「サンダーバード」(2004) 試写しました
「サンダーバード」8/7全国ロードショー。オフィシャル・サイトクラシック版オフィシャル・サイト"THUNDERBIRDS" 監督・・・ジョナサン・フレイクス出演・・・ビル・パクストン、アンソニー・エドワーズ、ソフィア・マイルズ、ベン・キングズレー、ブラディ・コーベット、ソレン・フルトン、ヴァネッサ・アン・ハジンズ、ロン・クック、他。・物語序盤・元宇宙飛行士の大富豪ジェフ・トレーシーは、私財を投じて世界規模の人命救助組織、"IR"(国際救助隊)を設立した。彼は4人の息子らと共に、最新鋭のメカ"サンダーバード号"を駆使し、日夜世界の人々を災害から救出している。今やサンダーバードは世界のヒーローであった。しかしトレーシー家の末っ子アランだけは、まだ学生の身という事で、隊員として活動する事を禁止されていた。春休み、学校に迎えに現れたペネロープに連れられて、親友ファーマットと共に、トレーシーアイランドに戻ったアランは、自分だけが仲間外れにされていると臍を曲げる。そんな折、国際救助隊を憎悪するフッド一味によって、宇宙ステーションであるサンダーバード5号が攻撃を受けて大破する。急いで救助に向かうトレーシー・ファミリー。だがそれは、彼等を秘密基地から誘い出す、フッドの罠だった…。 何故、子供向け作品にしてしまったんでしょう…。「サンダーバード」のファン層と言えば、大人ですよね。私も子供の頃、あのカクカクしたレトロな人形劇を、わくわくしながら楽しんでいました。それなのに…。一言で言うと、失望しました。行く前から、厭な予感はしていたのですが。この映画のコンセプトは、"レトロ・フューチャー"です。少し懐かしい感じのするアニメーションによるオープニングから、そのコンセプトが濃厚に顕れていました。可愛いアニメを見るのに必死で、人物名などを全く見ていませんでした(笑)嬉しい事に、テーマ曲はあのお馴染みの曲です。そして「5,4,3,2,1,Thanderbirds are go!」のフレーズで幕開けされます。それだけで旧作ファンは満足しておけという事なんでしょうかねぇ(笑)。本編でもトレーシー・アイランドのセットなど、人形劇を髣髴とさせる作り物っぽさが漂っていましたし、その点は満足しているのですよ。確り椰子の木は倒れるし、プールががーっと移動するし。しかしそのようなディテールは良しとして、問題は肝心なストーリーです。何故かは定かでありませんが、登場人物達の年齢設定が一様に下がっています。トレーシー・ボーイズはオリジナルでは、長兄スコット26歳から末弟アラン21歳で、全て大学を卒業している年齢なのですよね。今回、アランは12歳という少年で、隊員として活動できないという設定でした。そしてこのアランや同じく幼くなったミンミン(ティンティン)とブレインズから派生した瓜二つの息子という三人組がメインで活躍するというストーリー。観ていて連想したのは、「スパイキッズ」や「エージェント・コーディー」でした。お子様路線がとても苦手な私は、冷めてしまいそうな気持ちを盛り立てるのに苦労しました…。トレーシー・ボーイズと何故か自らサンダーバードに乗っているパパ(笑)達は、完全にお添え者の端役。サンダーバードなのに、国際救助隊が活躍しないなんて、こんな脚本ありですか…。あれじゃ「救助隊」じゃなくて、「救助され隊」じゃないですか。オリジナル・ファンとしては泣きたい気分でした。サンダーバードの機体のリニューアルは、個人的には許容範囲でした。スペースシャトルみたいになっている1号機には、寂寥感を覚えましたが。唯一の救いとしては、サンダーバード各機は全部使ってくれた事ですね。ジェットモグラも出てくれて。ペネロープのピンクのロールスロイスも可愛かったです。ついでに、ペネロープとパーカーは活躍してくれたので、この点は評価します。ともかく総評としては、大人の鑑賞には厳しいラインの映画でした。かと言って、サンダーバードを全く知らない子供達が楽しめるかと言うと、それも疑問。中途半端な出来栄えですね。