あなた何人殺しましたか? 受動喫煙
スケートの織田選手の酒気帯び違反でたいへんな騒ぎになったようだ。事故を起こしたわけでもなく車でなくバイク運転ということだが、女の子にいたずらしたサッカー選手と同じくらいの扱いは、ほんの数年前なら考えられなかった。 かなり情緒的ではあるが、とにかく飲酒運転撲滅の機運が急速に高まったことは良いことだ。私自身もこれには後ろめたい思いがあるので、偉そうなことは言えない。 ところで、飲酒運転よりずっと他人の生命を危険に晒し、狂牛病より桁違いに健康被害の危険があるのに、かなり放置されている迷惑行為がある。受動喫煙の問題である。 おそらく、禁煙者も非喫煙者もタバコの危険をあまり知らないことと、タバコ産業の圧力でマスコミが知らせないことがその理由であろう。 タバコの煙には、約200種類の有害物質と現在69種類の発ガン物質が明らかになっていて、さらに未知の物質も多数あるそうだ。ニコチン・タールなどかわいいもので、他に一酸化炭素、ダイオキシン、ヒ素、鉛、カドミウム、青酸ガス、亜硫酸ガス、製造中止の農薬等、恐ろしい毒物が入っている。中には、ロシアスパイ暗殺事件で有名になったポロニウムまで入っている。 喫煙者だけの問題なら良いのだが、喫煙者が吸いこむタバコの煙は数%程度で、大半は空気中に流れていく。建物の中であれば、充満して他の人達が残りを吸いこむことになる。狭い室内で煙がもうもう、などと言う状況は殺人的である。 喫煙者でここを見ている人がいたら、自分は殺人を犯していることを自覚してほしい。以下資料(ウィキペディアより抜粋 一部情報が古い)受動喫煙(じゅどうきつえん)とは、喫煙をする者の周囲の人間が、その煙(環境たばこ煙:environmental tobacco smoke:ETS)を吸引する行為である。環境たばこ煙とは、副流煙(喫煙者が直接吸う主流煙に対し、たばこの先から立ち上る煙)と、呼出煙(喫煙者の吐き出す煙)が交じり合ったものを言う。対義語は能動喫煙(のうどうきつえん)。受動喫煙は死亡率や様々な疾患を増加させることが、複数の科学的証拠に基づいた上で示されている[1][2][3][4]。環境中たばこ煙(ETS)の成分副流煙は、煙草の発火点から直接立ち上ることによる温度の差から、主流煙の数倍ないしそれ以上の有害物質を含んでおり、非常に危険であると警告されている。米国環境保護局(EPA)は、環境たばこ煙をAクラスの発癌性物質に分類している。タバコ会社自身による実験においても、種々の発癌性物質の濃度が、主流煙よりも副流煙において高いことが示されている[5]。副流煙と呼出された主流煙が混合したETSは、ニコチン、ナフチルアミン、ベンゼン、アンモニア、ホルムアルデヒド、ベンツピレン、一酸化炭素、鉛、ポロニウムなど約4000種類の化学物質を含み、うち43種類は発癌性物質である。その他に、多量の微粒子を含んでいる。 受動喫煙に伴う問題受動喫煙に伴う問題は、喫煙者以外の者が当人の意思に関わりなく環境たばこの煙を吸わされてしまうことである。受動喫煙により、がんや心臓疾患などのリスクが増加することが知られており、公共の場、飲食店、職場環境あるいは家庭などの様々な場所や状況において、喫煙に付随して生じる社会的な問題となっている。特に、新生児や乳幼児は、自発運動ができず環境に極めて受動的で、呼吸器や中枢神経などが発達途上であり身体的な影響を受けやすい(後述)ため、受動喫煙を避けられるような配慮がなされるべきである。また職場環境においては、一般には職業選択の自由があるとはいっても、職場環境の付随要素である受動喫煙だけでは仕事を替えたくないと考える人もおり、職場における喫煙の可否が争点となることもある。これは労使問題(→日本では労働安全衛生法)の上で、事業者が労働者のために安全で健康的な職場環境を整える義務があることにも絡んで、訴訟になったケースも見られる(後述)。 受動喫煙の健康への影響受動喫煙も能動喫煙も、量に差はあるものの、同様の成分を吸入する行為であり、喫煙と同様の疾患リスクが増加する可能性がある。喫煙リスクの一つである発がん性などは、原因物質の量的な問題に対して安全量は存在せず、能動喫煙によって生じる疾患が受動喫煙で生じないとの証拠はない。WHOなども喫煙リスクに対し同じ見解にたっており、受動喫煙に対してもこれによっている。米国公衆衛生局長官年次報告においても、受動喫煙には安全量、安全な暴露時間はないと指摘している[6]。疫学的な研究によって受動喫煙と関連づけられている疾患として、悪性腫瘍(がん)や心筋梗塞などの循環器系疾患などがある。たとえば、7369人の肺癌患者を対象としたメタ解析では、夫婦での受動喫煙による肺癌の相対リスクは1.25倍、職場の受動喫煙については1.17倍と報告されている[7]。WHOの小研究機関である国際がん研究機関(IARC)の行ったメタ解析においても、喫煙者の配偶者の肺がん罹患率は、その他のバイアスを除いても、女性の場合20%、男性では30%増加すると結論づけている[8]。 動物実験においても、タバコを吸引させることで肺がん罹患率が増加するという報告もある。その他、様々な証拠から、たばこと癌罹患率の相関関係は、タバコの煙に含まれる有害物質によるものと解釈するのが妥当であると考えられている[9]。また、乳幼児の受動喫煙により、乳幼児突然死症候群(SIDS)、呼吸器感染症、中耳炎、気管支喘息、子供の行動障害、思春期における喫煙率などが増加することが報告されている[10]。喫煙を望まない非喫煙者への健康被害を与えるという客観的証拠が蓄積していることや、タバコの煙の臭いを好まない人も多いことから、喫煙者は非喫煙者に対する配慮が求められる。 各国の対応・事例日本では2003年5月1日に施行された健康増進法において、公共施設等の多数の人が利用する施設の管理者に受動喫煙防止義務が課せられた。これによりレストランや公共施設・公共交通機関での分煙ないし禁煙が進められている。名古屋では2007年5月1日より全タクシー8050台の全面禁煙化が決定している。2005年2月27日に発効したたばこ規制枠組条約(→たばこ規制枠組み条約)では、受動喫煙の防止が各国の責務として定められており、日本も批准しているがアメリカや中国は署名は行われたものの批准にまで至っておらず、各国の社会情勢などによって左右されている。アメリカにおいて分煙では、受動喫煙の完全な防止は難しいという見解が一部でされている。2006年米国公衆衛生局長官報告においても、職場環境などの室内における受動喫煙の完全な防止には、分煙、空気の洗浄、換気などでは不十分であるという見解がなされている[11]。 参考文献1 WHO Framework Convention on Tobacco Control 192か国に承認され、168か国が締結した公衆衛生のための初の国際条約 2 U.S. Department of Health and Human Services. 2006年米国公衆衛生局長官年次報告 報告書中の結論の一つとして「受動喫煙は小児および成人において、疾病や早死を起こす」と述べている。 3 カリフォルニア州環境保護庁:Air Resources Board ETSは毒性を持つ空気汚染因子であると結論づけている。 4WHO International Agency for Research on Cancer "Tobacco Smoke and Involuntary Smoking" IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans, Vol. 83, 2002 同委員会は、「受動喫煙はヒトに肺癌を起こすと結論づける十分な証拠がある」と報告している 5Schick S, Glantz S. (2005). "Philip Morris toxicological experiments with fresh sidestream smoke: more toxic than mainstream smoke.". Tob Control. 14 (6): 396-404. PMID 16319363. 6 2006年米国公衆衛生局長官年次報告 7 Boffetta P. (2002). "Involuntary smoking and lung cancer". Scand J Work Environ Health 28: 30-40. PMID 12058801. 8 "Monographs Programme report on SHS" DiFranza JR, Aligne CA, Weitzman M. (2004). "Prenatal and postnatal environmental tobacco smoke exposure and children's health". Pediatrics 113: 1007-1015. PMID 15060193. 10 [http://www.surgeongeneral.gov/library/secondhandsmoke/factsheets/factsheet6.html 2006年米国公衆衛生局長官年次報告