲物になっていのるは八人の男女。何処かの家に監禁され、致死性の毒ガスを吸わされています。毒が全身に回り、死に至るまでのタイムリミットは２時間。以前と同様に、ジグソウは録音されたカセットテープで、被害者達に話し掛けます。家中のあちこちに隠されている解毒剤を探せと。前作はツッコミ所も多かったのですが、内包したパワーで強引にラストまでグイグイ引っ張られる感じでした。今回はやはり二作目という事もあって、それほどのパワーは感じませんでした。こういう一発勝負型のビックリ箱的な作品は、前作と同じレベルのショックを観客に与えるのは難しいですから。その辺を考慮に入れれば、それなりに健闘したと評価して良いのでしょうかねぇ。あまり期待せずに臨めば、そこそこ楽しめる作品という所でしょうか。ジグソウの爺さんに対する好感度は、前作より少し上がりました。前作では犯行の動機に納得が行かなかったので。今回はジグソウの過去の描写があり、コイツが紛うことなきサイコ野郎である事が判って、すっきりしました。今回もクライマックスには、どんでん返しのような要素が隠されています。それが何なのか、あまり詮索しないで、素直に観て騙される方が楽しめると思います。上映時間が一時間半強と短いので、確りとお話の流れを観ていて下さい。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 28, 2005

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  「エリザベスタウン」(2005) 試写

  １１／１２(土)より全国ロードショーです。"ELIZABETHTOWN" 監督、脚本・・・キャメロン・クロウ出演・・・ オーランド・ブルーム,キルステン・ダンスト,スーザン・サランドン,アレック・ボールドウィン,ブルース・マッギル,ジュディ・グリア,ジェシカ・ビール, ・物語序盤・大手のシューズメーカーの開発部に勤めるドリューは、昨日までは将来を嘱望されたエリート社員だった。しかし彼が満を持して発表した新作シューズの評判は惨憺たるもので、返品が殺到し、その損失は会社を倒産に追い込む程の巨額な赤字を生む結果に。社長のフィルに呼び出されたドリューは、その惨状を懇々と聞かされ、雑誌記者の取材に応対してこいと、冷たく突き放された。同僚だった恋人のエレンも態度は冷ややか。その晩帰宅したドリューは自殺を決意した。 しかしそんな時、妹からの電話で、突然の父の訃報を知らされる。ドリューは取り敢えず自殺を保留して、父が亡くなった彼の故郷、ケンタッキー州の田舎町エリザベスタウンに向かう事に。そこで搭乗した飛行機のフライト・アテンダントのクレアは人懐っこい性格で、ドリューに色々と話し掛けてくる。 もっと泣かせる感動系ムービーだと、勝手に思い込んでおりました。仕事も恋人も失い、父親まで失ってしまった、どん底の青年が主人公なので。(あの予告編を観たら、誰だって勘違いするっしょ…。)でも始まってみると、やたら軽いノリです。泣いてしまうのでは？と身構えていただけに、この滑り出しには肩透かしを食らいました。自殺を決意したシーンからして、端から見ていると滑稽でしたしね。父親の亡骸と対面しても、悲しみの表情を見せるでもなし。その後は、そういう雰囲気の映画なのかと思って観続けましたが。とにかく扱っている題材のわりに、全編ライトな感じで纏めてありました。所々に微かに笑えるシーンを交えつつ、基本的に抑揚の無いストーリーが進行します。山場も特も無く、登場人物に感情移入もできません。本音を言えば、少し退屈してしまいました。よく考えてみると、監督のキャメロン・クロウは、「あの頃ペニーレインと」の監督なのですよね。あの映画も私個人は、ピンと来なかったのですが、この作品も雰囲気は似ていました。分かり易い映画なら、ここで笑って、ここで泣いてと、観客を親切に導く道標が存在していて、受け手はそれに従って、感情を動かしてゆけば良いのですが、彼の作品は、ある意味、とても不親切です。観客に与えるのは、断片的・抽象的な台詞やシーンだけで、肉付けは観客の空想の中でやってほしいというタイプ。しかし難解という意味では決してないです。それぞれのパーツは、むしろ理解し易い平易なものばかり。ただそれらを繋ぎ合わせて、感動や深い感銘に結び付けるのは、観客の役割だよと言われている感じなのですよね。表面的な軽さだけを観て、薄っぺらく笑って「面白かったね」で済ませるか、創造者の意図を理解して共鳴まで到達できるか、その辺はお客のおつむ次第です、という姿勢すら感じました。はっきり言って、個人的には好みに合わない作品でしたねぇ。監督が元々音楽畑の方で、夫人も歌手という事なので、楽曲の選択には神経を使っています。ストーリー的に盛り上がらないのも手伝って、恰も２時間強のミュージック・クリップを観ている気分になりました。俳優陣については、主役ドリューは言わずと知れたオーランド・ブルーム。等身大の青年役は彼には珍しい役どころですが、無難に演じていたと思います。そして、一風変わった性格のフライト・アテンダント役に、キルスティン・ダンスト。ドリューの前に現れて、恋人が居るやら居ないやら、謎めいた魅力を振りまく女性です。(若干、ストーカー入ってますが…笑)中盤は完全にこの二人の付かず離れずの恋愛模様が中心になっています。この辺の脚本もまどろっこしくて、だるい印象を残す要因に。しかし会うまで延々と携帯電話で話し続ける、そこのお二人さん。つーか、掛けた方、電話代幾らになるか気にしないんですか？筋書きとしては、大きな挫折を味わった青年が、田舎の人々との触れ合いや、不思議な魅力を持った女性との関わりの中で、少しずつ心を癒してゆき、再び再起してゆくというものでしたが、監督に言いたいとすれば、もっと主張したい事ははっきりと前面に押し出してくれないと、観ている側は付いてゆけないよ、という事ですかね。アップダウンが殆ど無くて、どちらかと言えば、ミニシアター系に近い雰囲気の映画かもしれません。「あの頃ペニー・レインと」が好きな方なら相性がいいと思います。私はやっぱりこの監督さん、苦手だわ…。「バニラ・スカイ」も「は？」って感じでしたし。ゴメンね。(^_^;)↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 27, 2005

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  「ALWAYS　三丁目の夕日」(2005・日本)　試写

  １１／５(土)より全国ロードショーです。監督・・・山崎貴 原作・・・西岸良平『三丁目の夕日』（小学館ビッグコミックオリジナル連載中） 出演・・・吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和、もたいまさこ、薬師丸ひろ子、須賀健太、小清水一揮、マギー、温水洋一、小日向文世、他。 ・物語序盤・昭和33年、東京下町の夕日町三丁目。田舎からは集団就職で、学校を卒業したての少年・少女達が続々と上京してきていた。星野六子もそんな就職組の一人。彼女は自動車会社への就職が決まっており、胸を躍らせていた。ところが彼女が社長の鈴木則文に連れて来られたのは、鈴木オートという、貧弱な自動車修理工場だった。理想とのギャップに失望の色を隠しきれない六子。一方、鈴木オートの向かいにある駄菓子屋を営んでいる茶川竜之介は、売れない貧乏小説家。文学を志してはいたが、書く小説は落選ばかりで、今は生活の為に、子供向けの冒険譚を書いている。竜之介は居酒屋の女主人ヒロミの頼みで、身寄りのない少年・淳之介の世話を押し付けられる羽目になるが…。 原作は西岸良平氏のコミック『三丁目の夕日』。３０年以上連載しているという長寿漫画です。それだけ支持層が厚いという事でしょうね。掲載が青年誌なので、残念ながら、私は読んだ事がありませんが。映画は観ていると、心がぽっと温かくなる、とても心地の良いものでした。いっぱい笑って、所々泣けて、良い映画を観たなぁという気持ちにさせてくれます。お話やエピソード自体は、特に目新しいものはなく、何処にでもある人情話なのですが、いつの間にか"三丁目ワールド"に引き込まれて、観客もその世界の住人になってしまいます。私などはまだ生まれていない時代なので、実際には体験していない筈なのに、何故か懐かしい思いでいっぱいになりました。山崎貴監督と言えば、私は「ジュブナイル」を以前観ました。その時に邦画とは思えない程のＣＧのレベルに驚いたのを覚えています。今作でも彼は、お得意のＶＦＸを駆使して、昭和三十年代の街並みを映像化しています。本当に何処までがＣＧで何処までが実写か、判別が付かないくらい、違和感の無い素晴らしい出来栄えでした。街並みなどは恐らく殆どＣＧだと思いますが、路面電車やレトロな車が走る風景は、観ていて郷愁に駆られましたね。細かいアイテムなども凝っていて、「こんなのあったよねぇ。」と色々な場面で懐かしい気分に。俳優陣もなかなか豪華な顔触れです。どの方も完全に映画の中に溶け込んでいて、違和感はありませんでした。個人的に好きだったのは、売れない作家役の吉岡秀隆さん。大袈裟な素振りで白々しいまでのオーバーアクションなのですが、これが笑えるんですよね。そして泣かせる場面でも彼が大切な役割を担っています。お話の展開はベタもいい所なのですが、不思議に自然と涙が込み上げました。素直な流れに逆らわない、丁寧な脚本が良かったのでしょうね。鈴木オートの堤真一さんの暴れっぷりも、売れない小説家との掛け合いも面白かったです。他の人達も、皆さんそれぞれに持ち味を出されていて、印象に残っています。現代では失われてしまった下町の人情。殺伐とした世知辛い今の世の中から、ちょっとタイムスリップさせ、温かで幸せな気持ちを思い出させてくれるピュアな良作でした。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 26, 2005

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  試写会通い＆阪神弱いｏｒロッテ強すぎ？

  明日から三日連続で試写会です。頑張れ、自分。疲れてて、もう映画を観るのやめようと思うのに、何故かやめられない映画通い。ストレス発散じゃなくて、これは薬物中毒のようなものですね。「ああ、ヤクが切れる～。早く打たなくちゃ。」という感覚に近いものが…。今後の試写予定は、「ＡＬＷＡＹＳ　三丁目の夕日」公式サイト「エリザベス・タウン」公式サイト「ソウ２」公式サイト「イントゥ・ザ・ブルー」「同じ月を見ている」公式サイトというラインナップです。鑑賞したら追々感想をアップさせて頂きます。「ダーク・ウォーター」公式サイトの試写会も狙っていたのですが撃沈しました。(-_-;)ホラー・ファンとしては、外したくないタイトルだったのですが。どんな風にリメイクされているか興味があります。ジェニファー・コネリーも好きですし。映画館で観る価値があるか、皆さんのレビューを読んで決めたいと思います。 日本シリーズ、ロッテが王手ですね。１０－１，１０－０，１０－１…。３試合ともロッテのワンサイドゲームでした。私、関西人ですが、別に阪神ファンではありません。しかしこの不甲斐無さには溜め息がでますわ。日本一を決める大一番なのですから、もう少し観客をワクワクさせる試合を見せて下さいよ。なんだか気迫で負けてる感じです。ひょっとして明日で終わり？ロッテの方が優勝に縁遠いので、今年は優勝させてあげたいけれど、阪神には一矢報いてほしいものです。でも次も１０点だったら、いっその事、揃っていて気持ち良いかもね。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 25, 2005

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  「私の頭の中の消しゴム」(2004・韓国)

  只今、公開中です。"A MOMENT TO REMEMBER" 監督、脚本・・・イ・ジェハン 出演・・・チョン・ウソン(チョルス)、ソン・イェジン(スジン)、ペク・チョンハク、他。 ・物語序盤・建設会社の社長令嬢スジンは、職場の上司と不倫関係にあったが、結局破局を迎えてしまった。その夜、スジンはコンビニに立ち寄り、コーラを買う。店を出た途端、コーラを店内に忘れた事に気付き、慌てて戻るが、なんと中から出てきた若い男が彼女のコーラを持っていた。腹を立てたスジンは、男からコーラを奪い、目の前で飲み干す。しかし後になって、それはスジンの思い違いで、彼はコーラを盗んでいない事が判明。暫く後、スジンは思いがけず、彼と再会する事に。彼チョルスは、スジンの父親の下で働く、建築現場の現場監督だった。チョルスに惹かれるものを感じたスジンは、彼に近付き、やがて二人は恋に落ちてゆく。その後紆余曲折を経て結婚した二人は、人も羨むような幸せな結婚生活を送るが…。 日本のテレビドラマ「ピュアソウル～君が僕を忘れても」を映画化した作品です。ドラマの主演は永作博美と緒方直人でしたね。私はこのドラマ、時々観ていました。でも詳しい流れや結末は忘れていたので、新作のように新鮮な気持ちで観られました。記憶が後追い状態で、「そうそう、こんなシーンもあったなぁ。」と思う感じで丁度良い具合でした。逆にドラマを確り覚えていらっしゃる方には、物足りない部分も多かったかもしれませんね。筋書きとしては一本道で、まさに悲しく切ないラヴ・ストーリーの直球ど真ん中でした。主人公二人が恋に落ちて、幸せな時間を過ごし、その後皆に祝福されてゴールイン。夫チョルスは建築士の試験にも合格して、睦まじい二人の前途は洋々たるもののように誰もが信じていた。しかし妻スジンが若年性アルツハイマーに侵されてしまい、彼女は最愛の夫の前で徐々に記憶を失ってゆく…。失われてゆくのは新しい記憶から。スジンは愛するチョルスの事も認識できなくなり、かつての恋人と勘違いするように。全体的に丁寧な作りで好感が持てましたよ。ただ二人の恋物語が長すぎて、肝心のスジンが病魔に侵されてからの葛藤が少なかったと感じました。こちらがストーリーを知っているだけに、気持ちが先行してしまって、早く病気のシーンに移行しないかなと、待ち草臥れてしまう部分も。でも二人の恋愛シーンも決して鬱陶しくなくて、時折軽い笑いを交えながら、爽やかに描かれていたと思います。アルツハイマーが進行してゆく過程は、わりとあっさりと表現されていました。現実問題として考えると、痴呆が進んでゆく家族を抱えて、その対象者に愛などという感情を持ち続ける事は困難ですけどね…。でも映画では醜い部分は描かれておらず、切ない思いが込み上げました。終盤は分かっていても、涙が出てしまいますね。でも前述のように、二人の幸せな時間の方が長かったので、予想したほど泣き続けてしまう映画ではありませんでした。ラストもファンタジックな夢のような終わり方で、暗さは全く感じませんでした。演技面では、チョン・ウソンが素敵でしたね。粗野で野生的な面持ちなのですが、心の奥には優しさを持っている青年を、上手く演じていたと思います。特に泣きの演技が上手かった。鼻がひくひくと震えて、悲しみに震えている表情が迫真です。多分、本気でお芝居に入り込んでいたのでしょうね。「ＭＵＳＡ-武士-」でも男前だなぁと思っていたので惚れ直しました。今後、要チェックのイケメン男優です。ただ個人的には、映画は映画として良かったと脇に置いて、「ヒロインは社長令嬢で実家に金もあるし、病気になったら一生病院に放り込んでおけるだけの経済的余裕があっていいよね。」と皮肉った思いも。汚い部分は他人任せで、時々見舞いに行って、感傷に浸っていれば良いんだからと。「綺麗事、言ってんじゃないよ。」と毒づいてみたりして(笑)いえ、これは要らぬ愚痴でした。(^^ゞ映画は無難に纏まっていて、なかなか良かったですよ。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 24, 2005

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  「マジック・キッチン」　(2004・香港)

  "MAGIC KITCHEN""魔幻厨房" 監督・・・リー・チーガイ 原作・・・ラム・ウィンサム 出演・・・サミー・チェン、ジェリー・イェン(Ｆ４)、アンディ・ラウ、マギー・Ｑ、ニコラ・チャン、アンソニー・ウォン、ダニエル・ウー、スティーヴン・フォン、マイケル・ウォン、他。 ・物語序盤・ヨウは私房菜館を経営する女性シェフ。同じくシェフだった母親の遺したレシピに従って、料理を作っている。ヨウの料理はとても美味しく、店は繁盛していたが、彼女自身はただ母親のレシピに忠実に作っているだけで、自分の実力ではないと思っていた。彼女の評判を聞き付けた、日本の料理人対決番組から出演依頼を受けていたが、どうしても決心が付かない。それでもアシスタントのクーリーと共に、ヨウは東京へと向かう。そこで偶然、ヨウはかつて付き合っていた元恋人のチュアンヨウと出会う。彼との散々な恋愛体験を思い出すヨウ。実はヨウの家系は、昔から呪いを掛けられており、女性は代々料理人となり、愛する男性とは引き裂かれる運命にあるのだった。しかし５年ぶりの再会に、ヨウはチュアンヨウへの思いを募らせる。だが皮肉にも、チョアンヨウは彼女の親友の一人フーウェイと交際し始めた。一方、アシスタントのクーリーは、年下だがヨウを密かに思い続けているが…。 「スター・ランナー」「マジック・キッチン」「スカイ・オブ・ラブ」の中から２本を選択するというのが、今回の任務(？)の第一段階でした。何故なら、招待券は２枚しかないのだから…。中身は見ないと判らないので、まず荒筋をチェックして、恋愛映画は苦手だからと、「スカイ・オブ・ラブ」を外しました。「スター・ランナー」を観ていて、「このチョイス、失敗だったかも…。」とちょっぴり後悔。でも同時に、「どうせ全部アイドル映画なんでしょ。どれも同じよ。」という捨て鉢な思いも心の隅に。という経緯で、正直、全然期待していませんでした。しかしこれが意外と拾い物だったんですよね。と言うのも、この映画、Ｆ４のジェリー・イェンは飽く迄脇役で、主役は女性シェフ役のサミー・チェンだったのです。更に香港映画に疎い私でも知っている面子があちこちに出演している。雰囲気もお洒落で、大人でも楽しめそうな予感。内容はちょっとコミカルな男と女の恋愛模様です。昔馴染みで親友同士の女三人組みと、彼女等に絡む男達のお話。恋愛モノは苦手なのですが、ベタベタせず、所々に笑いを盛り込んで、お洒落に仕上げてあるので、充分楽しめました。大人同士の恋の駆け引きが、なかなか良い感じで描かれていましたね。セレブな生活をしていて、恋人が居るのに若い男の子達と火遊びしてしまう熟女達。一方、男は男で隠し事もあり、プレイボーイだったりと、実は負けていない。でも主人公ヨウは、真面目で一途なキュートな性格の女性です。ただ呪われた家系で、愛する男と結ばれないという星の下に居るだけで(笑)。公式サイトによると、“香港版『SEX and the CITY』”らしいです。何となく言いたい事は判る。そんな雰囲気の映画でした。(他人任せの感想だな…。)一応日本でもロケをしていたようなのですが、時折東京の筈なのに、明らかに中国だったりします。その辺は笑って流しましたけど。"料理の鉄人"のパクリ番組も出てきます。と言うより、メイン・イベントですが。最後はめでたしめでたしで、すっきりとした終わり方でした。一言で言えば、甘いけど重たくないデザートのような映画ですね。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 22, 2005

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  「スター・ランナー」(2003・香港/韓国 )

  "STAR RUNNER""少年阿虎"監督・・・ダニエル・リー　アクション監督・・・チン・カーロッ　 出演・・・ヴァネス・ウー(Ｆ４)、キム・ヒョンジュ、アンディ・オン、ショーン・タム、ウォン・ユーナン、ゴードン・リュウ、ジョン・チャン、ティ・ロン、他。・物語序盤・香港の大学に通うボンドのクラスに、韓国語の夏季講習の臨時講師がやって来た。彼女はキムという若くて美しい韓国人。開始早々居眠りをしている生徒、それがボンドだった。彼はアルティメット格闘技大会“スター・ランナー”への出場を夢見て、日々激しいトレーニングを重ねていた。偶然電車でボンドと一緒になったキムは、彼が忘れたグラブを届けに、ボンドの通うジムまで行く。ジムでは、“スター・ランナー”に出場する選手を選出していた。出場枠は二人まで。どうしても出場して、去年の覇者タンクを倒したいボンド。しかし彼は選考から漏れてしまった。腹を立てたボンドはジムを去り、落ちぶれたボクサーのコーチを受ける事に。 Ｆ４のメンバー主演による映画です。"F4 Film Collection 2005"というもので観ました。先ず、"Ｆ４"とは何ぞや？2001年、台湾ドラマ「流星花園」(原作は日本のコミック「花より男子」)から生まれた、言承旭(ｼﾞｪﾘｰ･ｲｪﾝ)、呉建豪(ｳﾞｧﾈｽ･ｳｰ)、朱孝天(ｹﾝ･ﾁｭｳ)、周渝民(ｳﾞｨｯｸ･ﾁｮｳ)の４人からなる男性アイドルユニットの事。(中国語発音では"エフスー"。)日本ではこのドラマ、吹き替えでテレビ放映してましたね。原作「花より男子」、日本では今、ドラマ化されてます。以上はこの映画には関係の無い余談でした。最近は韓流ブームで韓国のイケメン君達が脚光を浴びていますが、中国の方にもカッコいい子達が居るよ、という事で集めて上映してみました～、ってな映画特集の中の一作。主役のヴァネス・ウーですが、私見では、ケイン・コスギに少し似ている？という面差しの若者です。あまり好みの顔立ちではありませんでした。顔より映画の中身を語れと言われそうですが、中身がねぇ…。はっきり言って、何が描きたいのか、主張が伝わってこない映画でした。そもそも主張自体が無いのかも…。(^_^;)所詮はアイドル映画か。観て間も無いのに、殆ど忘れかかっています。描かれていたのは、大きく二つです。ボクシングに燃える香港の大学生と、不倫相手との仲が上手く行かずに逃げるように香港へやってきた韓国人女性との、淡い恋愛関係。そして“スター・ランナー”という格闘大会の模様。この二つが交じり合う事無く、ばっくりと分かれて描かれています。全然違う二つの物質を、無理矢理ミックスさせようとして、結局混じらなかった…、みたいな感覚。ドレッシングみたいな映画でしたね。二層に分離してるよ…。少し驚いたのは後述の点。最初主人公が通っているのはボクシング・ジムだと思っていたんですよね。その後、色々あって、そのジムを離れて、他のコーチの下でトレーニングを開始するのですが、いきなり現れたのが、カンフーの達人。コーチは真顔で、何とか拳の達人だ、と紹介して学ばせるんですけど、その辺から頭が？状態です。しかも次に出てきた何とか拳の達人は、白人の神父だし…。大真面目なわりに、可笑しいだろ、その設定(笑)。ボクシングなのに、カンフーやってどうするんだろう？と思って眺めていました。その後、“スター・ランナー”という格闘大会は、格闘技の技なら何を使っても良いという事が徐々に判ってきたんですけどね。最後の相手となるチャンピオンのタンクも、途中から突然、投げ技を出してきましたから。一応世界大会らしいのですが、映像的に凄く胡散臭いです。基本的にアジア諸国と、他はオーストラリアやニュージーランドの選手がちらっと登場しました。でも外見は全員中国人。外国人を雇う予算が無かったんだなぁ、と舞台裏を見たようで、ちょっと寂しい気分に(笑)タンクもオーストラリア出身という設定のくせに、思い切り中国人でした。ただ、このタンク役の青年、ルックスがとてもカッコ良いんです。はっきり言って、主役より何倍も素敵。体も本格的に鍛えていて、筋骨隆々です。上半身の筋肉を観ているだけで、うっとりしました。という訳で、作品としては、箸にも棒にも引っ掛からないような出来栄えでしたが、脇役のマッチョ＆美形青年を発見できた事は収穫でしたというのが総括です。でも素敵な彼の名前が判りません…。・・・調べた結果、アンディ・オンさんでした！逞しい系、お好きな方、要チェックですよ～。(^^♪↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 21, 2005

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  「イン・ハー・シューズ」(2005)試写

  １１／１２(土)より全国ロードショーです。"IN HER SHOES" 監督・・・カーティス・ハンソン 原作・・・ジェニファー・ウェイナー『イン・ハー・シューズ』（アーティストハウス刊） 出演・・・キャメロン・ディアス、トニー・コレット、シャーリー・マクレーン、マーク・フォイアスタイン、ブルック・スミス、他。 ・物語序盤・マギーとローズは姉妹。マギーは見た目は派手、好い加減な性格、男にもルーズで、只今失業中。一方、ローズは弁護士として立派に独立しているが、少し太り気味で恋愛は苦手なタイプ。ある晩、久し振りのデートで幸せ気分を味わっているローズの元に電話が掛かる。妹マギーが同窓会で飲み過ぎて、パーティー会場で寝込んでいるらしい。仕方なく迎えに行ったローズは、マギーを実家に送り届けたが、継母に追い出されてしまった。ローズの家に連れてこられたマギーは、その後姉の家で居候をするようになる。だらしない妹の生活態度に腹を立てるローズだが、妹だからと面倒をみる。しかしある晩、帰宅したローズは、マギーと自分の恋人がベッドで抱き合っている場面に遭遇してしまう。 in one's shoes、相手の立場に立つとあります。以心伝心というような意味の慣用句という事でした。宣伝から想像していたのは、キャメロン・ディアスを中心とした物語でした。勝気でバリバリのキャリアウーマンの姉に対して、ダメな妹が頑張って見返してゆく筋書きなのかな？と。しかし実際には、トニー・コレットとキャメロン・ディアス演ずる、ローズとマギー二人の姉妹愛の物語でした。ローズも想像していたようなタイプではなくて、弁護士という立派な仕事に就きながらも、悩み多き女性でした。ともすると、ストーリー的には、ローズの方が目立っていたかもしれません。蛇足ですが、ローズ役のトニー・コレットは、太目の役柄を演じる為に、１１kg体重を増やしたそうです。家族は一筋縄では行かないですね。衝突もあれば、擦れ違いもある。他人なら喧嘩すれば、それまでかもしれない。でも家族には、絆という切っても切れない縁がある。ローズとマギーの家族関係は、結構複雑です。母親は彼女らが子供の頃に他界し、父親は存命であるものの、別の女性と再婚して、二人の間には娘が居ます。ローズとマギー姉妹と継母との折り合いは悪く、継母にとって、二人は邪魔者でしかありません。そして二人の母親の死を巡って、母親の両親と父親は対立し、長らく絶縁関係にありました。ローズとマギーは、祖父母は死んだものと思っていましたが、マギーが偶然父親の隠していた祖父母からの手紙を見付けた事で、二人の存在が明らかになります。マギーが手紙の住所を訪ねると、祖父は既に他界していましたが、祖母エラは元気に暮らしていました。エラを演じるのは、シャーリー・マクレーンです。押し付けがましくなくて、自然体で演じた、しみじみと心に沁みるドラマでした。何か飛び抜けて凄い事は起りませんが、細々とした要素を無理なくドラマの中に織り込んだ、手触りの良い良質の織物という印象でしたね。自分に対して許しがたい裏切り行為をした妹だが、それでも彼女を守りたい。真実を話して婚約者に彼女を嫌わせたくない、妹が知らない悲しい秘密を知らせて彼女を傷付けたくない、という切ない思い遣りに満ちた姉の心情がよく伝わりました。そしていつもお騒がせで姉に迷惑ばかり掛けている妹も、祖母の傍、新しい環境の中で少しずつ変化してゆきます。難読症というハンディキャップの為に、スターになる夢も挫折してしまった彼女。しかし祖母の居る老後施設で出会った元大学教授の老人との出会いによって、読書の恐怖から少しずつ立ち直ってゆきます。ラストの詩の朗読のシーンでは、思わず涙が零れました。彼女にもきっと幸せが訪れて、全てが上手くゆくよね…。そう自然と信じたくなる、温かい結末でした。全編通じてわりと静かですが、なかなかの佳作だと思います。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 20, 2005

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  「鳶がクルリと」(2005・日本)

  監督・・・薗田賢次 原作・・・ヒキタクニオ 『鳶がクルリと』（新潮社刊） 出演・・・観月ありさ、哀川翔、宇津井健、塩見三省、須藤元気、品川祐(品川庄司)、庄司智春（品川庄司）、杉浦太雄、通山愛里、窪塚洋介、平泉成、曽根英樹、風吹ジュン、他。 ・物語序盤・ 中野貴奈子は子供向け商品を売る大手企業Ｇ＆Ｂ社の企画チームで働くエリートのキャリアウーマン。ある日彼女は、全力を傾けてきた新プロジェクトの企画が、社長に認められず落ち込む。そこへビルの外から、見知らぬ少女が彼女に笑い掛け、彼女の写真を撮って消える。面食らった貴奈子だったが、すぐに産業スパイと思い、消えた少女の後を追跡する。すると彼女は、ビルで作業をしていたとび職の一人だと判明する。貴奈子は少女を追って、彼女の所属する鳶職“日本晴れ”まで出向く。しかしそこは、彼女の知る世界とは全く異なった場所だった。翌日、貴奈子は社長に呼び出され、突然、ビルに巨大モニュメントを設置するというまったく畑違いの仕事を命じられる。しかも工期はたったの２週間だという。納得のいかない貴奈子だったが、渋々担当の鳶職と交渉を始めた。しかしそこの社長はとんでもない変態オヤジで、貴奈子はそこを飛び出して、別の鳶職を探す事に…。 約２時間の上映時間が、３時間にも感じられました。だるだるですね。オブジェクト設置の納期までに２週間しか無いというのに、全く緊迫感の無い主人公の行動に呆れてしまいました。絶対に間に合わないでしょ、あれじゃ。大体、彼女が何故、あのプロジェクトを社長から押し付けられたのか説得力も無いですし。そもそも映画のジャンルも良く判りませんね。コメディにしては全然笑えないし、人情モノにしてはドラマが弱すぎる。ただ、だらだらと時間ばかりが流れて、いつになったら話が進むんだろうとイライラ。どうせ最後は全て上手く行ってハッピーエンドと判りきっているのだから、ちゃっちゃと進めて終わらせろと言いたい。それぞれのキャラクターは悪くないと思うんですよ。一人一人個性的な鳶職の面々、彼らに戸惑いつつも少しずつ打ち解けてゆくキャリアウーマン。ドラマだって、メリハリを付けて、テキパキと進めれば、充分楽しい映画になったと思います。折角、面白そうな要素があるのに、山場の一つも無い平坦な脚本が、全てをぶち壊しています。時間が確り２時間あり、無駄なシーンが多い割に、肝心の部分は何も描けていない。そういう印象の映画でしたね。もっと鳶職人の魅力をアピールして、観客のハートに訴えかけるようなストーリーは考え付かなかったのでしょうか？現場の厳しさや凄さも殆ど描けていなかったですしね。人物的にも、ライバル会社と揉め事を起こして刑務所に入っていた隼(一番てっぺんに立ち、他の者に指示を出す司令塔のような要の役目)の高松悦治と、そのお転婆娘ツミ、そして彼女を娘のように可愛がっていた棟梁とご隠居。幾らでも感動できる材料はあるのに、実に勿体無い。観終わっても、やっと終わったか、という疲労感しか残らないのですから救いがありません。モデル出身だけあって、これでもかと披露していた観月ありさの脚は綺麗でした。しかし、ありさちゃんの美脚くらいしか見所が無いというのも悲惨ですなぁ…。あと、お騒がせ俳優の窪塚洋介が、リハビリか何か知りませんが、パーマ屋の店員としてカメオ出演しています。多分、「狂気の桜」繋がりでしょうね。おまけとしては、エンドクレジットの途中と後に、少し映像があります。大して意味はありませんが、最後まで席を立たれないように。やる気の感じられない脚本のせいで、最後まで一度も盛り上がらずに終わったという作品でした。中途半端というより、根本的になっていないですね。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 19, 2005

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  「花都大戦（ﾊﾅﾉﾐﾔｺﾀｲｾﾝ）　ツインズ・エフェクトＩＩ」(2004・香港)

  "THE HUADU CHRONICLES: BLADE OF THE ROSE" "THE TWINS EFFECT 2""千機變II　花都大戦" 監督・・・パトリック・レオン、コリー・ユン出演・・・ジェイシー・チェン、シャーリーン・チョイ（Twins）、ジリアン・チョン（Twins）、ドニー・イェン、レオン・カーフェイ、チェン・ボーリン、ファン・ビンビン、チュー・イン、ジャッキー・チェン、ダニエル・ウー、エディソン・チャン、他。 ・物語序盤・古代。花都は冷酷な女帝が支配され、女性優位の女人国となっていた。全ての男達は奴隷として扱われ、街で売り買いされていた。女帝はかつて愛する男を妹に横取りされ、それ以来、全ての男を憎むようになったのだった。ある時女帝は、近い将来に前王朝の末裔である皇帝星が現われ、新たな皇帝となるという予言を聞く。そんな折、前王朝復興の鍵が隠された秘密の石板が盗まれる事態が発生。脅威を感じた女帝は、皇帝密使であるレッドとブルーに石板を取り戻すよう命令する。そんな事など露知らず、街ではいつものように奴隷商人のスプリングが、若い男達を売り捌いていた。しかし彼女には借金があり、将軍から彼女の思い人を連れてこいと、脅しを掛けられていた。一方、旅芸人一座の青年チャーとコールは、仲間が盗んできた不思議な石板を手に入れる。仲間の話によると、石板をジェネラル・ローンという人物に渡せば、高く売れるらしい。将軍の命令で旅芸人の一座に男を探しに来たスプリングは、コールをその人物だと考えて捕らえようとするが…。 「ツインズ・エフェクトＩＩ」という副題が付いているので、一見続編のようなのですが、人気デュオのツインズが出演しているというだけで、ストーリー的には一切関係ありません。観た直後の、先ず一言目の感想は、「香港てすげぇ！」でした。褒めているんじゃありませんよ。この滅茶苦茶、支離滅裂、何でもあり、行き当たりばったりな脚本で、映画制作のＧＯサインが出るんですから。本気で思いましたよ。こんなバカ映画、よく作ったなと…。これが公開されて、それなりにお客も入る訳ですよね。香港の人って、私の理解を超越してます(笑)。まあ、基本的に"アイドル映画"なんですよね。だから彼等を目当てにしているファン達が足を運ぶのでしょうが。香港ではアイドルでも、日本では無名に等しい若手さん達なので、こちらでの宣伝文句は専ら、ジャッキー・チェンの息子ジェイシー・チェンの映画初出演作、そして夢の親子競演という部分に的を絞っています。でも蓋を開けてみると、アイドル俳優以外にも、ドニー・イェンやレオン・カーフェイ、ダニエル・ウーなどという結構豪華な俳優達が共演していました。そういう点では、意外にお得感のある映画かも。ジェイシー・チェンは、確かにジャッキーの面影はあるのですが、お世辞にも美男子とは言えない顔立ちです。ジャッキー・チェンの息子でなければ、一生映画に出る事など無かった人でしょうね。はっきり言って、全主要出演者の中で最もブサイクな彼を、重要な役どころに付けたのは失敗でしょう。と言うか、ジェイシー・チェンが一人飛び抜けてブサイクなので、カッコいい役を演じさせるのが痛々しくて…。他の人達はアイドルやら何やらで、みんなそれぞれ美男・美女揃い。その中に彼を入れて、同列に演じさせるのは残酷ですよ。さてアクションについても少し触れておきましょう。ジャッキー・チェンが鎧の神の役で特別出演して、ジェネラル・ローン役のドニー・イェンと勝負するシーンがあります。折角の夢の対決なのに、ワイヤーやＣＧを使い過ぎです。アイドル達と違って、本当に武術の出来る人達なのですから、もっと生の肉体のぶつかり合いを見せてほしかったですね。そしてツインズのアクションは序盤にあります。これはアイドルなりに頑張っているけど、やはり可愛い女子達ですし、パワーを感じないというレベルでした。ツインズ以外の女優陣も美女が揃っています。レッド役のファン・ビンビンが個人的に好みでした。でも彼女は途中で何処かに消えてしまいます。彼女はどうなったんだよ？！女帝のチュー・インも大人の女性という感じで、フェロモンを出しておりました。男の子達もイケメン君が何人も出ていて、顔を見ている分には良かったですね。総纏めとして、ストーリーなど在って無いような、正に香港映画～！というちゃらんぽらん作品です。設定も陳腐で馬鹿馬鹿しくて、真面目に考えていたら腹すら立ちます。俳優の顔を眺めに行くだけ、と覚悟して観るべきですね。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 18, 2005

• トラックバックで思うこと

  楽天がブログ化されてから結構経ちますが、最近は私もトラックバックを頻繁に利用するようになりました。ここは映画感想を主に綴っているサイトなので、同じ映画を観た人のブログを探してきてトラックバックさせて頂いております。また逆にトラックバックして下さる方も増えました。知らない者同士でも、何処かで繋がっていると感じて楽しいですね。で。たまにトラックバックついでに、コメントも残して下さる方もいらっしゃいます。(以前は楽天会員様以外の方の書き込みはできないように設定して、他の方は特設掲示板に書き込んで頂く形式にしていたのですが、ブログ化という時代の流れに応じ、便宜を考えて、どなたでも書き込めるように設定を変えました。)ここで問題発生。コメントして下さった方が、誰か判らんのです…。いえ、お名前だけは判るのですが。トラックバックする時って、大概、一度に大量にするので、サイト名は覚えていても、サイト運営者様のお名前は見ていなかったりします。それでコメントを読む度に、「これはどのサイトの運営者さんなのだろう？」と疑問符が。コメントを書き込む欄に、ＵＲＬも書き込めるようにしてくれれば、それを辿ってすぐに判別できるのですが。楽天会員同士だと、自動的にリンクするようになっていますよね。これはとても便利で、良いシステムだと思います。お願い、楽天様、コメント欄にＵＲＬを書き込める欄を追加して下さい。ＴＢするなら相手の名前くらい確認しろと言われそうですが、プロフィール欄が無くて、運営者様がお名前を書かれていないブログも存在するのです。凄くってほどでもないのですが、ちょっくら困っています。

  Oct 17, 2005

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  「コラテラル・ダメージ」　(2001)

  "COLLATERAL DAMAGE" 監督・・・アンドリュー・デイヴィス出演・・・アーノルド・シュワルツェネッガー、イライアス・コティーズ、フランチェスカ・ネリ、クリフ・カーティス、ジョン・レグイザモ、ジョン・タートゥーロ、シェリー・マリル、ハリー・レニックス、他。 ・物語序盤・ロサンゼルス消防庁の消防隊長を務めるゴーディー・ブルーアーは、妻と一人息子と共に、幸せな生活を送っていた。しかしある日の午後、それは突然に奪われた。高層ビルの１階にあるカフェで、妻子と待ち合わせていたゴーディーは時間に遅れ、その間に爆破テロが起き、二人は帰らぬ人となってしまった。爆発直前に犯人のテロリスト、ウルフを偶然目撃していたゴーディーは、その情報を当局に知らせる。しかしアメリカ政府にとって、彼の家族の死は、国益の為に仕方の無い犠牲として見做されていた。憤りを覚えたゴーディーは、自らの手で犯人に復讐しようと、単身テロリストの巣窟コロンビアへと向かう決意をするのだった。 2001年秋公開の予定が、“9.11”のテロ事件の為に、延期された事が記憶に残る作品です。公開中に映画館で観たのですが、途中でうとうとしてしまったので(年のせいか映画館で寝る癖が…)、今回確認の為に再鑑賞しました。当時に思ったのは、テロリスト側の心情の描写もしてあって、アメリカ映画にしては平等な立場で撮った映画だなという事でした。今回、観直してみて、一番目に付いたのは、シュワルツネッガーの異様な強さでした(笑)。消防士のくせに、テロリストも顔負けの戦術を知っている彼。いつも強いシュワちゃんですが、今回も「何者？」と笑ってしまいました。でも映画自体は、真面目なテーマを扱っていましたけどね。構図が、家族を殺された一市民、個人の犠牲より国益を優先する国家、アメリカに対抗するコロンビア解放軍という、三者の睨み合いとなっているので、単純な勧善懲悪モノの筋書きとは異なります。国家の為に犠牲にされた市民を主役に置いた為に、自動的にアメリカが悪者の一つという立場になっています。一応、悪者役はＣＩＡの極秘捜査官ブラントに押し付けて、ワンクッション置いていますが。一方、コロンビアのゲリラ集団は悪役ではありますが、アメリカの強硬手段に対して、対抗している人々として描かれています。そして彼等のリーダーであるウルフは、かつて一般市民で我が子を殺されたのを機に、テロリストへの道を進んだという過去を持っています。こういう少し込み入った構図がある為に、単純に悪役を憎めず、観終わった後も、すっきりしない気分が残ります。ただ、その点は作り手も充分承知していたと思います。この映画のテーマは、恨みと憎しみの連鎖だと思うので。やられたから、やり返す。殺されたから、殺す。どちらが悪いと誰も決められない、何処までも続いてゆく悪循環が、今の世界を覆っています。主人公が強すぎて、少し馬鹿げたアクション映画みたいな部分もあるのですが、根底に描かれているのは、とても複雑で深刻な問題ですよね。アメリカ万歳映画ではないので、アメリカではウケそうもないですが、第三者的な立場の人間からは、受け入れ易い内容だと思います。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 16, 2005

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  「コープスブライド」(2005・英)

  １０／２２(土)より全国ロードショーです。"CORPSE BRIDE""TIM BURTON'S CORPSE BRIDE" 監督・・・ティム・バートン、マイク・ジョンソン出演(声)・・・ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム＝カーター、エミリー・ワトソン、トレイシー・ウルマン、ポール・ホワイトハウス、アルバート・フィニー、ジョアンナ・ラムレイ、リチャード・Ｅ・グラント、クリストファー・リー、マイケル・ガフ、他。 ・物語序盤・ 19世紀のヨーロッパ。金持ちだが身分は低いバン・ドート夫妻の子息ビクターと、零落した貴族エバーグロット卿の娘ビクトリアは、親同士の取り決めで婚約していた。結婚式の前日のリハーサルで、二人は初めてお互いに顔を合わせる。ビクトリアの両親は、結婚に愛情などは不要だと言い切っていたが、ビクトリアは愛し合える伴侶と生涯を共にしたいと望んでいた。お互いに相手に対して不安を抱いていた二人だったが、実際に言葉を交わすと、自然と惹かれ合うように。しかし気弱なビクターは、結婚式のリハーサルで緊張して、失敗の連続。その晩、屋敷を出て、森の中で一人誓いの言葉を練習していたビクターは、地面から突き出ていた棒切れに結婚指輪を嵌める。だがそれは、かつて結婚を目前に死亡した女性の白骨化した遺体の手であった。ビクターの愛の言葉で蘇った花嫁は、結婚が成立したと彼に迫るのだった。 ヘンリー・セリック監督と組んで制作した、ストップモーション・アニメ作品の「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」や「ジャイアント・ピーチ」を手掛けたティム・バートンが、今回は監督として人形アニメの新作を制作。何はともあれ、人形を１コマ、0.5mmずつ動かして、映画を完成させた全スタッフに労いの言葉を送りたいと思います。ストップ・モーション・アニメに限らず、ＣＧだろうがセル画だろうが、アニメって手間暇が掛かるんですよね。実写だったら、人間が実際に動いている所を撮影すれば済む所を、人物から背景まで全部作り出さないといけない。その分、実写では作り得ない映像も実現できるメリットはありますが。少しずつ動かしては撮影したんだなぁと思って眺めていると、その労力に頭が下がりましたね。最初始まった時に声優さん達が歌い出したので、ひょっとしてミュージカル？とビビリました。いえ、私、ミュージカル映画は苦手なもので。(^_^;)でも時々歌が入って、大半は普通に台詞を喋る映画でした。元々、人形アニメというジャンルが、あまり好きではないので、特に歌の部分になると、感情が冷めそうになりました。集中、集中、と自分に言い聞かせて、スクリーンに入っていきましたけど。でもやっぱり苦手かな、人形達が歌うシーンは。この辺は個人的趣味の範疇ですから、好きな人はノリノリだと思います。お話は切なかったですね。元ネタはロシア民話という事ですが、わりと有り勝ちな、男一人に女二人の三角関係です。どの人も善良で誠実な人柄なので、全員幸せになってほしいと思うのですが、三角関係だと誰かは不幸にならざるを得ません。どちらの女性が身を退くかは実際に鑑賞して確かめて頂きたいですが、可哀想というのが率直な感想でした。ラストは綺麗ですが呆気なかったですね。もう少し続きがあるのかと思いましたが。キャラクターでは、ちょこっとしか出てこないのですが、骨の仔犬スクラップスがキュートでした。お手もお座りもできるのですが、死んだフリはできません(笑)。１時間１７分と上映時間は短めですので、気軽に観られます。「チョコレート工場」と合わせて鑑賞すると、ティム・バートンとジョニー・デップ達のファンタジック・ワールドを堪能できるでしょう。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 14, 2005

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  「ドミノ」(2005・米/仏)

  １０／２２(土)より全国ロードショーです。"DOMINO" 監督・・・トニー・スコット出演・・・キーラ・ナイトレイ、ミッキー・ローク、エドガー・ラミレス、ルーシー・リュー、クリストファー・ウォーケン、ミーナ・スヴァーリ、デルロイ・リンドー、ジャクリーン・ビセット、モニーク、リズワン・アバシ、ブライアン・オースティン・グリーン、アイアン・ジーリング、他。 ・物語序盤・ドミノはＦＢＩ捜査官タリンから、一千万ドル強奪事件の重要参考人として、取調べを受けていた。彼女は自分自身の事から事件に至るまでの経緯を語り始める…。ドミノ・ハーヴェイは、名優ローレンス・ハーヴェイを父に、トップモデルを母に持つロンドン生まれの令嬢だった。父親は幼い頃に他界したが、金銭的には何不自由ない生活を送っていた。成長したドミノは、モデルの仕事をしたり、ビバリーヒルズに引越して大学に通ったりしたが、上流社会の暮らしに空虚な感覚を持ち、常に反抗的な態度を取り続けていた。大学を退学したドミノが、ある日偶然目にしたのは、“バウンティ・ハンター募集”の新聞広告。そこに自分の求めているものがあると直感したドミノは、新聞広告に従って、保険金保証人クレアモントや、賞金稼ぎのエドとチョコが開いているセミナーを受講しに行くが…。 実在の人物をモデルにして作られた作品です。モデルとなったドミノ・ハーヴェイは、今年の六月、本作の完成と相前後して、自宅の浴槽で不慮の死を遂げました。享年３５歳という事です。宣伝で実話という事をアピールしているので、そういうつもりで臨みましたが、話が進んでゆく内に、段々と有り得ない方向に。結論から言うと、全然、実話ではありません。単に実在の女性を題材にした、フィクションの娯楽サスペンス・アクション映画です。実話だと思い込んでいたので、その点で肩透かしを食らった感がありましたが、映画自体は面白かったです。トニー・スコット監督作品では、前作の「マイ・ボディガード」の映像が生理的に受け付けなかったので、今回も心配していました。カメラを執拗に動かしたり、細かくカット割りする点、そして全体的に色褪せたような色彩は相変わらず同じでしたが、「マイ・ボディガード」よりは普通に観られるレベルでした。スタイリッシュな映像と評価できる範囲内だと思います。筋書きは、登場人物が結構多くて、保険金保証人で現金輸送業者も兼ねている人物クレアモントを中心にした、肝心の事件の概要が複雑なので、内容を正確に把握するのが難しかったですね。最後まで観続ければ、種明かしをしてくれるので、判るとは思いますが。とにかく、どうなる事やらと、最後まで目が離せない展開でした。出演者に関しては、主演のキーラ・ナイトレイが自慢の髪をバッサリとショートにしています。今迄の綺麗所のヒロインというイメージとは打って変わって、向こうっ気の強い姐さんという雰囲気がよく出ていました。個人的には、このショートヘアの方がキーラは似合うと思いましたね。違和感も全く無く、自然体でクールな女を演じきったという感じで、好印象です。ミッキー・ロークは、「シン・シティ」に続いてのご登場です。久し振りに準主役級の役で、確りと画面に出続けてくれた彼を観て、素直に嬉しかったですね。(「シン・シティ」でも重要人物の一人でしたが、特殊メイクで顔が判別できなかったので…。(^_^;))これからも渋いおじさん役で頑張ってほしいです。オマケ要素としては、「ビバリーヒルズ青春白書」にデビッドとスティーブ役で出演していた、ブライアン・オースティン・グリーンとアイアン・ジーリングが本人役で出てきます。初めはカメオ的チョイ役かと思いきや、結構出ずっぱりで、確り主要出演者の一人となっていました。役柄としては、思いがけず危険な事件に巻き込まれて、恐ろしい目に遭ってしまったという、ちょっぴりお気の毒な役です。クライマックスは、ラスベガスのストラストフィアー・ホテルのタワーでの決戦です。ここまで来たら、完璧にフィクションですよ。流石に、何処までやるんだ？と思いましたが、フィクションなら徹底的にフィクションに徹して、派手にやってくれれば良いので許しました(笑)。ラスト、エンドクレジットが出る直前に、ドミノ・ハーヴェイ自身が一瞬ですが画面に映ります。既に故人という事で、感慨深いものがありました。映画ではない彼女の実際の人生こそ、本当にスリリングなものだったのでしょうね。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 13, 2005

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  「ブラザーズ・グリム」(2005)　試写

  １１月、全国ロードショーです。"THE BROTHERS GRIMM" 監督・・・テリー・ギリアム 出演・・・マット・デイモン、ヒース・レジャー、ジョナサン・プライス、レナ・ヘディ、ピーター・ストーメア、リチャード・ライディングス、マッケンジー・クルック、ロジャー・アシュトン＝グリフィス、モニカ・ベルッチ、他。 ・物語序盤・１９世紀。フランスの支配下にあるドイツ。ウィルとジェイコブのグリム兄弟は、迷信を信じる田舎の人々を相手に、インチキの魔物退治をしながら、各地を転々と旅して周っていた。同じ頃、とある鄙びた村で、少女達が森の中で次々に失踪するという事件が起っていた。フランス軍の将軍は、グリム兄弟を詐欺などの罪で捕らえ、死刑を宣告したが、もしこの事件を解決すれば、免罪とすると言い渡した。果たして、村に向かうグリム兄弟だが、彼等はその事件も自分達と同様に、ペテン師が関わっていると信じ込んでいた。しかし猟師のアンジェリカの案内で、兄弟一行が踏み入った森の様子は、何処か異様な雰囲気だった。 テリー・ギリアム監督、実は私、あまり好みの監督さんではありません。名作と名高い作品も、そうでない作品も色々観ましたが、どれも今ひとつピンと来るものはありませんでした。要するに、相性が悪い人なんですよね。でも「ロスト・イン・ラマンチャ」を観て以来、「ドン・キホーテを殺した男」はもう撮らないのかなぁという気持ちはずっと持っています。相性は悪くとも、取り敢えず気には掛けているという感じです(笑)。さて、彼の久し振りの新作は、ドン・キホーテではなくて、グリム兄弟です。観ていて感じたのは、あまり癖の無い、割と万人受けする娯楽映画だなという事。ギリアム監督というと、結構癖が強い作品という印象があるのですが、これはそういう意味では、彼らしさを前面に押し出していない作品のように感じました。個人的に、ギリアム節が苦手な私は、逆に観易い映画で助かったのですが、熱狂的な信者からすると、少し物足りないかもしれませんね。これは、様々な童話を世に残したグリム兄弟が、実は本当に童話の世界のような冒険を体験していたという設定の下に作られた架空の物語です。ファンタジックであり、且つ、そこそこ笑いの要素も取り入れて、物語もテンポ良く進みと、観ていてとても楽しい映画でした。少しだけダークな描写もあるので、童話と言いつつも、ターゲットは飽く迄大人でしょうね。気になったのは、マット・デイモンの容姿。最近はわりとカッコいいかもと認識を改めつつあったのですが、この映画を観て、やっぱりマットはブサイクだ…と思いました(笑)。くりくりの金髪が全然似合っていなくて、ブサイクに拍車を掛けていたと思います。更に衣装のせいか、とても太って見えました。アメリカではイイ男として持て囃されているようですが、この映画を観る限り、イケメン君には程遠いぞ、マット。しかし、取り敢えず、映画は面白かったので満足しています。魔女役のモニカ・ベルッチも綺麗でしたし。良かった…、イタリアの宝石、今回は綺麗に撮ってもらえてて。(^_^;)映像の美しさや迫力を感じてほしいので、是非映画館でご覧下さい。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 12, 2005

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  「蝋人形の館」(2005)　試写

  １０／２２(土)より全国ロードショーです。"HOUSE OF WAX" 監督・・・ジャウム・コレット＝セラ出演・・・エリシャ・カスバート　Elisha Cuthbert カーリー・ジョーンズ チャド・マイケル・マーレイ　Chad Michael Murray ニック・ジョーンズ ブライアン・ヴァン・ホルト　Brian Van Holt ボー／ヴィンセント パリス・ヒルトン　Paris Hilton ペイジ・エドワーズ ジャレッド・パダレッキ　Jared Padalecki ウェイド ジョン・エイブラハムズ　Jon Abrahams ダルトン・チャップマン ロバート・リチャード　Robert Ri'chard ブレイク ・物語序盤・カーリーやペイジ達若者六人は、フットボールの試合を観戦する為、二台の車で長距離をドライブしていた。日が暮れたので、途中でキャンプをする六人。しかしそこは酷い悪臭が時折漂ってきたり、怪しげな車がやってきたりと、不気味な場所だった。そして深夜、何者かによって、一台の車がファンベルトを切られて故障させられる。カーリーとウェイドは通り掛った怪しげな男に、近くのアンブローズという街までトラックに乗せてもらい、残りの者達はスタジアムへ向かう事になった。何とか小さな田舎町に着いた二人だったが、そこはひっそりと静まり返って、全く人の気配を感じない場所だった。そして街の中心には、閉鎖されてはいるが、立派な蝋人形館があった。33年と53年に映画化された猟奇ホラー「肉の蝋人形」を現代風にアレンジして再リメイクした作品。予備知識無しで行ったので、てっきり低予算の三流ホラーだとばかり思っていました。制作があのダークキャッスルの作品だったのですね。ダークキャッスル制作作品と言うと、回を重ねる毎に、本来のホラーから離れて、おちゃらけたイメージの作品になってゆく傾向が見受けられましたが、今作は正統派です。流行のジャパニーズ・ホラーなどとは全く異なる、直球ど真ん中の昔懐かしいアメリカン・ホラーです。オタク的プロダクション制作という事で、ぱっと見はそんなに派手ではないのですが、何気にお金が掛かっています。舞台になるアンブローズという町ごとセットで作り上げています。そしてメインとなる大量の蝋人形達と、何処もかしこも蝋で作られた館。詳細は書けませんが、ラストは一大スペクタクルでしたよ。俳優陣は然程有名な人材は起用していません。これから伸びるか消えるか、という感じの若手俳優ばかりです。主演はＴＶシリーズの「２４」に出演したエリシャ・カスバート。そして彼女の双子の兄役にチャド・マイケル・マーレイ。ヒルトンホテルの令嬢で、プライベートで何かとお騒がせのパリス・ヒルトンも本格的映画デビューという事で出演しています。本国では「パリスの死に様を見ろ」というロゴの入ったＴシャツを販売した所、バカ売れしたとか。彼女の絶叫と見事な死にっぷりを是非ご覧下さい(笑)彼女だけでなく、他の仲間６人もかなり痛い目に遭っています。観ていて、思わず心中で「痛～っ！」と身が竦んでしまう事も幾度か。痛々しいシーンはふんだんに用意されていますので、そっち方面が大好きな方はお楽しみに。次から次へと追い掛け回され、無残に殺されてゆく若者達。キャーキャー、ワァワァと始終楽しいホラーでした。殺人鬼の不死身ぶりは、お約束という事で笑って許しますが、いつも何故そこでトドメを差さない？と歯がゆい思いをしているのは、私だけではない筈ですよね？(^^ゞ残酷表現が苦手でなければ、これはかなりオススメの娯楽ホラーです。面白かった～。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 11, 2005

• 来週は試写会通い

  最近、めっきり気力を失い、日記更新も滞りがちでございます。来週は試写会に通い、感想をアップしまくりたいと思います。体力がもつか心配…。以下、試写予定作品。「蝋人形の館」http://wwws.warnerbros.co.jp/houseofwax/「ブラザーズ・グリム」http://www.b-grimm.com/「ドミノ」http://www.domino-movie.jp/index02.html「コープス・ブライド」http://wwws.warnerbros.co.jp/corpsebride/会場で挙動不審の輩を見掛けたら、それはきっと私です。声を掛けてやって下さい(笑)。

  Oct 9, 2005

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  「バティニョールおじさん」(2002・仏)

  "MONSIEUR BATIGNOLE" 監督・・・ジェラール・ジュニョ出演・・・ジェラール・ジュニョ　Gerard Jugnot エドモン・バティニョール ジュール・シトリュク　Jules Sitruk シモン ミシェル・ガルシア　Michele Garcia ジャン＝ポール・ルーヴ　Jean-Paul Rouve アレクシア・ポルタル　Alexia Portal ↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 8, 2005

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  「ラウンダーズ」(1998)

  "ROUNDERS" 監督・・・ジョン・ダール出演・・・マット・デイモン　Matt Damon マイク・マクダーマット エドワード・ノートン　Edward Norton ワーム ジョン・タートゥーロ　John Turturro ジョーイ・クニッシュ ファムケ・ヤンセン　Famke Janssen ペトラ グレッチェン・モル　Gretchen Mol ジョー ジョン・マルコヴィッチ　John Malkovich テディーＫＧＢ マーティン・ランドー　Martin Landau ペトロフスキー マイケル・リスポリ　Michael Rispoli グラマ ゴラン・ヴィシュニック　Goran Visnjic ・物語序盤・マイク・マクダーマットはニューヨークで法学部に通う大学生。しかしその素顔は、根っからの天才ギャンブラー。毎日闇のカジノに出掛けては、ポーカー・ゲームに明け暮れている。ある晩、彼は闇カジノを仕切るロシアン・マフィアのテディーＫＧＢ相手に大勝負に出るが、大敗して有り金全てをすってしまう。これを機に二度とポーカーはやらないと、真面目に勉学と配達のバイトに励むマイク。だが彼の親友ワームが刑務所から出所したのを境に、またポーカーに手を出してしまう。ワームはイカサマ師で金遣いも荒く、マークの名前で借金を繰り返していた。 ポーカー、時々遊びでやったりしますが、本格的なルールは全く理解していません。チップの賭け方が複雑で、じっと食い入るように観ていたのですが、結局よく分からず…。でもこの映画、ポーカーの事は詳しくなくても、退屈するような映画ではありません。対戦相手の表情や癖などから、相手の手札を読んでしまう知的なギャンブラーを、マット・デイモンが好演しています。知的で基本的に真面目な役は、彼に嵌りますね。ギャンブラーですが、ちゃらんぽらんではなくて、トップを目指す向上心を持っている青年です。対する相棒のワームは、対照的なタイプ。ポーカーの腕は良いのですが、すぐにイカサマを使って楽に勝とうとする。金に対しても好い加減で、親友を保証人に勝手に多額の借金を作ってしまいます。観ていると、何故マット・デイモンが、エドワード・ノートンの為に、必死で金策に走っているのか納得が行きませんでした。確かに危険な相手に借金をしているので、名前を使われたという関係だけでも、自分の命に関わる大問題なのですが。もう少し張本人のワームが頑張れよという感じ。あちこちで足を引っ張っているお荷物に見えました。マイクの宿敵テディーＫＧＢには、ジョン・マルコヴィッチが当たっています。ロシア訛りの英語で、闇カジノのオーナーを演じていました。最初に彼に大負けしておいて、最後のシーンで再度彼に挑戦するという設定が良かったですね。まさに宿命の対決という雰囲気で。街を一人去ってゆく静かなラストシーンも、渋めの演出で良かったと思います。それにしても大学の恩師は親切でしたね。窮地に追い込まれた生徒に大金を貸してくれるのですから。羨ましい人脈です。ポーカーの心理戦が巧みに描かれていて、なかなかの佳作だと思いました。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 7, 2005

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  「ARAHAN　アラハン」　(2004・韓国)

  １０／２２(土)より全国ロードショーです。"ARAHAN" (阿羅漢)監督・・・リュ・スンワン アクション監督・・・チョン・ドゥホン出演・・・リュ・スンボム、ユン・ソイ、アン・ソンギ、チョン・ドゥホン、ユン・ジュサン、キム・ヨンイン、ペク・チャンギ、キム・ジヨン、イム・ハリョン、他。 ・物語序盤・警察官のサンファンは、職務熱心で正義感の強い青年。しかし喧嘩は滅法弱く、ヤクザ達にボコボコに伸されてしまう。一方、引ったくり犯を追い掛けていた武等家の女性イジンは、犯人に向けて発した技を誤ってサンファンにぶつけてしまい、彼を失神させる。サンファンは、イジンの住む道場に運ばれて手当てを受ける。そこには“七仙”と呼ばれる五人の怪しげな達人たちが居た。彼等はサンファンの中に、人並はずれた“気”を見出す。どうしても喧嘩で強くなりたいサンファンは、この“七仙”に弟子入りし、修行を始めた。その頃、元“七仙”の一人で、かつて戒律を破った為に地下に封印されていた邪悪な拳の達人フグンが、人知れず復活していた。彼は強大な力を手に入れるのに必要な"印"を求めて、“七仙”達を倒してゆく。 監督のリュ・スンワンは、主演リュ・スンボムの実兄。観る前はおバカ系全開のカンフー映画かなと予想していました。チャウ・シンチー監督の「カンフーハッスル」の韓国版みたいな感じ。でも実際に観てみると、結構シリアスな物語でした。確かにアホアホな部分も多々あります。でも基本的に雰囲気はシリアス。何ともジャンル分けに困惑する映画ですね。これが韓国流カンフーだという事でしょうか。主役のサンファンを演じるリュ・スンボムは、お世辞にもイケメンとは言いがたいタイプのお顔立ちです。韓流ブームでイケメン俳優達に群がっているオバサマ達には、あまりウケなさそう…。コメディもやれて、アクションもそこそこやれる俳優という事で、演技派・個性派俳優として頑張ってくれそうな予感です。女剣士役のユン・ソイは、この映画でスクリーンデビューしたそうです。この映画の為にハードなトレーニングを行ったとか。でもとっても細い子だなぁというのが、私の印象でした。個人的にお気に入りは、悪役フグン役でアクション監督も務めているチョン・ドゥホン。明らかに他の俳優とは体の作りが違うので、その道のプロだと判ります。さり気無く見せてくれる見事な筋肉美が素敵でした(笑)。ストーリーは最後まで観ても、判ったような判らんような、何だか納得いかないものでした。結局、何がしたかったんだろう？ちゃんと観ていなかった私が悪いのでしょうが…笑。まあ、普通に面白かったです。暫くしたらすっかり記憶から消えてしまいそうですが。(^_^;)↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Oct 4, 2005

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  「チャイルド・プレイ／チャッキーの種」(2004)

  全国主要都市で順次公開中です。"SEED OF CHUCKY" 監督、脚本・・・ドン・マンシーニ　出演・・・ジェニファー・ティリー、レッドマン、ハンナ・スピリアット、ジョン・ウォーターズ、トニー・ガードナー、他。出演(声)・・・ブラッド・ドゥーリフ、ジェニファー・ティリー、ビリー・ボイド・物語序盤・イギリスのとある見世物小屋。凶暴なニセ腹話術師に拾われ、毎日虐待を受けている人形シットフェイス。心優しく穏やかな彼(?)は何故か、毎晩残虐な殺戮の夢に悩まされていた。そんなある日、シットフェイスは、テレビ番組でチャッキーとティファニーをモデルにした殺戮人形の都市伝説が、ハリウッドで映画化されるというニュースを知る。腕に彫られた"made in Japan"の同じ文字を見て、チャッキー達が自分の両親であると確信したシットフェイスは、小屋を逃げ出し、飛行機でハリウッドにやって来た。長き眠りについていたチャッキーとティファニーは、ブードゥー教の呪文で蘇る。自分達が親子だと知って、感動の対面をする三人。しかし我が子を挟んで、チャッキーは男の子でグレンという名に、ティファニーは女の子でグレンダという名にすると言い張り、二人は言い争いを始める。 連続殺人犯の魂が乗り移った人形チャッキーが、殺戮を繰り返すシリーズの第５作目。過去の作品は以下の通りです。「チャイルド・プレイ」(1988) 「チャイルド・プレイ２」(1990) 「チャイルド・プレイ３」(1991) 「チャイルド・プレイ／チャッキーの花嫁」(1998) 帰ってきました、チャッキーです。前作で登場した妻のティファニーと共に。そして今作では、なんと二人の子供まで登場。私、このシリーズって、どれを観たか曖昧なのですが。一作目と四作目は確実に観ています。と言っても、随分前の話なので、内容はおぼろげです。今回観て思ったのですが、チャッキーって、一作目はもう少しシリアスなホラーじゃなかったかしら？もう少し真面目に怖かったと思ったのですが。勘違いかな…。とにかく、この「チャッキーの種」はホラーではなく、スプラッタ・コメディです。皆さん、どうぞ存分に笑って下さいという感じでした。ジェニファー・ティリーは前作からの続投なんですね。ティファニーの声をジェニファー・ティリーが演じている事は、この映画を観るまで知りませんでした。二流女優に甘んじているジェニファーの自虐ネタが笑えます。ジェニファー・ティリーと言えば、世間的には「バウンド」が代表作なのですが、これを観て、今後は代表作を「チャッキーの種」と考えを改める事にしました。それ位、プライドをかなぐり捨てて演技してくれています。お世辞にも、もう若くない年で、顎の辺りにもお肉がぶらついてきているのですが、それがどうしたと、全身の肉をゆさゆささせながら、「ギャアギャア」喚き散らしております。よく頑張った、ジェニファー。どんなＢ級映画でも全力投球。それでこそ女優だ。チャッキーらしいスプラッタを期待している方の期待も裏切りません。序盤から見事に血塗れ状態です。首は飛ぶ、内臓ははみ出す、顔は解ける、黒焦げ死体は転がる、と殺戮人形達がやりたい放題。ちなみに首がぴゅーっと飛ぶ被害者さんは、映画で特殊効果を実際に担当しているトニー・ガードナーさんという事です。他にもチャッキー・ファンの映画監督ジョン・ウォーターズがパパラッチ役で特別出演。人気ラッパー、レッドマンも実名で出演しています。ネタ的にも、過去のホラー作品をパロディにしており、ホラーファンは笑えます。監督はこのシリーズの脚本を全て手掛けていたドン・マンシーニ。シリーズを知り尽くしているだけあって、料理はお手の物といった感じでしょうか。人形のくせに子供まで作っていたという設定からして、バカバカしいのですが、この映画の場合は、そのくだらなさに逆らわずに楽しむべきですね。子供のグレン・グレンダの役柄の設定は、よく考えられています。また人形達の心の葛藤(？)のドラマもなかなか上手い。もう何も言わずに、Ｂ級ホラーファンの方、陽気に楽しんで下さい。　↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 30, 2005

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  「セブンソード」(2005/香港)試写

  １０／１(土)より全国ロードショーです。"SEVEN SWORDS""七剣" 監督・・・ツイ・ハーク(徐克)アクション監督・・・ラウ・カーリョン原作・・・リャン・ユーシェン『七剣下天山』 出演・・・レオン・ライ、ドニー・イェン、チャーリー・ヤン、スン・ホンレイ、ルー・イー、キム・ソヨン、ラウ・カーリョン、チャン・チンチュー、ダンカン・チョウ、タイ・リーウー、パイ・ピアオ、チー・クワンチュン、ホアン・ペン、マイケル・ウォン、他。 ・物語序盤・1660年の中国。漢民族の明朝が倒れ、満州人の建てた清朝が中国全土を支配し始めた頃。漢民族の中には、満州人による支配を快く思わず、反乱を起こそうと企てる者も多かった。これに対して清朝は、国民に武術を学ぶ事を禁止する"禁武令"を発して、武術家達を死罪に処していった。しかし現実は更に過酷で、清朝から出る報奨金の為に、風火連城を大将とする軍勢が、全く無関係の村人を惨殺して回る蛮行が横行していた。かつて明朝で処刑人を務めていた武術の達人・傳青主は、かつては風火連城の仲間であったが、これを見かねて、非力な人々を救おうと決意する。傳は青年剣士の韓志邦と女侠の武元英を伴い、伝説の刀匠・晴明大師が住むという神秘の山“天山”へと向かう。傳の救援の要請に応えて、晴明大師は４人の弟子、楚昭南、楊曇、穆郎、辛龍子と、それぞれ異なる力を発揮する英知・攻撃・防守・犠牲・結束・剛直・均衡の七本の剣を授ける。彼等は“七剣”となって、村を守り、野蛮な清軍に戦いを挑む事に。 先ず第一に、アジア系の俳優に疎い私は、誰が誰やら判別するのに、かなり苦心しました。配役名も全然覚えられないし…。七人の剣士で、似ている人は頭の中でごっちゃになっていました。ゴメンナサイ。しかしこちらの理解力不足は差し引いても、何だか訳の判らないお話でしたよ。根本的には単純な筋書きなのですが、ドラマ面がどうもねぇ…。それより前に、「ＨＥＲＯ」「ＬＯＶＥＲＳ」に続く第三弾という宣伝文句は何とかなりませんか？どう考えても、観客を誤解へと誘導しているし…。監督も違うし、内容も全然違う部類の映画だと思いました。アクション映画のわりに、全体的に緩慢な印象の映画でしたね。アクション・シーンはよく撮れていると思います。敵の将軍クラスの連中は、殆ど漫画みたいなキャラクターで、有り得ない技を使ってくるのですが、それはそれで面白かったと評価します。観ていて、香港映画も日本の漫画に毒されてきたなぁとは思いましたが。違う？元々香港てこんなテイストだったかな？敵の大ボスも矢鱈から笑いしていて、変なキャラクターを強調していましたよね。観ていて、漫画みたいと思ったのですが…。個人的には、円月刀みたいな刀を持った女将軍のルックスが好きでした。この映画の問題点は、上映時間が長い割に、ドラマが描けていないという事でしょうか。香港映画らしいなとは思いましたが、それぞれの場面がぶつ切れで説明不足です。もう少し俳優達にゆっくりと語り合わせ、ドラマに深みと余韻を持たせれば、こちらも感情移入できるのに、ただバタバタと場面だけを繋ぎ合わせて、話を進めようとしています。この辺は国民性の違いに起因しているのでしょうね。日本人的感覚からすると、重要人物の背景や心理描写はもっと丁寧に描いて然るべきだと思うのですが。とにかくドラマ・パートがだるくて、中途半端に挿入するなら、いっその事大幅にカットして、中核の物語だけに焦点を当てれば、テンポも良いのにと感じました。アクション・シーン以外の見所としては、女優さん達が可愛い事ですかね(笑)女剣士から高麗の囚われ人まで、何人かの主要な役柄で女優さん達が出でいるのですが、皆さんそれぞれ綺麗です。緑珠役のキム・ソヨンさんが特に美人で見蕩れてしまいました。総評としては、アクションは見応えがあったけれど、筋書きはだらだらしていて盛り上がらない映画だったなぁ、という感じでしょうか。 ↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 29, 2005

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  「ステルス」(2005)　試写

  １０／８(土)より全国ロードショーです。"STEALTH" 監督・・・ロブ・コーエン　Rob Cohen 出演・・・ジョシュ・ルーカス　Josh Lucas ベン・ギャノン ジェシカ・ビール　Jessica Biel カーラ・ウェイド ジェイミー・フォックス　Jamie Foxx ヘンリー・パーセル サム・シェパード　Sam Shepard ジョー・モートン　Joe Morton リチャード・ロクスバーグ　Richard Roxburgh イアン・ブリス　Ian Bliss ・物語序盤・近未来のアメリカ。海軍では極秘にテロ対策プロジェクトが進められ、ベン、カーラ、ヘンリーの３人のパイロットが、多くの候補者の中から選抜された。彼らは最新のステルス戦闘機に乗って厳しい演習に取り組み、やがて空母へ乗艦することに。すると、３人には突然新しい仲間が加わることが告げられる。その４人目のパイロットとして姿を現わしたのは、“エディ（E.D.I.）”と呼ばれる最新鋭の人工知能を搭載した無人ステルス機だった。戸惑う３人を尻目に驚異的な能力を見せつけるエディ。しかし着艦時に落雷を受けたエディの中で、少しずつ異常事態が進行し、エディは独自の思考で暴走を開始するのだった。 感想の前に。試写会には特別ゲストとして、テレンス・リーさんが来場されました。個人的には、テレンス・リーって誰？状態。事前にネットで検索したら、元傭兵だそうです。しかも外人名なのに、日本人かいっ！傭兵時代のコードネームという事でした。ステルス・ギャルズというセクシーなお姉ちゃん二人と共に登場して、トークしまくりでしたが、もう少し有名なゲストを呼んでくれ…。さて、映画の方ですが。なんとも微妙な内容でしたね。想像していたような筋書きとは全く違う方向に話が進んで行きました。私が想像していたのは、多分、多くの方が同じ様に想像されていると思いますが、自我を持ったステルス戦闘機が暴走して、世界もしくはアメリカを危機に陥れ、それをエースパイロット達の操縦するステルス戦闘機が激闘の末に撃墜する、というようなものでした。予告編から普通、そう考えてしまいますよ。でも実際は、かなり違いました。ネタバレになってしまうので、詳しくは書けないのですが、“エディ（E.D.I.）”の暴走ぶりが拍子抜け。人間の脅威になる所か、終盤に掛けては、すっかりいい奴で。メインストーリーも、途中から戦闘機ではなく、人間の方に移ってしまい、何故そっちへ流れてしまうんだろう？ととても違和感がありました。ヒロインの戦闘機が撃墜されて、落ちた先が北朝鮮という、なんとも陳腐な設定で…。"敵国"の領土内に入ってしまった彼女は、北朝鮮の軍隊に追われて、それをヒーロー、ベンが陰謀に巻き込まれつつも、単独で救出しに行くという筋書きなのですが。ちなみに、もう一人のパイロット、ヘンリーは呆気なく消えます。あれがわざわざジェイミー・フォックスに演じさせる役なのでしょうか？他、三人が戦闘機に乗っていない場面が、だらだらとテンポが悪く、不要な気がしました。プライベートな部分も描きたかったのかもしれませんが、それにしては単に遊び呆けているという印象しかなくて…。とにかくラストまで何じゃこりゃという感じの脱力系ムービーなのですが、一応見所としては、戦闘機の戦闘シーンでしょうね。火薬の量も多くて、爆破シーンは楽しめました。戦闘機が飛び交うシーンは、正直言うと、少し早すぎて見づらかったのですが、スピード感はあって、そこそこスリルは感じました。ちなみにエンドロール後に、ワンシーンありますので、最後まで席を立たれませんように。と言っても、私はこれを見て、更に脱力しましたけど。陳腐すぎるぜ…。「はぁ、然様で。だから？」って感じでした。戦闘機のアクションを観たい人には、映像的に楽しめるかもしれませんが、ストーリーはツッコミ所満載の超好い加減Ｂ級映画です。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 24, 2005

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  「０：３４　レイジ ３４ フン」(2004・英/独)

  "CREEP" 監督、脚本・・・クリストファー・スミス出演・・・フランカ・ポテンテ　Franka Potente ケイト ショーン・ハリス　Sean Harris クレイグ ヴァス・ブラックウッド　Vas Blackwood ジョージ ジェレミー・シェフィールド　Jeremy Sheffield ガイ ポール・ラットレイ　Paul Rattray ジミー ケリー・スコット　Kelly Scott マンディ ケン・キャンベル　Ken Campbell アーサー ・物語序盤・イギリス、ロンドン。ケイトはファッション業界で働くキャリア・ウーマン。パーティーで、彼女に気のある素振りのガイをからかったり、友人等とお喋りをしたりして盛り上がっている。その夜彼女は、友達と一緒にジョージ・クルーニーの潜伏先を訪ねる予定だった。しかし何の手違いか、その友人は先にタクシーで帰ったと言う。諦めきれないケイトは、地下鉄のチャリング・クロス駅に走る。何とか終電の時刻に間に合ったものの、酔っていたせいで居眠りをしてしまい、気が付いた時には無人のホームに独りきり。駅の出入り口には鍵が掛けられ、呼んでも誰も居ない様子だった。するとその時、もう来る筈の電車がホームに到着する。助かったと安堵して、その電車に駆け込むケイトだったが…。 エグくてグロくて、血塗れの映画でした～。Ｂ級ですけど、ジョットコースター的ホラーとしては、そこそこ面白く出来ていたと思います。始まりは不気味です。終電時刻を過ぎてしまった真夜中の駅。ホームも構内も無人で、助けを呼んでも応答は無い。出入り口には頑丈な鍵。その一歩外には、普通の街が広がっている筈なのに、そこへ行く事が叶わないもどかしさ。自分も以前、不注意で終電をホームにて乗り過ごした経験があったので、ヒロインの憔悴はひしひしと感じました。そしてそこへ来る筈の無い電車がやって来る。飛び乗って、一息吐いたのも束の間、電車は停車したまま動かなくなる。運転席に呼び掛けても、中からは誰も応えない。それもその筈、運転手は既に殺害されていたのだから…。その後、ヒロイン・ケイトにしつこく迫っていた男ガイも、彼女をつけて同じ電車に乗っていた事が判るのですが、この辺は変な設定で、軽くツッコミ入れときましょう。ラリッているガイは、ケイトをレイプしようとしますが、暗闇に引き摺り込まれてしまいます。どうやら、この地下鉄には、恐ろしい何かが居るらしい…。結局の所、お定まりの奇形人間という所で片付けてしまったのは、ちょっと安直で残念だったかな。しかも最後まで、彼についての説明は何もありません。誰なんだよ、お前は？て言うか、正体が判明するまでの怪力ぶりは何処へ行ったのという感じの、力の無さは何よ？一人持ち上げるのも必死って感じでしたよ。全体的に流血が多くて気持ち悪い映画なのですが、特に厭だったのは、駅に住んでいるホームレスの女性マンディが殺されるシーン。やけに前置きが長くて、否応無くこれから起る残虐場面を想像してしまいます。流石に肝心な部分は、カメラを移動させて映しませんでしたが、やっている事は判るので、うげげ…となってしまいました。何故彼女だけ、あんな残酷な殺され方をしたのかなぁ…。フランカ・ポテンテは相変わらず、よく走りますね(笑)「ラン・ローラ・ラン」の時より随分老けた印象でしたが、逃げ惑って走る走る。冷静に考えると、ツッコミ所も沢山あるのですが、観ている時はとテンポが途切れないので楽しんで観られました。ラストはヒロインと一緒に自分も疲れ果てて笑ってしまいました。しかし止まったままの電車とか、何処へ消えたんだろう？次の朝はパニックになっていると思うけど。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 23, 2005

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  「ＳＨＩＮＯＢＩ」(2005・日本)

  監督・・・下山天 アクション監督・・・下村勇二 原作・・・山田風太郎『甲賀忍法帖』 出演・・・仲間由紀恵、オダギリジョー、黒谷友香、椎名桔平、沢尻エリカ、りりィ、寺田稔、坂口拓、升毅、虎牙光揮、木下ほうか、伊藤俊、三好健児、石橋蓮司、松重豊、永澤俊矢、北村和夫、他。 ・物語序盤・戦国時代が終わり、徳川家康が天下を統一し、太平の世へと向かいつつある頃。忍者の二大勢力を誇った伊賀と甲賀は、初代・服部半蔵が定めた掟により長きに渡って互いに接触する事を禁じられてきた。戦国の世で暗躍していた忍者達も、戦いの無い世界では無用の長物となりつつあった。それでも彼等は、各々の里で、日々忍としての鍛錬に明け暮れていた。ある日、それぞれの里の跡取りである伊賀の朧と甲賀の弦之介は、互いの身分を知ることなく出会い、運命的な恋に落ちる。これからは争い合う世ではなくなると、二人は密かに将来を誓い合うが、運命は皮肉にも暗転する。尋常ではない忍者達の技が、太平の世にとって災いとなると判断した家康は、伊賀と甲賀に過酷な指令を出す。それは、伊賀甲賀それぞれの精鋭５人を戦わせ、どちらが生き残るかによって、次期将軍を決するというものだった。その中には、朧と弦之介も含まれていた。 なかなか面白かったですよ。真面目に作ってある所が好印象でした。風景も綺麗でしたし、色彩も美しかったと思います。原作を知らないので、どの辺をどうアレンジしてあるのか全く判りませんが、上手く纏めていたと思います。一番の見所は戦闘シーンでしょうね。有り得ない忍術を使って戦う忍の精鋭達。人間業は超越して、超能力の域に達しています。真剣に考えると、ツッコミ所なのかもしれませんが、ワイヤーやＣＧを駆使して、見栄え良く見せていたので、どちらかと言えばカッコいいぞ～と楽しめました。欲を言えば、選ばれた精鋭十人の死闘を、もっと長く観られれば更に良かったのですが。折角超人的な技を持っているのに、出てきた途端に死んでしまう人も居て、呆気ない部分も多かったです。個人的に好きだったのは、坂口拓さん演じる夜叉丸と、椎名桔平さん演じる薬師寺天膳。夜叉丸は多分、自分の髪を自在に伸ばして、敵を封じていたんだと思いますが、坂口拓さんが能面のようなお顔ながら、なかなか美形で素敵でした。元々武術に通じていて、アクションは得意な俳優さんのようですね。椎名桔平さんは、白い長髪と化粧がやけに似合っていました。あんなメイクが似合うのは、元が美しい証拠ですよね。役どころは三百年も生きている不死身の忍らしいです。その割には死に方が意外に呆気なくて、また復活して出てくるんじゃないかと、ずっと思っていました(笑)悲恋の主役である仲間由紀恵さんとオダギリジョーさんは、相変わらずの棒読みで、上手いのか下手なのか微妙な演技を披露していました。御免なさい。でも私、お二人とも大好きですよ。余談ですが、オダギリジョーさんて、渡米して演技のメソッドを習ったらしいですね。それであれかい…って、再度失礼しました(汗)。でも高速で敵を斬るシーンは決まってましたよ。その後、うぉーっと叫んだ時は、かなり引きましたが…。朧の瞳から繰り出す技も、人知を超えたもので凄かったです。しかしメインテーマである筈の二人の悲恋については、殆ど何も感じなかったですね。それよりとにかく、もっと忍者達の活躍を堪能したかったです。映画の時間が短めだったので、その辺を継ぎ足しても良かったと思うのですが。でも全体的には娯楽として充分楽しめました。ついでてすが、ハリウッドリメイクの話が持ち上がっていますね。絶対に変な勘違い映画になると思うので、やめてほしいです…。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 22, 2005

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  「シン・シティ」(2005)　試写

  １０／１(土)より全国ロードショーです。"SIN CITY" 監督・・・フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ（スペシャルゲスト監督） 原作・・・フランク・ミラー 出演・・・ジェシカ・アルバ、ロザリオ・ドーソン、イライジャ・ウッド、ブルース・ウィリス、ベニチオ・デル・トロ、マイケル・クラーク・ダンカン、カーラ・グギーノ、ジョシュ・ハートネット、マイケル・マドセン、ジェイミー・キング、ブリタニー・マーフィ、クライヴ・オーウェン、ミッキー・ローク、ニック・スタール、マーリー・シェルトン、アリ・ヴァーヴィーン、デヴォン青木、アレクシス・ブレーデル、ルトガー・ハウアー、他。 ・物語序盤・警官のハーティガンは、連続少女強姦殺人事件の犯人を追っていた。犯人はロアーク上院議員の息子ジュニアで、やりたい放題をしても誰も手が出せなかった。ハーティガンは、新たな被害者となりつつある少女ナンシーを犯人の手から救い出す。しかしその際、裏切った相棒ボブに銃で撃たれて瀕死の重傷を負う。一方、ゴールディーという美女と一夜を共にした、醜悪な巨漢マーヴは、目覚めた時、彼女が遺体となっているのを発見した。その犯人として、濡れ衣を着せられながらも、ゴールディーの敵を討とうと心に誓うマーヴ。事件の背後には、ロアーク上院議員の兄で大物の枢機卿ロアークが居た。そして彼の庇護下で異常な殺人を続けている殺人鬼ケビン。マーヴは少しずつ、事件の真相に近付いてゆくが…。 原作はフランク・ミラーのアメ・コミです。 ゲストのタランティーノ監督のギャラは＄１なんですって。撮影したのは１シーンのみ。何処だか分かりますか～？私はよく分かりませんでした…。(-_-;)この映画、全てのシーンをグリーンバックで撮影して、その後背景を付けたそうです。何も無い所で演技をしていた俳優さん達は、自分の気持ちを盛り上げるのに大変だったでしょうねぇ。そこは皆さんプロなので、観客側は違和感無く観られましたが。全編白黒の画面に、時折一色の色を付けたりする独特の画像で、ハードボイルドな"シン・シティ"の雰囲気を上手く表現していたと思います。とにかく、通常の映画何本分？というほどの豪華な顔触れで、観る前から、どんな風に仕上がっているのだろう？という期待と、あまりにキャストが多すぎて、纏まりの無い映画になっているのではないかという不安で、複雑な思いでした。結論から言うと、キャストの多さは、物語の構成のお蔭で、上手く整理されていました。普通の映画なら主役級の人達が、ごろごろと登場するのですが、どのキャラクターも確りと描かれていて、印象に残りました。それも前述した、特殊な構成の結果です。このお話、一気に全てのキャラクターを出すのではなく、物語を独立した３本のストーリーに分割しています。正確に言うと、その３本をジョシュ・ハートネットの出演するプロローグとエピローグで挟んでいるのですが。一話目は、ミッキー・ローク演ずるマーヴの復讐劇。二話目は、クライヴ・オーエン演ずるドワイトが娼婦街を守る為に戦う話。三話目は、ブルース・ウィリス演ずるハーティガンとかつて彼に命を救われた少女ナンシーとの物語。こんな具合に、これはシン・シティという無法地帯で繰り広げられるお話を、オムニバス形式で描いた映画なのです。という訳で、観客側は頭を混乱させる事もなく、全てのキャラクター達を把握する事ができます。この方式が良いのか悪いのかは、観る人の好みによりますね。個人的には、特に凄く好きな映画でもなかったですが、悪くもなかったという感じでした。一言で言えば、映像は独特で良かったけれど、内容は思いの他"普通"だったなぁという所です。(だって、もっと刺激的でぶっ飛んでると期待していたんですもの～。)それでもアクション・シーンは見た目に楽しかったですよ。血が飛び散るシーンなども多かったのですが、如何にも蛍光塗料ですという血なので、残虐さは感じません。残酷な描写が苦手な人も、コミック感覚で観られるのではないでしょうか。その他、感じた事は、モノクロ映像だったせいもありますが、俳優の顔が識別し辛かったですね。ミッキー・ロークなどは特殊メイクで、殆ど別人状態でした。ベニチオ・デル・トロもどうしようもない悪人で、これがトロ様？と思ってしまいました。イライジャ・ウッドのサイコ・キラー役も、「指輪」のイメージとは掛け離れていましたね。女優で気に入ったのは、デヴォン・青木。ミホという娼婦兼刺客という役どころでしたが、剣を手に戦う姿が決まっていました。因みにこの剣、「キル・ビル」でユマ・サーマンが使っていた剣という事です。取り敢えず、非常に癖のある独特な映画なので、その評価はどうあれ、観る価値はあると思います。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 19, 2005

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  「がんばれ！ベアーズ　ニュー・シーズン」(2005)　試写

  ９／２３(金)より全国ロードショーです。"BAD NEWS BEARS" 監督・・・リチャード・リンクレイター出演・・・ビリー・ボブ・ソーントン、グレッグ・キニア、マーシャ・ゲイ・ハーデン、サミー・ケイン・クラフト、ジェフリー・デイヴィス、ティミー・ディータース、ブランドン・クラグス、カルロス・エストラーダ、エマニュエル・エストラーダ、他。・物語序盤・モリス・バターメイカーは、かつてはマリナーズのピッチャーとしてメジャーリーグのマウンドを経験した事もある人物。だが、現在は害虫駆除の仕事をしながら、酒浸りの日々を送っていた。そんな彼に、少年野球チームのコーチの依頼が舞い込む。単に報酬目当てで全くやる気は無かったが、それに輪を掛ける様に、彼の任された"ベアーズ"は最低なチームだった。メンバーはそれぞれ個性的だったが、野球の技術は素人以下。誰一人、まともに野球をプレイできる者は居なかった。リーグ初戦では、大量失点で試合を途中放棄する有様。見かねたバターメイカーは、自分の好い加減な態度を改め、彼らに野球を教える決心をする。そして剛速球を投げる娘のアマンダを、ピッチャーにスカウトし、半ば無理矢理チームに参加させる事に。 ウォルター・マッソー、テイタム・オニールの主演で大ヒットした「がんばれ！ベアーズ」(1976)をリメイクした作品。懐かしいです、と言うと、年がバレるのですが(笑)オリジナルを楽しんだ一人です。今回リメイクされたと聞いて、ちょっと意外でしたね。ハリウッド、余程ネタが無いのかなと。(^_^;)正直な話、リアルタイム世代としては、"ベアーズ"は永遠に昔のままのイメージでそっとしておいてほしかったんです。しかし映画オタクとして、観られる映画は観ておかねばなりませんので(笑)、どんな風に料理されているか確認してまいりました。観ていてずっと浮かんでいたのは、「ベアーズって、もっと面白い映画じゃなかったっけ？」という思い。もっと子供達が活き活きと描かれ、物語もワクワクするものだった筈。オリジナルを観たのが随分以前になるので、細かい筋書きは忘れてしまいましたが、何か別物を観ているような錯覚に陥りました。帰宅してから、オリジナルの荒筋を調べてみましたが、殆ど同じである事が判明しました。では、あの当時、心から楽しいと思えた気持ちと、今日感じた物足りなさは、どの辺りの差異から生じたものなのだろう？私なりの答えとしては、登場人物の個性が描けていない事だと思いました。チームメイトの子供達にしても、どの子も癖のある役どころばかりなのですが、何故かインパクトが薄い。今回出演した子供達は、オーディションで選ばれた、役者経験無しの素人さんが殆どだそうです。演技の達者なプロの子役ではないのですから、一人一人を際立たせる為には、当然演出の腕が要求されます。今作では、この辺の手腕が及ばなかったのではないでしょうか。同じく大人の配役も、何処かソフトで、悪い意味で灰汁が無さすぎですね。もっとそれぞれのキャラクターを誇張しても良かったと思うんですよ。バターメイカーの飲んだくれのダメダメ親父ぶりも、敵役のターナー・コーチの如何にもいけ好かない支配者的な態度も。現代にマッチするように、全てをソフトに仕上げたのかもしれませんが、それが、各キャラクターのインパクトを削ぐ結果になってしまったと感じました。そしてキャラクターの活きていない映画では、ドラマも説得力を欠いてしまいます。バターメイカーのその時々の心境の変化が、ドラマの中核を担っていた筈なのですが、それがあまり伝わってきませんでした。結果的に、求心力を失った、纏まりの無いだらだらしたパーツの寄せ集め、という印象を感じてしまう映画になった気がします。ちょっと辛口でしたが、オリジナルに思い入れのある世代の愚痴と聞き流して下さい。オリジナルを知らない若い世代の方には、結構すんなり受け入れられる気がします。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 18, 2005

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  「チャーリーとチョコレート工場」(2005)

  "CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY" 監督・・・ティム・バートン原作・・・ロアルド・ダール『チョコレート工場の秘密』 ナレーション・・・ジェフリー・ホールダー出演・・・ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、デヴィッド・ケリー、ヘレナ・ボナム＝カーター、ノア・テイラー、ミッシー・パイル、ジェームズ・フォックス、ディープ・ロイ、クリストファー・リー、他。　・物語序盤・チャーリー・バケットは、歯磨き工場を解雇された失業中の父と優しい母、そして両親の二組の祖父母達と暮らす少年。家は赤貧で、食事も満足に取れないような状況だが、一家は幸せに暮らしていた。チャーリーの住む町には、世界一のチョコレート工場があったが、ここ15年間誰も出入りせず閉鎖状態だった。しかし不思議な事に、チョコレートは世界中に出荷され続けている。そんなある日、工場のオーナー、ウィリー・ウォンカは、秘密の工場に五人の子供達を招待すると発表した。選抜方法は板チョコの中に入ったゴールデン・チケットを手にした者という事だった。世界中の人々はこのチケットを手に入れようと躍起になる。チャーリーは年に一回誕生日にチョコレートをプレゼントされる。期待しながら包み紙を破るが、中にチケットは無かった。そうこうしている内に、四枚のチケットが各地で発見されたというニュースが報道される。意気消沈するチャーリーだが、道端に落ちていた小銭で買ったチョコレートの中に、なんとゴールデンチケットが入っていた。 ロアルド・ダールのロングセラー児童書『チョコレート工場の秘密』を、71年のジーン・ワイルダー主演「夢のチョコレート工場」に続いて２度目の映画化。実は私、ファンタジー映画って、わりと苦手なんです。活劇があるものは好きなんですけど(「指輪」とか)、「ハリー・ポッター」が限度かなという位です。更に、ティム・バートン監督もあまり好きではなくて、加えて、ロアルド・ダールという作家もイマイチ好きになれません。(『チョコレート工場の秘密』は未読ですが。)というような事情で、この映画を観るのは、あまり気が進まなかったのです。予告編を観ても、いかにも子供騙しのセットの中で演じている感じで、厭な予感がぷんぷん漂っていました。純真な心が無いと、付いてゆけない空想の世界じゃないの～？と訝り、溜め息吐く事しきり。ところがです。映画が始まってみると、私の不安は徐々に消えてゆきました。チョコレート工場で、いきなり人形が出てきて陽気に歌い出した時は、やっぱりついて行けないかも…と慄いたのですが、観ている内に少しずつ判ってきました。この映画って、ファンタジーだけど、ブラックユーモアの部類なのだと。原作は児童書かもしれないけれど、そこはロアルド・ダールの作品。ブラックでシニカルな雰囲気が根底に流れているんですよね。全然原作を知らなくて、勝手に夢いっぱい愛いっぱいの子供向け作品だと思い込んでいましたが、そうではないと判って、俄然楽しくなってきました。ウィリー・ウォンカのキャラクターも、チョコレート好きで、子供を招待するような人だから、きっと陽気な社交家と思いきや、逆に冷淡でエキセントリック。招待客にも全く愛想良く振舞わず、何が起きても平然と我が道を進むというタイプの人でした。顔を白塗りにしたジョニー・デップが、この変人を上手く演じていましたね。招待客の子供達も全員個性的で、それぞれの行動や言動が楽しい。チャーリー役のフレディ・ハイモアは、純真で愛くるしい子供という感じで、思わず抱きしめたくなるくらい可愛いかったです。そして影の主役とも言うべき、ウンパ・ルンパ達。みんな同じ濃い～顔の小さいオジサン達がいっぱい。凄いインパクトでした。何かが起る度、彼等が歌い踊る様は本当に楽しかったです。音楽もノリノリで、こちらまで陽気な気分になりました。ラストも心から良かった～と思える内容で、童話かもしれませんが、随所随所に大人が笑える要素が取り入れられていて、年齢問わず楽しめる作品に仕上がっていたと思います。映画館は満席状態で、ちょっと息苦しかったのですが、大満足の１本でした。蛇足ですが、チョコレート工場の中をゴンドラで周っている場面で、今は無き宝塚ファミリーランドのアトラクションを思い出したのは私だけでしょうか？ローカルネタでスミマセン。(^_^;) ↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 16, 2005

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  「蝉しぐれ」(2004・日本)　試写

  １０／１(土)より全国ロードショーです。監督・・・黒土三男 原作・・・藤沢周平『蝉しぐれ』（文春文庫刊） 出演・・・市川染五郎、木村佳乃、ふかわりょう、今田耕司、原田美枝子、緒形拳、小倉久寛、根本りつ子、山下徹大、利重剛、矢島健一、渡辺えり子、原沙知絵、大滝秀治、大地康雄、柄本明、加藤武、石田卓也、佐津川愛美、他。・物語序盤・江戸時代、東北の小藩“海坂藩”。牧文四郎は下級武士である義父・助左衛門と母・登世と三人で暮らす１５歳の少年。剣術の腕は道場でも抜きん出ていて、立派な武士となるべく、日々鍛錬の毎日だった。二人の友達、逸平と与之助とは親友同士。そして隣家の娘ふくとは、淡い恋心を抱き合う仲であった。そんなある日、藩の世継を巡る抗争に父が巻き込まれ、切腹を命じられた事から、彼の運命は暗転する。罪人の子として辛苦の日々を過ごす文四郎。そんな彼を案ずるふくだったが、彼女は江戸の屋敷で奉公する為、親に連れられて旅立ってしまう。それから数年後、青年になった文四郎に筆頭家老・里村左内から牧家の名誉回復が告げられるのだった。しかし彼は、以前文四郎の父を死に追い遣った張本人であった。 「たそがれ清兵衛」や「隠し剣　鬼の爪」の原作者藤沢周平の小説を映画化した作品です。私は観ていないのですが、先にテレビドラマ化されたようですね。映画を観て、率直な感想は、「う～ん、イマイチかな」…笑。監督も違うので比べるのも何ですが、「たそがれ清兵衛」や「隠し剣　鬼の爪」の方が、ずっと面白かったし、登場人物にも感情移入できました。長ったらしい割に、ドラマが薄いのですよね。やたら、風景ばかり映しているのが気になりました。確かに日本の四季は美しいのですが、それより肝心のドラマをもっと判り易く、且つ、テンポ良く進めてもらわないと。お世継問題絡みで陰謀があるのですが、人間関係などが説明不足で判り辛かったです。他にも色々な面で問題ありだと思いますが、先ず、少年期の文四郎とふくの恋愛感情の描写が弱すぎ。江戸時代なので現代とは違って、互いの思いをオープンに表せないのは判るのですが、台詞も殆どないので、この二人が相思の仲だと納得できません。ここは一歩譲って、心の内を描写する台詞を追加してほしかったですね。この二人の思いが伝わってこない為に、大人になってからの再会に重みが出ません。互いに秘めた思いを抱きつつ、それを表す事が出来ない立場になってしまった二人の悲恋が、全然心に響いてこないのです。この二人の思いは、長い長い年月を経ても、消える事無く心の奥に燻り続けていたものです。その年月の重みが伝わらないのは痛かったですね。キャストとしては、一番気になったのは、今田耕司さんです。画面に登場した途端に、違和感が漂いました。ふかわりょうさんは、何とか許容範囲かと思いましたが、何故お笑い芸人を起用したのでしょうか？特に今田さんが演じるのは、元々勉学で身を立てようと、江戸に赴いた青年の役です。それが田舎に里帰りしたら、三枚目キャラになっていたというのでは、筋が通りません。はっきり言って、ミスキャストでしたね。ミスキャストと言えば、主役の市川染五郎さんも、正直な所、あまり嵌っていませんでした。少年時代の野性味溢れる役者さんと落差があり過ぎましたし、演技面でも歌舞伎口調な所があって、芝居掛かった台詞はどうも馴染めませんでした。格好つけようと見栄を張れば張るほど、格好悪く見えるというような悪循環かな。個人的に"映画俳優"としての市川染五郎さんが、あまり好みでないと言えばそれまでなのですが。ラストの二人が語り合う場面も、何年もの月日が流れている筈なのに、二人の役者は肌がつるつる。せめて老け顔メイクの一つも出来なかったのでしょうか。脚本・演出に多いに問題ありと感じた映画でした。これでは心は動かされないです。一つだけ評価できたシーンは、斬り合いの時、刀を何本も持ってきた所。普通の時代劇では、一本の刀で斬り続けますよね。その辺のリアリティーに拘ったのは良かったです。余談。この日、一番笑った事。一緒に観に行った友人が鑑賞後、「面白かったよ。」と言いつつ、「点数は４０点かな」と言った事。キミの面白いの基準、低～っ！↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 15, 2005

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  「Be Cool／ビー・クール」(2005)

  "BE COOL" 監督・・・Ｆ・ゲイリー・グレイ 原作・・・エルモア・レナード出演・・・ジョン・トラヴォルタ、ユマ・サーマン、ヴィンス・ヴォーン、ダニー・デヴィート、ハーヴェイ・カイテル、ザ・ロック、セドリック・ジ・エンターテイナー、クリスティナ・ミリアン、アンドレ・ベンジャミン、スティーヴン・タイラー、ジェームズ・ウッズ、他。・物語序盤・ チリ・パーマーは元取立て屋で、現在は映画プロデューサーとして活躍している。しかし映画業界の仕事にも嫌気が差していた。そんな時、インディーズ・レーベルを経営する友人トミーから、自分をモデルにした映画を撮ってほしいとの依頼が。映画には成功を夢見るシンガーも登場させるとの事。そしてトミーは、その役に相応しいリンダー・ムーンという若手歌手を見付けていた。しかしそれも束の間、トミーはチリの目前でロシアン・マフィアに射殺されてしまう。その後、チリはトミーの妻で会社の共同経営者であるイーディーと共に、リンダのマネージメントに乗り出す。しかしリンダには既に契約をしている悪徳マネージャー、ラジが居た。チリはマヌケなボディガード、エリオットを伸して、強引にリンダを自分の元に連れてくるが…。 ジョン・トラヴォルタ主演のクライム・コメディ「ゲット・ショーティ」('95)の続編です。残念ながら前作を観ていないので、本当の意味では面白さを理解しきれていなかったのかもしれませんね。映画プロデューサーをやっていて、過去に作った映画のポスターも出てくるので、主人公チリがそういう経歴の持ち主である事は判ります。まあ、前作を観ておいた方がより楽しめると思いますが、これ一本だけを唐突に観ても、独立したお話なので充分理解できる内容になっていますので、ご心配なく。ただ、ダニー・デヴィート(マーティン・ウィアー役)の存在は、前作を観ていないと判りませんね。一応、顔出し程度に出演していますが、前作では相棒として活躍したみたいです。 観ていて感じた事は、とにかく登場人物が多い。それぞれの関係が複雑に絡み合っていて、頭の中で整理しながら観ていないと、誰が誰だったか忘れてしまいそうでした。質屋を営むロシアン・マフィア達に、ライバルのレコード会社社長のニック・カーとその手下ラジと用心棒エリオット。ギャングもどきのアレンジャー、シン・ラサールとその一味。そして主人公チリと今回の相棒イーディー。この面子が、あれこれと罠を掛け合って、危ない駆け引きを繰り広げます。ジャンル的には、前作同様クライム・コメディですね。死人も出るのですが、根本的に陽気でお気楽。個人的にお気に入りは、マヌケでホモっぽい用心棒役のザ・ロック。映画俳優として成功する事を夢見ているのですが、基本的にアホアホ。片眉あげの得意技が笑えます。でも最後はニコール・キッドマンと…。トラボルタとユマ・サーマンは「パルプフィクション」以来の共演です。今回も確りダンスシーンがあるので、「パルプ…」ファンはニヤリでしょう。しかし今作の見所はダンスよりもやはり歌。リンダ役のクリスティナ・ミリアンの歌声は、パンチが効いていて、ノリの良いリズムにピッタリ。更にエアロスミスのヴォーカリスト、スティーヴン・タイラーが本人役で出演していて、彼女とデュエットします。このシーンはまるでコンサート会場に居るように、ノリノリになってしまいましたね。流石、大御所、迫力のある良い声してます。ファンは必見でしょう。蛇足ですが、彼はリヴ・タイラーのお父さんなのですね。コメディですが、おバカ路線ではなく、オフビートな感じの作品です。一般大衆ウケはしないと思いますが、映画ファンの方なら楽しめる１本でしょう。クールに決めようぜぃ！(笑)↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 12, 2005

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  「サイレントヒル４　ザ・ルーム」

  「サイレント・ヒル」のシリーズ四作目です。ホラーゲームファンの間では根強い人気のある作品ですが、ファン層が偏っているのか、大ヒットには繋がらないですね。この四作目の「ザ・ルーム」は、今迄のシリーズとは少し異なった設定で、サイレント・ヒルそのものには行きません。主人公の青年ヘンリー・タウンゼントは、数日前から悪夢を見るようになっていた。自分の住む部屋の壁や床、至る所が血塗れになっているのだ。不快感がひどく、ひどい頭痛がする。そして目覚めた時、彼は更なる衝撃に遭遇する。自分の部屋から出られなくなっているではないか。扉は頑丈な鎖で塞がれ、窓も開かず、割ることもできない。窓の外には、いつもと変わらぬ街並みが広がっているのに、自分は部屋から一歩も外へ出られず、悲鳴も届かない。まるでそこだけが、異次元になったかのように…。自宅という、最も安らげる場所が、突然自分を閉じ込める牢獄に変わったとしたら、人はどう反応するだろうか？そういうコンセプトで、この作品は作り出されています。少しプレイした感想をば。え～、相変わらず、気持ち悪いですね、「サイ・ヒル」。怖いというより、気持ち悪くて不快です。そこが持ち味の作品なのですが、画面を観て、音を聞いているだけで、いや～な気分になってきます。始まった途端、自分の姿が見えないのには戸惑いました。自室では一人称視点なのですね。今までにないシステムで、自分が設定を間違ったのかとビックリしました。今の所、一番厭なのが、幽霊が出現する事。必死で殴り倒しても、暫くしたら蘇ります。一度に何体も出現するので、かなり鬱陶しいです。スカッとするアクションゲームがしたいと思っているのに、棚にストックしてあるのは、こんなゲームばっかり…。(-_-;)これも日頃の行いが悪いせいなのね。赤い三角マーク(暴力・残酷表現有りのマーク)のゲームばかりに目が行ってしまうから。これからはもっと明るいゲームも買うよう心掛けます。と言いつつ、チェックリストには、赤い三角マークのゲームばかりが…。性癖は一朝一夕には変えられないの。取り敢えずこのゲームは、気持ち悪いものが大好きな方にお勧めしておきます。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 9, 2005

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  「フロム・ヘル」(2001)

  "FROM HELL" 監督・・・アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ出演・・・ジョニー・デップ、ヘザー・グレアム、イアン・ホルム、ジェイソン・フレミング、ロビー・コルトレーン、スーザン・リンチ、レスリー・シャープ、テレンス・ハーヴェイ、カトリン・カートリッジ、イアン・リチャードソン、マーク・デクスター、他。 ・物語序盤・1888年、ロンドン。娼婦のメアリ・ケリーと仲間の５人は、ホワイトチャペルの街で体を売り、何とか生計を立てていた。しかし元締めの取立てが厳しく、彼女等は金を払わなければ殺すと脅されていた。そんなある夜、仲間の一人が何者かに襲われ、喉をかき切られて殺されるという事件が起った。そして二度目の犠牲者も出る。残忍な殺害方法から、世間は切り裂きジャックと犯人を渾名し、震え上がった。この事件の捜査担当は、フレッド・アバーライン警部。２年前に身篭った妻を亡くして以来、アヘン窟に通いつめる毎日の男である。彼には不思議な予知能力があり、事件の映像を何度も見ていた。 久し振りに再鑑賞。この映画、好きなんですよね。大好きなジョニー・デップが出ているから？まあ、それもあるのですが。(何度観ても、何処から観ても、彼は麗しいわ～♪)映画全体に流れるおどろおどろしい空気が好きです。切り裂きジャックという題材からして、猟奇マニアの心を擽ります。そこへ秘密結社フリーメイソンや、閉鎖的なイギリス王室が絡んでくるのですから、楽しくて仕方がないという感じです(笑)。ラストは少しお気の毒な締め括り方なのですが、あの作風で能天気なハッピーエンディングでは少々問題ありなので、あれで良しとしましょう。１９世紀のロンドンの退廃的なダークさが、非常に上手く表現されていたと思います。殺人シーンは直接的な描写は無く、想像させるように撮られていました。でも残酷シーンは大写しにされるより、逆に想像してしまうから気持ち悪いんですよね。血や凶器を映す事で、観客の脳を巧みに刺激していたのではないでしょうか？残虐シーンを期待していた人には、ちょっと肩透かしだったかもしれません。個人的には、婉曲的な表現技法が功を奏したと評価していますが。脚本もとても上手く出来ていましたね。実際の事件と実在する人物を利用しているので、まるで事件の真相を観ているかのような錯覚に陥ります。と言うか、本当にこうだったら面白いなぁと感じました。前頭葉を取ってしまう手術は、寒気がしましたね。実際に精神異常者にあんな手術を施していたのでしょうか？なんだか昔なら本当にやってそうで怖い…。切り裂きジャック事件に限らず、未解決事件というのは、いつまでも人々の興味や探究心を掻き立てるものですね。もし現代にこの事件が起っていたら、犯人を捕らえる事ができたでしょうか？本当にどんな奴が犯人だったのか知りたいですねぇ。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 8, 2005

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  「ファンタスティック・フォー/超能力ユニット」(2005)

  ９／１７(土)より全国ロードショーです。"FANTASTIC FOUR" 監督・・・ティム・ストーリー 原作： スタン・リー、ジャック・カービー出演・・・ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、 マイケル・チクリス、ジュリアン・マクマホン、ケリー・ワシントン、ハミッシュ・リンクレイター、ローリー・ホールデン、デヴィッド・パーカー、他。 ・物語序盤・ 天才科学者のリード・リチャーズは、相棒のベンと共に、資金提供と協力を乞う為、大企業の社長ビクターのオフィスを訪ねていた。リードの研究しているのは、人類の進化と宇宙嵐の関係。取り分は少なかったが、何とか資金を調達できたリードとベンは、元恋人で同じく科学者のスーと、彼女の弟でパイロットのジョニーと共に、ビクターの所有する宇宙ステーションへやって来る。しかし実験の途中、思わぬアクシデントに見舞われ、ステーションに居た全員が宇宙嵐を浴びてしまった。その結果、彼らのＤＮＡは変化し、それぞれ独特の超能力を授かるのだった。 アメ・コミが原作の映画です。ファンタスティック・フォーの面子は、体がゴムのように伸縮自在のＭｒ.ファンタスティック、体を透明にしたり、バリアを張る事のできるインビジブル・ウーマン、高熱の炎を発しながら空中を飛び回れるヒューマン・トーチ、そして岩よりも硬い肉体と怪力を持つザ・シングの４人。そこに敵対する人物として、鋼のような肉体と破壊光線が武器のＤｒ.ドゥームが加わります。見終わった後の感想は、何とも微妙だなぁという感じでした。超能力や派手なＣＧ、ＶＦＸは、元々とても好きなんです。という事で、結構期待して観に行ったのですが。超能力を使うシーンは、迫力もあったし、よく撮れていたと思います。問題は何かと言うと、ストーリーそのものですね。先ず第一に、どうもテンポが悪いのです。普通の人間だった面子が、何故超能力を持つようになったか、その経緯を説明して、それからトラブルが起ってきてという流れになっているのですが、なかなか核心が見えてこなくて、ともすれば退屈しそうになりました。この辺は、第一作目の宿命なのですけどね。もし続編が出来るのなら、今度は前置き無しで、彼らを活躍させられますから、その分有利でしょう。更に問題其の二。これもストーリー関連なのですが、観ていて、結局内輪揉めじゃないかという感想を持ってしまうのですよ。橋で事故が起ったのも、元はと言えば、ザ・シングが自殺者を助けようとしてトラックを破壊したからですし。その後、皆で他の人達を助けても、ヒーローではないと思うのですよね。最大の敵であるドクター・ドゥームだって、恨みで凝り固まったビクターですから…。彼が街中で暴れて、それを４人で止めに入ったって、街の人達からすれば、彼等の大掛かりな喧嘩に巻き込まれただけです。全然ヒーローじゃないじゃん。単なる迷惑集団じゃん。というのが、私の率直な意見でした。あまり深く考えないで、軽いノリで観て楽しむ映画なのでしょう。お笑い要素としては、ヒューマン・トーチ役のクリス・エヴァンスが、時々滑りつつもギャグを言って笑わせてくれました。一応リーダー格のゴム人間さんは、「キング・アーサー」のランスロットさんですね。ちょっと男の色気を感じる顔立ちで好きだったんですけど、今回は普通のオジサンに見えてしまった…。ジェシカ・アルバはあんまり個人的に好きな顔立ちじゃないです。でも役柄はキュートでしたね。岩男さんは、一番親近感を覚える役柄でした。ドラマ的にも一番目立っていたし。しかし、各キャラは結構立っていたと思いますが、全体的には、完全にノリ切れない微妙な雰囲気でしたねぇ。↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。

  Sep 7, 2005

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