益見地区 「中切地蔵菩薩」
岐阜県瑞浪市土岐町4月30日、久し振りに「小左衛門 春のお披露目会」に向かった。土岐川に架かる土岐橋を渡れば中島酒造は目の前。土岐橋から上流を眺めると二つの橋が見える。左は土岐川に架かる「瑞浪大橋」、右が小里川に架かる「はらこ橋」二つの河川がここで一つになる。川が合流するように道も交わる、この辺り江戸時代は右手に三河と中山道を結ぶ三河街道と左手の下街道が交わる辻町でもある。開門までには時間もあり、一人周辺を散策する事にした。中島酒造から東の閑静な住宅街、ものの1、2分も歩くと道路の角っこに道標が立っていた。見ようによってはただの邪魔っ気な岩、街中ならすぐに行政に苦情が来そうなものかもしれない。これが「戸切辻の三河街道道標」、ここを左に折れ小里川の堤方向へ向かう。以前の「はらこ橋」は現在の場所から少し上流に架けられていたと云う。この道は当時の「はらこ橋」に続いていた。道標を左に入り少し行くと左手に古くからある細い路地がある。ゆとりを持って民家が立ち並ぶ、その一画に建つ小さな堂が目に止まる。「益見地区 中切地蔵菩薩」と案内板が掲げられている。広い区画の奥に建つ切妻瓦葺の小さな堂。街中で追いやられる様に佇む姿とはかけ離れたものがある。安置されるお地蔵さま。帽子に前掛け・・・現在も地元の方から大切にされているのが伝わってくる。おめかしされたお地蔵さま、銘文は読み取れるはずもなく、お顔だけ拝ませてもらう。相当年月を経ているようで表情は窺えないが、はっきりした鼻筋が印象的な素朴な顔立ちのお地蔵さま。瑞浪にはこうしたお地蔵さまが幾つか残るようで、地域でそれらを紹介していた。それによると「旧三河道に面し、子守り地蔵として近在の信奉が厚い。丸彫り 像高88㌢ 肩周り92㌢ 蓮台高17㌢」昔からこの地の子の安全と健やかな成長を見守るお地蔵様として、旅人からは安全を祈願し道標ともなったお地蔵さまなんだろう。この先の橋は移されてしまったが、道標もお地蔵さまも今も当時の道筋に佇んでいる。所在地 / 岐阜県瑞浪市土岐町71公共交通機関アクセス / JR中央線瑞浪駅から徒歩15分前後関連記事 / 「小左衛門 春のお披露目会」行ってきました