お別れの時
3月1日。実家に託していたワンコ、克哉が亡くなりました。15歳でした。アタシのワガママを押し通し、無理矢理うちに連れてきたワンコ。なのに震災後、両親の引越しに伴い、アタシも独立。犬を飼えるような住居ではなかったので、実家に託す事に。以来、すっかり父の相棒となっていました。その溺愛ぶりは、孫に対する以上のもの。その父が、実は1~2年程前から病気を患っていて、検査入院も含め、入退院を繰り返していました。普段は、普通に仕事もしてるんですけどね。そしてこの1月。また大きな手術と、長めの入院。3週間の入院予定が、病状が思わしくなく入院が延びそうかな…という頃、克が、父と同じ病気だと判明しました。あぁ本当に、父と一心同体なんだね。って、哀しいながらに母と話していました。犬の15歳と言えば、かなりの高齢。昨年末には、急にひきつけを起こすようなコトもあったらしく、手術は無理。神様のご意志に任せ、対処療法は施さない選択をしました。そして、父がそろそろ退院できそうかな…という話が出た頃。克の容態は急変し、何も食べられず、ほとんど起き上がる事もできなくなっていきました。日に日に容態は悪くなり、夜中も鳴き続けるほど、辛かったようです。延命治療は、辛さを長引かせるだけ。それならばいっそ、早く楽にならせてあげた方が…。それでも、あの子は頑張っていました。そう。それはまるで、父の帰りを待っているかのように。3月1日の朝、息を引き取りました。父が退院する日でした。ほんの数時間、父は間に合わなかったんです。でもきっと、あの子は父が家に帰ってくる事をわかって、安心して逝ったんだと思います。克が、父の身代わりになったんじゃないか、という気さえしています。昨日、父と2人で動物霊園へ、克を連れて行きました。さすがの父も、相当に堪えているようでした。アタシ。多少の辛い事があったって、ご飯も食べられるし、寝られます。現実には、普段以上にこなさないといけない事が山積みで、仕事も、プライベートも、ものっすごい気を張ってる状態です。でも、ふと気を抜くと、勝手にボロボロ涙が溢れてきます。アタシなんか、夫に気を遣うため、滅多に実家には行かないもんで、結婚してからは、克と顔を合わせるのも年に数回あるかないか。でした。アタシなんかが、そんななのに。あの子の存在は、なんて大きかったんだろう。父が、白装束に書いたメッセージは、「長いことありがとう」でした。