「おかえりなさい…」
[帰郷] ブログ村キーワード 初めて会った日この場所に彼女はいました少し冷たくなった風に吹かれて流れる水面を見つめていた姿柔らかそうな体に秋の日差しを受けて川岸に座り、ひなたぼっこする彼女が橋の上から見えました気持ち良さそうに丸くなった彼女がゆっくりと顔をあげ小さな頭を動かして…見上げる彼女、見下ろす私目が合った時こんなにも長く、彼女と過ごす時間が続くとは思いもしませんでしたあの日から、橋を渡るたびに彼女の姿を探しました冬が来て、春を迎え暑い夏も、再び訪れた秋も川岸にいる彼女はいつも遠くを眺めていました川で跳ねる魚の水しぶきだったり落ち葉がくるくる巻い落ちる様子だったり自由に空を飛ぶ、鳥の姿だったり橋の上を歩きながら川岸に座る彼女の姿を眺めるのが私は好きでしたいつも彼女のまわりにはたくさんの仲間たちがいました彼女が誰からも慕われていることがわかりました群れを持たない動物なのにまるで大きな家族のように助け合い毎日、一生懸命生きている姿その中心に、いつも彼女はいました川岸で寛ぐ彼女のそばにはまだ幼い表情の残った弟や妹たち遠くを眺める彼女に寄り添うだけで安心しているような姿に心惹かれました何度目かの秋彼女の場所へと繋ぐ、螺旋のスロープに背の高いフェンスが張られました大きな看板には立入禁止の文字橋の上の世界から完全に遮断された日にもやっぱり彼女は、この場所にいました取り残されてしまったことにも気づかず無邪気に寄り添う弟や妹たちその傍らで、じっと川を見つめ冷たい風に吹かれていた彼女橋の上から、そんな彼女の姿を胸が張り裂けそうな気持ちで見つめていた私彼女の目ははっきりと問いかけていました『どうして』この場所での思い出は数えきれないほどあるのに…今も目を閉じるとあの日の彼女の姿と悲しかった記憶がなぜだかいちばんに浮かんできます彼女が、この場所に座り橋の上から見つめる私に教えてくれたことはたくさんありますその中には身勝手な人間たちへ突き付けた鋭い刃もありましたすべてを私が正確に受けとめられたのかはわからないけれど…彼女たちが置かれている不条理な現実を打ち破りたいと感じた気持ちは今も心に根付いています昨日、彼女はこの場所に、帰ってきました様変わりした公園はまるで知らない場所のようだったけれど川の流れだけは、何も変わらずあの頃のままでした久しぶりに訪れた、この場所で彼女の定位置に座りゆっくり川を眺めました彼女の場所から見上げた橋橋の上から眺めていた時には彼女のいる場所は遠くて手が届きそうにないと思っていたのに…いつも彼女を見つめていた私の定位置は思いがけないほど近くに感じて手を伸ばせば届きそうに思えました彼女が生まれ育った懐かしい場所たくさんの思い出が詰まった場所変わらない川の流れを見て彼女はホッとしたでしょうか…あの頃、この場所で彼女が生きていたことを知る人たちは僅かだったかもしれませんでも、今はとても多くの人たちが彼女の帰郷を迎え彼女が残した多くのものを大切に感じています「ふさこ、おかえり…」 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nekomat@nifmail.jp土曜日、ふさこは懐かしい剣先に帰ってきました。たくさんの人たちがふさこの帰郷を見守ってくれました。彼女の生きていた年数の半分以上を見つめていられたことまた、この場所に帰せたこと私たちは、幸せだと思っています第一秘書&第二秘書 ブログランキングに参加しています!いつも応援ありがとうございます