金毘羅ふねふね
気が付けば財布の中はポイントカードでいっぱい。そしてその半分も期限切れだったりして捨てる羽目になのが常。まともに交換できるのは近くのスーパーのものとANAポイントのみといういい加減さである。さて、ずっと前、夫のANAアップグレードポイントが期限切れ寸前で挙句に移動の選択肢が2か所しかないので、仕方なくANAコインにした。ANAコインは航空券かツアーにしか使えない。もっと選択肢狭まった。そしてまたまた期限がやって来た。そこで以前ブログでBelgische_Pralines さんがやっていたANA国内ツアーをすることにした。たった5,000ポイントを使うために2人で98,000円の3泊4日、航空券と朝食付きホテルだけ付いたツアーを買ったのである。行先は高松と倉敷。私は四国に行ったことが無い。羽田を発つと眼下に八ヶ岳、南アルプス、御嶽山と地上からは見慣れた山々が眼下に動いていく。出された食事を食べて、写真を撮っていたら、もう着陸態勢になった。高松空港出口を出ると待合室では何人ものバスツアーのお客が白い法被を着て、お遍路さんに変身していた。私と夫は金毘羅さん直行バスに乗る。乗客は2人だけ。貸切バスになった。紅葉する山々や、初めて目にする学校の教科書で習ったため池の景色のなかを走るバス。バスで教えてもらった土産物屋さんに荷物を預け、さてさてまずは金毘羅参り。店の人が、「ジャケットは置いて行った方が良いですよ。」「金剛杖をお持ちなさい」という。そんな年寄じゃあるまいし・・。年寄りだけど・・・。なるほどなるほど、杖を突くと階段は登りやすい。「これなら階段膝が痛くないですね。おじいさん」と夫に声を掛ける。「・・・。」次から次に現れる階段に、夫は返事もしない。土産物屋が階段の脇に並ぶ参道。ところどころに灯篭や真っ赤に紅葉した葉っぱ。だだだっと、軽快に駆け上って追い越していく、修学旅行の中学生たち。そして、わたし達と同じように杖を突いてひいこら登る外国人。こんなお手軽なお人も。本当は乗りたかったけれど、「重いね」なんて言われたらいやだから乗らない。途中にキツネみたいな犬がいた。首に何かぶら下げている。昔、金毘羅さん参りが出来ない人が、犬の首に食事代とお賽銭をぶら下げて、上まで登る参拝者に犬を自分の身代わり参拝に連れて行ってくれと犬を託したと書いてある。夫が言う。「門前にお賽銭ぶら下げたそれらしき犬がいなかったよね」もちろん冗談で言うのである。しかし、そこで、私の頭は思考するため杖と足を止める。「その犬は門前に待機している犬じゃなくて、旅人の通り道の村に飼われていて、そこから旅人と一緒に旅をして来たんじゃないの?だから犬用の食費も首に付けているんじゃない?」「ええ!じゃあ犬は旅籠に泊まるの?」と夫。800段の階段登りで頭は酸素不足なんだから、やめてよね。本宮に参拝し、その先延々と続く奥の宮まではパスして、同じ道をわき目もふらず下った。お腹がすいていたから、初めて食べるお土産屋さんのうどん県のうどんは最高においしかった。そこから今度は琴電に乗って高松市内へ出た。途中、栗林公園を見学しようと思ったけれど、スマホでチェックしたら、ちょうどその日が公園の紅葉のライトアップ最終日と書いて有って、見学は夜にすることにして、ホテルに直行。玉藻公園(高松城址)と小豆島、鬼が島(女木島、男木島)直島、等に向かう瀬戸内海島めぐりの船着き場が見えるホテルの10階。中山道の貧乏旅行に慣れてきている我々にとったら、チョイスしたホテルクレメントはなかなかいい部屋であった。