美味しいドラマスペシャル【警官の血】
2夜連続、5時間にも及ぶ “戦後60年に渡る警官3代を描いた大河ミステリー” 【警官の血】を観ました<大まかなあらすじ> 戦後間もない東京で、安城清二は妻の妊娠を機に刑事になる。 男娼の不審死を調べるうちに、公安刑事・早瀬の怪しい行動に不信を抱く。 その清二が転落死した後、息子の長男民雄も警察官となる。 やがて民雄は潜入捜査を命じられ、精神を病みその後立てこもり事件で殉職する。 完結編では、清二の孫にあたる和也も警察官となり、祖父と父の死に疑問を持ち 最後は早瀬の息子とも会い、60年前の真相を明らかにする。。。ただ事件を追うだけの、ありふれた刑事ものではなく60年という親子3代に渡る人間ドラマがそこにあります。前編では、戦後の人々の生活までもが詳細に描写されており、今後の展開がどうなっていくのか引き込まれていきます。特に民雄役の吉岡秀隆の、精神を病んでいく演技には圧倒されました。天王寺の五重塔の火事も見応え充分。後半は、主役の筈の伊藤英明が霞んでしまう程の佐藤浩市のすごみある演技に、目を奪われてしまいました。存在感ありすぎです!様々な事件、運命と思われる出来事の裏に必ず存在する男の影。。。その男~早瀬が戦地で体験した事が、影響してきていると思われるが・・・なぜ首を捻って3人も殺すまでに至ってしまったのか~そのあたりは不可解。。。早瀬の深層心理の描写が不完全なのだろうと感じる。そのあたりの心の葛藤を知るのには、やはり原本を読むしかないのだろう。車いす生活になってさえもまだ威圧感さえ残る。民雄の葬儀に出ていた木村佳乃の髪だけ白くした姿には、興ざめしてしまいました。映さなかった方が良かったのでは・・・今回の主役は、タイトル通り警官の3名と公安刑事。しかし、脇役とは言え、それぞれに個性ある俳優が出演しており、贅沢なコース料理でした。途中、所々にピリ辛が混ぜ込められ、顔を背け、少々吐き出してしまいたくなりましたが、原本に記述があるのなら、それも仕方ない。。。美味しいフルコースを充分に楽しめました前夜は、藤沢周平作~『隠し剣 鬼の爪』を・・・3夜連続2時間半観てしまいました