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カテゴリ:健康のために
健康増進、新たな一歩 メタボ健診、きょうスタート
記事:毎日新聞社 提供:毎日新聞社 新年度からメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健診・保健指導(メタボ健診)が始まる。メタボ該当者・予備群に生活習慣改善を促すことで、生活習慣病の発症や悪化を予防し、医療費削減を目指す世界でも例のない制度だ。新しい健診や保健指導のポイントを紹介する。 ◇生活習慣病、患者減を目標に ■対象は40-74歳 特定健診・保健指導は「内臓脂肪の蓄積が糖尿病や高血圧、脂質異常などの共通の原因となっている」との考え方に基づく新たな生活習慣病対策だ。日本内科学会などが05年に発表したメタボリックシンドロームの診断基準が基本。腹囲、BMI(体格指数)などが基準を超えたメタボ該当者・予備群などに対して保健指導を実施する。 厚生労働省によると、生活習慣病の医療費は国民医療費の3分の1を占める。生活習慣の変化などから、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などの発症の危険性が高くなる糖尿病患者らが急増している。医療費削減のためにはこうした疾患の発症や悪化予防が欠かせないとして、国は2015年までに糖尿病などの生活習慣病患者・予備群の25%減(08年比)を目指している。 そこで注目したのが「内臓脂肪型肥満」だった。内臓脂肪を薬ではなく、バランスのよい食生活や適切な運動などによって減らすことで、内臓脂肪蓄積の結果として起こる血糖や血圧、脂質の異常が解消できると考えた。それによって、その人の生活の質の向上につながるとともに、医療費抑制の実現も期待できるという。 住民健診はこれまで市町村が実施していたが、特定健診・保健指導は医療保険者(市町村や健康保険組合など)に実施が義務づけられる。対象は40~74歳の医療保険加入者約5600万人(妊婦などを除く)だ。市町村国保加入者には市町村が実施し、健康保険加入者には職場健診と兼ねて実施するケースが多くなる。 従来の健診や保健指導と大きく違うのは目的や評価方法だ。これまではさまざまな病気の早期発見を目指し、保健指導も実施回数や参加人数など「実施した」という実績が評価された。一方、新制度では、生活習慣を変えた方がよい、内臓脂肪が蓄積している人をいち早く見つけ出し、実際に改善に結び付けることが目標となる。評価方法も「本当に生活習慣病患者、予備群が減ったか」という結果が問われる。 各保険者とも12年度までに、メタボリックシンドローム該当者や予備群を10%減少させることなどが目標とされている。達成できない保険者には、後期高齢者医療制度への財政負担が最大10%加算されることになる。この場合、保険料の値上げなどが必要になって保険加入者の負担増になる可能性もある。 ◇「積極的支援」「動機付け支援」「情報提供」に分類、食事や運動を実践的に ■診断から指導へ 特定健診の項目は、従来の住民健診(基本健診)項目に腹囲とLDL(悪玉)コレステロールを加えた。腹囲はメタボ判定に必要な項目で、体重だけでは分からない内臓脂肪の蓄積の程度を反映するとされる。 健診では▽血圧測定▽血液検査(脂質、肝機能、血糖)▽尿検査(尿糖、尿たんぱく)のほか、問診や身体計測(身長、体重、腹囲)を実施する。腹囲かBMIが基準を超え、他の検査に一定の異常があった人は、特定保健指導の対象になるという流れだ。 前年度の健診で血圧、血糖、脂質、肥満(腹囲かBMI)の4項目すべてが基準以上になった人は、心電図検査や眼底検査を受ける場合もある。医師の判断で貧血検査を行うこともある。 特定保健指導には、継続して具体的に生活改善の方法を指導する「積極的支援」と、自分自身で改善できるよう助言などをする「動機付け支援」がある。国のルールに基づき、一部の検査結果のうち基準以上の項目が多い人が「積極的」、少ない人が「動機付け」の対象となる。 例えば、男性で腹囲85センチ以上の人は、血糖、血圧、脂質の3項目のうち2項目で基準以上になると「積極的支援」の対象になり、1項目だけ基準以上で喫煙歴がない場合は「動機付け支援」の対象となる。腹囲やBMIが基準未満の場合は「情報提供」として、生活習慣見直しのきっかけとなるような資料が送付される。 「積極的支援」は個別面接、グループ支援、電話、電子メールなどさまざまな方法を組み合わせて3カ月以上実施する。初回は保健師、管理栄養士らが面接(個別20分以上、8人以下のグループの場合は80分以上)。対象者に健診結果の意味を理解してもらい、一緒に生活習慣を振り返りながら行動目標・行動計画を作成する。 その後、個人やグループで、食事や日常生活の中での運動の仕方などを実践的に学んだり、メールなどで計画の実行状況の確認を受けたりする。 支援の方法、時間ごとに「ポイント数」が定められ、最低限実施しなければいけない「合計ポイント数」が決まっている。初回の面接から6カ月以上経過した後に、検査値や生活習慣がどの程度改善したかなどを評価する。 「動機付け支援」は面接1回(時間は積極的支援の初回面接と同じ)が原則。積極的支援同様に行動計画などを作り、約6カ月後に成果を評価する。 一方、血圧や血液検査の検査値が「受診勧奨値」=表=に該当する場合には、健診機関の医師が医療機関受診の必要性の有無を判断する。この場合には病気の恐れが高いため、医療機関の受診を勧められるケースが多くなりそうだ。 ◆受診勧奨値◆ 血圧 収縮期 140ミリHg以上 拡張期 90ミリHg以上 中性脂肪 300ミリグラム/デシリットル以上 HDLコレステロール 34ミリグラム/デシリットル以下 LDLコレステロール 140ミリグラム/デシリットル以上 空腹時血糖 126ミリグラム/デシリットル以上 HbA1c 6.1%以上 AST(GOT) 51U/l以上 ALT(GPT) 51U/l以上 γ-GT(γ-GTP) 101U/l以上 血色素量 男性 12g/デシリットル以下 女性 11g/デシリットル以下 ◎医療機関を受診する必要性は、医師が個別に判断し、受診者に通知する *私も肝機能で対象のようです。脂肪肝は運動しかないですね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.04.02 07:35:33
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