ジャーナリスト魂を捨てた「読売新聞」
6月30日未明、参院本会議で社会保険庁改革関連法や年金時効撤廃特例法、公務員制度改革関連法などが与党の強行採決によって成立。国会は7月5日までの会期を残して閉幕し、議員は参議院選挙へ向けて走り出した。ところで7月1日付の「読売新聞」の社説で「国会閉幕、対決、演出の政治は不毛だ」と報じていた。「読売新聞」は「社会保険庁改革関連法は社保庁の廃止・解体、非公務員化によって、ずさんなお役所仕事を根絶し、年金の信頼回復へ抜本的な転換を図るものだから速やかに実現しなければならない」と政府の法案を支持している。しかし直近の世論調査でも国民の87%はこの法案で改善するとは思っていない。また「読売新聞」は年金問題混乱について「参院での与党過半数割れの実現を最大の目標とする小沢代表の下で一貫して対決姿勢で臨んだ」ことが原因だと述べている。そして「対決の構図を描き出すことに腐心したのでは、骨太の建設的な論戦の影が薄くなるのも当たり前だ」と民主党の対決姿勢を批判している。しかし国民に支持されない「中身の無い法案」について「中身の無い論議」で時間を費やし、時間がきたから強行採決という自民党のやり方を「読売新聞」はなぜ国民に伝えないのか。さらに「年金問題について与野党がもっと話し合えばいい」という論調を展開する。一見正論のように見えるが、責任を拡散させたい政府の思う壺では無いか。2大政党制というのは対立する2大政党がお互いの考え方、政策を主張し、どちらがいいかを国民に選択をしてもらうものである。2大政党が話し合って談合すれば中途半端なものになったり、かつての「自民党と社会党」の時代のように表面で争っている振りをして裏でこっそり手を握り国民を欺いてきたことを繰り返すだけである。こんなことは大新聞の社説を書く記者であれば良くわかっているはずだ。どう考えても政府与党に頼まれて彼等が気に入るような書き方をしているとしか考えられない。まさに「読売新聞」は政府に操られた「家畜新聞」であり、ジャーナリストとしてのプライドや自覚をかなぐり捨てているとしか思えない。