‘IT(それ)’と呼ばれた子(幼年期) *デイヴ・ペルザー*
《米国カリフォルニア州史上最悪といわれた虐待を生き抜いた著者が、幼年期のトラウマを乗り越えて自ら綴った、貴重な真実の記録である。》本の裏に書かれているように、これはノンフィクションです。そうと思いつつも、何度それを確かめたかわかりません。私のように子を持つ親にとって、この本を最後まで読み遂げることは、正直辛いことでした。途中で何度「もうやめよう」と思ったことか(^_^;) 継母などではない、自分の本当の母親による虐待です。兄弟の中で、自分だけが虐待をされ続けるのです。虐待の内容については、書けません、とても。最後の方では吐き気を催してしまうほどの・・・・残酷な虐待です。それでも最後まで読み遂げる事ができた理由はただ一つ。巻頭で少年が警察に保護されるところから始まっているからです。いろいろあったけれど、この少年は保護されたんだ、死にはしなかったんだ、そうわかっていたから読み遂げる事が出来ました。そして読み終えた今は、是非、子供を持つ親(特に母親)の皆さんに読んでほしいと心の底から思います。どんなに子供に対してイライラすることがあっても、きっとこの本を読めば、子供に対する愛情が湧いてくるはずだからです。ガミガミ怒鳴り散らすこともあるけれど、自分はこの母親よりはずっとずっとマシだ。そう、自分に対しても自信がつくはずです。そしてのびのび生きている我が子に対して、愛おしさで一杯になると思うのです。