小泉の3度目訪朝は無い
1月の山崎訪朝で「小泉の3度目の訪朝を望むか」と宋大使に山崎が質問したところ宋は「望まない」と返事をしたという。それ以来、山崎は小泉の3度目訪朝について口にしなくなる。小泉はその気になりさえすれば安倍政権に対し政治的影響力を発揮できる立場だが、何故か金正日は小泉をあてにしなくなったようだ。小泉総理の第一回目の訪朝では国民感情を考慮し「笑顔を見せるな」「両手で握手をするな」「昼食を一緒に取るな」と外務省が釘を刺していた。西側首脳が訪朝すると最大の礼節を尽くす北朝鮮には非礼な行為と写ったのであろう。二回目の訪朝では平役人を出迎えさせ一回目と同じように腹を割った話は出来なかった。小泉政権当時、金正日は北朝鮮に対し様々な便宜を図ってくれた小泉を親北朝鮮と捉え、またブッシュとも仲がよいということで小泉を評価していたふしがある。米国との関係改善を最大の国家目標にしていた金正日は小泉を介してブッシュと話し合いができることを期待し、小泉訪朝や拉致被害者返還など相当な譲歩をしたつもりなのだろう。ところが小泉がブッシュに米朝の直接対話を呼びかけても無視されるなど、小泉にブッシュを説得できる力は無いことが分り、また北朝鮮強硬派の安倍を次期総理に担いだため北朝鮮は小泉が「口先だけ」の親北朝鮮派と見抜いたのかもしれない。すでに米朝対話が実現した現在、小泉の三回目訪朝は北朝鮮に何のメリットも無いのだろう。