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テーマ:☆動物愛護☆(3966)
カテゴリ:保護
猫は、自分のテリトリーを とても大切にします 特に、オスの意識は強く テリトリー拡大や権力闘争で 他のオスとケンカしたり トラブルが起こることもあります オスのように争わなくても やはりメスも、自分のテリトリーに 新しい猫がやって来た時 すんなりと受け入れる子もいれば 頑なに拒む子もいます 何か問題が起こって 弾き出されてしまった子は 片隅に追いやられても 我慢して、そこで生きていくか 新たな場所を求めて、移動していくか… ただでさえ厳しい外での暮らしは 気楽なものではありません だから、余計に保護された猫を見ると それだけで安心する人も多いのでしょうが… たとえば、そこが どんなに大きなシェルターであったとしても 空間は、無限に広がるわけではありません 保護する猫たちが増えていけば テリトリーの問題や相性の問題 いろんな問題が出てきます 保護された彼らが 安全に暮らせない空間ならば 安心することはできないと 私は思います いつか、どこかで限界はくる… もちろん、それは 前回の日記で書いた 命を預かることの責任の重さにも 共通していえることです 個人で保護活動をする ボランティアさんたちだけでなく どんなに大きな愛護団体さんでも 日々、頭を悩ませておられるはずです 仲間たちが暮らす「猫の部屋」にも やはり、同じ問題がありました 快適なリニューアルを行い なにを贅沢な…と 言われるかもしれません けれど「猫の部屋」は そもそも、新たな猫を受け入れていく 場所ではありません たとえば、部屋の仕切り方などの大きなことから 見ただけではわからない細部に至るまで すべては、今いる仲間たちに合わせて 作られているのです 限られた空間の中で テリトリーの違う仲間たちでも 相性の悪い仲間たちでも なんとか一緒に、快適に過ごせるようにと 彼らの行動を観察しながら みんなで考えた空間 たくさんの卒業生を見送り 仲間たちの数が減っていくたびに いろんなことを試して 今のかたちに落ち着きました 今回、新たに現れた4匹は もちろん、今いる仲間たちとは テリトリーも違えば、年齢も違う猫たち 今の「猫の部屋」の環境と 仲間たち1匹ずつのことだけをとっても すぐに答えが出せるほど 簡単な話ではありませんでした 緊急ミーティングでは 新しいお当番さんたちもいるため 司令塔Aさんと秘書たちは 今までの経緯と活動の方向性 そして、今いる仲間たちのこと 4匹の猫たちのことなどを話しました そして、現時点で考えられる問題点を 具体的に挙げていき 全員にアンケートを行ったのです 新たな猫たちをどうするのがいいか 問題点をどう解決するか Aさんや秘書たちと同様 お当番さんたちも悩んだと思います もしも、受け入れるなら そこには、また大きな責任が伴うことも 考えたでしょう 可哀相だから…という気持ちだけでは 決められない現実問題があることは みんな感じていたはず それに、今いる仲間たちも新たな猫たちも 安心して生きられなければ、意味がない そのためには、どんな方法があるだろう… 自分ができることはなんだろう… お当番さんたちからは たくさんの意見がでました そして、Aさんと秘書たちの覚悟も 決まりました ミーティングのあと Aさんは、公園事務所と話をしました アンケートで出された意見と 今後、必要な対策をまとめて 「猫の部屋」全員の思いをぶつけたそうです そして、その後… Aさんの元に 公園事務所の証印が押された 書類が届きました 正式に、公園事務所から 「猫の部屋」へ保護依頼が来たのです たぶん、公園事務所の職員さんたちも かなり考えられたのでしょう 担当の職員さんは 「こんなことを繰り返していても解決しませんね…」と Aさんに謝っておられたそうです 猫たちの保護を「猫の部屋」に任せて 目に見える場所から、彼らがいなくなればいい… そこで、幕引きとするのは 簡単なことなのかもしれません けれど、それだけでは 今までと何も変わってはいかない 行政は、行政の立場から もっとやれることがあるはず… あらためて、そう考えてくださったからこそ 正式に保護依頼が出たのだと思います きっと、今まで以上に 公園事務所の職員さんたちは 市民協働で野良猫たちに関わる意義を 考えてくださるでしょう Aさんは、担当の職員さんの話を聞いて 少し気持ちが救われたと話していました 正式な依頼を受けたあと みんなで受け入れの準備を整え すぐに、4匹の猫たちを保護するために 捕獲器をかけました 初日に捕まったのは やはり、そこに居着いてしまった シャム系の猫でした 小さな体なのに なかなか、気の強い彼女 捕まった日は、大暴れしたものの 手術を終えて戻ってくると すぐに、ご飯を求めて 甘えてくるようになりました Aさんは、そんな彼女に 「あんり」と名付けました そして、次に捕まったのが とても怖がりなキジ猫 真横になるほど両耳を下げ シャーシャーと威嚇していた彼女は まるで昔の仲間たちのよう 手術を終え、ケージで暮らすようになった彼女が トイレに座り込んでいるのを見た時 秘書たちは、何だか懐かしがっていました 彼女に付けた名前は「ひめ」 こちらも、Aさんが名付け親です しかし、その後… 何度、捕獲器を仕掛けておいても 残りのオス2匹が捕まることは ありませんでした そればかりか、彼らの姿を見ることも なくなってしまったのです あんりとひめが捕まったからなのか それとも、何かがあって 他の場所へ行くようになったのか また、そこで 彼らを見かけた誰かが 心を痛めているのだろうか… いろんなことを考えながら 毎日、みんなで待っていたのですが 結局、彼らは見つからないまま いったん、捕獲は終了するしかありませんでした 今でも、秘書たちは また、彼らがふらっと立ち寄っていないかと 2匹の姿を探しています こうして「猫の部屋」に また、中之島の苗字を持つ猫が増えました 旅立つ仲間もいれば 新たにやって来る仲間もいる… これから、あんりとひめが どんな一生を歩んでいくのか それは、まだ未知数です ただ、これからも「猫の部屋」は 一生懸命に生きる仲間たちを支えていくでしょう 仲間たちの一生に関わった人たちが それぞれ、できることで… どうか、皆さん 彼女たちが幸せをつかめるように 一緒に見守っていてください 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp あんりとひめの長いご報告を読んでくださって お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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