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カテゴリ:アメリカ映画
これも観てから随分経っているけど、第82回アカデミー賞の作品賞、監督賞など6部門を制した、アメリカ軍爆弾処理班にスポットを当てた映画。 2004年のイラク、バグダッド郊外。アメリカ陸軍爆弾処理班に新リーダー、ジェームズ二等軍曹が着任した。だが彼は、安全面の作業順序等を無視し、死をも恐れないような振る舞いで淡々と爆弾を処理していく。そんな彼の様子に部下たちは不安を募らせる。 この映画では所謂、銃撃戦とかの戦争映画に普通見られるようなシーンは出てきません。兵士達は、市中のいたるところに、又は人に仕掛けられた爆弾を処理する専門部隊員たち。 任務完了まで38日、30日、20日、となって行く数字を見ながら、彼らと共に私もその日数が早く過ぎてくれないかと、祈るような気持ちで見ていました。 現代の戦争は見えない敵との戦い。脚本家が実際に何週間もイラクで爆発物処理班と共に行動したと言うだけあって、爆弾を処理する様子には緊迫感があり、その処理後は、見ている側も一気に疲れが増してしまうような感覚を覚えました。手持ちカメラを使っていたので、実際にちょっと見にくい部分もあるのだけど、其れゆえに緊迫感とか、まるでドキュメンタリーのような臨場感がリアルに描き出されてもいます。 兵士たちは大義なき戦争でも行かなければならず、任務を遂行しなければならない。ただ、一度その場に足を踏み入れると、冒頭の「戦争は麻薬である」の言葉どおり、そこは精神に異常をきたすほど恐ろしく、救いようのないもの場所なのだと思います。 ただ、これはあくまでもアメリカ側から見た戦争映画。それをふと考えてしまったり、そう考えると醒めた目で見てしまったりしたのですが。それでも、筋の通った反戦を意味する作品だと思います。 最初に「ハートロッカー」と言うタイトルだけを聞いた時は、『Heart Rocker』だと思っていました。しかし実際は『The Hurt Locker』、軍隊の隠語で〔究極の苦痛に晒される場所〕とか〔いるだけで心が痛む場所〕だと言うのを聞いて、日本語でカタカナで書いてしまうと、こうも真反対の意味になるのかとちょっと変な気持ちもしました。 〔いるだけで心が痛む場所〕か。戦場はどこもHurt Lockerなんだと思います。 鑑賞後は本当に、こちらも疲れてしまいました。 それにしても、ご存知のとおりビグロー監督の元夫はジェームズ・キャメロン監督で、この年のアカデミー賞では元夫婦でオスカーを争ったわけですが、ビグロー監督は女性とは思えないような、実に男臭いハードな映画を撮る人でカッコいいです。 THE HURT LOCKER 2008年 アメリカ 監督:キャスリン・ビグロー 脚本:マーク・ポール 出演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モース 他 【26%OFF】[DVD] ハート・ロッカー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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