映画「ヴェニスに死す」Death in Venice を鑑賞。
7月になってCS放送・クラシカジャパンでは特集番組で バーンスタイン指揮:マーラー:交響曲全集の特集を始めた。 正直、クラシカジャパンは毎月繰り返しのプログラムが多いので もう止めようかと月末になるたびに思うのだが結局ずるずると 今まできている。 このマーラー全集は確か5,6年前に一度企画されていて マーラーの交響曲第4番のみ欠落(録画し忘れ)していたので 結局今月も継続と相成った。(笑) 放送された第4番の終楽章をちらっと鑑賞したけど 終楽章に登場した名歌手、エディト・マティス (実際は第3楽章から登場して椅子に座りながらキョロキョロしていたのが却って面白い。) [(Edith Mathis, 1938年2月12日 - )スイスのソプラノ歌手。 夫は指揮者のベルンハルト・クレー] の表情の愛らしいこと、1972年年の録音ですから今から38年前ですね。 ↑ ほぼ現在のPhotoであり 1992年からウィーン音楽大学の教授の職にあります。 さて映画「ヴェニスに死す」 ダーク・ボガード:(アッシェンバッハ) ビョルン・アンドレセン:(タージオ) シルヴァーナ・マンガーノ:(タージオの母) ロモロ・ヴァリ:(ホテル支配人) マーク・バーンズ:(アルフレッド) マリサ・ベレンスン:(アッシェンバッハ夫人) 監督:ルキノ・ヴィスコンティ 音楽:グスタフ・マーラー 1971年(130分) このDVDはTSUTAYAレンタルではなく書棚で埃をかぶっていたのを発見、 10年前位に購入して今回が2度目の鑑賞。 トーマス・マンの短編小説の映画化で原作では主人公アッシェンバッハの職業は 作家だが映画では作曲家になり、彼の風貌と当時親交のあったシェーンベルクとの 「美」の論争シーンを見たりすると、まさしくマーラー自身をモデルにしたもの。 ドイツの高名な老作曲家アッシエンバッハは静養のために赴いたヴェニスで究極の美を体現したような美少年タージオに出会う。ゆるくカールした金髪と澄んだ碧眼の瞳。まるでギリシャ彫刻のようなタージオにアッシェンバッハは次第に心奪われてゆく。。。、以来作曲家は浜に続く回廊を少年を求めてさまよう。疫病に罹ってもなお、死化粧をその顔に施させヴェニスの町を徘徊し、やがて疲れた体を海辺のデッキチェアに横たえる。波光がきらめく。満足の笑みを浮かべつつ涙し化粧は醜く落ちていく……。そして死。 全編にわたりマーラー:交響曲第5番のアダージェットの旋律が流れることで 知られた映画だがセリフが極端に少なくヴェニスの風景と周りのざわめきに マーラーの音楽が妙にマッチして不思議な時が流れる。 10年後にまた観てみたい作品だ。 もっとも管理人がまだ生きていればの話しだが。(笑) にほんブログ村