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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ドイツ・ヨーロッパ映画
終末なのでどうにかなるか?と思い、シリアスな映画を
鑑賞したが、どうにもならない気分になってしまった。 ボスニア紛争とは・・ ユーゴ解体の動きの中でボスニア・ヘルツェゴビナは1992年に 独立を宣言したが、独立時に約430万人の人口のうち、 民族構成の33%を占めるセルビア人と、17%のクロアチア人 44%のボシュニャク人(ムスリム人)が対立し、セルビア人側が 分離を目指し、4月から3年半以上にわたり戦争となった。 両者は全土で覇権を争って戦闘を繰り広げた結果、 死者20万、難民・避難民200万が発生したと言われ、 第二次世界大戦後の欧州で最悪の紛争となった。 ウィキペディアより抜粋 ノー・マンズ・ランド 2001年 フランス/イタリア/ベルギー/イギリス/スロヴェニア 監督 ダニス・タノヴィッチ あらすじ ↓ 1993年6月、濃い霧のため、道に迷ったボスニア軍の兵士たちが たどり着いた先は、敵陣の真っ只中だった。 一斉にセルビア軍の攻撃を受けるボスニア兵、生き残ったのチコ は、必死で塹壕に逃げ込む。 そこは、セルビアとボスニアの中間地帯 ノー・マンズ・ランド と呼ばれる場所だった。 感想 ややネタバレあり ↓ 『ノー・マンズ・ランド』が意図するのは、責任追及ではない。 悪いことをしたのが誰なのかを指摘する映画じゃないんだ。 僕が言いたいのは、あらゆる戦争に対して、 異議を唱えるということだ。 あらゆる暴力に対する僕の意志表示なんだよ。 と、公式ホームページでタノヴィッチ監督は語っていた。 映画は、ドキュメントのように見ることが出来る。 どちら側に肩入れするでもなく、最初から最後まで 中立的な傍観者の様な感じで。 そして、監督が描きたかったあらゆる暴力に対するメッセージ が、救いようのない思いと共に深く胸を突き刺す。 映画の中に登場する国連軍、そしてパパラッチのような 報道陣は、ある意味私達の姿。 ただ傍観することしか出来ない苛立ちと、偽善的な安っぽい ボランティア精神が交互に現れては消え、なんとも 複雑な心境になる。 やはり戦争とはこういうものなんだ。 納得できる争いなどないのだろう。 救いようのないラストに、ただただ呆然とすることしか できない。 激しい戦闘シーンを交えずに、ここまで、争うということの 残虐性、空しさが伝わってくるのは凄い。 これは、秀作でしょう。 「麦の穂をゆらす風」では、主人公に肩入れして しまったので、ラストを受け入れられなかったが、 この作品は、最後まで、中立の立場で見られた。 それが凄いこと。 私達もノー・マンズ・ランドにいたのかもしれない。 強くお勧めしたい作品。どうにもならない気持ちに なるかもしれませんが・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.07.21 02:56:05
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