|
テーマ:おすすめ映画(4068)
カテゴリ:アメリカ映画
≪笑って泣いて、クリント・イーストウッドのヒューマン・コメディ≫
ワイルド・ウエスト・ショーは早撃ちや馬の曲乗りなどの西部のショーを見せて巡業している一座。そのリーダーがビリー。 ニューヨークから結婚するためにカンザスまでやってきたリリー。莫大な遺産を相続する彼女だが、30歳までに結婚しないと相続できない。それで好きでもない男とその為に結婚する事になった。 ビリーはワンマンなリーダーで、気に入らない事が起きればどしゃ降りの雨の中でも車を止めて説教するような男。それでも仲間たちは彼を尊敬し、給料は僅かでもついて行きます。この座員たちは元犯罪者だったりネイティブ・アメリカンで苦しい生活をしていた言わば弱い立場の人達です。ビリーは口は悪いけど仲間の為には惜しみなくお金を使い、頭を使っていろんな苦境を切りぬけていきます。まさに頼り甲斐のある真のリーダー、経営者なんですね。 苦しい時は一緒に苦しみ、少しでも収入が増せば仲間と一緒に分け合う。まずは君たちのおかげだよ、ありがとう、という姿勢が大事なのですよね。 この映画を観てある経営者の事を思い出しました。この方はビリーとはまるで違います。苦しい時文句も言わず一生懸命働いてきた従業員にねぎらいの言葉や、ちょっと慰労に飲みに連れて行くと行く事もなく、一時期の不況から脱して今叉景気が良くなったにも関わらずまずは自分たち、家族のことが一番、未だに従業員にはお礼の一言もないらしいです。映画とは言えどビリーの爪の垢でも煎じて飲ませてあげたい… 昨日聞いた話なのでついこんな事を書いてしまいました。 クリント・イーストウッドの監督・主演作ですが、ここでの彼は実にコミカルでハートフルです。ちょっと怒った時に眉毛がピンと上を向く表情が、『ダーティー・ハリー』等で観るそれとは叉ちょっと違って笑ってしまいます。 今の時代に列車強盗をしようとするのもおかしい。西部劇の時代の列車と今の列車ではスピードが違うって!(笑) ソンドラ・ロック扮するリリーも最高にイヤな女ですが、ニューヨーク娘も次第に粗野だけど人間味溢れたビリーに惹かれて行きます。 そして最後の星条旗で出来たテント。アメリカの中の弱き立場にある人達へのオマージュと言う感じがします。 今はおじいちゃんになっていい味出してるクリントですが、私はこの頃クリント・イーストウッドやスティーブ・マックウィーンといった当時の私からしたら中年の俳優が好きでしたね。渋くてとにかくカッコ良かった。 『ブロンコ・ビリー』も本当に久しぶりに観ましたが、こんなに面白くて心温まる映画だったのかと再発見です。 クリントはいい映画を作りますね。 BRONCO BILLY 1980年 監督:クリント・イーストウッド 脚本:デニス・ハッキン 出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、ジョフリー・ルイス、スキャットマン・クローザース お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アメリカ映画] カテゴリの最新記事
|
|