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カテゴリ:アメリカ映画
≪部屋から一歩も出ないカメラワーク。見事な演出で主人公に感情移入できる作品≫
ヒッチコック作品では私にとっては一、二を争う大好きな映画です。 作られたのは50年前。今ではとても考えられないようなシチュエーションなのですが、アメリカもこんな時代があったのだなあ、と思えるような作品です。 ニューヨークのダウンタウンのアパートの一室。報道カメラマンのジェームズ・スチュアートは足を骨折して椅子に座ったままの不自由な生活。そんな中退屈しのぎに中庭を挟んだ向かいのアパートの様子を窓から見ていた。いろんな家がある中、彼はある夫婦に注目する。あの部屋で夫は妻を殺し、死体をトランクに詰めてどこかへ送ったのではないか。恋人や看護婦の力をかりて彼の推理を立証したいと試みるが… 裏窓から見えるアパートは、レンガで外に階段のついた、あのいかにもニューヨークのアパートなんですね。そこに住む人たちは実にオープンで、カーテンもしなければ、どんな格好をしていても平気で窓を開けっ放しにして大声でしゃべりもするし、音楽を大きく鳴らす。 住人もさまざまで、その住人の1人1人、一家族一家族にこちら側から見ていてもドラマがあるのがわかるのです。その辺が実に上手いです。 身動きとれずに退屈なカメラマンは双眼鏡やカメラの望遠レンズを使ってのぞきをする。これ自体はいけない行為なんですけど、まあ、ある意味のどかな時代背景を醸し出しています。 前半はひたすらのぞいて、恋人のグレイス・ケリーと結婚するの、しないのとちょっとかったるくなりそうですが、そのへんが又昔の映画のいいところなんですよね。 そして後半、身動きが取れない男の心理が自分と重なりハラハラ、ドキドキさせられて緊張感は一気に高まります。 ヒッチコック監督作品は、ラストが軽すぎるくらい軽く終わるものも結構ありますが、本作品のラストはすごくいいです。 事件後のスチュアートとケリーはセリフこそありませんが、今後の二人の行方を何となく匂わせて終わっています。「あなたについて行くわよ」的でありながら、本当は…みたいなラストがお茶目。 ケリーのファッションも当時を物語り、とってもステキで、そして言うまでもなく彼女はとても美しい。 REAR WINDOW 1954年 監督:アルフレッド・ヒッチコック 原作:コーネル・ウーリッチ 脚色:ジョン・マイケル・ヘイズ 出演:ジェームズ・スチュアート、グレイス・ケリー、ウェンデル・コーリー、セルマ・リッター お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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