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東京なな猫通信

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2005年03月01日
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きょうはばっちり夜まで
お仕事してなきゃいけないなな猫です。
そうなるとおかしなもので
俄然、お仕事したくなくなる。
それでこうやって
またぞろ日記なんか書いてみたりしてます。


最近ずーっと、いつもの読書パターンで
道造・堀・太宰を行ったり来たり。
たまにリルケの「マルテの手記」とか
毛色の変わったところで
ブラッドベリの「たんぽぽのお酒」なんぞ
ひもといてみては続かないなな猫、
だいぶ前に古本で買った
石坂洋次郎の『若い人』を
またちょっと読んでみました。


この『若い人』って
なな猫が若さも匂う女子高生のころ
まさに主人公の気持ちに
なりかわったばかりの勢いで
かなり愛読していた一冊。
そこからしばらく石坂アワーが続いたりもして
なな猫の若いころには、もう過去形だった
石坂洋次郎の世界、
あの「あいつとわたし」だとか
石原裕次郎的世界に浸ったものです。


ところが、いま久しぶりに読んでみると
なんだか気持ちがそぐわない。
つまり、過去に読んだ自分の気持ちに
そぐわないという感じ。
そぐわないというより、
けっこう難しいこと書いてあるなと。
高校生のなな猫、ほんとにこれを
理解して読んでいたんだろうか
なんて自分を疑ってしまった。


めくるめく青春の一ページ
みたいなストーリーだと記憶してたのに
なんだか教育問題やら学校制度やら
それから当時たぶんダイトウしてきていた
プロレタリア的匂いまであったりして
かなり難しい言葉遣いなんですね。
若い若いなな猫、きっと
自分に引きつけられる部分だけで
読んだ気になってたんです。


十分の大人になってしまったなな猫が読むと
その難しい姿勢の方ばっかり気になって
あまりストーリーになじめません。
『若い人』は、ほんとに若い人が読んでも
よくはわかんないんじゃないかな。
いや、それはそれでいいのか。
わたしはこの江波だと思って読めば。
年取って、「まだ若い」とか「もう若くない」
なんていわれるようになってから
『若い人』を読む。
それもまたオツなものです。





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Last updated  2005年03月01日 16時10分44秒
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