苦手Oさん
もう20年近く前の碁から。Oさんは、当時70代だったと思うが、大の苦手だった。序盤から悪くしてしまう事が多かった。当時はどうしてそんなに悪くなるか分からなかったが、今振り返るとOさんの独特の手に安易に対応してハマってしまう事が多かったようだ。 実戦図1はOさんの白番の碁。以下の局面で白2が策のある手。おそらくこの時は変な手だなあと思いつつ、白をコリ形にしようと黒3と打ったと思うが白4が面白い手。一間ハサミで似たような形になる定石がこの10年ほど流行しているが、この時は流行前でこの打ち方は完全にOさんのオリジナルだと思う。3の上に一本はねてから白4も有力と思うが、実戦も黒がもう一つのようだ。後に左上を白から切り取った場合、辺の2線に置きが生じるのも嫌味だ。すぐに3に打たずに他に展開した方が良かった。実戦図1 以下の局面は黒がOさんで私の白番の碁。右辺で上手く打たれてすでに黒が優勢。 右上から中央に向かってケイマに打つくらいで黒十分だと思うが、ここでOさんの繰り出した手にはビックリした。実戦図2 実戦は以下、黒2から4の切り違い。この時は、「ムチャクチャしてくるなあ。それは無理だろ。」と思った覚えがあるが、黒から7の斜め右下の点が利きになるので、意外に難しい。乱戦になって、結局押し切られた。実戦図2