「クリムゾン・リバー」 (2000・仏)
"THE CRIMSON RIVERS""LES RIVIERES POURPRES" 監督・・・マチュー・カソヴィッツ原作・・・ジャン=クリストフ・グランジェ 出演・・・ジャン・レノ、ヴァンサン・カッセル、ナディア・ファレス、ドミニク・サンダ、他。・物語序盤・フランス、アルプス地方にあるゲルノンで、奇妙な遺体が発見された。全裸で胎児のような格好をさせられていた遺体は、生前に拷問を受けた痕跡があり、両目も抉り取られていた。この事件の捜査に派遣された元特殊捜査部隊のニーマンス警部は、早速聞き込みを開始する。ゲルノンは大学都市で、大学は優秀だが閉鎖的な一面を持っていた。ちょうど同じ頃、フランスの田舎町ザルザックで、子供の墓が荒らされるという事件が起こっていた。捜査に当たっていたマックス駐在員が、墓に埋葬された子供ジュゼットの身元を調べてゆくと、彼女が生前在籍してた学校での記録も盗難に合っていた事実が判明する。 公開当時、映画館で観たのですが、久し振りに鑑賞し直しました。初見時の感想は、期待外れというか、もう少し猟奇的な殺人が続いてゆくと思っていただけに肩透かしを食らったというものでした。そして話の展開が早くて、全貌が把握しきれなかったという部分もありました。今回ゆっくりとテレビで観て、理解度が深まったと思います。この手のサスペンスは、二回くらい観た方が細部まで理解できて良いですね。初見時より今回の方が面白く感じました。ただ前にも感じたのですが、事件の真相には説得力が不足していたような。被害者達をあそこまで残虐な殺害方法で殺してゆく犯人の憎悪が、こちらには伝わってこず、何を怒っているのか実感できませんでした。序盤で登場したシスターも思わせ振りなわりに、何の伏線でも無かったというのも、一体何の為に出てきたんだろうと頭を捻りましたね。全体的な雰囲気としては、ハリウッド映画のテイストに近かったです。ただ端役の警官などの態度がフランスっぽさを残していましたが。ところでニーマンス警部の犬恐怖症の理由は何なのでしょうねぇ?原作には書かれているのでしょうか?ヴァンサン・カッセルは走っていましたね。追い掛ける相手は頭にフードを被ったマント姿の人物。この辺は「クリムゾン・リバー2」と重なって、意識して作ったのだろうと思わせました。