八方位における家族の縮図
我が家のピン芸人ぴょん。算数オタクのおちゃるの弟とは思えないほど、「直角」を親の敵のように憎む男である。でも、おちゃるより国語がまだ比較的ましなのでトントンな成績を取ってくる。 そんな国語に頼るしかない男、ぴょんだが、重大な弱点がある。2年生も終わりに近づくこの時期に、未だ象形文字しか書けない。本人すら読めないその字を添削し、丸を付けてくださる先生。・・・・甘いのか、投げているのか・・・・心の目で採点しているのか・・・。 そんなぴょんだが、読むのは得意だ。竜の住み処、闇の魔術、勇者の剣、幻の洞窟、悪の手下、薔薇の刻印・・・ごくごく一部に限っては2年生以上の漢字も読める。しかし、「お社」なんかは守備範囲に入っていなかったらしく、「おっしゃ!」と読んでくれる。親としては、何とか漢字ぐらいまともにしたい。 休みの日は比較的時間がとれるので、復習もかねて漢字(を読めるように書く)練習をしている。漢字なんて時間をかけなくても書けそうなものだが、ぴょんの場合象形文字が並ぶことになるのでマンツーマン指導だ。怪しい書き順や、点にも容赦なくチェックを入れる。「ママ、北南じゃなくて南北なのはなじぇ?」「へっ?」「南北に道が通っている。」って書いてあるけれど、北が優先じゃないの? ちょっと前、通信教育で地図の見方が出てきたときに、基本となる方位もある程度しっかりと覚えさせた。「北」がメインだから地図の上はほとんどが北。八方位になったら、北か南が先でそれに東西が付いてくる。ぴょんのなかでは「北」が最優先になっているから、「南北の道」は納得いかないらしい。「そりゃ、そう書くことに決まっているからよ。」 そのとき、横で聞いていたおちゃるが「いい?北がパパで、南がママ。東がお姉ちゃんで西がぴょん。パパは大黒柱だから、いつも上にいて、東と西はあとからついて行くけれど、パパとママだけになったらママの方が強いの!」 おちゃる~~あなたはそんな目で親を見ていたのね・・・「でも、これでばっちりおぼえたから、間違えたことないよ。」 ぴょんが尊敬のまなざしで見ていた。おねがい、お願い!絶対に学校では言わないでね