無駄だらけの中小企業政策
日本の企業の99%以上は中小企業である。政府の中小企業政策は、戦後一貫して「中小企業の保護育成」であったが、現在は「やる気のある中小企業の支援」になっている。ところが中小企業政策は殆ど役所任せとなっており、また中小企業対策の予算については自民党から共産党まで全員賛成するため一種の聖域となり無駄な部分も多い。一番気になるのは施策の恩恵を受けている中小企業は1%以下であり、多くの中小企業は国の施策など知らないか頼りにしていない。また役所が行なう施策で代表的なものに「補助金」があるが「補助金」は中小企業にとって麻薬と同じで、これに頼る中小企業を廃人にしてしまう。しかし現実には役人が一部の中小企業に「補助金」をつかませて恩を売り、自分達は仕事をしているつもりになっている。企業というものは自立した存在であり、ビジネスを知らない役所に助けてもらわなくても立派にやれるものである。恐らく今の膨大な中小企業予算をゼロにしても中小企業政策で食っている役人以外は誰もこまらない。ところで昨今の景気回復は大企業中心で特に地方の中小企業まで波及していない。また下請け中小企業は原価低減を目指す大企業の犠牲になっている面もあり何らかの対策は必要であろう。政治家も大企業や役人の言いなりではなく、もっと中小企業に夢を持たせる(補助金バラマキではない)地道な政策を考えるべきだろう。