『 リアル鬼ごっこ 』 山田悠介
流行というのは恐ろしいものだと思いました。子どもが読んでみたいというので本屋さんへ行ったら、ベストセラーになっているというではありませんか。子ども達の間では遊びの鬼ごっこも『リアル鬼ごっこ』と呼ばれているそうです。遊び方の内容を聞くと昔とまったく変わっていないんですけどね…。いったいどんな内容なのだろうと私もすぐに読んだのですが、童話を思わせるような幼い文章で内容もこれといってどうということはないのです。わがままな王様の思いつきで佐藤という姓を減らそうということになり、捕まえる側にも生死をかけた任務が課せられ、当事者達には真剣な鬼ごっことなるのです。子どもが読むというのにどんな表現をしているのだろうと、とても心配だったのですが、捕まったという表現だけで、どうされているのかは語られていなかったのでちょっと胸をなでおろしました。しかしその先を想像させられるから多感な子ども達には恐いものなのかもしれません。親、兄弟、友達…次々と捕まっていく展開はありきたりだし最後も「ふ~ん」という終わりでしたが、恐ろしい内容です。いったいこれがどうして流行っているのでしょう。子ども達の恐いもの見たさなのでしょうか。やはり同じ歳の子を持つ友人に貸して欲しいといわれていたので、子どもに話したら「え~、やめた方がいいよ」という返事が…。今まで彼に買ってあげて読み終えた本を貸し渋るということがなかったので「どうして?」と聞くと「グロいよ」という一言が…。この一言もどうかと思いますが彼なりにそういう本とわかっているのでしょうか?でも次の『親指さがし』と『×ゲーム』を買ってくれという彼の気持がこれまたわからない母でした。学校でやたらになんでもリアルという言葉をつけるのも流行っているらしいので「リアルってどんな意味だと思う?」っと聞いてみたら「現実…かな」と答えた次男でした。