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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
≪三姉妹と父親のちょっぴり切なく、温かな家族のドラマ…考える事多々有り≫
昨日のグッバイ、レーニン!を観て、同じように病気になった親の看病や兄弟の協力といった事を考えると、この『電話で抱きしめて』も似たような状況だと思いました。 三姉妹の長女ジョージアは女性誌の編集長で上昇志向の強い、バイタリティ溢れる仕事人間。車に例えるとランボルギーニのようなスーパーカー。父親曰く、将軍タイプ。 次女のイヴはイベント会社を経営し夫とひとり息子と共にロスに暮らす父親思いのお人好しな性格。 三女のマディは自由奔放、悪く言えばいい加減な性格のソープドラマの女優。父親に言わせると、軍隊に入隊も出来ないようなタイプ。 そして、かつては映画の脚本家として売れていた彼女達の父親。しかし、妻と離婚してからはアルコールに浸り、幾度となく問題を起こしたお騒がせな人。 その父親が老人性痴呆性になり入院する事に。 父親は無類の電話好き。そして今は離れて暮らす娘達も電話魔で、父親が入院してからは特にイヴは片時も電話を話せない状態です。 ジョージアとマディは父親のことはイヴにまかせっきり。仕事や家庭のことでも忙しいのに父親の事まで一人できりもりしなくてはならないイヴはキレそうになります。 親にも波長の合う子とそうでない子はあるもので、子供側からしてもお父さん子、お母さん子と言う風にいろいろあります。ここで一番のパパッ子はイヴであり、父親も叉イヴを一番のお気に入りで、他の事は忘れてもイヴの電話番号だけは忘れないのです。 離れている家族が電話を通してコミュニケーションを取る。電話は必要不可欠。でもイヴはその電話に振りまわされどおし。 現代人の生活はまさに電話なし、携帯なしではなりたたないようなものです。携帯電話ってなければないで良かったものを、一度持ち始めるともう手放せない。一度携帯を忘れて出かけたら落ち着かない事この上なしっといった感じでした。 この作品の原題は"Hanging Up" 電話を切る という意味ですが、もし電話の全くない生活をしたらきっと不安でたまらいでしょうね。でもずうっとそうだったら慣れてしまうのかもしれません。 痴呆症になってしまった親。その面倒を見る為に一人で全部抱えこんでしまう次女。姉妹でケンカしながらも、3人で父親の最期を看取り昔を思い出し仲直りする彼女達。いろいろ考えてしまいました。どこの家庭にも起こり得る問題です。 個性のある三姉妹にステキな女優さん達が出演し、お騒がせだけど愛すべき父親にウォルター・マッソーが扮していますが、老いてもさすがに味のある役者さんです。これが生前最後の出演作かもしれません。 HANGING UP 2000年 監督:ダイアン・キートン 脚本:ノーラ・エフロン、デリア・エフロン 出演:メグ・ライアン、ダイアン・キートン、リサ・クードロー、ウォルター・マッソー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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