相続させたい優良な財産
今月のはじめに和歌山市内のフリーペーパー「let」のコラムに僕の原稿が載っていたそうです<相続させたい優良な財産>相続税が掛かるケースは20人に1件くらいで約5%と少ないのですが、掛かる場合、平成12年度の納付金額の平均値で3134万円と多額です。もちろん相続財産が多いほど税金も多くなる訳ですが、節税対策の有無で結果は大きく違ってきます。節税対策も様々ですが、多くは買った値段と評価の差額を用いる方法です。相続税を計算する場合、一定のルールに従い相続財産の全てに値段をつけます。例えば1億円の預金は1億円ですが、1億円で購入した建物の評価は、例えそれが相続の直前の購入であっても、4千万円や5千万円といった金額(固定資産税評価額)になります。もしその建物が相続後に買った値段くらいで売れれば随分お得です。反対に2,3千万円でしか売れなければ、相続税は節税できてもお金は減ってしまいます。これでは元も子もありません。つまり相続税対策の目的とすべきは「税金を減らすこと」ではなく、「手元により多くの優良な財産を残すこと」なのです。そこのところを間違えてはいけません。では究極の優良な財産とは何でしょうか?少し精神論になりますが、昨今のテロや天災、今や将来どのような時代が来るかわかりません。そこでどんな時代になっても力強く役立つ優良な財産を残したい。それは「生きていくための知恵」と「健全な精神」でしょう。「教育」と一言でくくれるものではありませんが、評価もゼロで税金も掛からない一番相続させたい優良な財産です。