イラク占領に対する麻生外相の対米批判
麻生外相は3日午後、京都市で講演し米国のイラク占領政策に言及し「ラムズフェルド前国防長官の行った占領後のオペレーションは全く幼稚だった」と述べた。この発言は、久間防衛相につづく米政府批判でもあるが、世界一強大な軍事力をイラクへ傾注している米軍の自尊心を傷つける恐れもあり波紋を呼びそうだ。小泉内閣の頃は小泉-ブッシュの親密さを反映して政権内からのイラク戦争批判は殆ど聞かれなかったが、安倍政権になり風向きが変わりつつある。麻生外相の発言は米国政府が日本政府の頭ごなしに山崎拓と裏調整したり米朝協議で柔軟姿勢に転じていることに対する牽制とも受け取れる。ところで国際ジャーナリストの田中宙は米政権内の権力闘争がイラク国内情勢の混乱の原因と述べている。具体的にはチェイニー等が米国の覇権を壊し世界を多極化するために謀略機関を使ってアルカイダのテロや宗教対立を煽りイラク国内の混乱を引き起こしていると指摘している。どうやらイラク混乱をイランのせいにして戦争を吹っかけたいチェイニーと、多極化によって成長が促進される新興諸国との取引で莫大な利益を挙げたい経済派ユダヤのニーズが合致してイラクの混乱が引き起こされている可能性がある。麻生外相の発言の裏には米政権内の権力争いによって日本が振り回されたくないという意図もあるのかもしれない。