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2007.07.20
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ショック終末なのでどうにかなるか?と思い、シリアスな映画を
 鑑賞したが、どうにもならない気分になってしまった。
  
 ボスニア紛争とは・・
 ユーゴ解体の動きの中でボスニア・ヘルツェゴビナは1992年に
 独立を宣言したが、独立時に約430万人の人口のうち、
 民族構成の33%を占めるセルビア人と、17%のクロアチア人
 44%のボシュニャク人(ムスリム人)が対立し、セルビア人側が
 分離を目指し、4月から3年半以上にわたり戦争となった。
 両者は全土で覇権を争って戦闘を繰り広げた結果、
 死者20万、難民・避難民200万が発生したと言われ、
 第二次世界大戦後の欧州で最悪の紛争となった。
          
                      ウィキペディアより抜粋

 かちんこノー・マンズ・ランド
 2001年 フランス/イタリア/ベルギー/イギリス/スロヴェニア
 監督  ダニス・タノヴィッチ
  
 
 あらすじ ↓
 1993年6月、濃い霧のため、道に迷ったボスニア軍の兵士たちが
 たどり着いた先は、敵陣の真っ只中だった。
 一斉にセルビア軍の攻撃を受けるボスニア兵、生き残ったのチコ
 は、必死で塹壕に逃げ込む。

 そこは、セルビアとボスニアの中間地帯 ノー・マンズ・ランド
 と呼ばれる場所だった。

 感想 ややネタバレあり ↓
 『ノー・マンズ・ランド』が意図するのは、責任追及ではない。
 悪いことをしたのが誰なのかを指摘する映画じゃないんだ。
 僕が言いたいのは、あらゆる戦争に対して、
 異議を唱えるということだ。
 あらゆる暴力に対する僕の意志表示なんだよ。

 と、公式ホームページでタノヴィッチ監督は語っていた。

 映画は、ドキュメントのように見ることが出来る。
 どちら側に肩入れするでもなく、最初から最後まで
 中立的な傍観者の様な感じで。

 そして、監督が描きたかったあらゆる暴力に対するメッセージ
 が、救いようのない思いと共に深く胸を突き刺す。

 映画の中に登場する国連軍、そしてパパラッチのような
 報道陣は、ある意味私達の姿。
 ただ傍観することしか出来ない苛立ちと、偽善的な安っぽい
 ボランティア精神が交互に現れては消え、なんとも
 複雑な心境になる。

 やはり戦争とはこういうものなんだ。
 納得できる争いなどないのだろう。
 
 救いようのないラストに、ただただ呆然とすることしか
 できない。

 激しい戦闘シーンを交えずに、ここまで、争うということの
 残虐性、空しさが伝わってくるのは凄い。

 これは、秀作でしょう。

 「麦の穂をゆらす風」では、主人公に肩入れして
 しまったので、ラストを受け入れられなかったが、
 
 この作品は、最後まで、中立の立場で見られた。
 それが凄いこと。
 私達もノー・マンズ・ランドにいたのかもしれない。

 強くお勧めしたい作品。どうにもならない気持ちに
 なるかもしれませんが・・・        





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最終更新日  2007.07.21 02:56:05
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