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なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

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2023.04.15
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カテゴリ:その他
JR西日本が発表した燃料電池車の開発。この件につきましては、公式サイトで概略を確認して頂けれたらと思います。

鉄道アセット活用による水素利活用の検討開始について
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230412_00_press_h2o.pdf

上記のプレスを見ると、2050年までにCO2排出量を実質0にする「ゼロエミッション」を目指すことが明記されています。となると、既存のディーゼル車を水素電池車に置き換えるという構想になるわけです。JR西日本のねらいとしては、下記の3点が挙げられます。

1、次世代エネルギー導入による環境負荷の低減
2、水素の利活用によるクリーンで持続可能な交通ネットワークの実現
3、ディーゼル車置き換えによる非電化区間の車両更新

つまりは将来的にJR西日本が水素ステーションなどを設置し、そこで精製した水素燃料を燃料電池車や燃料電池トラック、燃料電池バス、燃料電池フォークリフトなどに供給することで、交通網の維持を図りつつ、CO2の排出を抑えるという野心的な計画となっています。

水素電池車については、JR東日本がFV-E991系(HYBARI)を使って鶴見線や南武線で実証実験を行っていて、将来の実用化に向けてデータ収集が行われているところです。海外ではベンツ(ダイムラークライスラー)やBMW、フォルクスワーゲンなどの自動車メーカーが量産化に向けて様々な仕様のFCV(Fuel Cell Vehicle)を開発しており、水面下での開発合戦が本格的になってきています。

ただ、走れることは技術的に証明は出来てはいるのですが、水素電池の価格が非常に高いことや走行可能な距離が短いこと、水素充填時の爆発の危険性、水素精製時にCO2が発生するなどの問題点も山積していることから、現段階では量産化のハードルが高いことが判っています。

JR西日本が環境に舵を切った計画を大きく出した背景の一つは、大量に残っているキハ40の置き換え問題です。古いものだと製造からおよそ45年が経過している車両もあり、老体に鞭打って使っている状態で、安全を考えると看過できない難題となっているわけです。現在のJR西日本の車両更新の状況は、岡山に227系500番台を投入して既存の113系、115系の置き換えが始まることや、アーバンネットワーク管内に225系を追加増備して、捻出した221系や223系を他線区に転属させ、国鉄車を一掃するということが続いています。来年にはやくもで使われている381系が273系新型振子車に更新される他、京阪神と岡山の車両更新が落ち着いたら今度は播但線や加古川線、山口地区の車両が入れ換えの対象になるものと見込まれます。

電車については更新が急ピッチで進んでいる状況ですが、気動車については後回しになっていて、しかもJR西日本は地方路線の新車導入に際し、自治体の補助金で賄うことを条件につけていることから、一般車の更新が殊更に遅れています。それ故に老体のキハ40がほとんど廃車にされることもなく254両も残っているのは、安全上問題の事案になってくるというわけなのです。

燃料電池車の開発ならびに実用化を目指すということは、将来的にキハ40を全廃にして置き換えるという隠れたメッセージであるわけですが、いますぐに置き換えるという話でもなさそうです。JR西日本のキハ40は大規模な保全工事を全車受けている他、エンジンもコマツの直噴エンジンに換装されているので、50年は少なくとも使うものとみています。つまり耐用年数まで使い潰してから燃料電池車に置き換えるというハイブリッド車を挟まずに一足飛びに更新する算段と言えるでしょう。少なくとも2020年代にキハ40が全廃になるということは、可能性としては薄くなりました。

となってくると、現在試験走行中のDEC700については、量産化されることなく終わる可能性が現実味を帯びてきます。DEC700はキハ40よりも車体が重く、総重量が46tにもなることから、最高速度65キロなど低規格路線への配置が難しいという問題がある他、ハイブリッド仕様の実用試験がうまくいっているかどうか、不明確なところが多くありそうです。また、営業係数の厳しい大糸線の末端区間などについては、廃線も視野に入れた話し合いが検討されているほどで、非電化区間に全車が燃料電池車投入になるかといえば、そのあたりも不透明なところはあります。

それでも早急に投入してサービス改善を図る必要がある路線は多いです。具体的には、

・氷見線
・城端線
・津山線
・芸備線(広島~三次間)
・境線
・岩徳線
・山口線(新山口~宮野間)

など、乗客が比較的多くかつ電池の容量に見合った路線が少なくともこれだけあります(吉備線はLRT転換の計画があることから除外)。そうなると、ランニングコストやメンテナンスコストが割高なキハ40を走らせるよりも、燃料電池車を入れた方が長期的には経費を削減できることになるからです。

関西は岩谷産業など水素製造を大規模に展開している企業が多く、大阪ガスも水素製造に関するノウハウを持っていることから、実用化は早いのではないかと見ています。あとは製造コストや技術的な面をクリアすることが必要ですが、水素電池車が量産化されるときには、いよいよJR西日本だけでなく、ディーゼルの技術そのものが旧来の技術になるという時代の転換期がやってくることになります。

非電化区間では、蒸気機関車から始まり、ガソリンカー、ディーゼルカーを経てハイブリッド車や蓄電池車が走る時代に入っています。これに水素電池車が入ることになれば、非電化区間の完全無煙化が見えてくることになり、鉄道の新時代が到来することになってきそうです。





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最終更新日  2023.04.15 08:05:41
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