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テーマ:猫の気持ち(26)
カテゴリ:保護
「母を呼ぶ声…その1」はこちら
公園で暮らしていた頃 私は、鳴かない猫でした 毎日、通っていた秘書たちも 長い間、私の声を知りませんでした でも、たった一度だけ… 私は、半狂乱で叫びながら 公園中を歩き回ったことがあります 鳴いて、鳴いて 喉が枯れ、声がかすれて それでも、まだ鳴き続けて… あの時、私が鳴いたのは いなくなった子供たちを呼んでいたから 少し大きくなっていたから もう、ずっと抱きしめている必要は なかったのだけれど… それでも、私は 子供たちのそばを離れなかった 何かあれば、いつでも守れるように いつでも抱きしめられるように そばにいようと思っていました 季節が変わり、風が冷たくなった公園で 体調を崩してしまった子供たち あの時、すでに子供たちは 安全で暖かい場所にいたのだけれど… 何も知らなかった私は 姿が見えなくなった子供たちをさがして 叫び続けました 粉雪が舞う中 誰も来なくなった公園に響くのは 自分だけの鳴き声 それが、とても怖かったことを覚えています 秘書たちが衝撃を受けた 子猫たちとの出会い 彼らは、本当に小さくて ごはんを食べること、トイレに行くこと まだ、自分では何もできない赤ちゃん けれど、彼らは どちらもすごく健康そうで 体中、ピカピカしていました あの朝、彼らは突然 湧き出てきたかのように シルバーさんたちの前に現れました それまで、子猫の姿を見たり 鳴き声を聞いたりしたことはなかったそうです 「けど…いたんだよね、きっと…」 「うん、鳴かなかったら、誰も気付かないよ…」 秘書たちには こんな光景が見えるようでした ほとんど人が来ない静かな場所 物陰に身をひそめると どこからも姿が見えることはない 雨露をしのぐ隙間も多い たぶん、いつもの朝なら 安心した表情で 眠っているはずの子猫たち 彼らが静かに眠れるのは きっと、いつもそばに 安心できる存在がいるから… 彼らがお腹を空かさないように 何度もおっぱいを飲ませて 何度も体中を毛繕いして… 愛情いっぱいの眼差しで 小さな彼らを何度も見つめて 優しく、何度も抱きしめて… その光景の中には 大切な我が子に寄り添う 母親の姿がありました シルバーさんから話を聞いた後 秘書たちは、発見現場の 猫が隠れられそうなありとあらゆる場所を 見てまわりました 人間による遺棄だとは 到底考えられない場所である以上 母猫が一緒にいたはずだと思ったからです とても静かで 隠れる場所も多いあの場所なら 出産にも子育てにも適している おそらく、ずっと あの場所に親子はいたはず しかし、どこをさがしても 母親らしき猫はいない きょうだいらしき子猫もいない… 「アンタたち、必死でお母さんを呼んだんだよね…」 「いったい、どこに…」 母猫がいないことに気付き 子猫たちが大声で鳴きながら 物陰から出てきたのは間違いないでしょう では、母猫はどこに行ったのか こんなに大切にしていた子猫たちを置いて どこかに行ってしまうだろうか 秘書たちには、どうしても 母猫が育児放棄したとは思えなかったのです やっぱり、何かがおかしい… あれだけの大声で 一生懸命に自分を呼んでいるのに… 姿を現すことはなかった 応えて鳴く声も聞こえなかった 気配すらなかった 朝、子猫たちが見つかった直後から 周辺に人が少なくなる夕方 そして、静かになった夜… 何度もあたりを見て回ったけれど 子猫たちの母親の姿は 忽然と消えてしまったかのようでした 発見現場の周辺は お当番さんたちにも馴染みのあるエリアです 何かあれば、必ず届く お当番さんたちからの報告にも 親子に関連するような内容はない 「アンタたちが鳴く前までは、お母さん一緒にいたんだよね」 「帰らなかったんじゃなく、帰れなかった…とか」 別の報告なら、いくつもありました 前日には、たくさんの報告が重なっていて 大きな報告もあったけれど… 「え…、もしかして…」 「いや、わからない…確かめてみないと…」 もしも… それまで、秘書たちが まったく違う話だと認識していた出来事が どこかで繋がっていたとしたら… キャリーの中で 眠る子猫たちを見ながら 母親の消息を考えていた時 秘書たちは、あるひとつの仮説を 思いつきました ただ、それは まだ推測でしかない話 けれど、もしも 確証が得られたとしたら… きっと、自分たちは 子猫たちと出会った時以上に 大きな衝撃で言葉を失うだろう… 秘書たちは、そう思いました 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp 「猫の部屋」は、こんなに小さな子猫たちを 保護できる環境ではありません そのため、多くの皆さんから 「今、子猫たちはどこにいるのですか」と ご心配のメールをいただきました 現在、子猫たちは 月曜日のお当番ししさんがご自宅で 一時預かりして下さっています 2匹とも元気に育っていますので どうかご安心ください また、現在の様子と合わせて あらためて、一時預かりさんが決まるまでの話も ご紹介しようと思います 皆さん、本当にありがとうございます まだ、この話は続きます もうしばらく、お付き合いいただけると嬉しいです 猫ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ 秘書たちが出会った小さな小さな命たちに… どうか応援よろしくお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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