vol.12(完結)の感想。
最初で最後の大勝負が始まりました、AP1 vs AE86のダウンヒルバトル。あの典型的な「ワンハンドステア走法」の本当の意味は何なのか?一本目は城島が後追いを選んだ結果、「先行AE86・後追いAP1」となった。いつもの様に拓海は涼介からのアドバイスを受けた。「今回の相手は今までで一番の強敵だ、弱点は無い現時点で言えることはただ一つ…、耐えろ」このアドバイスのみだった、「耐えろ」とはどういう事か?そんな中、バトルスタート。拓海が先行ながらもテール・トゥ・ノーズのままプレッシャをかけ続ける城島。結局拓海は何も出来ずに1本目終了。城島は後ろから拓海とマシンのポテンシャルをじっくり観察出来た模様。2本目、先行AP1・後追いAE86でスタート。後ろから観察していた拓海がここで異変に気付く。「(レコード)ラインが違う!!」バトルはその後持久戦の様相を呈してきた。6本目終了時点で、涼介がガソリン補給の為の休憩を相手チームに申し出る。そこでタイミンングモニターを見た拓海と史浩が驚いた。「正確なペース管理だ!!」拓海が先行の1・3・5本目のタイムにバラつきがあるのに対して、城島が先行の2・4・6本目のタイムはほぼ揃っていたのだ。そうラインが違っていても…。ここで涼介と拓海は気が付いた。「相手はまだ本気を出していない!!」タイムを出しに行く「決めのライン(レコードライン)」をまだ拓海に見せていないと涼介は判断。城島は確信犯的に相手を翻弄し、ラインの攪乱をした上で、あくまでもスマートにパッシングをする、「後追いからの追い抜き決着」を目論んでいるのだ。そして7本目突入。城島がついにS字セクションで若干のアンダーステアを出している拓海を尻目に、予定通りパスする。このままでは敗北を喫することになってしまう。ここで拓海がその本領を発揮し始める。「変形溝落とし」で離されずに射程圏内に。チャンスはあるのか?城島がコーナー出口に差し掛かった時に、勝負は動いた。拓海がブラインドアタックを仕掛けてまず相手の視界から消える。城島はセオリー通り次のコーナーに向けてアウト側からのブレーキングに入った。拓海は…。鋭いカッティングでなんと城島のインに飛び込んだ途端にライトを点灯させた。それに意表をつかれる形になった城島は一時的にパニック状態に陥り、ついにシフトノブに置いたままの左手をステアリングに。この瞬間、城島の完全なる予定調和を崩壊させたことになる。そのまま7本目は終了。いよいよ運命の8本目突入。城島先行・拓海後追いでスタート。城島は残りのタイヤグリップと自分の集中力を考慮し、地味だがそのまま独走で逃げ切る作戦。ここでついに城島がレコードラインを拓海に見せる形で勝負に来た。変形溝落としを連発しながら必至の追走を見せる拓海。しかし、ジリジリと引き離されていく。このままでは負けてしまう、どうする拓海。かなりのハイスピードで溝落としのアプローチに入ったその瞬間…「やっちまったー!!」溝に飛び込むときのスピードコントロールを誤り、痛恨のサスペンションブロー。「まっ、負けた!!」みるみるうちにレーシングスピードが落ちていく拓海を尻目に完全なる独走態勢を築こうとしていた。このまま行けば城島が勝利するのは誰が見ても明らかだ。なんと次の瞬間、驚愕の事実が…。勝利を確信しクルージングに入った瞬間、突然の体調異変に襲われ、まさかのスピン。コース脇にうずくまる城島を尻目に、徐行運転中の拓海が今度はパス。ここで勝負あり。今回でINITIAL-D FOURTH STAGEは終了するわけだが、城島から僕は「名言」を頂いた。ここに少しばかりのせようと思います。どれほどの技術を習得していても、これで良いと思ってしまえばその状態を維持する事すら難しい。常に上を向いて努力を続けていなければ、その上のレベルに移行する事はできない。道を極めるという事はそういう事だと思っている。この言葉は、どんな業界の人間でも当てはまることで、人間誰しも向上心を捨てたときから後退が始まると思います。だからこそ、常に飽くなき向上心を持ち更なるレベルアップをしなければいけないと自覚しました。明日からも頑張ろう。